セカンドライフは寮母さん 魔王を討伐した冒険者は魔法学園女子寮の管理人になりました

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本編

70話 公爵様を迎えて その21

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翌早朝、人影の無い暗く冷たい学園内を足早に過ぎ、ルカスが家畜小屋に向かうと、

「おはようさん、早いねー」

とタロウが放牧場の柵にもたれて眠そうな顔で振り向いた、

「えっ、タロウさん、おはようございます」

ルカスは目を丸くして驚いた、牛と豚の飼育を始めてからルカスは学園へ一番に顔を出している、ルカスを出し抜けるのは学園に寝泊まりしている学園長くらいのもので、他に人がいる等とはまるで思いもしなかったのだ、

「驚かせたかな?」

タロウは疲れた顔を無理矢理歪ませた、どうやら微笑んでいるつもりらしい、ルカスはおいおいと内心で思いつつも、

「そりゃもう、どうされたんですか?」

と相手は大恩あるタロウである、下手な事は言えないと言葉を選んだ、これが生徒であれば感心しつつも早過ぎると叱りつけたであろうし、赤の他人であれば門衛を呼びつけるところである、

「うん、昨日言ったあれ、連れて来たんだよ」

とタロウは放牧場へ視線を向け、ルカスはエッと叫んで柵に取りついた、見れば放牧場内には牛と豚が小雨を避けるように張りだした屋根の下に丸くなって寝そべっている、それもかなりの数である、

「えっ、こんなにですか?」

「うん、調子にのって連れてきたら一仕事でね、牛が15、豚が20かな?」

タロウはやれやれと溜息を吐いた、少々やり過ぎたかなと反省している、前回のように学園長らに立ち合いを求めなかったし、クロノスらにも声をかけていない、故に一人で気楽にやろうかと夜半過ぎからコソコソと動いたのであるが、相手は家畜ではあっても獣である事に変わりなく、挙句寝ている時間帯ともあってタロウの思い通りに動く訳もない、なんとかかんとか放牧場に追い込んだ頃には夜が明けていた、これはこのままルカスを待って後を託すのがよかろうとタロウは一休みしていたのである、

「それはまた・・・えっと、御一人で?」

「まぁね、なんとかなったからいいだろう」

「・・・そんな、だって、一声掛けて頂ければ手伝いましたよ」

「そう?今度はそうするよ」

タロウはニコリと微笑んだ、しかし次があったとしてもルカスに助けを求める事は無いであろう、クロノスらですら気持ち悪いと逃げ出す魔法をルカスに見せる訳にはいかない、どうやらあの至極便利な転送魔法は発動者意外には嫌悪意外の何者でもないらしい、

「そうですよ、でも、ありがとうございます」

ルカスはどう労うべきかと思い悩みつつ頭を下げた、今はそれぐらいしか出来る事が無い、

「いやいや、こいつらの世話の方が大変だよ、でね、今日連れて来たのは牛は肉牛で、豚は前のと一緒」

「肉牛ですか?」

「うん、前のはほら、乳牛だから、ミルク用の牛?今回のは肉用の牛」

「あっ、そう話されてましたね」

「そだね、で、種類が違うから交雑しないように注意した方がいいかな・・・それと雄が10で雌が5かな?」

「はい、少々お待ち下さい」

ルカスは家畜小屋に走ると黒板を持って戻って来た、タロウは真面目だなーと微笑む、

「そうしますと、肉牛はあれですかやっぱり雄が適している?」

ルカスは黒板に何やら書き付けつつ疑問点を口にする、

「そだね、でも雌でも歳をとったら肉にしてしまうみたい、味は少々ミルク臭い?って言われているけど・・・気にしなければ大丈夫だと思うよ、その辺も食べてみないとって事だね」

