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本編
59話 お披露目会 その1
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屋敷のガラス鏡店の正式名称は「ユーフォルビア六花商会ガラス鏡店」となった、そのままの名前であるが店名を必要以上に凝る必要は無いであろうし分かりやすいのが一番であるとの意見が多かった為である、後にモニケンダム本店もしくは本店と呼ばれるようになるがそれはまだまだ先の事であった、その店が20日の開店に向けて本日から三日間、お披露目会と称して関係者及び重要な顧客を招いた内覧会を開催する、それは寮の隣りの店舗でも行われた模擬販売件来賓招待の催事をそのまま踏襲した形であった、ただ違うのは商品の販売はしないという点であろうか、初日の今日は午前はギルドや関係者向けの正にお披露目で、彼等を客として遇する事も無い、午後からは従業員の家族を招待する事となっている、母親や娘がどのような商売をしているかを知ってもらう事を目的としたある意味での家族サービスと呼ばれるものになるであろう、それにより女性の仕事に対する偏見を払拭したいとの思惑がエレインにはあったが、元より賛成しているかどうかは分からないが実際に女家族が仕事に出ている家庭に於いてはその点はそれほど深く考える必要は無いのかもしれないとも考えられる、理解をより深めてもらい協力して貰うという点では有効な策であろう、明日は王族達を招待しており、明後日は領主一家を招待している、どちらも主要商材となるガラス鏡の注文は受けている、その為、注文分の納品について段取りをつけ、さらにこの場での顧客対応を実施する予定である、つまり明日からが本当の意味での勝負の日となるのである、
「さて、準備はいいかしら?」
エレインはガラス鏡店の中央に立って従業員を見渡した、テラとマフレナとケイラン、メイド三人衆が口元を引き締め、お手伝いとしてティルがその端に加わっている、
「はい、昨日は大変でしたけど、何とかなっております」
テラがニコリと微笑む、
「まったくだわ」
エレインの渋い顔にマフレナ達も微苦笑となる、
「ですが、寮の生徒達や婦人部の協力もあって何とかなりました、勿論皆さんの活躍もあってですが、なので、今日はしっかりと予定をこなしていきましょう」
エレインの薫陶に一同はニコヤカにそして力強く頷いた、
「それと、今のうちにミーンさんとティルさんは昨日の報告書をお願いしますね、そちらはそちらで大事ですから」
エレインは二人へ視線を向ける、二人はコクリと頷いて了承の答えとする、昨日は商会はてんてこ舞いの騒動であったが、ソフィアは我関せずとしっかりと二人の指導に注力していた、エレインもそういう事ならとミーンを店の手伝いに呼ぶ事は無かった、ちなみに昨晩の夕食はホワイトシチューであった、チーズがまだある為、仕上げとしてゴーダチーズをタップリと溶かし入れた以前のそれとはまた大きく異なる一品であった、それは疲れに疲れた生徒達の身体の隅々に染み渡る程の温かさと栄養でもって絶賛の声が巻きあがったのは当然の事である、
「では、テラさんからありますか?」
エレインは腹心に水を向ける、
「はい、では、事務的な事を、昨日も説明しましたが、本日の来客は午前中は関係各位が仕事としていらっしゃいます、ギルド関係者、仕入れ先、お仕事での重要な提携先等です、私か会長であれば顔と名前はほぼ理解しておりますし、私が門衛と共に来客の監視と署名を頂きます、問題は少ないかと思いますが、不審な者があれば遠慮なく声をかけるようにお願いします、それと商談は一切出来ません、購入を希望される方もいらっしゃると思いますが、20日以降に予約をするように誘導願います」
