セカンドライフは寮母さん 魔王を討伐した冒険者は魔法学園女子寮の管理人になりました

今卓&

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67話 祭りを生み出すという事 その19

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その頃学園である、生徒達は明日の準備に追われていた、昨日準備した物の建込から侵入を規制する荒縄、器具類の備え付け等々バタバタと生徒達は動いており、事務員や教職員も一緒に汗を流している、これは何気に珍しい事であった、教職員は特に講師という立場上生徒には高圧的な者が多く、普段は踏ん反り返って偉そうにしている者が多いのである、しかし今日に関しては生徒や研究所の所員は大事な協力者であり労働力であった、共に汗を流し、怒鳴り声を上げつつも笑い声も混ざっており、それなりに仲良くやっているようである、

「あー、珍しいー、エレイン様だー」

「えっ、あっ、ホントだー」

ジャネットとルル達が玄関ホールにあたる大広間を通りかかると人だかりが出来ており、その中心には学園長と事務長、エレインが何やら壁の方を注視している、人だかりは三人を取り囲むように形成されており、その距離が見事に開いているのは学園長に近づかない為の自衛の距離なのであった、人払いをするには学園長という存在は地味に便利であったりする、

「なんだろ?」

「あっ、あれだー」

ジャネットが首を傾げ、ルルはすぐに気付いた、

「あっ、あれかー、なんだよー」

二人は人混みをかき分けてポンと隙間に入り込み、すぐさまエレインに、

「エレイン様ー、聞いてないよー」

「そうですよー、水臭いですよー」

と嬉しそうに駆け寄った、

「あら・・・お疲れ様」

対するエレインは余裕の笑みを浮かべ、学園長と事務長も、この二人でもこの反応なのかと楽しそうに微笑む、

「お疲れ様ー、えー、なんだよー、先に言ってよー」

「だって・・・ねー」

エレインはしてやったりと厭らしい笑みを浮かべ、

「あー、エレインさん、意地悪だー」

ルルの嬌声に、

「あら、ミナちゃんの真似かしら?」

尚余裕の笑みを浮かべる、

「似てました?」

「ちょっとだけ」

「あら、修行不足か・・・」

「そうですわね、もっと、こう、下っ足らずで遠慮無く?」

「難しいですね」

「そだねー、でも、そっか、あれ?これって学園で買ったの?」

「いいえ、これは・・・」

「寄贈頂いたんですよ」

事務長が三人の遣り取りに笑顔になりながら口を挟んだ、

「えっ、そうなんだ、エレイン様太っ腹だー」

「そりゃだって、そのうち贈ろうとは思ってましたからね、世話になってますし」

「いやいや、こちらこそじゃぞ、エレインさんにも世話になっておるが、ソフィアさんやタロウさんには頭が上がらんわ」

学園長がしみじみと呟く、

「それは私達もですわ、でも、ほら、ユーリ先生とかサビナさんにもお世話になっておりますから、当商会としては特に」

「そちらもありましたな」

「そうなんです、なので、それに私も生徒ですから、まだ」

「そうだよねー、まだ、生徒だもんねー」

「それもそうだー」

ジャネットとルルがキャッキャッとはしゃぐ、その五人の眼前ではバーレントと職人が二人、さらにコッキーが全身鏡の取り付け作業を行っていた、先程始めたばかりであったが、その作業は特に隠す事無く行われている為、生徒達は自分達の作業があるにもかかわらず集まってきてしまい、学園長らはその立ち合いとなる、

「まぁ、丁度良い頃合いでしたからね、貴族向けのお店にもチラホラと設置が始まりましたから、ギルドにある品も周知されてきてますし、そうなると学園にまず贈らないとってね、テラさんとも話してね、お祭りで人も集まるでしょうし、宣伝にもなるでしょ」

