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本編

70話 公爵様を迎えて その39

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それからすぐに公務時間終了の鐘が街中に響いた、フィロメナは生徒さん達が戻るであろうからと今日はここまでと妹達をまとめ、

「じゃ、明日は私とレネイと・・・ヒセラかな?で顔を出します」

それでも若干名残惜しそうに厨房に顔を出してタロウとソフィアに告げた、

「そっか、それもそうだよね、あっ、リズモンドさんに宜しく、何かあったら俺からも説明に行くから」

「それは大丈夫ですよ、ちゃんと話します、それにこれを見たら文句言えないですよ」

フィロメナがニコリと自分の顔を指差した、フィロメナの化粧は実に落ち着いている、昨日までの化粧の反動もあってかフィロメナの美貌を引き立てる事が主眼になっており、派手でも無く、厚くも無く、地味と言っては言い過ぎなのであるが、色数は勿論少なく、目と鼻筋が強調された出来る女が表現された化粧であった、

「ならいいけど・・・あっ、じゃ、これ持って行って」

とタロウは手元の肉を差し、

「ソフィアー、包むものある?」

と振り返った、

「あー、そっか、塊だと難しいわね、こっちの切ったのでいいんじゃない?」

ソフィアがそうなるとと棚から枯葉を持ち出した、肉を包むのにも、野菜を包むのにも当たり前に使っている便利な大きく広い枯葉である、

「そっか、フィロメナさん、御家族って何人?」

「えっと・・・家にはなんのかんので20人くらいなんですが・・・えっ、この肉ですか?」

フィロメナが目を見開いてタロウの手元の肉塊を凝視する、タロウが食堂で何かをやっているのは薄々と感じてはいたが、まさか肉を捌いていたとは思ってもいなかった、ミナがお肉祭りーと騒いでいたが、何のことやらと脱毛に集中していた為もある、その理由がやっと理解できた、

「そうだよ、20となると、まぁ、ソフィア上手い事頼む」

「はいはい、じゃ、ウシとブタを20ずつかな?この部位でいいの?」

「おう、柔らかく食える部分だ、焼くだけで旨いぞー」

「そうなのね、じゃ、フィロメナさんちょっと待っててねー」

とソフィアは慣れた手付きで肉を包み始め、フィロメナは、

「えっ、そんな申し訳ないですよ、そんな、こんな事まで、それにウシとブタって、あのウシとブタですか?」

と学園で見た獣を思い出す、初めて見る獣にノールとノーラが興奮してしまい押さえつけるのが大変で人混みも相俟ってゆっくり見る事が出来なかった記憶がある、その名前だけが記憶に残っていた、

「そだよ、旨いから試してみて、丁度良いくらいに切ってあるから、お塩を振って、鉄板?じゃないな鉄の鍋で、渡した状態でそのまま焼いていいぞ、あっ、牛脂もあるから、脂をちゃんと引いてね」

「ギュウシ・・・ですか?」

「そっ、牛の脂、いっぱいあるからね、これもこれで上手く使えば料理が美味しくなるんだよ」

「あら、そうなの?」

ソフィアが忙しく動きながら問い返す、

「そだよー、使いやすくするにはほら、馬油みたいに抽出したいところだけど、それはまた後だね」

「そっかー、そりゃ美味しいわよね、獣脂だしね」

「そういうことー」

二人の気楽な会話に、夫婦らしいなーとフィロメナは思いつつ、しかしここは遠慮するのが良いのであろうかと悩んでしまう、貴重な技術を惜しげもなく提供され、さらにタロウは気前良く大金を使っていた、それだけでも恐縮するほかなくどうやって返そうかと昨晩は悩むほどであったのだ、ここでどう考えても貴重な食材まで頂いてしまっては大人として社会人として面目が立たない感がある、

