セリオン共和国再興記 もしくは宇宙刑事が召喚されてしまったので・・・

今卓&

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見知らぬ大地に降り立ちて 2

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キーツは大股で医療室を出ると隣の自室へ向かう、ジルフェの操艦技術は卓越したもので、現地民との距離を置きつつの不時着という難題も艦内機関に影響を残さない見事なものであった、その証拠にキーツの部屋に飾られた安定性が極めて悪い女性の立像も、地球にて数度の地震にはまったく耐えられず転げ落ちてばかりいた代物であったが、飾り棚の上に直立したままであったのである。キーツはジルフェに賛辞の言葉を送るも、当のジルフェは当然ですと実に機械的な反応であった。

そこからキーツは自室とアヤコの部屋を廻り、地階へ降りた、犯罪者を捉えている牢獄に至り、4人の囚人に対応した8つのモニターを順次確認する、時間凍結処理下にある4つのカプセルに異常は無く、内部での障害も発生していないのを確認し、用心の為隔壁の3重障壁に新しいキーコードを設定する。同フロアーの機関制御室に入り、グリーンランプを確認、1階へ上がり格納庫へ、各兵器の固定を確認し、大型兵器の固定爪を締め直す、ソウヤ4番艦の定位置にぽっかりと空いた空間に寂しさを感じつつ、身体を動かすことを優先した。

そこから2階へ移動、兵器庫、ラボ、作業服ハンガーと細々とした部屋を廻り倉庫へ、問題が発生した状況のまま放置された倉庫内は雑然と散らかっているが、とりあえずとちらばった品々をコンテナへ放り込み茶道具のみを持って3階の食堂へ戻り、一息つくこととした。

キーツは食物用レプリケーターを操作し、アヤコオリジナルのレシピを呼び出す、幾つかの品から地球で覚えたとアヤコが嬉しそうに話していた茶色のスープと馴染みの黒パンを選択した。
調理中に茶器を洗っておこうとシンクへ向かうも見慣れない器に、はてどうやって洗うのかそもそも洗ってよいものかと思案するが、まぁ構わんかと適当に水洗いし洗浄機へ突っ込んだ。

「さてと、ジルフェ、今後の対応を検討しようか」
キーツはペーパータオルで濡れた手を拭いつつ、レプリケーターに近いテーブルに着く、

「はい、マスター」
濡れたペーパータオルでテーブルを拭いた後、丸めたそれをテーブル脇のリサイクルボックスへ放り込むと、

「まずは、アヤコの捜索救助、これだ第一だ」

「はい、マスター、異論はありません」

「アヤコがどういう状態にあるか皆目検討もつかないが・・・」
ふと最悪の状況に考えが及ぶもそれを言葉にするのに非常な不快感を感じ、言葉を詰まらせる。

「・・・アヤコであれば、どんな状況でも何とかする、絶対に」
自分に言い聞かせるように言葉を続けた、

「勿論です、マスター、ミストレスはパネェです」

「・・・何それ」

「ミストレスが教えてくれました、称賛の言葉だそうです、誉め言葉であり、半端ないの短縮語だそうです」

「あいつ、変な言葉好きだよな」

「同意致しかねます、言葉は潜入同化の最優先事項であると認識致します」

「まぁ、そうだけど」
調理終了の機械音が響きキーツは椅子に座ったままレプリケーターのトレイに手を伸ばす、水が欲しいなと周囲を見渡し結局立ち上がって飲料ボトルを手に取った、

「ちゃんと飯食えてるかな」

「その点については、ミトスレスはマスターを遥かに凌駕する技術を身に着けていると考えます」

「そうかな、うん、・・・そうだね」
キーツは席に着き、黒パンを毟り口へ運ぶ、

「美味いな、レプリの黒パンだけはお勧めだ、そう思わない?」

「食事の経験がありませんので、同意しかねます」

「うん、知ってる」
そう言って、スープへ手を伸ばし口を付けるが同時に吐き出しそうになるのを堪える、

「しまった、味噌汁はパンに合わない」
困ったなと一瞬躊躇するが、しょうがないと諦め黒パンから片付ける事にした、

「ミストレスがいれば、爆笑する所ですか?賑やかしましょうか」

「いらんよ、それよりも、捜索について・・・というか今回巻き込まれたワームホールと言ってよいと思うが、あの事象は何だと思う」

「はい、観測データと類似するデータを検索してみましたが、該当するものはありません、中央への問い合わせも試みましたが、勿論ですが返答はありません」

「推測は可能?」

「はい、推測で良ければですが、宇宙の重なり合わせ理論を構築したシュット・クライゼン教授の論文に予測として次元空間のワームホール自然発生に関する記述があります、他同様のテーマに基づく論文は2千を越えますが、現時点ではどれも実証されておりません、それらを総合的に勘案しますと、極めて稀でありますが、通常空間の干渉により次元空間内に歪みが発生、その歪みが蓄積しワームホールとしてエネルギーが発散されたのではないかと考えます」

