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本編
58話 胎動再び その14
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「失礼します」
時は若干戻って正午を回った頃合いである、ミーンとティルが寮を訪れると、ソフィアは食堂でのんびりと編み物に興じていた、
「はい、いらっしゃい」
ソフィアはもうそんな時間かと腰を上げる、
「お疲れ様です、あの、チーズお持ちしました」
ティルは肩から下げた重そうな荷物を視線で差し、見ればミーンも同様に革袋を下げている、
「あら、重そうね、じゃ、早速始めますか」
三人はそのまま厨房へ入り、作業台に荷物を置くと中身を取り出す、それはまごう事無く立派なチーズである、しかし、
「あら、こっちは馴染みがあるけど、こっちは初めてかも、これもチーズ?」
「はい、えっと、むこうでは、こっちはゴーダ、こっちはカマンベールって呼んでます」
ティルが指差しつつ答えた、ソフィアに馴染みのある黄色に輝く巨大なそれがゴーダチーズ、手に乗る程度の大きさで埃を被ったように真っ白でざらついて見えるのがカマンベールチーズらしい、
「なるほど、そっか、他には知ってる?」
「他にはですか?えっと、王城で見るのはこの二つですね、他にもあるんですか?」
「ある事はあるわね、作り方は知らないし、日持ちがしそうにないんだけど、ま、それはいいか、でも、王城で余るって、向こうではどんな料理に使ってるの?」
「はい、ゴーダは薄く切ってパンに挟んだりしてます、カマンベールの方は中が柔らかいので適当に切って塩をかけたりしてお酒のおつまみですね」
「それって料理?」
「・・・じゃないですよね、はっきり言ってそのまま食べる感じです、切るだけですね」
「あら・・・お父さん達ってチーズはあまり使わないの?」
「えっと、まずもってあれです、王都ではあまり一般的な食材では無いですね、今日聞いたら毎年献上品として贈られてくる一方で、困ってたって、管理人さんが苦笑いしてました」
「そっか・・・そういう事か・・・」
「そういう事です」
ソフィアはなんとなく事情を察してチーズの一つに触れる、ソフィアが見るとどちらのチーズも見事な品であると思う、献上品として王城に納めている程の品であれば、その地方で最も良い品を選んでいるに違いない、それを単純にそのままでしか食べないとは何とも寂しい事である、いや、それでも充分に美味しい品であるという事なのであろうか、
「うん、分かったわ、じゃ、ティルさんはそれほどチーズ料理は詳しく無いって事ね」
「はい、すいません」
ティルが肩を窄めて小さくなる、
「ミーンさんはどう?チーズ料理っていうと何かある?」
「はい、えっと、家庭料理になっちゃうんですが、オートミールに溶かしたり、パンに挟んだりですかね、パンに挟むのは切っただけですから、ティルさんと同じだと思うので、料理と呼べるかどうかはあれですけど」
静かに様子を見守っていたミーンが考えながら答える、
「へぇ、オートミールかぁ、そっか、それも美味しそうね、野菜とか入れない?」
「入れますね、なんていうか野菜とチーズと麦のごった煮って感じです」
「そうよねー、味付けは塩だけ?」
「そうですね、家によってはお酢も入れるらしいです、あと、ワインかな、うちではワインを入れてました、美味しいですよ」
「それはいいわね、うん、じゃ・・・」
とソフィアはチーズを見下ろして顎に手を当てる、折角の上質なチーズなのである、色々と試してみたいなとその創作意欲が刺激され、タロウが確かどうのこうのと言っていたなとか、どこぞの田舎で食べたお客様が来ると作るという歓待用の御馳走を思い出したりもする、そして、