「なるほど・・・ミルク臭い・・・はい、すると乳牛と肉牛も分けて飼育した方が良いでしょうか」

とルカスは続けざまに質問を重ねる、より具体的な内容にタロウは真摯に知り得る事を訥々と答え、

「でね、解体屋さん、紹介してくれた所なんだけど、今日中に処理をお願いできるかな?」

「えぇ、勿論ですよ、あの店でいいですか?」

「構わないよ、もう話してあるしね、で、先生の見立てでいいから牛を二頭かな・・・豚を三匹、今日中に血抜きと牛は皮を剥ぐところまでやっておいて欲しい」

「分かりました、手配します」

「宜しく、屠殺については話してあるし・・・うん、牛は鹿と同じように、豚は猪と同じようにかな・・・それも向こうには話してあるけど・・・実際に肉を切り分けるとなったら立ち会った方が良いだろうね」

「そうですか?」

「うん、こっちの切り分けは雑だったから、その点も指摘はしてあるんだけど、口頭だけではね」

「切り分け?ですか?」

「そっ、骨と肉を切り分ければいいって訳じゃないんだよ、肉はね部位によって味が違うし、内臓も食える、腸もほら、山羊とか羊の腸で弓や楽器の弦にするだろ?牛のも使えるかもだし、豚のもね、使い勝手がありそうだね」

「それはそうですけど・・・えっ、内臓も食べるんですか?」

「うん、ただ実際に食べれるかどうかは調べてみないとだな、その点もあるからね、処理したら一晩吊るしておいてって頼んでおいて欲しいかな」

「わかりました、そのように」

ルカスが忙しく白墨を動かす、そこへ、

「およ、タロウ殿ではないか?」

学園長がフラリと姿を表した、タロウとルカスがおはようございますと笑顔を返す、

「おはよう、なんだ、タロウ殿、朝早くから、話したい事があったのだ、来ているのであれば声を掛けて欲しかったぞ」

と起き抜けであろうと思われるのに学園長はパッと顔を明るくし、猛然と足早に向かってきた、

「いや、学園長もお忙しいでしょう」

タロウは苦笑いを浮かべて後退る、正直タロウは学園長を避けていた、露骨にとまではいかないが、荒野の件や晩餐会の件もありここでさらに別件に巻き込まれるのは流石のタロウでも難しかったのである、ユーリからゆっくり時間を作って欲しいとは聞いており、タロウが予想するその内容は近々で対応する程でもないなと考えた為後回しにしていたのだ、

「いやいや、いやいやいやいや、いや、タロウ殿ほどではないぞ」

学園長はニマニマと微笑み、

「ほれ、ユーリ先生からレスタさんの件を聞いておる、より詳しくはタロウ殿と本人を交えてと思ってな、それとカトカさんからも相談されてな、その計算方式とアバカスじゃなかったベルメルじゃな、それと神殿関係、そうだ、学園の改修もある、エーリクがうるさくてな、他にも、ルカス先生から聞いたぞ、ウシとブタを食せるらしいな、おう、そうじゃ、晩餐会にも一枚噛んでおるそうじゃな、儂と事務長も顔を出すのだ、どういう事じゃ?」

学園長は一息で思いつく限りの議題を提示し、

「ア・・・ハハハ・・・」

タロウは乾いた笑いを浮かべるしかなった、レスタの件以外はどれもこれも好きにすれば良い事である、レスタに関してはレインからの助言もある為慎重に対応しなければとは思っていた、律儀な事である、

