セカンドライフは寮母さん 魔王を討伐した冒険者は魔法学園女子寮の管理人になりました

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70話 公爵様を迎えて その38

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それから正午を過ぎ、ティルとミーンが顔を出した為、タロウは二人と共に厨房へ入った、するとソフィアがその背を追い、すぐにティルとミーンが食堂に戻ってくる、

「こっちで遊んでなさいって、ソフィアさんに言われまして・・・」

と二人は申し訳なさそうにエレインとアフラの元へ向かう、どうやらソフィアが気をつかったらしい、食堂では女性達がワチャワチャと楽しそうにしており、この二人を除け者にするのは心苦しかったのであろう、エレインとアフラはそういう事ならとソフィアに感謝しつつ取り合えず化粧からかなと二人を集団に引き入れた、二人としてもここ数日は特に騒がしいなと感じていたが今日の食堂はそれに輪をかけたあまりの状況で、無論年頃の娘である、興味が引かれない訳が無く、食堂に入った瞬間に何ですかーそれーと黄色い嬌声を上げている、居並ぶ面々が見事に化粧塗れなのである、それも一目で分かるほどに各段に美しくなっていた、その輪に加わった二人は申し訳なさそうな顔のままであったが、自然と湧き上がる微笑みは隠せるものではなかった、

「じゃ、どうしようかな、ニコリーネさん、調色をお願いします、レネイさん、カトカさん、化粧の指導をお願いします」

エレインが二人をまずはとニコリーネの元へ連れて行き、ニコリーネははいはいと笑顔で二人を迎え、

「じゃ、そこに座って下さい、じっくりといきますねー」

とニコリーネは顔料を並べ直して背筋を正した、肖像画でも書くのかなと二人は不思議そうに腰を下ろす、すると、

「お二人とも肌が綺麗ですね、ふふ、お若いです」

ニコリと微笑むニコリーネにそうなのかなと二人は同時に首を傾げた、

「そうみたいねー、羨ましいわー」

その背後にレネイが立って、ニコニコと二人を見下ろし、

「ホントだ、あれだね、二人とも童顔だから可愛い系の化粧が良さそうですね、それとも・・・ここは大人ぶってみる?どっちもでいけるわね」

とカトカがレネイの隣りに立つ、二人はエッとカトカを見つめてしまった、美形である事は初めて会った頃から認識していたが、その美しさがさらに際立っている、切れ長の目にスッと通った鼻筋、頬には上品な赤みがさし、唇は薄い赤で健康的でありつつも艶めかしい、大人としての上品さは言うに及ばず、若者らしさにも溢れている、そして子供のような快活さすら感じてしまい、思わずうっとりと見上げてしまった、

「そうですね、じゃ、取り合えず単色仕上げで、いいかな?・・・頬は明るめにして・・・細部を調整・・・ですかね」

「そこは先生に任せます」

レネイがニコリと微笑み、

「そうですね、先生に任せましょう」

カトカもニヤリと微笑む、

「もう、先生は勘弁してくださいよー」

ニコリーネが二人を見上げて頬を膨らませた、ウフフとレネイとカトカは微笑んで、サッとレネイは鏡の前に、カトカは大量の黒板が並んだテーブルに戻る、どうやらそれぞれに得意分野を活かして何やらやっているらしい、ティルとミーンはほへーとその背を視線で追ってしまい、

「はい、こちらを見て下さーい」

とニコリーネにやんわりと注意され、慌てて振り向いた、

「はい、でね、これから作るのがお二人の肌に近い色の顔料です、それが下地になるんですね、だから、詳しくはレネイさんとカトカさんに聞いて欲しいんですけど、この色はそれぞれに作ってますから、みんな若干違うのと、仕上がりにそのまま直結するので、大事なんです」

ニコリーネがそのまま説明を続けるが、二人はコクコクと頷くしかない、見ればニコリーネもうっすらとであるが化粧をしている、こちらは実に自然で、化粧をしているのかどうかも分らない程であった、そして、それが見事にニコリーネに似合っている、普段であれば奥ゆかしいとすればまだ良い方で、若干暗く陰鬱としているニコリーネである、その印象が見事に払拭され、顔は明るくなり、特に目元がハッキリとし、大きく知的な瞳が実に魅力的であった、さらに髪型も変わっている、前髪を上げて髪留めで留め、秀でた額がツヤツヤと輝いていた、これも化粧の効果なのであろうか、知的な瞳も相俟ってこう言っては失礼であろうが、大変に賢く見える、

