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本編
58話 胎動再び その21
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ミーンとティルはいつもより早い時間に寮へと顔を出した、しかし今日は三階からである、さらにその後ろには続々と続く者があり、それぞれに大荷物を持っていた、その上、
「ソフィアさん、順調のようですね」
アフラがニコニコと顔を出した、ソフィアは運び込まれる物資をあっちだこっちだと指差して指示を出している最中で、
「あっ、アフラさんそれは何?」
挨拶もせずにアフラの手にする木箱を問い質す、
「これは六花商会さんにです、ソーダ粉末ですね」
「あっ、そうか、御免ねー」
ソフィアは軽く謝罪して運び込まれた大荷物を睥睨する、
「構いませんよ」
笑顔で返すアフラである、
「まったく・・・こうなるとは思わなくてね、どうして一々一々大袈裟というか大事というか、限度を知らないというか、わからないというか・・・」
グチグチ呟いて大きくため息を吐くソフィアである、
「それだけ期待もされているし、何より何とかするだろうと思われているのですよ」
「・・・それ褒められているのかしら」
「勿論です」
木箱を手にしてニコニコと楽しそうなアフラをソフィアは呆れた顔で見返す、そこへ、
「先生をお呼びしました」
ミーンが厨房から顔を出し、
「あー、アフラだー、なにやってるのーどうしたのー」
すぐにミナが駆け込んでくる、しかし、食堂内には何やら荷物が並んでおり、わっと驚いて足を止めた、
「ミナちゃん、こんにちは」
「こんにちはー、これ何?」
「野菜よ」
「野菜?」
「そう、野菜」
「全部?」
「全部」
へーとミナは木箱を見渡し、そこへレインも顔を出すと、
「なんじゃこりゃ・・・」
「まったくだわ、なんじゃこりゃよ」
「ふふっ、では、宜しくお願い致します、奥様方は大変楽しみにしていらっしゃいましたので」
ニコリと微笑み玄関へ向かうアフラである、
「もう・・・じゃ、レイン先生お願いできるかしら?」
「あー、そうじゃのう、致し方あるまいな・・・」
「えへへー、レイン先生だー、ミナも手伝う?」
「勿論じゃ、ミナは真面目な良い子だからのう」
「うふ、じゃ、頑張る」
「うむ、じゃ、ソフィアまずはどうするかな?」
「そうね、ミーンさんとティルさんに壺を洗って貰って、私達は野菜を洗いましょうか」
「そうじゃの」
「どっちにしろ水仕事だわね、安請け合いしなきゃ良かったな」
「そうだのう」
ソフィアは盛大な溜息を吐きながら厨房へ入る、厨房には足の踏み場が無い程に壺が並べられていた、それらは全て漬物用の壺である、昨日、ティルからレインの漬物を教えて欲しいとの要請があった、何でも王家では国王はじめ王妃達もかの漬物の虜になったらしく、以前に別けたものはあっという間に消費してしまい、わざわざアフラを経由してティルに漬物の依頼が入ったそうなのである、ソフィアはそこまで熱を上げるほどの物かしらと首を傾げるが、材料にしろ壺にしろ提供するから何とかとティルは頼み込み、ソフィアは仕方ないかとレインに確認すると、レインはフフンと鼻で笑って得意そうであり、であればと受けた結果がこれである、先程も愚痴ったが何かにつけて王族は加減が分からないらしい、ミーンとティルに続いて続々と下りてきたメイドや壺を抱えたどう見ても近衛であろう男衆もどこか苦笑い混じりの半笑いであったのは致し方ない所であろう、
「じゃ、ミーンさん、ティルさん、早速始めるわよ」
「はい、宜しくお願いします」
膝をついて壺の状態を確認していた二人が勢いよく立ち上がる、
