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本編

71話 晩餐会、そして その37

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それから夕食となった、生徒達は思う事もあったが、エレインの膝の上でパタパタと短い腕を振り回すマリエッテに夢中になってしまう、

「マリエッテちゃん、おっきくなった?」

「少し重くなったんでちゅよー、ねー」

「そんなに変わらないでしょう」

「変わりましたー、私には分かるんですー」

「もう、一月も離れていた訳ではないでしょ」

「えー、一年くらい会ってないですー」

「大袈裟よ」

エレインは見事にやに下がり、デレデレとだらしが無い、テラはまぁ元気になったようだと取り合えず安堵した、仕事終わりに二階に上がってみれば、エレインはお昼寝中のマリエッテの側から離れず、寝息を立てるその顔を飽きもせず眺めており、乳母が困り顔で見守っていた、テラはまったくと乳母と微笑み合ってしまう、その隣りのテーブルでは、

「お馬さんいっぱいいたー」

とミナが嬉々として自慢話である、

「そんなに?」

「うん、イース様が凄いだろーって言ってたー、凄かったー」

「イージス君も見て来たの?」

「はい、凄かったです、騎士団の皆さんが駆け回ってました」

「いいなー、見たいなー」

「ねー」

「うふふー、あのね、あのね、イース様が今度乗せてくれるって言ってたー」

「えー、いいなー」

「でしょー」

満面の笑みを浮かべるミナと、こちらも満足そうにニコニコと微笑むイージスである、イフナースがタロウとイザークを連れて荒野に向かったすぐあと、ミナもイージスも双六には飽きてしまい、ミナはエレインと共にマリエッテを構い始め、乳母はそろそろ午睡の時間ですよと二人に微笑むも、エレインは悲しそうに乳母を見上げるばかりで、乳母はどうしたものかとマリアを伺う、マリアは今日はもう王都に戻って仕事をする事も出来ないであろうとすっかり寛いでおり、そこへアフラが顔を出して、どうせだったらとミナとイージスを焼野原の天幕へと誘ってくれた、これには二人は歓喜の声を上げ、レインも興味があるのかヒョコリと立ち上がる、そしてマリアも最前線となる天幕を見たことがないなと同行する事になった、しかし流石にマリエッテを連れ行くのは難しかろうと後を乳母に任せるが、肝心のマリエッテをエレインが手放さず、マリアは赤子は寝るのも仕事だとエレインに釘を刺し、エレインは今にも泣きそうな顔で乳母にマリエッテを預けていた、しかし、そうなると今度は乳母から離れないエレインである、仕方ないと、乳母は寝台にマリエッテを寝かせ、エレインは床に膝をついて寄り添ってしまった、マリエッテもマリエッテですぐに寝入る事は無く、ムズムズと蠢いており、その様子をエレインは優しい瞳で見入っていた、そっと差し出した人差し指をマリエッテが掴み、ムフフとにやつくエレインである、まったくとマリアと乳母は苦笑いを浮かべてしまうが、まぁ今日は好きにさせるかと微笑み、マリアと子供達はぞろぞろと荒野へ向かった、そこでミナ達が目にしたのはもうすっかり軍団基地へと変貌した荒野の焼け野原である、レインはすぐにその違和感に気付くが特に口を出す事は無かった、ソフィアかタロウが一緒に居れば文句の一つもぶつけたであろうが、その相手がいない、ムゥと不愉快そうに顔を顰める、しかしその隣では、ミナとイージスが広いだの、カッコイイだの、お馬さんだーだのと駆け出してしまい、アフラが慌てて追いかけていたりする、流石のアフラも子供の扱いは慣れていない、もしイージスだけであればまだ御しやすかったであろうが、何かにつけて騒がしいミナがいるのである、イージスもミナにつられて駆け回る有様で、マリアが大事で叱責し何とかその小さな騒動は落ち着いた、

「他には?他にもあった?」

「えっとね、えっとね、ピカピカだったー」

「もう、近衛兵ですよ、ミナさん」

「そうだっけ?」

「教えたでしょー」

「そうだ、コノエヘイなんだってー、クロノスみたいにピカピカだったー」

「へー、あっ、そっか、イース様がいればそうなるんだよね」

「うん、なんか頼もしいねー」

「だねー」

ジャネットとルルが羨ましそうに感心し、ケイスとグルジアも近衛兵かーと想像を巡らせる、やはりその名は別格であった、一般兵と違って数も少なければ実力も確かと聞いており、まして王族や貴族の脇を固める精鋭なのである、ミナがピカピカというその意味は今一つピンとくるものでは無かったが滅多に見られる存在ではない、