「での」

と学園長は話しを続けようとした所を、

「学園長、そのウシとブタです」

ルカスがやんわりと遮った、

「なに?」

「肉牛だそうで、タロウさんに連れ来て頂きました」

「なんと」

学園長の視線が放牧場に向かう、その隙にルカスはニヤリとタロウに微笑みかけた、タロウはアッと小さく頷くとゆっくりと静かにその場を離れる、

「なんでも食肉用のウシだとか、確かに見た目も違いますし、種類も違うらしいです」

「ホウ・・・ホウホウホウ・・・なるほど、体色が違うな、それに大きいように見える、いや、気のせいか?」

「そうですね、寝そべってますからちゃんと確認しましょう」

「だな、できるか?」

「勿論です」

二人の楽しそうな声を背にタロウはゆっくりとその場を後にした、ルカスが気を利かせてくれたのだ、今の内に退散してしまうのが賢いであろう、何より今日は忙しい、一度寮に戻って朝食を済ませ、そのまま荒野の予定である、一眠りできるかなと思っていたが難しそうだ、自分の見積の甘さを軽く後悔する、まぁ、偶には徹夜も悪くない、タロウは廊下に出た瞬間に速足となるとユーリの事務室に向かいそそくさと学園を後にするのであった。



そして、タロウが朝食を済ませ、仕事だよーとミナを放って荒野に向かうと、食堂には若干早い時間にフィロメナとレネイ、マフダが顔を出す、レネイはそのままユーリとケイランと共に領主邸に向かっている、ケイランの同行は領主邸に顔が利く者がいれば楽であろうとのエレインの気遣いであった、そして、

「いいですね、うん、これはいい」

「そう?」

「あら、マフダは駄目?」

「だって・・・えっと・・・その、肌を出し過ぎって感じで・・・」

「だからいいのよ、うん、これはいいわよ」

「義姉さんがいいならいいけど・・・」

「ならいいでしょ」

「そう言ってるしー」

「なら良し」

「もー・・・」

フィロメナとマフダは小さな服をテーブルに並べ、フィロメナは笑顔に、マフダはブーっと口を尖らせる、

「気に入っていただけたならいいんですけど・・・」

サビナが恐る恐ると口を挟む、

「勿論ですよ、これなら・・・ウフフ、店でも着れます」

「そう・・・ですか、その、寒くないですかね・・・」

「大丈夫です、お店は温かいですから、お客様をもてなす場所ですからね当然なんです」

「ならいいですか・・・ね?」

サビナが不安そうにマフダを伺い、マフダはフィロメナがそう言うならと何かを言いかけて飲み込んだ、タロウが昨日作ったその小さな服は三種類、俗に言うチャイナドレスとその派生型になるアオザイ、さらにチャイナドレスをさらに淫靡にした改造チャイナと呼ばれる類の品である、タロウはこういう服があるとだけ言い置いておりその名は口に出していなかった、賭け事と同様その名が定着する事を嫌った為である、

「勿論ですよ、で、どうなります?」

「はい、まずはなんですが」

サビナがフィロメナが良いというのであればとタロウと打ち合わせた事を確認しながら説明を始めた、タロウ曰くこれとはまた別で裁縫の方法もあるが、それは技術的に高度である為またの機会にと妙に勿体ぶっており、サビナとしてはそう言われてもなと困惑するしかなかったが、それ以上に小さくあっても出来上がったその服は珍妙で、あまりにも扇情的に感じた、腕は丸出しになり、片足もしくは両足がその長く細いスカートの脇から覗く形になっている、さらに胸元をわざと開いた意匠まである、

「注意点ですね、タロウさんはチラリズムが大事だとの事でした・・・」

「チラリズム?」

フィロメナとマフダが同時に首を傾げる、当のタロウは朝から忙しいとの事で外出中らしい、故にサビナとエレインがタロウから詳しく聞き取ったらしいが、エレインとリーニーは事務所で一仕事を終えてから顔を出すとの事であった、