「壺って洗う必要ある?」
「物によるかと思います」
「でも、うーん、見た目綺麗でもちゃんと洗わないとですよ」
「漬物だしね、水洗いして乾燥させますか・・・」
「炎の魔法を使いましょう、手っ取り早いです」
「あら、ミーンさん出来る?」
「はい、学園で習いました、家でも何度かやったので出来ると思います」
「じゃ、お願い、二人は壺を洗って貰って、私達は野菜を洗うわね」
「了解です」
こうして漬物造りの準備が始まった、ドヤドヤと荷物を運び出すソフィア達を工事中のブラスが気付いてまた何か始めたのかなと足場から見下ろし、そんなブラスの視線を知ってか知らずか女性達はワイワイと作業にかかる、
「わっ、これは立派なカブだわね・・・」
「ほう、これはいいのう」
「大きすぎない?」
「うむ、半分に切らねばならんかな、もしくは漬ける時間を長くするかだな」
「しょうがない切るか」
「手間じゃのう」
「そうねー、でも美味しそうよね、漬物にするのが惜しいくらいだわ」
「そうだな、しかし旨い野菜で漬ける漬物はそれだけ旨くなるのじゃぞ」
「そりゃそうでしょうけど・・・まっいいか」
「うむ・・・でじゃ、ミナ、これをタライに入れるのじゃ」
「分かったー」
「こっちの木箱は・・・わっ、蜂蜜だ・・・ドライフルーツにナッツもある・・・もしかして・・・ティルさん?」
「はい、何でしょう?」
「陛下には蜂蜜漬けは教えてなかったと思うんだけどなー」
「えへへ、報告しないと私のクビが無くなるのです」
「まったく、命懸けでやらないでよ」
「じゃ、あれです、親父ごと抹殺です」
「もっと酷くなってるじゃない」
「じゃ、母もです」
「だから、酷くなり過ぎよ、王宮がそんなに酷い場所なら私が口利いてあげるからクロノスの所にでも行きなさい」
「えー、冗談ですよー、それに北ヘルデルは寒いって聞いてます、寒いの駄目なんです」
「ここだって充分寒いわよ」
「まだ平気です」
「あらそう、良かったわ」
「はい、良かったです」
どう聞いても物騒な軽口を交わしながらティルとミーンは見事な連携で壺を洗い清めて乾燥させていき、ソフィアとレインもミナがちょこまかと歩く隣りで野菜の泥を落としていく、しかしそこは王宮で取扱っている品である、大した泥汚れは無くスイスイと作業は進んでいった、
「そうだ、野菜は貰っていいって言ってたけど、どれくらい貰っていいの?」
「あー、何か好きにすればいいよって、アフラさんは言ってました、足りなかったらすぐに言うようにって言われてます」
「ありゃ、それもまた適当ねー」
「えへへ、ですねー、無理させないようにって事でした」
「その壺の量で無理させないように?」
「はい、そうです、たぶんあれですね、金銭的な無理って意味だと思います、作業的な無理じゃなくて」
「そういうことか・・・まったく・・・あっ、レイン、漬けダレ足りるかしら?」
「どうかのう、やってみなければ分らんな」
「そうよねー」
「あっ、ワインと塩と酢と黒糖はあるはずですよー、干し肉も良いのを持ってきたってアフラさんが」
「・・・周到ね」
「はい、王宮の料理人が分析したそうです」
「じゃ、そっちで漬ければいいじゃないの」
「それはそれ、これはこれだと王妃様が仰ってました、正確な分量でなければあの味はだせないわよねーって」
「正確な分量って、だってあれレインの目分量よ」
「むっ、何を言う、しっかりと計っているのだぞ、儂の目分量は秤よりも正確なのじゃ」
「そうですよねー、流石レイン先生」
「うむ、分かる者には分かるのじゃ」
「言ってなさい、あっ、するとあれかな、薬草はあったかしら?」
「むっ、そうじゃのう、それは使ってしまったな・・・」
「買ってくる?」