「しかし、それでは同じような事象がもっと観測されそうなものだが」
キーツは思案を巡らす、恒星間航行から銀河内航行への技術向上の過程で、銀河連合に所属する各文化圏はほぼ必ずと言ってよいほど次元空間を活用したワープ航法を確立している、その基礎的な理論は初等教育で教えられるほど一般的な知識であり、ワープ航法を応用した次元空間の利用は、日常生活においても通信分野・運送業・惑星上の移動手段等々転用可能な分野には、それはやり過ぎだろうと思える分野にまで遍く利用されている技術である。
それを踏まえると銀河連合の規模を考えただけでも通常空間から次元空間への干渉は計測するのが難しい程膨大で、またそれに使われたエネルギーも比例していると考える、ジルフェの言う干渉による歪みの蓄積が原因であるなら、数刻前のあの事象が銀河連合国家群初の遭遇であるとは到底思えないし、今日まで発生しなかったのが不可解ですらある。

「データを中央のラボに送りたいな、勲章ものの大発見だよねぇ」

「はい、マスター、この事象をキーツワームホール又はアヤコワームホールと名付けたいと考えますが、如何でしょうか」
好きにしろ、とキーツは言って黒パンの残りを頬張り味噌汁で流し込んだ、うん、やはり合わない、が、慣れればいけるか等と思いつつボトルの水を追加で呷り、大きく息を吐いた。

「それでと、第二は第一を達成した上での、母星への帰還だ、第一に何らかの決着が着かない限り後回しで良いが、現在地が不明である点が最大の問題点だ、現在地に関する情報はどれだけ有る?」

「はい、現在地に関する詳細を述べますと、標準型知性体揺籃惑星と規定される点は説明致しましたが、惑星情報はデータベースに存在しません、本艦センサーによる恒星及び衛星、星の配置等々から推測致しますと我々の拠点銀河内では無い可能性が高いです、より正確な位置情報は観測衛星を待つ必要がありますが、それでも分らないという結果が得られる可能性が高いと考えます」

「・・・我が銀河連合の誇る最新型巡視艇とデータベースを持って「分らない」しか分らないとは皮肉だな」

「申し訳ありません、次元空間へのアクセスも不安定です、継続してアクセスを試しております」

「不安定とは、そんな現象は聞いた事が無い」
キーツは額に手を当て、自分の置かれた状況に顔を顰める、

「はい、次元空間内の銀河ネットワークを検出できません、次元空間へのアクセスそのものも不安定です、考えられる原因としまして、拠点銀河から離れすぎており次元空間との重ね合わせが希薄な地点であるからと推測しますが確定ではありません」

「・・・ということは・・・」
キーツはボトルを呷る、

「帰還の方法として、次元航法も通常航法も使えないという事か・・・」

「はい、どちらも現時点での解決方法としては不確定要素が多すぎます、確実な方法ではないと考えます」

「すると、母星へ戻るためにはどのような方法がある?」

「はい、遭遇したワームホールを逆に辿る方法、未知の領域を探索し拠点銀河へ戻るワームホールを発見する事、等ですがこちらもお勧めできる方法ではありません」
キーツは深いため息を吐いた、端的に言えば絶望的な状況である、明確で確実な解決方法が見付からない、こんな時にアヤコが居れば何とか知恵も出せそうであるがそれも望めない、最新鋭の機械に囲まれこれほどの閉塞感を味わうのは初めてであった。

「となると、まずは艦内の問題についてだが」
キーツは天井を仰いでテーブルにどかりと両足を投げ出した、アヤコが居たらキーキーと怒られる行為である、

「収容している容疑者について・・・、時間凍結の進度を下げるか・・・、今は標準?」
時間凍結とは収容物の時間の進み方を遅らせる処置である、それはあらゆる物質に対応可能で生物にも有効な拘束手段である、勘違いしてはならないのは遅らせる処置であって、完全に停止する事はできない、それはあらゆる物質の活動停止を意味し、素粒子レベルで崩壊させる事と同義である。

「現在は標準の1万倍設定です」

「1万ならいいか、うーんと1日が1万倍で」

「連合標準時間で対日計算ですと31年2か月です」

「充分か、ついでと言っては何だが、アヤコの部屋とアヤコのコンテナも凍結しておくか、後が怖そうだし」

「はい、ミストレスの自室は処置可能ですが、コンテナは現在倉庫Aに収容されております、凍結処置は倉庫Cでのみ可能です、コンテナを移動しますか」

「倉庫Cは殆ど使ってなかったよね、了解、移動を頼む、移動終了しだい処置を開始」

「コピー、ミストレスの自室を閉鎖の上時間凍結処置、倉庫A内のミストレス名義のコンテナを倉庫Cへ移動、移動完了後倉庫Cを時間凍結処置、標準設定にて処置します」

「それと、ラボでアヤコが何がしか実験してなかったか?」

「はい、実験中の案件としまして合成樹脂への退色実験が複数、実験が完了している案件としまして食料品の試作品が複数確認されます」

「なんだそれ、うーん、ラボも凍結しとこうか、いや、実験中か、ほっとくか」

「はい、実験中の案件に関しては経過観察を申し使っております」

「んじゃ、それは続けて貰って・・・うん・・・整理すると、第一第二共に衛星待ちか、監視体制・観測体制が準備完了したとして・・・解決策が明確になる保証は無いと」

「はい、命題とされる2点についてはその通りかと考えます」
手詰まり感に苛立ちを感じる、何かをしなければならない、やるべき事がある筈と漸く回転し始めた脳髄が動け動けとせっついて来る、天を仰いでぎゅっと眼を閉じ胸の上で組んだ両腕に強く力を込めて自身を縛り付け、目的も無く動き出そうとする衝動を抑え付けた。
しかし、何もしないという選択肢は悪手であろう、

