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本編

65話 密談に向けて その12

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翌朝、学園生達は今日は御馳走だと期待に胸を膨らませつつ学園へ向かい、ソフィアは皿洗いに取り掛かっている、

「では、始めます」

「始めまーす」

「始めるのじゃ」

「・・・なんだが、いいのかな?」

「いいのかな?」

「良いじゃろう」

「いいから、さっさと始めなさいよ」

タロウとミナとレインが浄化槽の脇に並んで同時に首を捻った、ニコリーネが今日は朝から何だろうと不思議そうで、その傍らでユーリがめんどくさそうにタロウを睨み、カトカとサビナとゾーイも出所早々に立ち会っている、

「ほら、ブラスさんには確認してるしね、でも、スライムなんて飼った事無いからさ、大丈夫かなーって一応・・・思って見たりして」

タロウが振り返って誤魔化し笑いを浮かべるも、

「今更何言ってるのよ、まったく」

「そう言われればそうですよね」

「それ言ったらヒトデもシジミも飼ったことないですよ」

「シジミはほら、メダカと一緒にいるじゃない」

「あっ・・・そうですね」

「見てて楽しいものではないけどね」

「それもそうですよね」

大人達はつれない様子であった、ユーリはムッとタロウを睨んでおり、カトカとサビナとゾーイは傍らに置かれた樽を覗き込む、三つ並んだそれにはそれぞれにブラックスライムと淡水ヒトデ、黒シジミが大量の水と一緒に納まっている筈であった、というのもヒトデはかろうじて樽の内壁に貼り付いている為視認出来たが、スライムとシジミはその色の為樽の中では判然とせず、シジミは小石のように底に転がっているのがかろうじて分かり、スライムに至っては水と闇に紛れており居ると言われれば居るのだろうなといった感じであった、

「まぁいいか、後からでも何とでもなるだろうしね」

タロウは適当な事を言いつつ浄化槽の一段下がった足場に下りた、その足元にはソフィアが括り付けた無色の魔法石入りの革袋があり、それを引き上げると水がジャバジャバと垂れ滴る、軽く手をかざしてその動作を止めると、ガシャリと地面に置き、