「うむ・・・ついでだじゃ、別の漬物を漬けたいのじゃが・・・」
「えっ、何ですか?」
「どんなのです?」
レインの軽い思い付きにミーンとティルが食い付いた、
「うむ、どうするソフィア、やってみるか?」
「構わないけど、材料足りる?」
「足りんな・・・」
「そうよねー、じゃ、ミナと行って買ってきて、あっ、その前に木箱を確認しておいた方がいいかしら」
「そうじゃのう」
「うん、ミーンさん、ティルさんそういう事だから、ちょっと離れるわよ」
「はい、了解です」
「こちらはお任せ下さい」
ミーンとティルの明るい返答にこの子達もとソフィアは呆れ顔になり、
「ミナー、買い物頼むわね」
ソフィアは木箱に頭を突っ込んでいるミナを呼びつけ食堂に入る、そして食堂に並ぶ木箱を開封していき、その中身に、
「まったく・・・」
「ヌフ、これは腕が鳴るのう」
呆れるソフィアと怪しく微笑むレインであった、
「じゃ、やっぱり薬草は欲しいわね」
「そうだな、それに・・・この葉物で別の漬物を漬けようか、こっちは薬草とワイン漬けじゃな、ワインも良さそうじゃのう、うんうん、楽しくなってきたぞ」
ニヤニヤとほくそ笑むレインに、
「はいはい、じゃあ、もう好きにしていいわ、今日はレインが先生だから、あっ、でもあれね、ついでに卵も買ってきて、黒糖と塩は貰おうかしら・・・他に足りない物・・・あっ、油かな、届けてもらえるようにお願いできる?」
「うむ、卵と油じゃな」
「そうね、そう言えば暫く買い物もお願いしてなかったからね、他にはー」
ソフィアは食糧庫に入って在庫を確認し、すぐに戻ると、
「ミルクと生肉もお願い、肉は鳥でも獣でも好きにしていいわ、いつもの倍は欲しいかな、干し肉は・・・貰っちゃうか」
貰える物は貰ってしまえと開き直ったソフィアである、
「うむ、良かろう」
「うん、じゃお願い、量が多いだろうから無理しないで届けてもらってね」
「分かっておる」
硬貨の入った革袋を受け取って、レインとミナは意気揚々と市場に出掛けるのであった。
「ソフィアさん、順調のようですね」
アフラがニコニコと顔を出した、ソフィアは運び込まれる物資をあっちだこっちだと指差して指示を出している最中で、
「あっ、アフラさんそれは何?」
挨拶もせずにアフラの手にする木箱を問い質す、
「これは六花商会さんにです、ソーダ粉末ですね」
「あっ、そうか、御免ねー」
ソフィアは軽く謝罪して運び込まれた大荷物を睥睨する、
「構いませんよ」
笑顔で返すアフラである、
「まったく・・・こうなるとは思わなくてね、どうして一々一々大袈裟というか大事というか、限度を知らないというか、わからないというか・・・」
グチグチ呟いて大きくため息を吐くソフィアである、
「それだけ期待もされているし、何より何とかするだろうと思われているのですよ」
「・・・それ褒められているのかしら」
「勿論です」
木箱を手にしてニコニコと楽しそうなアフラをソフィアは呆れた顔で見返す、そこへ、
「先生をお呼びしました」
ミーンが厨房から顔を出し、
「あー、アフラだー、なにやってるのーどうしたのー」
すぐにミナが駆け込んでくる、しかし、食堂内には何やら荷物が並んでおり、わっと驚いて足を止めた、
「ミナちゃん、こんにちは」
「こんにちはー、これ何?」
「野菜よ」
「野菜?」
「そう、野菜」
「全部?」
「全部」
へーとミナは木箱を見渡し、そこへレインも顔を出すと、
「なんじゃこりゃ・・・」
「まったくだわ、なんじゃこりゃよ」
「ふふっ、では、宜しくお願い致します、奥様方は大変楽しみにしていらっしゃいましたので」
ニコリと微笑み玄関へ向かうアフラである、
「もう・・・じゃ、レイン先生お願いできるかしら?」