エレインはニヤニヤとその作業を見守る、

「そうだけどさー、言ってよー、ビックリしたよー」

「そりゃそうですわ、だって、ジャネットさんに言ったらあっという間に知れ渡ってしまうでしょう?」

「うっ・・・えー、それはだって、私だって黙ってるさー、こう見えて口は硬いんだよー」

「嘘おっしゃい」

「絶対、嘘だー」

「むー、ルルまでなんだよー」

「だって、絶対言い触らしますもん」

「そうよね、ルルさんは分かってますわね」

「ですよねー」

「むー、絶対言わなかったって、絶対にー」

「どうかしら?」

「どうでしょう?」

「酷いなー、酷いぞー、二人して意地悪だー」

「・・・それも似てませんわね」

「そうですね、愛らしさが無いです」

「別に真似してるわけじゃないー」

「今のはちょっとだけ似てましたー」

「そう?ルルさん採点が甘くない?」

「エレインさん、厳しいですよー」

「だから、真似してないってばー」

三人がギャーギャー騒いでる内に作業は一通り終わったようで、

「コッキーさん、チーっす」

作業を終えて片付けを手伝うコッキーにジャネットが駆け寄った、

「あっ、騒がしいと思ったらジャネットかー、ルルさんも、そっか学園だからいるよね」

「そうですよー、居ます、毎日」

「そりゃそうだ」

アッハッハと明るく笑い合う三人である、バーレントもこんなもんかなと最終確認を終えると、

「会長、こちらは以上ですね、先生、どうでしょう、問題があれば今の内に」

とエレイン達に歩み寄る、

「うむ、しっかり固定するのだな・・・」

「はい、重量物ですし、なにより貴重品なので」

「それもそうだ・・・しかし、あれじゃな、やはり何か違うな」

学園長が嬉しそうに近づいた、鏡の中には自身の姿と遠巻きに覗き込んでいる生徒達の姿が映っている、暫くの間は授業中か放課後でも無い限り独り占めする事は難しいであろう、

「確かに、何と言うか・・・見栄えが違いますな」

事務長も嬉しそうに微笑んでいる、実は事務長は自宅用に既に注文済みであったりする、実家にあたる子爵家名義で数日前に店舗を訪れていた、その際にはテラに驚かれたがしかししっかりと接客され、気持ち良く商談はまとまっている、納品は若干先となる予定であるが、それは致し方ない所であろう、

「うむ、王国立らしい施設になるかな・・・いや、充分そうであったが・・・うん、なんにしろ有難い事だ・・・エレイン会長、心から礼を言いたい」

クルリと学園長は振り向いた、先日エレインが突然学園長室を訪ねて来た時は何事かと訝しく思ったが、その口から出たのがガラス鏡の寄贈であった、この全身鏡の他に壁鏡を数枚寄贈したいとの申し出に学園長は一も二もなく謝意を伝えている、

「喜んでいただけてこちらも嬉しいです、それでは全身鏡は以上で、あとは壁鏡ですね」

エレインがバーレントに目配せすると、バーレントは職人達に指示を出す、コッキーはジャネット達と談笑しており、それは放っておくかと長兄らしい気遣いを見せた、普段であれば納品に立ち会う事は無いコッキーであるが、今日は学園に納品で、さらにエレインも立ち合うとなれば顔を出したいと着いてきていた、バーレントはもう職人として独り立ちしている為にそれほどでもないが、コッキーは学園に通いたいとどうやら望んでいるらしく、それは件の寮に関わる事になってより一層その思いが強くなっているようで、しかし、親父達は必要無いと頑なであった、職人としての修行が先だとして譲らないのである、コッキーとしてはデニス同様に細々とした細工物や爪ヤスリには熱心に取り組んでおり、もうそれだけでも職人として独り立ちしてもいいのではないかとバーレントは評価しているが、親父達の目は厳しく、バーレントはであればとコッキーには砂時計の製作も任せていたりする、なんのかんのと口は悪く喧嘩ばかりの兄妹であるが、兄としての優しさは確かに存在しているのかもしれない、

「壁鏡の設置に関しては木簡をお付けしています、勿論私どもで設置も可能ですが、難しくは無いので絵画を飾る程度にお考え頂ければと思います」

バーレントが手元の革袋から木簡を差し出した、大した内容ではない、但し絵画と異なり重量がある為、二点以上で支える事、壁にはしっかりと杭か釘を差す事等が記されている、