「よし、じゃ、やりますか、えっと、二人共手を洗って、黒板を使ったらその都度洗うのよ」
「はい」
二人の綺麗な返事が厨房に木霊する、昨日は初日という事もあり、ソフィアは無難な料理で二人の実力を見たのであった、卵料理と野菜の煮物である、しかしそこは二人共にソフィアの元へ送られる程の実力者であった、基礎的な技術に於いてはソフィアが指導する事は一切無く、逆にその手際の良さにソフィアは教えを乞う有様で、但し、卵料理に関してはソフィアに一日の長があったようで、鳥肉と刻んだ野菜を詰めた単純なオムレツであったが、二人にすると目新しい料理らしく、勉強になったと嬉しそうであった、それは良かったとソフィアも何とかその使命を果たすことが出来たかなと満足するが、これを毎日はきついかもなと思い知ったりもする、ま、それはおいおい考えるとしてとソフィアはチーズ料理に関して朝から頭を悩ませていた、めんどくさがりなくせに生真面目な性分なのである、
「まずはどうしようかな、下準備をやっていきますか」
自分も水桶で手を洗ったソフィアはゴーダチーズをごろっと俎板に乗せると、
「あっ、これ表面は駄目な感じ?」
「そうですね、王城では削いでました」
「そうよねー、じゃ、お願い、えっとね、食べられないところを切っておいて、ティルさんのやり方でいいわよ、で、ミーンさんは揚げものの準備をお願い」
「えっ、揚げものですか?」
「チーズを?」
ティルとミーンは驚いて顔を上げる、
「そうよー、昨日話したでしょ、揚げものはね、なんでも美味しいのよー」
ソフィアはふふんとニヤケ笑いを浮かべる、
「えっと、どうなるんですか?」
「溶けちゃいません?」
「そう思うでしょー、でもね、まぁ見てなさい、小麦粉と卵を用意して、パン・・・あったかな・・・」
と食糧庫へ入るソフィアの背を二人はやや不安そうに見つめる、しかし、作業が進んでいくと、
「なるほど、これですか」
「確かにこれなら揚げれます・・・でも大丈夫ですか?流れ出しません?」
「そこはほら、生で食べれるものは表面だけを揚げればいいの、素材の固さにもよるかな、だから、チーズはほら、熱を加えなくても柔らかいからね、うん、野菜とかはちゃんと熱を入れないと駄目だろうし、肉類も一緒ね、そう考えると・・・一概には言えないか、でも、それが揚げものの秘訣らしいわよ」
ニヤリと微笑むソフィアの言葉に二人は慌てて黒板へ走る、
「で、もう一品は、薄パンを焼いておきますか、薄パンの生地を作ってかー、ついでだ、ラビオリだか餃子だかも作りたいな・・・そうなると」
調子良く作業が進み始める、指示を出すという行為そのものにまだ不慣れな感のあるソフィアであったが、ミーンもティルも素直で真面目な助手であった、師は弟子を育て、弟子は師を育てる、まさにそれを体現している三人と言えよう。
「じゃ、今日の料理はー」
とやわらかクリームの御披露目会を一旦切り上げてソフィアはミーンとティルに料理を運ばせる、オリビアも手伝いつつ支度はすぐに終了し、ソフィアがいつものように席を立つと、
「えーと、とある所から高級なチーズをたくさん頂きました、で、実験も兼ねた創作料理が多いです」
「創作料理?ですか?」
「そうよー、私も始めて作った料理があるからね、あっ、試食はしてあるから、たぶん、ちゃんと美味しいわよ」
「そうなんですか?」
「そうなんです」
ムフンとソフィアは楽しそうに微笑み、ミーンとティルも自信があるのかうんうんと頷いている、テーブル上には都合四種の料理が並んでいる、ソフィアは一応とそれぞれを指差し、
「まずは、見た目で分かるわね、それがチーズの揚げもの、チーズカツって言うのかな?そんな感じ、マヨソースも作ったからそれで食べてみて、で、それは分かるでしょラビオリだかなんだかに野菜とチーズを入れて焼いたものね、で、その薄パンはチーズを入れて焼いてます、で、オートミールなんだけど、それもチーズと野菜をたっぷり入れてます、で、一応味は付いてるけど、薄いなって人は調整してねー」