「あの・・・ニコリーネさん・・・先生もすんごい可愛いです・・・」

ティルが思わず感想を口にし、ミーンもコクコクと頷く、

「えへへ、そうみたいですねー」

ニコリーネが恥ずかしそうに微笑んだ、謙遜も含まれているのであろう、誤魔化すように手元の顔料を摘まみ上げると、

「まずはティルさんからですね、ティルさんは色白ですねー・・・あっ、ごめんなさい、ハッキリ言っちゃいますけど気にしないで下さいね」

ニコリーネは慌ててティルを伺う、

「そんな、別に悪い気はしないですよ」

「そうですかー、でも、やっぱりほら、ハッキリ言われるとちょっと、ほら、嫌な気もしますからー」

「そうですか?」

「そうなんですよー」

とニコリーネは顔料を選び出し、手元の木簡に複数の顔料を取り出すとティルの顔と見比べながら捏ね回し始めた、二人はヘーとその手元を見つめる、ニコリーネの言葉通り、まさに調色であった、タロウがニコリーネに頼んだ事は二つあった、一つはこの調色である、タロウの知る化粧を施すにはフィロメナら遊女達の使用している顔料では色が足りないであろうなとタロウは感づいており、そうなると恐らく色を作る所から始めなければならないであろうと思い至っていた、そこで、調色に優れている人物はとなり、ニコリーネにどんなもんかなと相談したのである、ニコリーネは絵師である、そしてその収入の多くは貴族や富裕層を対象とした人物画となるのが王国での常識で、となると師匠である父親からは人物の描き方についてはこれでもかと仕込まれており、無論、そうなると肌の色や瞳の色、髪の色と、より繊細な調色が求められ、それは当然の技術として身に付いている、故にタロウから取り合えずやってみてよと懇願され、絵画的な手法で良いのであればと恐る恐ると請け負っていた、そして、もう一つが人物画に於ける強調手法である、肖像画は対象を見たまま描いても不評であった、貴族や富裕層が求める肖像画は、どうしてもその個人の特徴を誇張し、より男らしく、より女らしくを求められており、さらにその人の理想とする姿をも求められる、これもまた大変に技術が必要で、男らしく女らしくはまだ小手先でも何とかなるが、その理想とする姿を読み取る事は経験とその人物の背景情報が必要で、師匠である父親からは対象の社会的地位や、軍歴等も出来るだけ探ってから仕事に向かうようにと指導されている、絵を書く事にどうしてそのようなものが必要なのかとニコリーネは納得出来なかったが、路上で肖像画を描いている間に、やっとその意味がわかった気がした、人は自分の姿絵に理想の姿を見たいのである、ニコリーネは当初教えられた技法そのままに描いたが、すぐにこれでは受けが良くないと気付き、対象の特徴をやり過ぎない程度に誇張し、かつ、男らしく女らしく、子供らしく、赤子らしく、老人らしくを念頭に置き、さらにはその人の良い顔を描写する事に集中した、そしてそれがどうやら正解であったようである、客は皆嬉しそうに肖像画を見つめ、連れと共にキャッキャッと楽しそうで、ニコリーネもまたその笑顔が嬉しかった、そうやって培われたのが小さな特徴のやり過ぎない誇張手法である、タロウはニコリーネに相談した際に、その誇張手法として何があるかと質問している、ニコリーネは絵画に関して言えば、目を大きく見せ健康的にし、男性らしく女性らしくは出来ると思うと答えており、タロウはそれこそが欲しかったと目を輝かせていた、而して、そのタロウの思惑は見事的中したらしい、タロウは黒板を使った講義を終えると、まずは下地の調色から始め、さらに目と眉、頬の赤み、唇の色、鼻筋の通し方、骨格の陰影の付け方等々を、厨房に隠れていたソフィアを引っ張り出して実践してみせた、他の女性に触れる事を躊躇った故にソフィアが生贄となったのである、而して、少々濃い化粧となってしまったソフィアであるが、それを一度落とし、スッキリとしたものに変えたら絶賛の嵐となる、タロウは心底安堵して、最後に付け加えた事が、意識の変革であった、曰く、