「じゃ、スライムからかな?そっちの大きい樽、お願いできる?」

「これですね」

サビナが手を掛けるが微動だにしない、カトカとゾーイも手伝ってなんとかタロウの下に運んだ、

「で、しっかり見ておいてな」

タロウはそれを受け取るとその重さの為に軽くふらつくがすぐに腰を入れ直す、そして浄化槽の寮に最も近い箇所からそろそろと中身を注ぎ入れる、

「出てきました?」

サビナが首を伸ばして確認するも、タロウは特に答える事は無く、しかし、

「あっ、出来てた」

ドボンと急に音が変り、水とは違った質量と形を伴った何かが浄化槽に零れ落ちたようである、

「わっ、それですか?」

「これだね」

「うー、見えないー、何やってるのー」

「ミナちゃん危ないから」

ミナがピョンピョン飛び跳ね、カトカが慌ててその肩を押さえる、

「まぁ、ちょっと待ちなされ、今見せてあげるからのう」

タロウはふざけつつ樽をほぼ水平に傾ける、ドボンドボンと水音が続き、やがてそれは落ち着いたようで、タロウは樽を覗き込み、

「おっ、こんなもんだね」

と樽をユーリの足元に持ち上げると、

「ほれ、一匹?かな残ってるぞ、見てみ?」

と微笑みかけた、

「どれー」

ミナが樽に取りつき覗き込むもやはりその中は真っ暗で見える筈も無い、

「地面に落としても大丈夫よね」

一応とユーリが確認し、

「大丈夫だろ、こいつら結構丈夫だし」

「そうよね、ミナ、ちょっと待ってな」

カトカがミナを押さえてユーリがヨツと樽を横倒しにする、さらに底を持ち上げると、残った水と一緒にヌルンと何やら転がり出た、

「わっ、なにこれ、なにこれ?」

「スライムよ、黒スライムとかブラックスライムとかいうやつねー」

「ちゃんと見たの初めてかもですね」

「そうね、他の色のは子供の時良く見たけどね」

「私他の色のも見たことないですよ」

「これだから都会の人はなー、駄目なのよー」

「そうね、スライム見て珍しいって近づくらしいわよ都会の人」

「えー、マジですかー」

「あー、都会苛めだー、都会差別だー」

「好きに言ってなさいな、都会っ子めー」

「むー、まだ言うかー」

サビナとユーリがカトカをからかい、自分も都会育ちと言えばそうなんだよなーとゾーイとニコリーネが苦笑いとなる、当のブラックスライムは地面の上で小さく震えているように見える、特に動く事は無く、泥の上で丸パンのような形を維持し、その色はその名の通り黒色であるが、透き通ってもいた、黒いガラスのような丸い物質だなとゾーイが一目で感じた印象である、

「そうだ、これどうやって捕まえたの?」

「難しくないぞ、樽を水に沈めて餌をそれに入れておいたのさ、少ししたらワサワサと入ってきたな」

「あら・・・簡単ね」

「まぁな、その樽を引上げるのに一苦労だったがな」

タロウがフフンと鼻で笑う、昨晩、夕食を摂りミナを寝台に寝かせた後で、暗闇の中腰まで水に浸かって一人四苦八苦してきたのであった、タロウとしてはスライムを捕獲する事等初めてのことであり、恐らくこれでいけるであろうとは踏んでいたのであるが見事にその目論みが成功し、流石俺、等と自画自賛の笑みを浮かべるが、さて回収するかとなった途端に自分の目論みの甘さに気付いたのである、後先考えないとは正にこのことだなと暗闇の中一人反省したのであった、

「餌は何を使ったんですか?」

カトカがここは大事かなと黒板を取り出す、

「魚を潰したやつ?石に括りつけて沈めた感じ?」

「なるほど、他に注意点とかありますか?」

「あー・・・あれだ、こいつを狙って捕まえるのであれば洞窟みたいな感じで暗い所がいいだろうね、影になっている所とかかな、このスライムはそういう所に住んでいるからね」

「なるほど、なるほど」

「触っていいのー」

ミナがしゃがみ込んでスライムを見つめている、今にも触りたいとウズウズしている様子で、しかし、他の誰も手を伸ばさない所を見ると駄目なのかなと小さな自制心を発揮している様子であった、

「大丈夫だぞ、多分」

「えっ、駄目ですよ」

「そうよ、火傷しちゃうでしょ」

適当な事を言うタロウにサビナとゾーイが慌てて大声を上げた、

「そう?」

「そうですよ、だって、スライムですよ」

「下手したら殺されるんですから、そんな簡単なものではないですよ」

「そうかな?」

「そうですよ」

「でも、ほら」

タロウがスッと手を伸ばしてそのスライムを手に乗せた、誰も止める間も無い早業で、アッと悲鳴が響くも、スライムはプルプルとその手の上で蠢き、タロウは平気な顔である、

「あら・・・」

「えっ?」

「うそ・・・」

「いいの?」

「なんか可愛いー」

驚く四人と喜ぶミナ、レインはまぁこの種であればそうだろうなと余裕の笑みである、

「このスライムはね、腐った物とか死体とか排泄物とか?そういうのしか食べない種類みたいだよ、だから、生きたものとかは襲わないみたいだね、それに基本水の中にいる奴だから、こうやって水から出すと食事どころじゃないんじゃないかな?」