これは主にマフレナとケイランの仕事になるであろう、お披露目会を開催するにあたってカチャーが走り回った通知の中でも今日は商品の売買は不可能である事を明記しており、それを望む場合は20日以降に予約をとるようお願いしていた、ヘッケル工務店等取引のある関係であれば売買の必要そのものが薄いのであるが、ギルド関係者や商店街の関係者は恐らく商談を求める事もあるであろう、しかしそのような時間は取れないものとエレインとテラは考えていた、第一この店の接客理念とも大きく異なってしまう、商売としては有用なのかもしれないが初日から下手な事になるわけにはいかない、故に一切の商談を断る事としたのであった、また、店に並ぶ商品は高額な品ばかりである、どれだけ地位の高い者でも魔が差すという事は往々にしてある、これはどれほどの聖者であろうがそういう事もあるし、それだけ魅力的な品が並んでいるという事でもある、致し方ない事であろうとテラはエレインに説明していた、そしてそういう問題は発生しうるし、それを許容する事は出来ないが、大事な関係者が集まるこの場で窃盗騒ぎにする事は絶対にあってはならないとも言い添える、
「イフナース様が助力して下さりますが、その点重々気を付けて下さい、お客様にガラス鏡を知って頂いて気持ちよく帰って頂くという点が本日の最も大事なことです、ニコヤカにしつつも隙を見せない、メイドとしての力量が試される所です」
テラは中々に難しい事を言うが、それもまたメイドの仕事なのである、来客を監視しつつもそうとは感じさせず不快にもさせない、メイド業務の極意の一つと言っても過言ではないであろう、
「午後は皆さんの家族や、同僚が集まります、その席でも商品の監視は厳に、従業員の皆さんであればここで変な事をするよりもこのまま商会に雇われていた方が遥かに得策である事を理解しているでしょうが、その御家族となるとまた話しは変わります、手癖の悪い子供もいるでしょう、そちらも穏便にすませる前にそうならないようにするのが大事です、これもまた難しい事ですが、御家族の相手をしながらも私達は仕事である事を忘れないようお願い致します」
さらに厳しい事を口にするテラである、しかし、マフレナやケイランは確かにと大きく頷き、メイド三人衆もコクコクと理解を示した、
「今日が一番気を張る必要のある日だと思っております、明日、明後日も大事ですが、気を配る観点が違う事を忘れないようにお願い致します、私からは以上です」
テラはそう締め括ってエレインに目配せする、エレインは、
「そうね、では、計画通りに進めます、宜しくお願いします」
一礼し、一同も静かに返礼した。
「なるほど、これは素晴らしい」
「うむ、これ程の品があるとは・・・」
「世界が変わりますな・・・いや・・・言葉も無いとはこの事です」
公務時間開始の鐘がなると、まずは馴染みの顔であるブノワトとコッキーが意気揚々と顔を出し、続いてメーデルガラス店の一同とフロケール鍛冶屋、ヘッケル工務店も家族連れで顔を出す、その為エレインでも初見の顔があり、ブノワトやコッキーが仲立ちとなって挨拶が交わされた、この本日一組目の面々はガラス鏡に関しては勿論興味の対象にはならなかったが、店内の様子や銀食器、さらには壁画を見上げて称賛の声を上げていた、そして、今日の主役となるであろう一団が現れた、ギルド長を中心とした商工ギルドの面々とマレインを中心とした服飾協会の面々、さらにガラス産業部会の面々も一緒になって足を運んだ様子である、一気に人が集まりワイワイと騒がしくなるガラス鏡店であった、
「ごゆっくり御覧下さい、ケイランさん」
エレインは一同を迎えつつケイランに商品説明を指示する、ケイランは先日迄の練習通りに一団を案内しようとするが、やはり初めて見るガラス鏡の前からすぐに動ける者は少なく、それも後から来た者に押し出されるものだから軽い一悶着もあった、それはすぐに対応に向かった近衛の一睨みで事なきを得たのであったが、年を重ねた男性でもこれである、団体で女性客が来る事態となったらどうなるかと軽く不安を感じる出来事であった、
「なるほど、確かにこれはエレイン会長の言葉どおりのようですね・・・」
それでもギルド長とマレインは店内を一巡し、壁画に驚きつつもここは仕事だと頭を切り替えてエレインと立ち話となる、
「そうですな、服飾業界を変えるとは言い過ぎかと思いましたが、あの全身鏡ですか・・・これは絶対に欲しい品でしょうな」