「チーズばっかりだ・・・」
「うん、豪華だね」
「贅沢だなー」
「ねー」
生徒達はソフィアの説明に目を丸くする、
「あー、ソフィア、溶かしチーズは?あんたあれ好きだったじゃないのさー」
「そうねー、今日は無し、っていうか、オートミールがそれの代わりって感じ?ほら人数が増えてきたからね、溶かしチーズはどうしてもコンロが欲しくなるじゃない、だから、いっその事、溶かしチーズで麦と野菜を煮てみたの、ミーンさんの家庭の味をちょっと改良した感じ?美味しいわよー」
「そういうこと・・・うん、確かに美味しそう」
ユーリはソフィアがそう言うならとスプーンを手に取る、
「じゃ、皆さん、頂きましょう」
「はーい」
一斉に手が動き出し、すぐさま、
「美味しい・・・」
「うん、サクサクでトロトロだ・・・」
「確かに、これ病み付きになるかも、幾らでも食べれそう」
「これも美味しいよ、野菜とチーズの甘味が良い感じ」
「私、これ好きかも」
「私はこっちかな、薄パンとトロトロのチーズが美味しい・・・」
「少し薄いかな、お塩で食べよう」
「それいいかもね」
「これがマヨソースですか?」
「あー、ニコさんは初めてか、舐めてみて、それだけでも美味しいよ」
どうやら好評のようである、ソフィアは忙しく手を動かす一同を満足気に眺め、ミーンとティルも嬉しそうで、
「ミーンさん、ちゃんと記録してありますわよね」
エレインのチーズカツの断面を観察しながらの問いに、
「はい、勿論です、これは女性受けする味ですよね」
「そうですわね、うん、テラさん、チーズはこっちで仕入れられるかしら?」
「大丈夫と思いますが、確認しますね」
「そうね、お願い」
商会関係者の眼の色が若干変わる様子に、ティルはミーンさんも大変だなとその唯一の同朋との共感の念を強くするのであった。
時は若干戻って正午を回った頃合いである、ミーンとティルが寮を訪れると、ソフィアは食堂でのんびりと編み物に興じていた、
「はい、いらっしゃい」
ソフィアはもうそんな時間かと腰を上げる、
「お疲れ様です、あの、チーズお持ちしました」
ティルは肩から下げた重そうな荷物を視線で差し、見ればミーンも同様に革袋を下げている、
「あら、重そうね、じゃ、早速始めますか」
三人はそのまま厨房へ入り、作業台に荷物を置くと中身を取り出す、それはまごう事無く立派なチーズである、しかし、
「あら、こっちは馴染みがあるけど、こっちは初めてかも、これもチーズ?」
「はい、えっと、むこうでは、こっちはゴーダ、こっちはカマンベールって呼んでます」
ティルが指差しつつ答えた、ソフィアに馴染みのある黄色に輝く巨大なそれがゴーダチーズ、手に乗る程度の大きさで埃を被ったように真っ白でざらついて見えるのがカマンベールチーズらしい、
「なるほど、そっか、他には知ってる?」
「他にはですか?えっと、王城で見るのはこの二つですね、他にもあるんですか?」
「ある事はあるわね、作り方は知らないし、日持ちがしそうにないんだけど、ま、それはいいか、でも、王城で余るって、向こうではどんな料理に使ってるの?」
「はい、ゴーダは薄く切ってパンに挟んだりしてます、カマンベールの方は中が柔らかいので適当に切って塩をかけたりしてお酒のおつまみですね」
「それって料理?」
「・・・じゃないですよね、はっきり言ってそのまま食べる感じです、切るだけですね」
「あら・・・お父さん達ってチーズはあまり使わないの?」
「えっと、まずもってあれです、王都ではあまり一般的な食材では無いですね、今日聞いたら毎年献上品として贈られてくる一方で、困ってたって、管理人さんが苦笑いしてました」
