セカンドライフは寮母さん 魔王を討伐した冒険者は魔法学園女子寮の管理人になりました

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69話 お風呂と戦場と その12

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正午近くになって、カラミッドはユスティーナらと共に寮を訪れた、昨日の王族達と目的は同じ、寮の改築報告と風呂を体験する為である、レイナウトとマルヘリートも同行し、ライニールと数人のメイドは勿論の事リシャルトも珍しく足を運んでいる、リシャルトは当初屋敷に残る予定であったのだが、クロノスが意味深な事を口にしていた為急遽同行することになった、関係者として迎えたのはユーリとタロウ、ソフィアにブラスである、ミナは大騒ぎをしつつレアンとマルヘリートにじゃんけんを教えようとするが、それはタロウとソフィアに止められ、やることをやってからだと押さえつけられた、ミナは見事にブー垂れたのであるが、

「お忙しい中お越し頂きありがとうございます」

ユーリが黒板の前に立ち、ゆっくりと頭を下げるとミナはどうやら昨日と同じだと気付き、静かになって席に着いた、これ以上茶化しても叱られるだけだと昨日の事を思い出す、ソフィアはそれでいいわよとニコリと微笑み、ミナは照れくさそうにソフィアを見上げた、そして講義形式で改築の目的が説明された、レアンとユスティーナとライニールは薄々には聞いていた為なるほどそういう事かと理解が早かったが、カラミッドら大人達は心底驚いたらしく、

「以上、ここまでが説明となります、質問等ありましたらと思いますが」

とユーリが講義を終えると、

「その無色の魔法石だが、下水道の時にも確かそのような物があったと聞いているが」

カラミッドが厳しい瞳でユーリを見つめた、

「はい、無色の魔法石については二度目・・・の折に確か御説明差し上げたかと思います、その折には・・・すいません、まだ研究も進んでいませんで、そういう物があるとだけ報告したかと思いますが、そちらを有効活用した次第となります」

「そんな簡単なものか?」

「活用だけであれば・・・勿論ですが研究は続けております、先程も説明した通りその生成過程や他の利用方法、耐用年数等々解明しなければならない事が多いです、その為の浄化槽の設置であります」

「それはまた・・・確かにな・・・」

カラミッドは目を見開いたまま黙り込む、確かにユーリや学園長、それからストラウクという学者らしい学者から下水道とその規模、そこで生成されているらしい未知の物質について直接報告されている、その場にはリシャルトも同席し、カラミッド自身は何をめんどくさい事をと特に重要視する事無く、まして学園がやる事と妨害紛いの嫌がらせもしたのであるが、事此処に至って、それらを生活という日常に活かす研究をしていると報告されたのだ、寝耳に水といった所で、リシャルトもそこまでやっていたのかと言葉も無い、

「すまんな、すると、その無色の魔法石であれば水を無限に使えるという事なのかな?」

諸々の事情を知らないレイナウトが純粋な疑問を口にした、レイナウトはこれはまた興味深い実験だと真剣に傾聴しており、と同時にユーリがこれほどに賢い女性であったかと認識を改めている、レイナウトの記憶にあるユーリはあくまで冒険者であり男のような恰好をした無頼漢であり、実際にレイナウトは当初ユーリを女性としては見ていなかった、それはソフィアに対しても同じである、二人の自己防衛に見事に騙されていたという事であった、

「無限というのは少し難しいですね、先程も話した通り、井戸水を魔法石に吸い込ませ、それを吐き出して使用しております、なので、空になれば水は止まります、故に魔法石のその容量でしょうか、樽で何個分ですとか、それは計量すればすぐにわかるのですが、その違いですね、魔法石そのものの大きさとか形状ですとか、それでどのように変わるかも調査対象としております、最も効率の良い形、大きさを定めるのが大事かと考えております」

