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本編
58話 胎動再び その5
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その日の夕食時、ソフィアはニコリーネを改めて紹介し暫く滞在する事も同時に告げる、適当に挨拶をと無茶振りされたニコリーネは、はにかみながらも何とか自己紹介を済ませ、
「絵を描きに来ましたので、描きます、以上です」
とその目的と決意を表明した、すると、
「ミナもー、ミナも描いたのー、楽しかったー」
ミナがキャッキャッと声を上げ、
「見たいなー、どんなの?」
と生徒達は囃し立てる、
「はいはい、それは後でね、お食事が終わってから、じゃ、その前に」
とソフィアは藁箱を二つ取り出すと、
「うーん、みんなの前で出すのもあれだけどね、昨日渡しそびれちゃって・・・」
ソフィアは藁箱をミナとレインの前に置くと、
「えーとね、昨日はほら神様の誕生日でしょ、で、ブノワトさんに聞いたら贈り物を贈るんだとか、で、作って用意したのはいいんだけどさ・・・」
ソフィアは額を小さく掻いて、
「忘れちゃってたのよ」
と続けてアッハッハと大きな口で誤魔化し笑いをする、
「えっと・・・えっと・・・」
ミナは突然の事に驚いているのかキョロキョロとソフィアと生徒達の顔を見比べ、
「へー、いいなー、ミナちゃん贈り物だって」
「贈り物?」
「そうよー、何が入ってるのかな?」
「わっ、でも可愛いですね、藁箱にレースか・・・」
「うん、何かワクワクしてくる」
「・・・これ良いわね」
「そうですね、これはレースの端切れですか?」
「へー、可愛いい」
「そうだねー」
中身が分からない状態であるにも関わらず、たかだかレース生地で十字に縛られた程度の藁箱が注目の的となった、
「でしょー、私もね、こりゃ発明だわって思っちゃったわ」
「ですねー、へー、これはあれですか、贈り物ですか・・・素敵です」
「いいわね・・・テラさん、オリビア、これ、いいんじゃない?」
「はい、藁箱は・・・あれ、これうちのやつですか?」
「そうよ、ロールケーキが入ってたやつ」
「えっ、そうなんだ、わっ、見違えた・・・」
「うん、へー、布で縛っただけですか?何か全然雰囲気違いますね」
「レース生地が高いからなー、でも、あれか端切れであればいいのか・・・」
「これいけるんじゃない?エレイン様ー」
「そうね・・・うん、どうしようか、レースの端切れ安く手に入るかしら?」
「ネイハウス商会に聞いてみます?」
「マフダさんの方が早いかもですよ、ネイハウス商会だと端切れまでは取扱っているかどうか・・・」
「それもそうね、マフダさんに聞いてみましょう」
と一頻り盛り上がる、しかし、ミナは困惑してどうすればいいかとキョロキョロし続け、レインもどうしたものかと首を傾げている、
「ほら、開けてみて、大丈夫よ良い物が入っているから」
ニコリと微笑むソフィアにミナはコクンと小さく頷き、恐る恐ると箱に手を伸ばす、そして、箱を開けようとするが十字に縛られている為思うように出来ず、隣りに座っているルルが、
「あー、ほら、ミナちゃん、先にレースを解かないと」
と助言し、ミナはその指差された所からレースを解くと、やっと蓋を開けた、
「わっ、何これ?かわいいー、ニャンコ?ニャンコ?」
「そうよー、ミナ好きでしょ」
「うん、好きー、えっと、何これ、どうするの?」
「何これって言われても困るけど取り出してみなさい」
ソフィアに促されミナはソロソロと中身を取り出した、それはなんて事は無いソフィアが編んでいた毛糸の靴下である、
「わっ、えっとなんだっけ、これ、アシブクロー」
「そうよー、そろそろ寒くなるからね、寝る時に使いなさい」
「わー、いいなー、ミナちゃん」
「うん、温かそうだねー」
「へー、こうなるんだー」
「これ良さそうね」
「アシブクロ?ですか?どうやって使うんです?」
「寝るときに足に着けるんだよ、手袋みたいな感じだそうです」
「えっ、それいいですね・・・」
「みんなで編んでるんですよ」
「そっかー、アシブクロか・・・なるほどなー、カトカこれ欲しいんじゃない?」
「はい、とっても欲しいです」
「じゃ、作れば?」
「そんな、簡単に・・・」
「・・・売れそうね・・・」
「会長・・・なんでもかんでもですよ、売れそうですけど」
「マフダさんに作らせようかしら・・・」
「・・・そうですね」