「そっか・・・そういう事か・・・」
「そういう事です」
ソフィアはなんとなく事情を察してチーズの一つに触れる、ソフィアが見るとどちらのチーズも見事な品であると思う、献上品として王城に納めている程の品であれば、その地方で最も良い品を選んでいるに違いない、それを単純にそのままでしか食べないとは何とも寂しい事である、いや、それでも充分に美味しい品であるという事なのであろうか、
「うん、分かったわ、じゃ、ティルさんはそれほどチーズ料理は詳しく無いって事ね」
「はい、すいません」
ティルが肩を窄めて小さくなる、
「ミーンさんはどう?チーズ料理っていうと何かある?」
「はい、えっと、家庭料理になっちゃうんですが、オートミールに溶かしたり、パンに挟んだりですかね、パンに挟むのは切っただけですから、ティルさんと同じだと思うので、料理と呼べるかどうかはあれですけど」
静かに様子を見守っていたミーンが考えながら答える、
「へぇ、オートミールかぁ、そっか、それも美味しそうね、野菜とか入れない?」
「入れますね、なんていうか野菜とチーズと麦のごった煮って感じです」
「そうよねー、味付けは塩だけ?」
「そうですね、家によってはお酢も入れるらしいです、あと、ワインかな、うちではワインを入れてました、美味しいですよ」
「それはいいわね、うん、じゃ・・・」
とソフィアはチーズを見下ろして顎に手を当てる、折角の上質なチーズなのである、色々と試してみたいなとその創作意欲が刺激され、タロウが確かどうのこうのと言っていたなとか、どこぞの田舎で食べたお客様が来ると作るという歓待用の御馳走を思い出したりもする、そして、
「よし、じゃ、やりますか、えっと、二人共手を洗って、黒板を使ったらその都度洗うのよ」
「はい」
二人の綺麗な返事が厨房に木霊する、昨日は初日という事もあり、ソフィアは無難な料理で二人の実力を見たのであった、卵料理と野菜の煮物である、しかしそこは二人共にソフィアの元へ送られる程の実力者であった、基礎的な技術に於いてはソフィアが指導する事は一切無く、逆にその手際の良さにソフィアは教えを乞う有様で、但し、卵料理に関してはソフィアに一日の長があったようで、鳥肉と刻んだ野菜を詰めた単純なオムレツであったが、二人にすると目新しい料理らしく、勉強になったと嬉しそうであった、それは良かったとソフィアも何とかその使命を果たすことが出来たかなと満足するが、これを毎日はきついかもなと思い知ったりもする、ま、それはおいおい考えるとしてとソフィアはチーズ料理に関して朝から頭を悩ませていた、めんどくさがりなくせに生真面目な性分なのである、
「まずはどうしようかな、下準備をやっていきますか」
自分も水桶で手を洗ったソフィアはゴーダチーズをごろっと俎板に乗せると、
「あっ、これ表面は駄目な感じ?」
「そうですね、王城では削いでました」
「そうよねー、じゃ、お願い、えっとね、食べられないところを切っておいて、ティルさんのやり方でいいわよ、で、ミーンさんは揚げものの準備をお願い」
「えっ、揚げものですか?」
「チーズを?」
ティルとミーンは驚いて顔を上げる、
「そうよー、昨日話したでしょ、揚げものはね、なんでも美味しいのよー」
ソフィアはふふんとニヤケ笑いを浮かべる、
「えっと、どうなるんですか?」
「溶けちゃいません?」
「そう思うでしょー、でもね、まぁ見てなさい、小麦粉と卵を用意して、パン・・・あったかな・・・」
と食糧庫へ入るソフィアの背を二人はやや不安そうに見つめる、しかし、作業が進んでいくと、
「なるほど、これですか」
「確かにこれなら揚げれます・・・でも大丈夫ですか?流れ出しません?」
