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本編
60話 光と影の季節 その18
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翌日、寮は朝からドンドンガンガンと騒々しかった、
「うるさいわねー」
ゾーイ達と朝の打合せを終え、さて集中するかと机に向かったユーリがあまりの騒音に怒り顔で研究室から顔を出し、ホールの作業場でカトカとゾーイも嫌そうに騒音の元を睨む、元打合せ室であった個室からサビナもフラリとその巨体を現した、そこへ、
「始まったー、なんかやってるー」
ミナとレインが階段をバタバタと駆け上がってきて、
「こら、危ないぞ」
タロウも三階へ顔を出す、
「もー、仕事にならないわよ」
「俺に言うなよ、第一こうなることは分り切っていただろうが」
ユーリがジロリとタロウを睨み、タロウは何を今更と睨み返す、
「そうだけど、こんなにうるさいとは思わなかったわよ」
「だから、俺に言うなって」
二人は騒音に対抗して大声を出しつつ増築部分を覗き込んだ、そこは元々は倉庫であった部屋である、つい昨日ソフィアとユーリによって綺麗に空となった部屋であり、増築にあたって廊下とトイレになる予定の空間である、
「おおっ、はやいなー」
タロウは大したもんだと微笑む、もう既にその部屋の石壁の一部が崩れ大槌を振るう職人と、ブラスの顔がチラチラと覗いていた、
「わっ、すごーい」
ミナがタロウの足元から中を覗き、レインもタロウの足を押しのけて顔を突っ込む、
「あっ、すいません、すぐに終わります」
四人が覗いている事に気付いたブラスが手を止めて穴から顔を覗かせる、
「そうね、さっさと終わらせて、うるさくて仕方ないわ」
ブスリと言い放つユーリである、
「そうですね、わかります」
ブラスは苦笑いを浮かべて苦情を受け取るしかない、事前に騒音に関しては説明していたのであるが、話しで聞くのと実際のそれとはやはり大きく異なるものであろう、ブラスや職人達にしてみればよくある認識の違いというものである、
「まったく、仕方ないけどさー、どうしようかな・・・あー、ブラスさんね、このうるさいのはいつまで続くの?」
ユーリは腰に手を当てて踏ん反り返った、
「そうですね、午前の半ばくらいまでは、3階から1階までなので、すぐです、もう暫くお待ち下さい」
「それはすぐ終わるって感じじゃないでしょ・・・まったく」
ユーリはやれやれと溜息を吐き、
「うん、なら今日はこっちでの作業はお休みかしら・・・どうしようかな・・・」
とさっさと踵を返す、
「なんだ?この程度で仕事が出来ないのか?」
タロウがニヤリとユーリを見下ろす、
「そうよ、ただでさえ細かい事やってるんだから、あんたのお陰で忙しくなったしね、まったく」
プンプンと怒りつつホールに戻るユーリであった、
「ありゃー、大丈夫ですかね?」
ブラスが穴越しに確認する、
「ん、ほっとけ、どうせ今日で終わるんだし、改築となれば騒音は付きものだろ」
「はい、そう言って頂けるとありがたいです」
ブラスは笑顔で会釈をしたようだ、顔が消えてすぐに現れる、タロウは、
「ん、どうする?もう少し見物するか?」
とミナとレインを見下ろした、
「うん、見るー、見てていい?」
「いいぞ、ただし、この部屋には入らないこと、レイン、頼むぞ」
「うむ、分かっておる」
タロウはレインにミナを託してホールに戻った、昨日の一件からやっとミナはタロウにしがみ付く事は止めた様子である、本人も無理矢理にしがみついていたのであるから、当然と言えば当然なのであった、
「あー、今日はこっちは駄目だわね、どうしようか?荒野の研究所の準備でもするか」
ホールでは研究員を前にしてユーリが不愉快そうに相談している、