「あとは?あとは?」

「えっとねー、あとはねー、あっ、こんなでっかい天幕?があったー」

ミナが大きく手を振り回す、

「でっかい天幕?」

「うん、裏山にあるののすんごい大きいやつー」

「へー、そんなのまであるんだ」

「もうすっかり準備してたんだねー」

ルルがホヘーと目を丸くする、ジャネットがこういった話題を好むのは当然であったが、ルルもすっかり引き込まれてしまっていた、ルルは正直な所明確な目的は定めずに学園に入学している、ゲインからお前は外の社会を見るべきだと諭され、ルルとしても興味が無かった訳では無い為ホイホイとその甘言に乗ってしまった、そして選んだのは戦術科である、これはゲインからの助言もあった、腕っぷしを鍛えて知識を蓄えるにはその科が一番であろうとの事で、ルルはそういうものなのかと特に考えもしていない、それだけ世間知らずであったのだ、そして入学後、大した時間は立っていないが、すっかりと周囲の生徒達やジャネットに感化されてしまっている、どうしても戦術科は仕官を目指す平民が多く、その意気は高い、それはそれで大変に結構な事であり、ルルも基礎学習の段階ではあるのだが、軍隊へ入るのも面白そうだと感じ始めていたりする、

「うん・・・そっか、ソフィアさんが落ち着けって言った意味・・・分かるかな・・・」

「そう・・・ですね・・・」

グルジアとケイスもうんうんと静かに頷いた、ミナとイージスの何とも拙い自慢話であったが、そこから伺えるのは既に王国は臨戦態勢である事と、しっかり対応していたという事実である、荒野を知らない為、そのあまりの特異性には気付いていないが、頼もしい事だと改めて感じてしまった、

「でねー、真っ黒なのー、レインがねー、すんごい怒ってたー」

レインがジロリとミナを睨む、食卓の準備を終え、皆席に座って配膳を待つばかりであった、そうなるとつまらなさそうに肩肘を着いて、起きているんだか寝ているんだかボーッとしているのがレインの普段の姿である、何とも不愛想な事であった、

「そうなの?」

「・・・まぁの・・・あれは何かあったのじゃな、何かは知らん」

ブスリと答えるレインであった、

「何だろ?」

「真っ黒?」

「うん、真っ黒、ね?」

「はい、父上は焼け跡だって言ってました」

「焼け跡?」

「へー・・・なんだろね?」

と顔を見合わせる一同である、そして寮の二階では、

「うわっ、おいし・・・」

「はい、それに飲みやすいですね」

「うん、これは駄目だわ、やみつきになりそう」

「だねー」

とユーリにサビナ、カトカとゾーイがグラスを見つめて感嘆し、

「確かにこれは素晴らしい・・・」

とイザークも目を丸くしていた、二階のホールで早速とグラスを傾けているのは研究所の四人にイフナースとイザーク、タロウである、そしてその酒は件のソーダ水とレモンで割ったウィスキーである、イフナースは飲み過ぎるとエレイン嬢のようになるからなと意地悪く微笑み、それは注意しなければと女達は苦笑いであった、