「遊女さんの化粧はね、仕事上必要なのは分かるし、薄明りでこそ必要なものなんだけど、俺の知る化粧は・・・どう言えばいいかな・・・アラを消す化粧なんだね」

「アラ?って荒々しいアラ?」

「あー・・・ハッキリ言えば汚れとか目立つ箇所って意味のアラ、ソフィアが教わったのもそれだったろ?人の肌、特に顔はね、常に表に出てるから汚れ・・・って言ったら駄目だけど、シミとかソバカスとか・・・うん、荒れが目につくんだな、そういった細かいアラを覆い隠して、で、これはアラには入らないかもだけど、顔色を統一してあげる?ほら、赤ら顔の人とか、職業的に日焼け跡が残る人とかいるでしょ、よく見ると人の顔って結構色があるんだよね、今度じっくり自分の顔を観察してみてよ、細かく見れば見る程、変な所が急に赤かったり、白かったりするからね、そういう肌色の差を無くしてあげて、目鼻立ちを強調する、するとね、大体の人は美人に見える、こう・・・何て言うか情報量・・・個性を絞ってあげるって感じかな?まぁ、俺もね普段化粧なんてしないし、したことも無いんだけど・・・そういう風に考えると、より・・・一般的になるし、なにより、この化粧はね、普段の生活でも必要なんだな、肌の上にもう一枚肌を重ねる感じになるから、日差しとか火とか煙とか、そういうのから肌を守る効果もある・・・と思う、紫外線・・・は分かんないだろうけど、まぁ、そんな訳でね、おれとしては・・・この下地の化粧?これはね、毎日でもやった方がいいと思うし、よりお洒落したいとなれば、こんな感じでそれぞれに合っていて、それぞれに思う姿を模索する事が出来る・・・と言う訳で、俺からは以上だな、後はニコリーネ先生から詳しい事聞いてみて、色々技術的に御存知だから、それと下地の調色もお願いします、まぁ、色々やってみてよ」

との事であった、最後は見事にニコリーネにぶん投げているが、そんな事はどうでもいいと女性達はソフィアの化粧を参考に早速と動き始め、そしてあっという間に騒がしくなる、タロウはソッとその姿を消しており、ブラスが来るまで厨房で肉を捌いていたらしい、無論、そんなことを気にする者はいなかった、

「こんな感じですね、はい、どうぞ」

ニコリーネはあっさりと調色を終えるとその木簡ごとティルに手渡す、ティルはエッと不思議そうに受け取った、その木簡には確かに肌の色に似た顔料が乗っており、やや白っぽく見えるが、これが自分の肌の色なのだろうかとティルは首を傾げてしまう、

「後は、鏡の方に、レネイさんに教えて貰って下さい」

ニコリーネが次はとミーンに向かう、ティルは軽く混乱しながらも腰を上げ鏡の前に向かうと、

「さっ、どうぞ、でね」

と待ち構えていたレネイに座らされ、

「あー、なるほど、白いわねー、ティルさんだっけ?」

と微妙に馴れ馴れしい、ティルは小さく頷くと、

「あっ、そうだ、メイドさん向けの化粧もありますよねー」

とカトカがヒョイと顔を出す、鏡越しに見るカトカにティルはメイドさん向け?とさらに怪訝な顔になってしまった、

「それ言ってましたね・・・そっか、先生、どうでしょう?」

レネイがニコリーネを伺い、

「あっ、そうですね、では、こっち終わったらそっち行きます」

ニコリーネの快活な声が響く、

「それいいわね」

とアフラが参戦し、

「地味になるのかな?」

「それだけだとつまらないでしょ」

「そうだけど、ほら、うちの従業員はそれでいいと思うよー」

「そうかなー」

と遊女達も鏡の前に集まって来た、ティルはいよいよどういう事かと目を回してしまう、

「はい、じゃ、まずは下地ね、これは共通だから、で、一番大事よ、それと合わせて・・・髪も弄りたいわよねー」

「そうですね、でも、メイドさんってみんな似たような感じですよね」

「そこは崩しちゃ駄目かな?」

「駄目なの?」

とカトカの突然の問いにティルは混乱しつつどうなんだろうと首を傾げる、代わってアフラが、

「基本的にはあれですよ、作業しやすければそれでいいです」

「そう言う事ですか・・・」

「なんですよ、それと、あれですね、作業中でも邪魔にならないで、見た目もそれほど崩れない?」

「なるほど・・・つまりこんな感じでまとめるしかないって事ですよね」

「そうなります」

「そっかー・・・クリームで固める?」

「それやってみたかったのよ」

レネイがニヤリと微笑む、

「やってみる?」

「ティルさんとミーンさんが良ければ」

「だそうだけど、どう?」

アフラがニヤリと微笑み、ティルはどうしたものかと鏡越しにアフラを見つめるしかなかった。
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