「・・・あの・・・そこまでして頂く訳には・・・」

フィロメナがそろそろと口を開く、しかし、

「気にしないでいいわよー、どうせいっぱいあるんだし、その内ね・・・と言っても来年とか?」

「そうだねー・・・来年、再来年にはかな?」

「そっか、その頃には市場でも買えるようになる筈だから、今は何て言うか・・・お試し?」

「そういうこと、だから気にしないで食べてみてよ、元気になるぞ、肉は、まぁ、旨いのは分り切っているんだけどさ、それにこんなにあるからね、遠慮は無用ってやつだ」

タロウは目の前の肉塊をパンパン叩く、タロウの眼前の作業台には肉屋でも始めるのか思われるほどに大量の肉塊が積み上げられていた、

「・・・そう・・・ですか・・・」

ここが大人の難しい所である、あまりに遠慮しすぎるとそれはそれで失礼になってしまい、遠慮しなければしないで失礼な奴だと陰口を叩かれかねない、この夫婦がそのような陰険な類の人種では無い事は理解しているが、なればこそ、遠慮の度合が難しかったりする、

「すいません、では、喜んで頂きます」

フィロメナは笑顔を浮かべる事とした、タロウもソフィアも恐らく遠慮しながら受け取るよりも進んで受け取る方を喜ぶであろうとの判断で、

「ん、良かった、あっ、どっちもそのまま焼いていいからね、ちゃんと火は通して、焼き過ぎないで」

「はいはい、大丈夫よ、フィロメナさんだって肉くらい焼くでしょ」

「あっ・・・すいません、私はほら、実はその・・・料理はからっきしで・・・妹達が得意なもんで・・・その・・・」

フィロメナは困ったなと視線を落した、

「あら・・・そうなの?」

「へー・・・あっ、でも、なんかそんな感じするね」

「ちょっと、失礼よ」

「そう?いいじゃない、完璧超人はモテナイもんだしさ、少しくらい出来ないことは必要だよ」

「何よそれ?」

「何が?」

「カンペキ・・・何?」

「あー、気にするな」

タロウがアッハッハと笑う、どうやら誤魔化しているらしい、

「そっ、はい、フィロメナさん、これごと持って行って」

とソフィアが藁籠に肉を詰めてフィロメナに預けた、手にしたフィロメナがオッとつんのめってしまう、その見た目もさる事ながら目測以上に重量がある、どうやらギチギチに詰められているらしい、

「こっ・・・こんなにですか?」

「そうよー、だって、皆さん痩せすぎよ、遊女さんはね、身体が大事なんだからちゃんと食べなきゃよ、ただでさえあれでしょ、お酒とつまみしか食べないで、夕飯適当なんでしょ」

「そう・・・です・・・ね」

藁籠の重さに目を白黒させながらフィロメナが同意してしまう、

「でしょうねー、昔世話になった遊女さん達もそんな感じで体壊してたし、いい?タロウも言ってたけど、自分を守れるのは自分だけなんだから、ちゃんと食べて、ちゃんと寝る事よ、お仕事とはいえお酒も控える事、綺麗なお嬢さんばかりなんだから、健康にも配慮しないと駄目よ」

「そうだねー、美人は国の宝だよー、花ってやつは手入れが大事だ」

タロウがボソリと付け足す、

「むっ、それはそうだけど、まぁ、いいわ、そうね、フィロメナさんも経営者なんでしょ、なら従業員の健康管理も大事な仕事よ、しっかり管理してあげないとでしょ」

ソフィアの唐突な軽い説教に、フィロメナは苦笑いを浮かべてしまい、しかしすぐに、

「・・・嬉しいです・・・あっ、えっと、でも、なんでそこまで私達の事を・・・その・・・」

とそろそろとソフィアを伺う、

「ん?なんか変?」

「えっと・・・ほら、どうしてもこの仕事はほら・・・普通の女性からは嫌われる・・・もんですし、実際、その・・・事務所の奥様方は・・・こう言ってはあれですけど、よそよそしかったですし・・・それが当然とは思っているのですが、その・・・養父の事もありますし・・・」