「それは凄い」

「うん、初めて知った」

「えっと、私も良いですか?」

「ミナもー、ミナが先ー」

カトカが猛然と黒板を鳴らし、他の三人も目の色を変えている、

「はいはい、じゃ、ミナからな」

タロウがズイッとスライムを差し出すとミナは小さな手を合わせて優しく受け取る、途端、

「わっ、冷たい、柔らかい、変な感じー」

キャーキャー騒ぎ出した、

「どう、痛く無い?」

「熱いとか無い?」

「大丈夫ー、気持ちいいー」

「気持ちいいの?」

「フワフワでグニャグニャでヒヤヒヤー」

「あら・・・」

「これは新発見かも・・・」

「確かに」

王国に於けるスライムは主にその色で種類が分けられていた、森に住み枝から落ちて獲物を捕獲するグリーンスライムが最も有名であり、レッドスライムと呼ばれるスライムは寄生虫のように獣の体内で育ち、やがてその腹を食い破って体外に出る事が確認されている、この二種が危険とされるスライムであり、他にブルースライムと呼ばれる湖や海に住む種類、イエロースライムと呼ばれる草食性で葉っぱの裏等に貼り付き農家からは蛇蝎のごとく嫌われるスライム、このブラックスライムは水場の暗所に住む事が確認されているが、こちらの三つは比較的に温和な種類であった、ブルースライムは主にジッと動かずに虫や小魚を主食としており、イエロースライムは別名ナメクジスライムとも呼ばれ最も小型であり、草食性の為人に害する事は無く、しかし見つけ次第踏みつぶされる運命で、ブラックスライムは雑食性であり腐食を好む、ブルーとブラックは成体になったとしても大人の手に乗るほどに小さい、先の二つは異常成長した場合人の大人程度に大きくなる事があるらしい、

「これ・・・観察用に飼育できないですかね?」

「それ、私も思ったわ」

「タロウさん、どうですか?」

ミナの手の中でプルプルと揺れるスライムを見つめ研究所の面々はやはり興味を引かれたらしい、

「どうですかって言われてもだけど、見てて楽しいものではないだろうね」

「そうですか?」

「だって、動かないぞこいつ、泳がないだろうし、ほら、水槽のシジミとタニシみたいな感じ?」

「・・・確かに楽しくは無いですね」

「いや、楽しむ為に飼う訳じゃないでしょ」

「それもそうか」

「なら、いいけどさ、水槽みたいにガラス容器に入れれば観察は可能だと思うよ、水の交換とか餌とか考えないとだけどさ」

「残飯でいいんじゃないですか、餌?」

「そうよね、ソフィアさんに貰えばいいじゃない」

「あー、本気で言ってる?」

タロウは呆れたように微笑む、タロウも飼育は考えたのであるが、正直つまらないだろうなとあっさりと諦めていた、第一浄化槽に入れておけば恐らく勝手に生きて勝手に増えて勝手に死んでいくだろう、その管理も含めての浄化槽の試用実験なのである、そして室内で飼育したとしても水槽の隅でジッと蹲っているだけで、餌を与えてもそれに覆い被さる程度である、見ていて楽しいとはとても考えられなかった、研究目的であればそれでも良かろうが、娯楽として飼うには今一つな生物ではある、

「本気ですよ、これは興味深いです」

「はい、スライム研究の本ってありましたっけ?」

「ありますね、でも、これの記述は少なかったと思います、あれは、グリーンスライムとレッドスライムの生態研究が主でしたから、それとイエロースライムが少々ですかね」

「そうよね、あいつらはウザイし、危ないからね」

「そうなんですよ、でも、これなら・・・うん、研究しましょう、所長」

「あー・・・そうね、それも良いかもね・・・あー、課題が溜まる一方よ、こういうのは・・・学園長に投げましょうか」

「えー、なんかそれ寂しいですよー」

「気持ちは分かるけど、うちは魔物研究は管轄外よ」

「ですけどー」

何とも楽しそうな四人である、ミナはプルプルとスライムを揺らしてニヤニヤしており、レインもそれをツンツンと突いてはニヤついている、ニコリーネもしゃがみ込んでじっくりと観察している様子であった、

「あー、取り合えず、他のも入れてしまおうか、それは好きにしていいからさ」

タロウは取り合えずと作業を進める事とした、さらにヒトデとシジミが投入され、そちらの数匹も観察用にと確保された、

「取り合えず、こんなもんだね、後は・・・まぁ何とかするさ」

「そうね、こうなるとトイレって使えるの?」

「おう、ブラスさんが明日来るからさ、少し調整してからかな?」

「あら、明日?・・・っていうか今日来てないのね」

そう言えばとユーリが寮を見つめる、

「あぁ、ちょっと無理させちゃったからね、今日はお休み、まぁ、工場で何かやってるんじゃないの?」

「ふーん、あっ、カトカ、あの計算機だっけ、あれって依頼したの?」

「まだです」

「あら、じゃ、明日にでも頼もうかしら、あれ便利よね」

「そうですね、ブラスさん忙しそうで言い出せなかったんですよ」

「あー、そこはほら強引にいかないとでしょ」

「それも何か悪いじゃないですか」

取り合えず一仕事を終えて姦しくなる一同であった。
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