「そうですね、あっちも気になってました、修繕は終わったんですか?」
カトカがそういえばと質問する、
「昨日で終わったらしいわよ、あっちの3階も好きにしていいって言われてるけど、どこまで持ち込もうかしら?」
「それこそ騒音の出る工具類は向こうで良いと思いますよ、こっちでは遠慮して使ってなかったですから」
「そうよね、あー、じゃ、一部引っ越すか・・・うん、ちょっと学園に行って確認してくるわ、あんたら準備しておいて、あっ、タロウさん、あんたどうする?」
ユーリが振り返る、
「どうするって?」
タロウが何のことやらと首を傾げた、
「事務長とかに挨拶よ、学園長は午後には来るけど、ここの管理は事務だから、事務長だの担当の事務員だのと顔合わせしておいた方がいいでしょ」
「あー、そういう事・・・必要か?」
「当然でしょ、事務員はそのうち顔出すかもだし、事務長も事あるごとに会えるけど・・・こっちから顔見せに行って挨拶くらいしときなさい、それが礼儀ってもんでしょ、大人なんだから、あんたもこっちに腰を落ち着けたいんでしょ?」
愚痴っぽく聞こえるが社会人として実に正しい言葉と意見である、タロウは、
「・・・そうだな・・・うん、じゃ、どうしょうか?」
それもそうだと納得し、ここはユーリに任せるのかが賢いかと問い直す、
「ソフィアがいた方がいいわよね、呼んできて、すぐに終わると思うしね・・・いや、長くなるかな・・・そん時はそん時ね」
ユーリがふむとあらぬ方向を睨みつける、ソフィアが行くと事務長室で捕まる可能性が高い、いや、確実に捕まるであろう、それは学園長と会っても同様であろうし、タロウがいようがいまいが関係無くそうなるであろう、しかし、大人として学園の一教師として明文化されてはいないであろうが必要な手続きであろうとユーリは結論付けた、
「ん、じゃ、呼んでくる」
タロウは素直に階段へ向かった、
「あっ、私先に行ってるわ、事務室に来てってソフィアに伝えて」
「了解」
再び壁を壊す音が響きだす中、タロウは階段を下り、ユーリは転送陣へと向かった。
「じゃ、行くかー」
「行くー」
「どっちだ?」
「あっちー」
学園での挨拶を終えたタロウはミナとレインと共に学園の正門から市場へ向かった、
「あんたはいいの?」
ユーリはやれやれとその背を見送りつつソフィアに確認する、先ほどまでユーリが先達となってタロウとソフィアは事務室と学園長室を回り、勿論であるがミナとレインも一緒である、寮の留守番はサビナに任せていた、
「いいわよ、掃除の途中だったんだから、寮の管理も大変なのよー」
ソフィアはのんびりと答える、
「それは聞いてるわよ」
「ならそういう事よ、それに買い出しはミナとレインのお仕事だしー、タロウさんがね、今日は家族サービスの日なんだってさ」
「家族・・・なに?」
「家族サービス」
「サービス?」
「うん」
「なにそれ?」
「奉仕とかおもてなしとか、御機嫌取りとかって言ってたかな?」
「どこの言葉よ・・・」
「知らないわよ、あの人ほらいろんな言葉使うからね」
「そうだったわね、器用なもんだわ」
「ホントにね」
二人はまったくと溜息を吐いてユーリの事務室へ向かった、学園内は授業中であり、生徒の姿は廊下には無い、
「あっ、昨日の白砂糖っていっぱいあるの?」
「どうだろう?隠し持ってるかもだけど、なんで?」
「作り方に興味があるのよね、あれも元は黒糖なんでしょ」
「そうらしいけど、異常にめんどくさいって言ってたわよ」
「あら、流石ね、聞いてはいるんだ」
「みたいね、でも、タロウさんがめんどくさいって言うほどよ、私らからみたらとんでもなく厄介なんじゃない?」
「・・・それもそうね、あのもの好きが作るって言わないあたり、何かあるのかしら?」