「・・・外部映像をテーブルモニターへ」
キーツは椅子へ座り直し、食卓兼会議テーブルのモニターを起動させる、テーブルの中央部から半透明の衝立がせり上がりモニター機能が起動された。

「はい、暫定方位に従い四方をモニターへ送ります」
モニター内に四つの外景が投影された、北側と東側に青く広々とした海洋が広がり、西側と南側には重い緑色に生命を内包した広大な森林が広がっていた、キーツは既視感に囚われ軽い混乱に眩暈を覚える、

「・・・どこかで見た景色・・・だね・・・、地球かな?」

「いいえ、映像は本惑星です、標準型知性体揺籃惑星の標準的な自然環境であると規定されます」

キーツは新たな問題点に気付き、後ろ頭を掻いた、
「うーん、これは困ったな、軽々しく生身で外出が難しいか?」

「はい、生物学的調査を行い、免疫調査、検疫検査等、各種手続きを踏みませんと船外作業服を使用しない外出行動は連合規約に違反致します」

生命に溢れた惑星である、それは祝福される事で喜ばしい事であった、と同時に未知の細菌、生命体、知性体に溢れているという事であり、特に未知の細菌類・病原菌は惑星外生命体にとっては生命の危機を意味している、銀河連合の歴史に於いてもそれら見えない物質により探検隊が全滅した事実は枚挙にいとまがない。また逆の視点から論ずれば、訪問者が菌をばら撒く懸念がありそれはまさに自覚の無い生物兵器であった。

つまりは高度な技術を持った訪問者といえど所詮生物なのである、生物とはそれ単体で生命活動を維持する事は稀であり、様々な菌や細胞内異生物を無意識下で制御することにより、自己の生命活動を円滑に運用しているものである、しかしながらその菌や異生物が惑星環境を破壊する事例もまた枚挙にいとまがない、銀河連合の歴史上3つの大規模な破壊例が有り、その反省から生まれた諸々の規約は他惑星へ出向く者が最も遵守しなければならない約束事として周知されていた、キーツが対する犯罪者もその点だけは連合規約に従っている程である。

「うーん、俺の滅菌は可能として暫くはヘルメットが必要かな、ヘルメットだけで充分?」

「はい、周囲8.5km内の外出であれば、滅菌作業は標準レベルの処置で充分かと考えます、大気組成は地球のものと大差ありませんので、細菌フィルターを装備したヘルメットのみで活動可能ですがお勧めいたしません、ジェルスーツ及びいずれかの船外スーツの使用をお勧めいたします」
周囲8.5km内の規制は、事が起こった場合の焼却可能な範囲でもある。

「わかった、戦闘ユニットは・・・、やり過ぎか、一応警棒は持っていこう、それとソフトタイプの船外スーツを用意してくれ」

「はい、2Fハンガーに用意致します、外出されますか?」
キーツは、そうだなと言って勢いよく立ち上がり、

「この時間を有効に使おう、調査任務として周辺探索、生物サンプルの収集を主目的とする、範囲は本艦周囲8.5km以内、任務記録を頼む」

「はい、作業支援にジュウシを帯同致しますか」
ジュウシとは自立型支援ロボットである、用途によりサル・イヌ・キジの補助ユニットを付け替える事が可能で、ジルフェ一機を連結して使用する、

「そうだな、ユニット・サルで同行」

「コピー、調査任務として事前作業より記録開始致します、連合暦に続き001番として記録、ジュウシ起動ジルフェ接続、サルユニット装備、マスターの外出に先立ち船外へ射出待機致します」

キーツはジルフェの復唱を確認しながら、2Fハンガーへ足を運ぶ、未知の惑星探査は初体験だなと今更ながらに気付き軽い高揚感に包まれた、キーツが軍部に入る頃には銀河内の可住惑星と考えられる惑星のうち次元航法で行けるそれはほぼ全て探査が済んでおり、非可住惑星の探査は作業ロボットによるルーチンワークと化していた、半自動で情報のみを本部に送ってくる探査業務は実に味気ないもので、銀河連合内の該当部署は学者肌というより情報分析を得意とする老人が多い印象がある、銀河連合発足当時は冒険者気質の若者と様々な分野の血気盛んな学者が喧々諤々と活気があったと歴史書に書かれるほどで、今では往時の勢いは無くなったとこれまた老人の記した回顧録にて嘆きとも憂いとも取れる愚痴を流し読みした記憶がある。
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