「うむ、大工の見習いであれば大勢いるからな、そちらにやらせよう」

学園長が受け取りサッと目を通して事務長に手渡した、全身鏡に関しては設置場所は固定になるが、壁鏡は数量もそれなりにある為、後程設置場所を相談する予定である、エレインからは生徒の授業に役立てて欲しいとの意向もあり、その一つは事務室に、他は生活科に配置しようかと学園長と事務長は目論んでいた、

「では、こんな感じですかね・・・何か不具合があれば、六花商会様か私どもに御連絡下さい、すぐに対応します」

バーレントはニコヤカに微笑む、これは引き渡しの際の常套句であった、実際に何かあった事は今時点では無かった、設置場所がまだ少ない事や、これでもかと頑丈に設置している為もあるであろう、

「うむ、そうしよう」

学園長と事務長が満足そうに頷くと、そこへ、

「すいません、事務長」

人だかりをかき分けて事務員が駆け寄ってきた、何かなと事務長が笑顔を向けると、

「表に商工ギルドの方々が、屋台の縄張りとか何とか」

「あっ、いらっしゃいましたな、では、私が行きます」

「おう、じゃ、儂は神殿の方に顔を出す」

「お願いします、あっ、壁鏡を受け取って欲しい、事務室に運び込んでおいて」

事務長はそう事務員に指示を出すとそそくさと正門に向かった、先日からの神殿絡みの騒動も昨日の打合せで落としどころを定め、今日は早朝から四つの神殿全てが何やら大荷物を運び込んでいた、教室一つにこの量はと学園長も事務長も鼻白むが、当の神官達はまるで遠慮が無い、エレインが顔を出すまで二人はそちらの対応に追われており、実はこの立ち合いはちょっとした息抜きとして丁度良かった程である、幸いであったのはその神官達は祭りの担当者であった為、前回の祭りの恩をしっかりと覚えており、話せば分かる面子であり、役職も高く無い為神殿同士が反目する事が無かった事であろうか、必要以上に仲良くする事は無い様子であるが、喧嘩になる事も無く、準備されていたその教室は着々と宗教色に染まっている、学園長としてはその作業を眺めこれはこれで面白いかもなと考えを改めていた、何気に四つの神殿が一堂に会する事は無く、実は歴史的な偉業もしくは珍事なのかもしれない、さらに金銭が絡まない為にまさに各神殿の文化的な主張が垣間見え、それらを学ぶ場としては最適なものになっているように感じる、明日明後日は忙しい事は確実である為、今日の内にゆっくりと堪能しようと学園長は目論んでいた、それが出来ればであるが、

「忙しなくて申し訳ないな、エレイン会長、改めて感謝する、この鏡は学園がある限りこの場で生徒達を映し続けるであろう」

学園長は笑顔でエレインへゆっくりと頭を垂れた、

「そうですね、そうあってくれたら嬉しいです」

エレインも同じく笑顔で頭を垂れる、敬意を交換し合う二人に、生徒達は唖然と見入ってしまった、学園長の姿もそうであるが、エレインの姿もまた落ち着いた模範的貴族と言える、噂では聞いていたがやはりこの人は違うのだろうなと思い知った瞬間であった、やがて職人が壁鏡の入った木箱を持ち込み、事務員がそのまま事務室へと二人を案内した、とても事務員一人で持てる木箱では無かったためである、そして学園長もその場を去ると、遠巻きにしていた学生達はあっという間にその距離を詰め全身鏡の前に集まってしまった、止める者もいない為そうなるのも当然で、エレイン達はあれよあれよと弾き出されてしまい、

「あー、こうなるよねー」

「ですよねー」

「そうね」

しかし、余裕の笑みを浮かべる三人と、

「喜んでもらえると嬉しいもんだよね」

「だろ、これが職人冥利ってやつだな」

「なんだよ、偉そうに」

「偉いからな、お前よりは」

「ムカつくー」

ここでも悪態を吐く兄妹であった。
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