「・・・つまり、本当の意味でまだまだこれからだという事か・・・確か赤色の魔法石についても似たようなものであったな?」

「確かに、赤色の魔法石については北ヘルデルでの研究が進んでおると聞いております、この寮と・・・某商会ではその縁から複数個実際に使っておりますが、これもまぁ・・・そういうあれでして・・・まぁ、あれも便利な品である事は確かなので、今後の研究をお待ち下さい」

ユーリはニコリと誤魔化した、赤色の魔法石についてはタロウがその採掘場所を明言し、実際に大量に持ち帰った実物が三階の倉庫にゴソリと保管されている、その一部は北ヘルデルの研究所に回しているが、特にこれといった報告は入っていない、例え実用化されたとしてもそれを軍事で占有するとなるとこちらに情報が回ってくる事は無いであろう、もしかしたら相談という形か、タロウを経由して情報が入ってくる可能性もあるが、それに関してはユーリは待ちでよかろうなとのんびりと構えていた、ユーリ個人としてはなにやらかにやらで手一杯である、ゾーイが研究所に参加し、これで停滞していた研究を任せようと思っていた矢先にゾーイは光柱の改良を暇潰しでやってしまい、どうやらゾーイはそちらに専念してもらうのが良さそうだとなった、昨日のフロリーナからの依頼もあり、ゾーイはさっさと独り立ちしてもいいかもしれないとユーリは考え始めている、そうなると、いよいよもってユーリの研究を手伝うのはカトカだけとなる、寂しさよりも困ってしまう状況なのだが、ゾーイの事を考えれば独り立ちして王都に戻るのも正しい選択であると思えた、

「それはあれですか、魔族が使っていたとかいう石ですか?」

カラミッドがレイナウトを伺う、

「うむ、ヘルデルにもいくつかあってな、実際に取り扱ったら実に危ない代物なものでな、今は厳重に保管していた筈だ」

「なるほど・・・噂では聞いておりましたが存在していたのですか・・・」

「そうだな、しかし、その無色の魔法石か、それの方が遥かに便利で有用ではないか、なんだ、貴様は耳にしていて放っておいたのか・・・」

「そう・・・言われますと・・・申し開きもないですが・・・」

カラミッドは実に渋い顔で俯いた、リシャルトも口をへの字に曲げており、ライニールは報告はしていたんだがなーとぼんやりと三人の様子を眺めていた、ライニールは事ある毎に寮に関する情報をリシャルトには報告している、その中には勿論であるが無色の魔法石やら赤色の魔法石も含まれ、今回の改築に関しても何やら目新しい事を始めるらしいと伝えていた、ライニールとしてはその重要性には気付いていた為、至極真面目に報告していたつもりであったが、どうやらその報告の仕方が拙かったのか、受ける側が軽んじていた為か、カラミッドもリシャルトもそれほど深刻に捉えていなかったらしい、

「まったく、今更何ですか、父上」

レアンが腕を組み口を尖らせてカラミッドを睨みつける、

「こら、レアン」

ユスティーナが慌てて止めるが、

「ライニールが事ある毎に報告しておりましたよ、まったく・・・」

ブツクサと呟いてレアンは黒板を睨んだ、ユーリは苦笑いを浮かべるしかなく、タロウとソフィアもまぁ家族内の事であるからと口出す事は無い、

「こら、失礼な口を利いてはなりません」

「ですが、母上・・・」

「いや、レアンの言う通りだな・・・少しばかり学園を・・・いや、ユーリ先生を軽んじておった・・・光柱の件もあったというのに・・・失礼はこちらの方だ」

カラミッドは苦々しく自責の念を口にする、確かにリシャルト経由でライニールの報告は入っており、食事の席でレアンも話題に出していた、黙殺していた訳では無いが、相手にしていなかったのは確かに自分である、愛娘に責められるのも致し方ないと口元を強く引き締め、不明を恥じるしかなかった、

「そんな・・・あー、ほら、御領主様もお忙しいと思いますから、ですが、そうですね、私とタロウ、それとソフィアの意見を言わせて頂ければなんですが、この無色の魔法石の利用価値は非常に高いです、なので、今日はその利便性を体感して頂くのも一つの目的、さらに言えば・・・そうですね、これはまた別途相談したいと考えますが・・・その上で私共としましてはモニケンダムの発展、さらには王国の発展に寄与できれば幸いであると思っております」