フィロメナが藁籠を重そうに持ち直しつつ、ふと沸き上がった疑問を口にしてしまった、そこまで言って、しまったとフィロメナは思うも、

「あら?前にも話さなかった?私とユーリが冒険者だった時の事」

と今度はソフィアが不思議そうにしている、

「そう・・・ですね、はい、伺いました・・・けど、こんなに良くしてもらうのは・・・その、なんか」

「いいのいいの、昔受けた恩を返しているのよ、ホントにね食うや食わずの時に助けられたもの、特に冬場はね、仕事も少ないし、宿も高くなるし、置屋の女将さんには世話になったし、遊女屋さんには仕事貰ったし」

「それは・・・聞きましたね」

「でしょう、そういうことよ、それにね、女の敵は男なんだから女同士は仲良くしないと駄目よ、上手い事立ち回らないと損しかしないんだから」

「それは、それでどうかと思う」

タロウが肉を捌きながら再びポツリと口を挟む、

「何よ、あんたは男だから分らないのよ、でしょ、フィロメナさん」

「・・・えっと・・・そうかもですね・・・」

フィロメナが小さい声で同意すると、

「ほら見なさい」

ソフィアがどうだとばかりに胸を張り、

「見えてない」

タロウは俯いたまま答える、

「まっ・・・口答えしたわよ、この男、どうしてやろうかしら」

ソフィアがわざとらしく目を大きく見開いた、

「・・・すいません、なんとも・・・」

フィロメナが苦笑いを浮かべる、夫婦独特のやり取りにどこか懐かしいような、こそばゆいような、不思議な郷愁を感じてしまっていた、しかし、フィロメナに両親の記憶は無い、故にこの感情は憧れかもしれなかった、自然体で軽口を叩き合う夫婦の脱力しきった会話は何とも耳に心地良かった、

「あっ、そう言えばなんだけど、マフダさんの下にも妹さんいるの?」

ソフィアがこれまた唐突に話題を変えた、

「えっ、はい、います、三人ですね、ほんとに幼いですよ、私達は勿論ですけど、マフダとも結構離れてます、ミナちゃんよりも小さいかな?」

「へー、じゃ、今度連れて来なさい」

さらにあっけらかんと続けるソフィアに、フィロメナはエッと目を丸くする、

「・・・そんな、だって、小さすぎますし・・・うるさいし・・・やんちゃで・・・」

「子供なんてそんなもんでしょ、ほら、ミナの遊び相手になってくれたら嬉しいかなって思ってね」

「それはこちらとしても嬉しいですけど」

「あー・・・かもなー、ほら、ミナもさ、遊び相手と歳が離れすぎていても・・・いかんだろうしなー・・・」

タロウが手を止めて顔を上げる、ミナはその性格もあってか寮の生徒達と上手くやってはいる、しかし、それは時折遊ばれている状態になってしまい、年齢差を考えればそうなるのは仕方のない事であるが、同世代の友人もいたほうが良いであろうことは確かであった、比較的に近いイージスは賢過ぎるのか教育の賜物か大人過ぎ、レアンもまた年齢だけでみればかなり年上である、一緒にやんちゃはしているが、それはレアン自身の為にも良くないような感もある、親としてはレアンが友達である事は勿論嬉しく有難い事なのであるが、ミナの事とレアンの事を思えばまた違った付き合い方も必要であろう、しかし、友人関係にしろ人間関係にしろそれを他人がどうこうしてどうこうできる道理は無く、環境を作れる者が環境を作ってそこに子供達を放り込むしかない、そこで得る関係性こそが人格形成に重要なのである、友人を作る事が重要なのではなく、人を知る事こそが重要なのであった、

「・・・そう?です・・・か?」

「そうじゃない?」

フィロメナが首を傾げ、ソフィアも首を傾げて同意を求める、フィロメナとしてはそれほどまでの付き合いは嬉しい所であった、俗に言う家族ぐるみの付き合いとなるのであろうか、さらに幼少の妹三人は基本的に家の中で生活している、外に出る事が珍しく、昼間は世話役の老婆の仕事を何となく手伝っている、それはリズモンド家では当たり前の事であり、フィロメナもまたそうやって育てられている、そしてそれが都会での子供の一般的な生活なのであった、