「はい、まず・・・そうですね、男性が女性の身体の何処に興味を惹かれるか、これが大事だと・・・」

「詳しく教えて下さい」

フィロメナが目を輝かせて前のめりになった、フィロメナも夜の女としてその道の熟練者である、男を篭絡し虜にする事が肝要であり、その手練手管を日々研鑽し、また部下達にも丁寧に指導していたりする、無論出来る者と出来ない者がおり、またその仕草が似合う者、似合わない者と中々に難しい、そしてこれは困った事に男性から指導される事が少なかった、義父で経営者であるリズモンドはそういう小細工は仕事をしながら身に付けるものだと突き放しており、そうは言ってもやはり男性の意見は欲しいと思っていたのである、しかし、こういう色事に関して冷静に意見を述べられる男性が客を含め周りには一人も存在しなかった、それも致し方無い、商会の看板を上げているがやくざ者の集まりでしかなく、そのような気の利いた男はまずいないのだ、変に話を振ると誤解の種となり問題にしかならない、その点もフィロメナは義妹達や部下にはよくよく言い含めていたりする、

「えっと・・・はい、そうですね、胸とお尻、これは当然なのですが」

とサビナは昨日書き取った黒板を確認しながら何とも話しずらそうに説明を始めた、タロウは昨日、これは全くもって学術的な話しであるからと前置きしており、そこまでなのかとサビナとエレインは気合を入れたのであるが、出てくる言葉が何とも下品な事ばかりで、二人並んで呆れてしまったのだ、しかし、一晩経ってゆっくりと考えてみれば確かに学術的な内容ではあるのだなとサビナは思い直しており、何もおぼこではないなのだからとしっかりと向き合う事にした、しかし、実際に自分の口で説明するとなるとやはり抵抗はある、単純に恥ずかしかったのだ、

「なるほど・・・そうですね、そうなんですよ」

恥ずかしそうに淡々と説明したサビナとは打って変わってフィロメナはどうやら納得できたらしい、チラリズムの説明になっているのかなとサビナは不安であったが、受け入れられた事に小さく安堵する、

「見せるのは駄目なんです、それをやると男は逃げるんですよね」

フィロメナがそう続けるとサビナとマフダが目を丸くした、

「だから、見せるのは絶対に駄目だって事にしてます、でも、そう感じさせるのが大事なんです、だから、ソフティーが世に出たときはこれだーって飛び付きましたもの、ねっ?」

「・・・あっ、うん、そうだね、そうだったね」

興奮するフィロメナの勢いにマフダは呆然としながらも思い出す、ソフティーの資料が出回り、マフダがこういうのがあるよーと義姉達に話した時は皆絶賛の嵐であった、そして自分もまたその機能性と美しさに魅了されて六花商会の門を叩いたのである、

「でしょー、あー、でも、そういう事なのよ、まずね、女性を女性らしく見せる、これが第一、次に何て言うかな、見せても良い所は見せる、それ以外は見せない、このメリハリが大事」

「そうなんですか?」

「そうなんですよ、サビナ先生、でも大事な所は絶対に見せちゃ駄目、なんでかって言うと、ほら、マフダなら分かるでしょ、大事なところって、乳房もそうだし、あそこもそうなんだけど、人によって全然違うのよ」

「そう・・・だね」

「そうなのよ、だから、何て言うかな、男はそこを見たがるんだけど、見せると一気に興味を無くす事があるの、どうもね、男は女の顔とか身体つきから胸の形を想像しているみたいなのよ、でね、その想像よりも劣る場合があるのね」

「劣る・・・んですか?」

「そうなの、期待していた形じゃなかったって事かな?それこそほら私達はあくまで遊びの相手だからね、本気な訳じゃなくて、向こうもそうだからだけど、その想像と理想?のような形があるらしくてそれを超えられないと男を惹きつけ続けられないのよ」

「そういうもんなのか・・・」

「そういうもんなの、だから、言ってるでしょ、本気で付き合っている相手意外には身体を見せるなって、それもちゃんと約束できてからにしなさいって」

「それは何回も聞いてるけどー」

「そうなの、だからね」

とフィロメナの興奮は収まらない、サビナはどうやらタロウのいう事は概ね間違ってはいないのだろうなと安堵すると共にさてどうしたものかと首を傾げてフィロメナの言葉に耳を傾けるのであった。
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