「かもね、それに私は黒糖で十分だわよ、他にも色々仕入れてきたって笑ってたけど、どうなることやら・・・」
「それは興味があるわね」
「でしょうけど、それこそやり過ぎないようにしないと、ほら、私達ならいいけど、生徒達に見つかってもめんどいし、ティルさんにも筒抜けだしねー、偉い人達がすっ飛んで来るわよ、まったくめんどくさいったらないわね」
「あ、偉い人達で思い出した、昨日のクロノスとの打合せってなんか聞いてない?」
「聞いてないわね、私も聞かなかったしね、何かあれば言うでしょ」
「そうね、でも、何気に急いでたみたいだし、クロノスはクロノスで固い顔だったしね、何かあるんじゃないかと思うんだけど」
「何かはあるんじゃない?少なくとも魔族の土地には行ったんでしょうしね、そこの情報とか?」
「また攻めてくるのかしら?」
「どうかな、ならもっと急ぐんじゃないかしら・・・でも、だったらほら、クロノスの所に直接行ったでしょうしね」
「それもそうか・・・ま、いいか、なるようにしかならないわよね」
「そうね、どうしてもあの人が絡むとめんどくさいわね」
ソフィアは何度もめんどくさいを繰り返し、ユーリもタロウに関してはほぼほぼ諦めている、出会った頃から変人であり、それは数年振りに再会しても何ら変わること事は無かった、悪い人間ではないし、どちらかと言えば善人で、幼馴染が惚れてしまった男であって、何度も命を救って救われた、こうして教師やら研究者やらの職を得る程に知恵と知識ととんでもない魔力を授けてくれた人ではあるのだが、やはり変人はどこまでいっても変人である、そう思えるほどに仲が良いとも言えるのであるが、
「ま、いいか、あ、ついでだ、ストウラク先生の所に寄って行きましょう、魔法石採ってきたかもだから」
「あら、授業中じゃないの?」
「助手がいるわよ」
「そういうものなの?」
「そういうものなの」
ユーリはこっちよと研究棟の廊下を曲がる、ソフィアはまぁその程度は付き合ってやるかと、その背に従うのであった。
「うるさいわねー」
ゾーイ達と朝の打合せを終え、さて集中するかと机に向かったユーリがあまりの騒音に怒り顔で研究室から顔を出し、ホールの作業場でカトカとゾーイも嫌そうに騒音の元を睨む、元打合せ室であった個室からサビナもフラリとその巨体を現した、そこへ、
「始まったー、なんかやってるー」
ミナとレインが階段をバタバタと駆け上がってきて、
「こら、危ないぞ」
タロウも三階へ顔を出す、
「もー、仕事にならないわよ」
「俺に言うなよ、第一こうなることは分り切っていただろうが」
ユーリがジロリとタロウを睨み、タロウは何を今更と睨み返す、
「そうだけど、こんなにうるさいとは思わなかったわよ」
「だから、俺に言うなって」
二人は騒音に対抗して大声を出しつつ増築部分を覗き込んだ、そこは元々は倉庫であった部屋である、つい昨日ソフィアとユーリによって綺麗に空となった部屋であり、増築にあたって廊下とトイレになる予定の空間である、
「おおっ、はやいなー」
タロウは大したもんだと微笑む、もう既にその部屋の石壁の一部が崩れ大槌を振るう職人と、ブラスの顔がチラチラと覗いていた、
「わっ、すごーい」
ミナがタロウの足元から中を覗き、レインもタロウの足を押しのけて顔を突っ込む、
「あっ、すいません、すぐに終わります」
四人が覗いている事に気付いたブラスが手を止めて穴から顔を覗かせる、
「そうね、さっさと終わらせて、うるさくて仕方ないわ」
ブスリと言い放つユーリである、
「そうですね、わかります」
ブラスは苦笑いを浮かべて苦情を受け取るしかない、事前に騒音に関しては説明していたのであるが、話しで聞くのと実際のそれとはやはり大きく異なるものであろう、ブラスや職人達にしてみればよくある認識の違いというものである、