「そっか、遊び場も無いよなこの辺、あれか・・・家の仕事をするのが当たり前なんだよね、こっちでは・・・」

タロウが作業に戻りながら呟いた、

「そうね、ミナももう少し大きくなったら手伝わせようかとは思っているけど、今だとレインと一緒にお買い物が精々でね、田舎だったら畑仕事もあったけど、こっちに来たらね私一人でもなんとかなってたし、庭の畑も一段落しちゃったし、ティルさんもミーンさんも来てくれようになったら・・・買い物も少なくなっちゃって」

ソフィアが若干言葉を濁した、何気に食材を買いに行く機会が減っているのである、ティルが王城から食材を持ち込むため、上質な野菜にしろ肉類にしろ買いに行く必要がほぼ無くなり、調味料の類も少なくなるとティルが持ってきていた、これは大変にありがたい事なのであるが、フィロメナの前で口にする事では無い、そこに最近ではタロウのウシのミルクも加わっている、食材に溢れた贅沢な環境になってしまっていた、

「そう言ってたねー、あっ、じゃあさ、エレインさんが言ってたように子供を預けられる場所、試験的に作ってみれば?」

タロウが何気なく口にする、

「・・・それ・・・いいかもね・・・」

ソフィアがポンと手を叩いた、

「なっ、で、ほら、エレインさんは何でもかんでも形をしっかり作ろうとする感じだけど、ぬるっと始めて見るのもいいと思うよ、特にほら、同年代の子供を集めるのはそれはそれで教育に良いらしいしね」

「そうなの?」

「うん、社会性の構築ってやつ?子供の頃から同じ価値観を共有する子供との付き合いでね、ようは他者を知る・・・って感じかな、泣き虫だったりいじめっ子だったり、喧嘩したり、あっ、喧嘩も大事なんだよね、これ以上やっちゃ駄目って境界は子供の頃に身に付けるものらしいかなー・・・詳しくは無いけどねー」

充分詳しいそうだなとフィロメナは目を細めた、タロウの言は何気無い一言にこそ価値があると、薄々気付き始めている、

「そっか、そうかもね、幼馴染って大事よね」

「それもあるね、君とユーリみたいな感じかな、ここまで仲が良くて付き合いの良い幼馴染ってのも希少だと思うけど」

「それ、どういう意味よ」

「そのままだよ、友達は大事だねって事、ほら、俺、友達少ないし・・・」

「あんたは充分でしょ」

「そうか?だって、クロノスにルーツにゲインに・・・ユーリに殿下?・・・確かに充分かな?」

「ブラスさんとかも入れてあげなさいよ」

「あっ、そだね、でも、そっちはほら、友達ってか仕事仲間って感じかな?学園長とかも・・・お友達・・・仕事仲間、気のいい関係・・・どうなんだろ?」

「なんか違うのそれ?」

「んー・・・よくわからん、それこそ人それぞれなんじゃないのかな?第一友達の定義も・・・だって、人それぞれだろ?面と向かって友達だよななんて、確認する事は無いし、男女みたいに結婚だ何だがあるわけでもない・・・だから、まぁ・・・うん、よくわからん」

「そうかもね・・・あっ、じゃ、フィロメナさんそういう事で、美味しいと思うから、ちゃんと焼いて食べるのよ、薄く切ってあるから、焼きやすいとは思うけど、生は駄目よ、知ってるとは思うけど、で、赤い肉がウシで、それよりも薄い赤がブタね、焼くとウシは黒くなって、ブタは白くなるから、分かりやすいわよ」

ソフィアは注釈を付け足してサッと踵を返す、

「そだねー、取り合えずまた明日・・・明日もめんどくさいなー・・・」

タロウが溜息交じりに呟いた、フィロメナはまったくどう言ったもんだかと苦笑いを浮かべ、

「わかりました、また明日お邪魔します、感謝して頂きますね」

と明るい笑顔を見せて食堂に戻るのであった。
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