「そこはほら、生で食べれるものは表面だけを揚げればいいの、素材の固さにもよるかな、だから、チーズはほら、熱を加えなくても柔らかいからね、うん、野菜とかはちゃんと熱を入れないと駄目だろうし、肉類も一緒ね、そう考えると・・・一概には言えないか、でも、それが揚げものの秘訣らしいわよ」
ニヤリと微笑むソフィアの言葉に二人は慌てて黒板へ走る、
「で、もう一品は、薄パンを焼いておきますか、薄パンの生地を作ってかー、ついでだ、ラビオリだか餃子だかも作りたいな・・・そうなると」
調子良く作業が進み始める、指示を出すという行為そのものにまだ不慣れな感のあるソフィアであったが、ミーンもティルも素直で真面目な助手であった、師は弟子を育て、弟子は師を育てる、まさにそれを体現している三人と言えよう。
「じゃ、今日の料理はー」
とやわらかクリームの御披露目会を一旦切り上げてソフィアはミーンとティルに料理を運ばせる、オリビアも手伝いつつ支度はすぐに終了し、ソフィアがいつものように席を立つと、
「えーと、とある所から高級なチーズをたくさん頂きました、で、実験も兼ねた創作料理が多いです」
「創作料理?ですか?」
「そうよー、私も始めて作った料理があるからね、あっ、試食はしてあるから、たぶん、ちゃんと美味しいわよ」
「そうなんですか?」
「そうなんです」
ムフンとソフィアは楽しそうに微笑み、ミーンとティルも自信があるのかうんうんと頷いている、テーブル上には都合四種の料理が並んでいる、ソフィアは一応とそれぞれを指差し、
「まずは、見た目で分かるわね、それがチーズの揚げもの、チーズカツって言うのかな?そんな感じ、マヨソースも作ったからそれで食べてみて、で、それは分かるでしょラビオリだかなんだかに野菜とチーズを入れて焼いたものね、で、その薄パンはチーズを入れて焼いてます、で、オートミールなんだけど、それもチーズと野菜をたっぷり入れてます、で、一応味は付いてるけど、薄いなって人は調整してねー」
「チーズばっかりだ・・・」
「うん、豪華だね」
「贅沢だなー」
「ねー」
生徒達はソフィアの説明に目を丸くする、
「あー、ソフィア、溶かしチーズは?あんたあれ好きだったじゃないのさー」
「そうねー、今日は無し、っていうか、オートミールがそれの代わりって感じ?ほら人数が増えてきたからね、溶かしチーズはどうしてもコンロが欲しくなるじゃない、だから、いっその事、溶かしチーズで麦と野菜を煮てみたの、ミーンさんの家庭の味をちょっと改良した感じ?美味しいわよー」
「そういうこと・・・うん、確かに美味しそう」
ユーリはソフィアがそう言うならとスプーンを手に取る、
「じゃ、皆さん、頂きましょう」
「はーい」
一斉に手が動き出し、すぐさま、
「美味しい・・・」
「うん、サクサクでトロトロだ・・・」
「確かに、これ病み付きになるかも、幾らでも食べれそう」
「これも美味しいよ、野菜とチーズの甘味が良い感じ」
「私、これ好きかも」
「私はこっちかな、薄パンとトロトロのチーズが美味しい・・・」
「少し薄いかな、お塩で食べよう」
「それいいかもね」
「これがマヨソースですか?」
「あー、ニコさんは初めてか、舐めてみて、それだけでも美味しいよ」
どうやら好評のようである、ソフィアは忙しく手を動かす一同を満足気に眺め、ミーンとティルも嬉しそうで、
「ミーンさん、ちゃんと記録してありますわよね」
エレインのチーズカツの断面を観察しながらの問いに、
「はい、勿論です、これは女性受けする味ですよね」
「そうですわね、うん、テラさん、チーズはこっちで仕入れられるかしら?」
「大丈夫と思いますが、確認しますね」
「そうね、お願い」
商会関係者の眼の色が若干変わる様子に、ティルはミーンさんも大変だなとその唯一の同朋との共感の念を強くするのであった。
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