ユーリが慌ててその場を取りなし、

「そうか、そう言って頂けると嬉しい限りだ」

カラミッドは何とか口元のみで微笑みを見せた、その目は実に厳しいものであったが、それがユーリに対して向けられたものか己自身に向けられたものかは判別しようがなかった、そして、一同は若干ピリついた雰囲気のまま三階に場所を移し、実際に無色の魔法石と水を溜めている樽、便所や配管を目にし、要所要所でブラスが説明を加える、大人達は実に真剣に耳を傾け、風呂場に至った、

「おおっ、随分華やかだな」

レアンが楽しそうに笑顔になった、

「でしょー、ミナとー、レインとー、ニコとー、タロウが作ったのー、あと、大工のおっちゃんー」

「ほう、タイル画か・・・」

「はい、モルタルを下地にしてタイルを貼り付けております」

「この照明も光柱?」

「そうですね、脱衣室もなのですが、この風呂場も昼でも薄暗い為に設置しております」

「まて、このような使い方もできるのか・・・」

「部屋全体を明るくする為です、明るさはそれほどでもないですが、この部屋では細かい作業はしませんから、明るければ良い・・・それだけです、火を使わないので安全ですし、何より水気に強いです、それと・・・あれですね、生徒達は皆魔力持ちなので、その点でも便利かなと」

「なるほど・・・うん、なるほど・・・」

「可愛いですねー、これはあのメダカ?」

「そうなのー、で、これがタニシでー、これが草ー」

「草?」

「うん、レインがねー、草があると恰好いいだろーって」

「確かに、あっ、そうか、ここがそのお湯を溜める場所なのだな?」

「そうなのー、ミナはちっこいからあの椅子を使うのー、お嬢様も使えばいいのよー」

ミナが浴槽内に立てかけられている木製の腰掛けを指差した、他にも風呂場内には小さな椅子や桶が複数個積まれている、それらはタロウが必要だからとブラスに発注した品で、特に浴槽内で使用する腰掛けはミナやレイン、小柄なレスタ等には重宝された、浴槽は初めて作られた為に加減が分らずに非常に深いものになっている、大人であれば丁度良く肩まで浸かれる深さであったりするのであるが、子供には厳しかった、タロウは早めに気付いて正解だったと自画自賛しており、大人達もまたその腰掛けを踏み台代わりに使っていたりする、浴槽の深さもまた作ってみなければやはり分らないものなのであった、

「むっ、あれか?」

「あれー、あれに座るのー、気持ちいいのー」

「なるほど・・・覚えておこう・・・」

「すると、あれがその湯沸し板?」

「はい、陶器板を使用した湯沸し器になります、他にも外付けの湯沸し器もありますので、そちらも御確認下さい」

「しかし、何とも便利そうな物ばかり並んでおるな・・・」

「そりゃもう、折角新しく作る部屋ですからね、色々と取り付けました、今日は実際に使って頂きますので、御期待下さい」

「うむ、楽しみだ」

やっとカラミッドの顔に純粋な笑顔が戻って来たようであった、実に自然なそれであり、一切の険が感じられない、タロウはその顔を確認して、ホッと安堵して胸を撫で下ろす、今日のこの場は何よりもカラミッドに対するアピールなのである、タロウの計画ではこの後風呂を体感させ、その有用性を説き、ひいては下水道の部分的な活用を提案したいと考えていた、そこまで出来るかどうかは状況次第であったが、別途時間を貰えればなんとか説得はできるであろう、しかし、タロウもそうであるがカラミッドもまた件の問題で忙しい、まぁ、こちらは血生臭い話しでは無く、開明的な内容である事がせめてもの救いであろうか、

「では、厨房へ」

頃合いを見てタロウが先を促し、一行はゾロゾロと移動するのであった。
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