マレインは全身鏡の前から動かない服飾協会の重鎮達へ視線を投げる、その重鎮達は全身鏡の前であーだこーだと活発に議論を重ねているようで、店舗で如何に使えるか、客先に持ち込むにはどうすればよいか等と商売的な目線での意見交換が行われている様子であった、
「はい、御理解頂けました?」
エレインはニヤリと意地悪そうに微笑む、してやったりとといった所である、
「はい、これは完全に私の負けですね、度肝を抜かれるとは正にこの事・・・しかし、これほどの品となると・・・自宅には勿論ですが、店にも欲しい・・・いや、商談は駄目でしたね」
「そうですね、今日は御勘弁下さい、ここで商談になるととてもではないですが混乱するばかりです」
「そうですな・・・うん」
二人が残念そうに首を傾げた所へ、
「如何ですかなお歴々」
コッキーの父であるロブ・メーデルがニヤニヤと近付いて来た、
「おう、先に来てると聞いたが、あれか、これは全部お前さんの所か?」
ギルド長が急に馴れ馴れしい言葉使いとなる、
「ふふん、その通りだ、息子共の努力の結晶だよ、ヘッケルとフローケルの所もな、勿論エレイン会長のお力あってこそだがな」
ガッハッハとロブは高笑いである、
「そうか、大したものだ・・・うん・・・で、ここからどうするおつもりなのかな?エレイン会長としては?」
ギルド長が目を細くしてエレインを見下ろす、エレインは取り敢えずギルド関連の事かしらと、
「そうですね、20日以降に正式にガラス鏡協会を立ち上げます、その上で参画頂ける工場を増やして行きたいと考えておりました、あっ、その予定を組みたいと考えてましたが、後日の方が良いですね」
「そうですな、ここでその話しになれば騒ぎになってしまいます、では、後日・・・そうか、そうでしたな・・・それもありました、形は整えてありましたな・・・確かに、すっかり失念しておりました」
「はい、その上で、領主様やギルドの力をお借りして、少しずつになると思いますが、この地で生産し、各地へ届けられるようにと考えております」
エレインは領主の名を強調する、ギルド長もマレインもエレインの後ろに領主の存在がある事は重々理解しているであろうが、ここは変な気を起こさないようにとさらに念を押したつもりであった、
「そうですな・・・うん、しかし・・・いや、これは大仕事になりますぞ」
「はい、その点は理解しております、いえ、その理解もまるで足らないと思いますが・・・はい、様々に御協力頂ける方々がおりますので、なんとか・・・何よりモニケンダムの新しい産業になればと考えております、故に決して腐らせるような事はできません」
「・・・モニケンダムの新しい産業ですか・・・」
「ふむ、やはり新しい事は若者が手掛けなければならんだろう」
ロブがニヤニヤと口添える、
「そうだな」
ギルド長とマレインは深々と頷き、ロブはニヤリとエレインに笑いかけた、エレインも柔らかい笑顔を浮かべてそれに答えるのであった。
「さて、準備はいいかしら?」
エレインはガラス鏡店の中央に立って従業員を見渡した、テラとマフレナとケイラン、メイド三人衆が口元を引き締め、お手伝いとしてティルがその端に加わっている、
「はい、昨日は大変でしたけど、何とかなっております」
テラがニコリと微笑む、
「まったくだわ」
エレインの渋い顔にマフレナ達も微苦笑となる、
「ですが、寮の生徒達や婦人部の協力もあって何とかなりました、勿論皆さんの活躍もあってですが、なので、今日はしっかりと予定をこなしていきましょう」
エレインの薫陶に一同はニコヤカにそして力強く頷いた、
「それと、今のうちにミーンさんとティルさんは昨日の報告書をお願いしますね、そちらはそちらで大事ですから」
エレインは二人へ視線を向ける、二人はコクリと頷いて了承の答えとする、昨日は商会はてんてこ舞いの騒動であったが、ソフィアは我関せずとしっかりと二人の指導に注力していた、エレインもそういう事ならとミーンを店の手伝いに呼ぶ事は無かった、ちなみに昨晩の夕食はホワイトシチューであった、チーズがまだある為、仕上げとしてゴーダチーズをタップリと溶かし入れた以前のそれとはまた大きく異なる一品であった、それは疲れに疲れた生徒達の身体の隅々に染み渡る程の温かさと栄養でもって絶賛の声が巻きあがったのは当然の事である、