「あー、そうじゃのう、致し方あるまいな・・・」
「えへへー、レイン先生だー、ミナも手伝う?」
「勿論じゃ、ミナは真面目な良い子だからのう」
「うふ、じゃ、頑張る」
「うむ、じゃ、ソフィアまずはどうするかな?」
「そうね、ミーンさんとティルさんに壺を洗って貰って、私達は野菜を洗いましょうか」
「そうじゃの」
「どっちにしろ水仕事だわね、安請け合いしなきゃ良かったな」
「そうだのう」
ソフィアは盛大な溜息を吐きながら厨房へ入る、厨房には足の踏み場が無い程に壺が並べられていた、それらは全て漬物用の壺である、昨日、ティルからレインの漬物を教えて欲しいとの要請があった、何でも王家では国王はじめ王妃達もかの漬物の虜になったらしく、以前に別けたものはあっという間に消費してしまい、わざわざアフラを経由してティルに漬物の依頼が入ったそうなのである、ソフィアはそこまで熱を上げるほどの物かしらと首を傾げるが、材料にしろ壺にしろ提供するから何とかとティルは頼み込み、ソフィアは仕方ないかとレインに確認すると、レインはフフンと鼻で笑って得意そうであり、であればと受けた結果がこれである、先程も愚痴ったが何かにつけて王族は加減が分からないらしい、ミーンとティルに続いて続々と下りてきたメイドや壺を抱えたどう見ても近衛であろう男衆もどこか苦笑い混じりの半笑いであったのは致し方ない所であろう、
「じゃ、ミーンさん、ティルさん、早速始めるわよ」
「はい、宜しくお願いします」
膝をついて壺の状態を確認していた二人が勢いよく立ち上がる、
「壺って洗う必要ある?」
「物によるかと思います」
「でも、うーん、見た目綺麗でもちゃんと洗わないとですよ」
「漬物だしね、水洗いして乾燥させますか・・・」
「炎の魔法を使いましょう、手っ取り早いです」
「あら、ミーンさん出来る?」
「はい、学園で習いました、家でも何度かやったので出来ると思います」
「じゃ、お願い、二人は壺を洗って貰って、私達は野菜を洗うわね」
「了解です」
こうして漬物造りの準備が始まった、ドヤドヤと荷物を運び出すソフィア達を工事中のブラスが気付いてまた何か始めたのかなと足場から見下ろし、そんなブラスの視線を知ってか知らずか女性達はワイワイと作業にかかる、
「わっ、これは立派なカブだわね・・・」
「ほう、これはいいのう」
「大きすぎない?」
「うむ、半分に切らねばならんかな、もしくは漬ける時間を長くするかだな」
「しょうがない切るか」
「手間じゃのう」
「そうねー、でも美味しそうよね、漬物にするのが惜しいくらいだわ」
「そうだな、しかし旨い野菜で漬ける漬物はそれだけ旨くなるのじゃぞ」
「そりゃそうでしょうけど・・・まっいいか」
「うむ・・・でじゃ、ミナ、これをタライに入れるのじゃ」
「分かったー」
「こっちの木箱は・・・わっ、蜂蜜だ・・・ドライフルーツにナッツもある・・・もしかして・・・ティルさん?」
「はい、何でしょう?」
「陛下には蜂蜜漬けは教えてなかったと思うんだけどなー」
「えへへ、報告しないと私のクビが無くなるのです」
「まったく、命懸けでやらないでよ」
「じゃ、あれです、親父ごと抹殺です」
「もっと酷くなってるじゃない」
「じゃ、母もです」
「だから、酷くなり過ぎよ、王宮がそんなに酷い場所なら私が口利いてあげるからクロノスの所にでも行きなさい」
「えー、冗談ですよー、それに北ヘルデルは寒いって聞いてます、寒いの駄目なんです」
「ここだって充分寒いわよ」
「まだ平気です」
「あらそう、良かったわ」
「はい、良かったです」