「まったく、仕方ないけどさー、どうしようかな・・・あー、ブラスさんね、このうるさいのはいつまで続くの?」
ユーリは腰に手を当てて踏ん反り返った、
「そうですね、午前の半ばくらいまでは、3階から1階までなので、すぐです、もう暫くお待ち下さい」
「それはすぐ終わるって感じじゃないでしょ・・・まったく」
ユーリはやれやれと溜息を吐き、
「うん、なら今日はこっちでの作業はお休みかしら・・・どうしようかな・・・」
とさっさと踵を返す、
「なんだ?この程度で仕事が出来ないのか?」
タロウがニヤリとユーリを見下ろす、
「そうよ、ただでさえ細かい事やってるんだから、あんたのお陰で忙しくなったしね、まったく」
プンプンと怒りつつホールに戻るユーリであった、
「ありゃー、大丈夫ですかね?」
ブラスが穴越しに確認する、
「ん、ほっとけ、どうせ今日で終わるんだし、改築となれば騒音は付きものだろ」
「はい、そう言って頂けるとありがたいです」
ブラスは笑顔で会釈をしたようだ、顔が消えてすぐに現れる、タロウは、
「ん、どうする?もう少し見物するか?」
とミナとレインを見下ろした、
「うん、見るー、見てていい?」
「いいぞ、ただし、この部屋には入らないこと、レイン、頼むぞ」
「うむ、分かっておる」
タロウはレインにミナを託してホールに戻った、昨日の一件からやっとミナはタロウにしがみ付く事は止めた様子である、本人も無理矢理にしがみついていたのであるから、当然と言えば当然なのであった、
「あー、今日はこっちは駄目だわね、どうしようか?荒野の研究所の準備でもするか」
ホールでは研究員を前にしてユーリが不愉快そうに相談している、
「そうですね、あっちも気になってました、修繕は終わったんですか?」
カトカがそういえばと質問する、
「昨日で終わったらしいわよ、あっちの3階も好きにしていいって言われてるけど、どこまで持ち込もうかしら?」
「それこそ騒音の出る工具類は向こうで良いと思いますよ、こっちでは遠慮して使ってなかったですから」
「そうよね、あー、じゃ、一部引っ越すか・・・うん、ちょっと学園に行って確認してくるわ、あんたら準備しておいて、あっ、タロウさん、あんたどうする?」
ユーリが振り返る、
「どうするって?」
タロウが何のことやらと首を傾げた、
「事務長とかに挨拶よ、学園長は午後には来るけど、ここの管理は事務だから、事務長だの担当の事務員だのと顔合わせしておいた方がいいでしょ」
「あー、そういう事・・・必要か?」
「当然でしょ、事務員はそのうち顔出すかもだし、事務長も事あるごとに会えるけど・・・こっちから顔見せに行って挨拶くらいしときなさい、それが礼儀ってもんでしょ、大人なんだから、あんたもこっちに腰を落ち着けたいんでしょ?」
愚痴っぽく聞こえるが社会人として実に正しい言葉と意見である、タロウは、
「・・・そうだな・・・うん、じゃ、どうしょうか?」
それもそうだと納得し、ここはユーリに任せるのかが賢いかと問い直す、
「ソフィアがいた方がいいわよね、呼んできて、すぐに終わると思うしね・・・いや、長くなるかな・・・そん時はそん時ね」
ユーリがふむとあらぬ方向を睨みつける、ソフィアが行くと事務長室で捕まる可能性が高い、いや、確実に捕まるであろう、それは学園長と会っても同様であろうし、タロウがいようがいまいが関係無くそうなるであろう、しかし、大人として学園の一教師として明文化されてはいないであろうが必要な手続きであろうとユーリは結論付けた、
「ん、じゃ、呼んでくる」
タロウは素直に階段へ向かった、
「あっ、私先に行ってるわ、事務室に来てってソフィアに伝えて」
「了解」
再び壁を壊す音が響きだす中、タロウは階段を下り、ユーリは転送陣へと向かった。
「じゃ、行くかー」