「だろう?まったく、出し惜しみしおってからに」

とイフナースがタロウを睨みつけ、

「そんなつもりはないですよー」

とタロウは惚けて微笑んだ、

「嘘を吐け、第一なんだ、他にもあるんだろ?野菜やら食い物やら」

「ありますよー」

「出せ」

「嫌です」

「このー」

どこまでもすっとぼけるタロウにイフナースはまったくと鼻息を荒くする、

「まぁ、酒に使えるのはこのレモンくらいですね、他のはほら、普通の野菜ですから」

「あっ、その野菜なんですが、どうしましょう、畑とかちゃんとした方がいいですよね、土地の確保も必要だと思いますが」

とイザークが口を挟む、午後の打合せで様々な事が決定しており、今までの打合せは一体何だったのやらとイザークを含めた官僚達は目を回し、同席したメインデルトもアンドリースも呆れ顔であった、リンドは急遽王都から呼びつけられ、クロノスも同席し、軍事基地である駐屯地間の連絡網をタロウとリンドが中心として作り上げる事が決定された、実はそれだけで大概の問題は大きく改善されるもので、官僚達もメインデルトも最初からそうしてくれよと言いたそうであったが、そこは自制したようである、しかしクロノスとリンドはそこまでタロウに頼るのもどうかと渋い顔ではあった、散々扱き使っておいてそれもどうかと思うが、タロウ一人に重責を負わせるのは後々問題になりかねないと二人は考えており、故に既にある技術、魔法陣然り光柱に関しても出来るだけタロウ以外の人材で賄おうと考えていたのである、人材の育成という大問題もある為そうしたかったのであるが、イフナースがやたらと強気で、さらにどうやらタロウの思惑も絡み打合せはとんとん拍子でまとまった、

「そうですね、なので・・・はい、春・・・遅くとも夏までにはそれなりにしたいかなと考えております・・・あっ、すいません、あくまで領主様の意向は守りますよ」

「そこは気にして頂かなくても宜しいかと、私からも話しますし・・・そっか、そうなると、あれですか、ちゃんとその農民やら、手伝える者も必要ですね」

「そうなります、出来れば・・・そうですね、こっちの学園のように研究畑の人がいれば嬉しいですが、どうでしょう、農作物に詳しい学者さんなんているもんなんでしょうか?」

タロウは出来ればルカスのような人材がいればと考えるが、難しいだろうなとも思っている、恐らく王国では農作物専門の学者は少ない、学園でもルカスの同僚にあたる農学科の講師達は農家との兼業であったりする、それは実践と経験に裏打ちされた実に賢い人材配置だなとタロウは思うも、やはり専門で研究している者がいれば、任せやすかったりもした、

「なんだ、王都に居るぞ」

イフナースがクイとグラスを傾けた、

「えっ、そうなんですか?」

二人が意外そうにイフナースを見つめる、

「おう、何と言ったかは覚えてないが・・・うん、確か居たはずだ、ブレフトに調べさせるか」

「どのような人物で?」

「ん?そこまでは詳しくないよ、噂では変人だと聞いたがな、まぁ、であればお前さんとは気が合うだろ」

ニヤリと微笑むイフナースである、タロウは、

「確かにそうですね」

とニコリと微笑む、

「おい、ここは否定しろ」

「いや、変人は褒め言葉でしょ」

「絶対違うわよ」

流石にユーリが突っ込み、他の三人もうんうんと頷いている、

「そうか?」

「そうよ、普通の人はね、こんな美味しいお酒はみんなで楽しむものなのよ、黙っているなんて駄目よ、アンタは、変人どころか偏屈よ」

「だよな、言ってやれ先生」

イフナースが仲間を得たとガッハッハと嬉しそうに笑う、

「いや、だからね」

「何がだからよ、他にもあるんでしょ、出しなさい」

「だから・・・」

とタロウは眉を顰め、

「そう簡単にはいかないの、だってさ、あの味を知ったらお前・・・もっと寄越せってうるさくなるぞ」

「・・・そんなに美味しいの?」

「無論だ、まぁ、野菜だからね、そりゃなんだ、旨さの上限ってものはあるんだけどもさ・・・まぁ、数が無いからな、喧嘩になるし・・・せめて、ほら、実際に育てる算段が出来てからでもいいだろ、モヤシみたいにさ」

「随分慎重ですね」

イザークもそこまで勿体ぶらなくてもと不思議そうであった、

「そうですね、大量に仕入れられれば良かったんですが難しくて」

「お前さんでもか?」

「そりゃだって、保存の問題もありますしね、ほら、野菜ですから・・・」

「・・・そう言われると・・・」

「そうかもですね」

とサビナとカトカは理解を示し、ゾーイも確かに野菜は日持ちしないだろうなと考える、

「良かった、味方が出来た」

とタロウが安堵しつつ微笑んだ、そこへ、

「おう、ここか」

とクロノスとリンドが三階から下りて来た、慌てて腰を上げるイザークとそれにつられる研究所員である、

「あー、ここでは礼儀はいらん・・・いや、いるが畏まるな」

クロノスは右手を払ってイザークと女性陣を一睨みする、どっちだよとユーリは叫びかけて押し黙った、そこまで酔ってはいないしクロノスの立場もある、

「始めてたのか?」

ドカリとクロノスが腰を下ろし、リンドはその背後に立つ、

「おう、遅いぞ」

ニヤリとグラスを掲げるイフナースであった。
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