どう聞いても物騒な軽口を交わしながらティルとミーンは見事な連携で壺を洗い清めて乾燥させていき、ソフィアとレインもミナがちょこまかと歩く隣りで野菜の泥を落としていく、しかしそこは王宮で取扱っている品である、大した泥汚れは無くスイスイと作業は進んでいった、
「そうだ、野菜は貰っていいって言ってたけど、どれくらい貰っていいの?」
「あー、何か好きにすればいいよって、アフラさんは言ってました、足りなかったらすぐに言うようにって言われてます」
「ありゃ、それもまた適当ねー」
「えへへ、ですねー、無理させないようにって事でした」
「その壺の量で無理させないように?」
「はい、そうです、たぶんあれですね、金銭的な無理って意味だと思います、作業的な無理じゃなくて」
「そういうことか・・・まったく・・・あっ、レイン、漬けダレ足りるかしら?」
「どうかのう、やってみなければ分らんな」
「そうよねー」
「あっ、ワインと塩と酢と黒糖はあるはずですよー、干し肉も良いのを持ってきたってアフラさんが」
「・・・周到ね」
「はい、王宮の料理人が分析したそうです」
「じゃ、そっちで漬ければいいじゃないの」
「それはそれ、これはこれだと王妃様が仰ってました、正確な分量でなければあの味はだせないわよねーって」
「正確な分量って、だってあれレインの目分量よ」
「むっ、何を言う、しっかりと計っているのだぞ、儂の目分量は秤よりも正確なのじゃ」
「そうですよねー、流石レイン先生」
「うむ、分かる者には分かるのじゃ」
「言ってなさい、あっ、するとあれかな、薬草はあったかしら?」
「むっ、そうじゃのう、それは使ってしまったな・・・」
「買ってくる?」
「うむ・・・ついでだじゃ、別の漬物を漬けたいのじゃが・・・」
「えっ、何ですか?」
「どんなのです?」
レインの軽い思い付きにミーンとティルが食い付いた、
「うむ、どうするソフィア、やってみるか?」
「構わないけど、材料足りる?」
「足りんな・・・」
「そうよねー、じゃ、ミナと行って買ってきて、あっ、その前に木箱を確認しておいた方がいいかしら」
「そうじゃのう」
「うん、ミーンさん、ティルさんそういう事だから、ちょっと離れるわよ」
「はい、了解です」
「こちらはお任せ下さい」
ミーンとティルの明るい返答にこの子達もとソフィアは呆れ顔になり、
「ミナー、買い物頼むわね」
ソフィアは木箱に頭を突っ込んでいるミナを呼びつけ食堂に入る、そして食堂に並ぶ木箱を開封していき、その中身に、
「まったく・・・」
「ヌフ、これは腕が鳴るのう」
呆れるソフィアと怪しく微笑むレインであった、
「じゃ、やっぱり薬草は欲しいわね」
「そうだな、それに・・・この葉物で別の漬物を漬けようか、こっちは薬草とワイン漬けじゃな、ワインも良さそうじゃのう、うんうん、楽しくなってきたぞ」
ニヤニヤとほくそ笑むレインに、
「はいはい、じゃあ、もう好きにしていいわ、今日はレインが先生だから、あっ、でもあれね、ついでに卵も買ってきて、黒糖と塩は貰おうかしら・・・他に足りない物・・・あっ、油かな、届けてもらえるようにお願いできる?」
「うむ、卵と油じゃな」
「そうね、そう言えば暫く買い物もお願いしてなかったからね、他にはー」
ソフィアは食糧庫に入って在庫を確認し、すぐに戻ると、
「ミルクと生肉もお願い、肉は鳥でも獣でも好きにしていいわ、いつもの倍は欲しいかな、干し肉は・・・貰っちゃうか」
貰える物は貰ってしまえと開き直ったソフィアである、
「うむ、良かろう」
「うん、じゃお願い、量が多いだろうから無理しないで届けてもらってね」
「分かっておる」
硬貨の入った革袋を受け取って、レインとミナは意気揚々と市場に出掛けるのであった。
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