「では、テラさんからありますか?」
エレインは腹心に水を向ける、
「はい、では、事務的な事を、昨日も説明しましたが、本日の来客は午前中は関係各位が仕事としていらっしゃいます、ギルド関係者、仕入れ先、お仕事での重要な提携先等です、私か会長であれば顔と名前はほぼ理解しておりますし、私が門衛と共に来客の監視と署名を頂きます、問題は少ないかと思いますが、不審な者があれば遠慮なく声をかけるようにお願いします、それと商談は一切出来ません、購入を希望される方もいらっしゃると思いますが、20日以降に予約をするように誘導願います」
これは主にマフレナとケイランの仕事になるであろう、お披露目会を開催するにあたってカチャーが走り回った通知の中でも今日は商品の売買は不可能である事を明記しており、それを望む場合は20日以降に予約をとるようお願いしていた、ヘッケル工務店等取引のある関係であれば売買の必要そのものが薄いのであるが、ギルド関係者や商店街の関係者は恐らく商談を求める事もあるであろう、しかしそのような時間は取れないものとエレインとテラは考えていた、第一この店の接客理念とも大きく異なってしまう、商売としては有用なのかもしれないが初日から下手な事になるわけにはいかない、故に一切の商談を断る事としたのであった、また、店に並ぶ商品は高額な品ばかりである、どれだけ地位の高い者でも魔が差すという事は往々にしてある、これはどれほどの聖者であろうがそういう事もあるし、それだけ魅力的な品が並んでいるという事でもある、致し方ない事であろうとテラはエレインに説明していた、そしてそういう問題は発生しうるし、それを許容する事は出来ないが、大事な関係者が集まるこの場で窃盗騒ぎにする事は絶対にあってはならないとも言い添える、
「イフナース様が助力して下さりますが、その点重々気を付けて下さい、お客様にガラス鏡を知って頂いて気持ちよく帰って頂くという点が本日の最も大事なことです、ニコヤカにしつつも隙を見せない、メイドとしての力量が試される所です」
テラは中々に難しい事を言うが、それもまたメイドの仕事なのである、来客を監視しつつもそうとは感じさせず不快にもさせない、メイド業務の極意の一つと言っても過言ではないであろう、
「午後は皆さんの家族や、同僚が集まります、その席でも商品の監視は厳に、従業員の皆さんであればここで変な事をするよりもこのまま商会に雇われていた方が遥かに得策である事を理解しているでしょうが、その御家族となるとまた話しは変わります、手癖の悪い子供もいるでしょう、そちらも穏便にすませる前にそうならないようにするのが大事です、これもまた難しい事ですが、御家族の相手をしながらも私達は仕事である事を忘れないようお願い致します」
さらに厳しい事を口にするテラである、しかし、マフレナやケイランは確かにと大きく頷き、メイド三人衆もコクコクと理解を示した、
「今日が一番気を張る必要のある日だと思っております、明日、明後日も大事ですが、気を配る観点が違う事を忘れないようにお願い致します、私からは以上です」
テラはそう締め括ってエレインに目配せする、エレインは、
「そうね、では、計画通りに進めます、宜しくお願いします」
一礼し、一同も静かに返礼した。
「なるほど、これは素晴らしい」
「うむ、これ程の品があるとは・・・」
「世界が変わりますな・・・いや・・・言葉も無いとはこの事です」
公務時間開始の鐘がなると、まずは馴染みの顔であるブノワトとコッキーが意気揚々と顔を出し、続いてメーデルガラス店の一同とフロケール鍛冶屋、ヘッケル工務店も家族連れで顔を出す、その為エレインでも初見の顔があり、ブノワトやコッキーが仲立ちとなって挨拶が交わされた、この本日一組目の面々はガラス鏡に関しては勿論興味の対象にはならなかったが、店内の様子や銀食器、さらには壁画を見上げて称賛の声を上げていた、そして、今日の主役となるであろう一団が現れた、ギルド長を中心とした商工ギルドの面々とマレインを中心とした服飾協会の面々、さらにガラス産業部会の面々も一緒になって足を運んだ様子である、一気に人が集まりワイワイと騒がしくなるガラス鏡店であった、