「行くー」
「どっちだ?」
「あっちー」
学園での挨拶を終えたタロウはミナとレインと共に学園の正門から市場へ向かった、
「あんたはいいの?」
ユーリはやれやれとその背を見送りつつソフィアに確認する、先ほどまでユーリが先達となってタロウとソフィアは事務室と学園長室を回り、勿論であるがミナとレインも一緒である、寮の留守番はサビナに任せていた、
「いいわよ、掃除の途中だったんだから、寮の管理も大変なのよー」
ソフィアはのんびりと答える、
「それは聞いてるわよ」
「ならそういう事よ、それに買い出しはミナとレインのお仕事だしー、タロウさんがね、今日は家族サービスの日なんだってさ」
「家族・・・なに?」
「家族サービス」
「サービス?」
「うん」
「なにそれ?」
「奉仕とかおもてなしとか、御機嫌取りとかって言ってたかな?」
「どこの言葉よ・・・」
「知らないわよ、あの人ほらいろんな言葉使うからね」
「そうだったわね、器用なもんだわ」
「ホントにね」
二人はまったくと溜息を吐いてユーリの事務室へ向かった、学園内は授業中であり、生徒の姿は廊下には無い、
「あっ、昨日の白砂糖っていっぱいあるの?」
「どうだろう?隠し持ってるかもだけど、なんで?」
「作り方に興味があるのよね、あれも元は黒糖なんでしょ」
「そうらしいけど、異常にめんどくさいって言ってたわよ」
「あら、流石ね、聞いてはいるんだ」
「みたいね、でも、タロウさんがめんどくさいって言うほどよ、私らからみたらとんでもなく厄介なんじゃない?」
「・・・それもそうね、あのもの好きが作るって言わないあたり、何かあるのかしら?」
「かもね、それに私は黒糖で十分だわよ、他にも色々仕入れてきたって笑ってたけど、どうなることやら・・・」
「それは興味があるわね」
「でしょうけど、それこそやり過ぎないようにしないと、ほら、私達ならいいけど、生徒達に見つかってもめんどいし、ティルさんにも筒抜けだしねー、偉い人達がすっ飛んで来るわよ、まったくめんどくさいったらないわね」
「あ、偉い人達で思い出した、昨日のクロノスとの打合せってなんか聞いてない?」
「聞いてないわね、私も聞かなかったしね、何かあれば言うでしょ」
「そうね、でも、何気に急いでたみたいだし、クロノスはクロノスで固い顔だったしね、何かあるんじゃないかと思うんだけど」
「何かはあるんじゃない?少なくとも魔族の土地には行ったんでしょうしね、そこの情報とか?」
「また攻めてくるのかしら?」
「どうかな、ならもっと急ぐんじゃないかしら・・・でも、だったらほら、クロノスの所に直接行ったでしょうしね」
「それもそうか・・・ま、いいか、なるようにしかならないわよね」
「そうね、どうしてもあの人が絡むとめんどくさいわね」
ソフィアは何度もめんどくさいを繰り返し、ユーリもタロウに関してはほぼほぼ諦めている、出会った頃から変人であり、それは数年振りに再会しても何ら変わること事は無かった、悪い人間ではないし、どちらかと言えば善人で、幼馴染が惚れてしまった男であって、何度も命を救って救われた、こうして教師やら研究者やらの職を得る程に知恵と知識ととんでもない魔力を授けてくれた人ではあるのだが、やはり変人はどこまでいっても変人である、そう思えるほどに仲が良いとも言えるのであるが、
「ま、いいか、あ、ついでだ、ストウラク先生の所に寄って行きましょう、魔法石採ってきたかもだから」
「あら、授業中じゃないの?」
「助手がいるわよ」
「そういうものなの?」
「そういうものなの」
ユーリはこっちよと研究棟の廊下を曲がる、ソフィアはまぁその程度は付き合ってやるかと、その背に従うのであった。
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