「ごゆっくり御覧下さい、ケイランさん」
エレインは一同を迎えつつケイランに商品説明を指示する、ケイランは先日迄の練習通りに一団を案内しようとするが、やはり初めて見るガラス鏡の前からすぐに動ける者は少なく、それも後から来た者に押し出されるものだから軽い一悶着もあった、それはすぐに対応に向かった近衛の一睨みで事なきを得たのであったが、年を重ねた男性でもこれである、団体で女性客が来る事態となったらどうなるかと軽く不安を感じる出来事であった、
「なるほど、確かにこれはエレイン会長の言葉どおりのようですね・・・」
それでもギルド長とマレインは店内を一巡し、壁画に驚きつつもここは仕事だと頭を切り替えてエレインと立ち話となる、
「そうですな、服飾業界を変えるとは言い過ぎかと思いましたが、あの全身鏡ですか・・・これは絶対に欲しい品でしょうな」
マレインは全身鏡の前から動かない服飾協会の重鎮達へ視線を投げる、その重鎮達は全身鏡の前であーだこーだと活発に議論を重ねているようで、店舗で如何に使えるか、客先に持ち込むにはどうすればよいか等と商売的な目線での意見交換が行われている様子であった、
「はい、御理解頂けました?」
エレインはニヤリと意地悪そうに微笑む、してやったりとといった所である、
「はい、これは完全に私の負けですね、度肝を抜かれるとは正にこの事・・・しかし、これほどの品となると・・・自宅には勿論ですが、店にも欲しい・・・いや、商談は駄目でしたね」
「そうですね、今日は御勘弁下さい、ここで商談になるととてもではないですが混乱するばかりです」
「そうですな・・・うん」
二人が残念そうに首を傾げた所へ、
「如何ですかなお歴々」
コッキーの父であるロブ・メーデルがニヤニヤと近付いて来た、
「おう、先に来てると聞いたが、あれか、これは全部お前さんの所か?」
ギルド長が急に馴れ馴れしい言葉使いとなる、
「ふふん、その通りだ、息子共の努力の結晶だよ、ヘッケルとフローケルの所もな、勿論エレイン会長のお力あってこそだがな」
ガッハッハとロブは高笑いである、
「そうか、大したものだ・・・うん・・・で、ここからどうするおつもりなのかな?エレイン会長としては?」
ギルド長が目を細くしてエレインを見下ろす、エレインは取り敢えずギルド関連の事かしらと、
「そうですね、20日以降に正式にガラス鏡協会を立ち上げます、その上で参画頂ける工場を増やして行きたいと考えておりました、あっ、その予定を組みたいと考えてましたが、後日の方が良いですね」
「そうですな、ここでその話しになれば騒ぎになってしまいます、では、後日・・・そうか、そうでしたな・・・それもありました、形は整えてありましたな・・・確かに、すっかり失念しておりました」
「はい、その上で、領主様やギルドの力をお借りして、少しずつになると思いますが、この地で生産し、各地へ届けられるようにと考えております」
エレインは領主の名を強調する、ギルド長もマレインもエレインの後ろに領主の存在がある事は重々理解しているであろうが、ここは変な気を起こさないようにとさらに念を押したつもりであった、
「そうですな・・・うん、しかし・・・いや、これは大仕事になりますぞ」
「はい、その点は理解しております、いえ、その理解もまるで足らないと思いますが・・・はい、様々に御協力頂ける方々がおりますので、なんとか・・・何よりモニケンダムの新しい産業になればと考えております、故に決して腐らせるような事はできません」
「・・・モニケンダムの新しい産業ですか・・・」
「ふむ、やはり新しい事は若者が手掛けなければならんだろう」
ロブがニヤニヤと口添える、
「そうだな」
ギルド長とマレインは深々と頷き、ロブはニヤリとエレインに笑いかけた、エレインも柔らかい笑顔を浮かべてそれに答えるのであった。
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