その毛糸の靴下にはミナの履くスリッパと同様に、しかし若干より可愛らしくなった感のある黒猫が縫い付けられており、レインが取り出したそれには白猫が縫い付けられていた、ミナは小躍りしてキャッキャッと騒いでいるがその隣りのレインは冷静なもので、しかし、それでも嬉しそうな事には変わりなく、口元を軽く痙攣させて微笑みを誤魔化しているように見える、
「ふふ、喜んでもらえたら嬉しいわね、ミナ、大事に使ってよ」
「大事にするー、今日から使うー」
「使ってもいいけど、もっと寒くなってからでいいのよ」
「やだー、使いたいー」
「はいはい、じゃ、御免ね、夕食にしましょうか」
こうして、夕食は始まったのであるが、エレインを中心とした商会組は商売の話しに華を咲かせ、グルジア達は靴下の装飾に拘りたいなと盛り上がる、その横で新参者であるゾーイとニコリーネはなるほど、この不思議な熱量が商会の基礎にあり、ソフィアが諸々の仕掛人と噂される理由を何となく理解した、そして、
「これ、ミナが描いたのー、これはレインでー、こっちがニコなのよー」
食事を終えたテーブルに何枚もの大判の上質紙が並べられ、ミナが嬉しそうに飛び跳ねる、その両手には貰ったばかりの靴下を着けており、それじゃ手袋だろーとジャネットにからかわれながらも決して外そうとはしなかった、
「そっかー、へー、やっぱり大したものねー」
「そうですね、これなんかいいなー、部屋に飾りたいですね」
「うん、違いますよねー」
女生徒たちはそれらを見下ろしてうんうんとニコリーネの画力に感心していた、やはりニコリーネの作品はまるで別次元である、絵画にそれほど触れていない生徒達でもその美しさが理解できた、
「レインちゃんのも良いよね、何か構図が違うな」
「ほう、分かるか?」
「うん、何か違う・・・感じがする・・・」
ケイスがレインの描いた一枚に惹きつけられている様子である、
「ミナのはー、ミナのもいいでしょー」
「そうだね、ミナちゃんのもいいねー、でも、裏山にニャンコっていた?」
「いないよ」
ミナは何を言っているのやらと不思議そうにルルを見上げ、
「いないのに描いたの?」
「そうだよー、ニャンコを描けば可愛くなるんだよ」
ニコニコと両手のニャンコを自分の頬に当てる、
「ミナちゃん可愛いなー、でも、それでいいのか?・・・まっ、いいか」
「いいのー、ミナがいいって言ったらいいのー」
何とも傍若無人である、
「そっかいいのか」
ルルは子供らしいなと微笑むしかなく、ミナは満足そうに、
「いいんだよー、でねでね」
と自分の作品の説明に余念が無い、その隣りでは、
「これはあれ、下書きってやつなの?」
とサビナがニコリーネに問う、
「はい、えっと、素描と呼んでます、その・・・下書きでいいというか、描く物を決めて、で、徹底的にこうその構造を描くというか、なので、はい」
ニコリーネは恥ずかしそうに適当に説明した、ニコリーネとしては素描を他人に見せる事は恥ずかしく、なによりあくまで試し書きの意味合いが強い、さらに今日は調子に乗って書きなぐってしまい、出来の良し悪しで言えば悪い方にあたる、父親に見せたら紙の無駄だとどなりつけられるであろう、
「へー、下書きでこれかー、凄いねー」
そのニコリーネの思いを知ってか知らずかサビナは素直に感心する、上質紙には主に精霊の木が様々な角度で描かれいてるが、ミナの寝顔や、レインの横顔、さらにはイフナースが精霊の木に横たわっている様子、クロノスが木剣を構えて笑っている様子等、とても一日で描いたとは思えない量である、
「・・・この絵好きだなー、幾らで売るの?」
ユーリが一枚を取り上げてしげしげと見つめている、それは精霊の木の素描の一つであった、
「そんな、売り物では無いですし、お金をとるほどのものでは・・・はい」
ニコリーネは慌てて答えるが、
「そうなの?じゃ、頂戴」
ユーリもまるで遠慮の無い人間である、ニヤリと嫌らしくニコリーネを見つめ、有無を言わさぬ圧力まで感じられる、
「えっと、はい、差し上げる分には別に・・・」
「うふ、ありがとう、じゃ、これ頂くわねー」
「マジですか所長」
「勿論よ、うーん、額装したいなー、丁度いい額無い?」
「倉庫探せば何かあるんじゃないですか?」
「そんなのあったっけ?」
「先日見かけたような?」
「じゃ、探そー」
「えー、いいなー、じゃ、私もいい?」
グルジアが上目づかいでニコリーネを伺い、
「じゃ、私も」
「なら、私だって」
と一気に姦しくなる、そこへ、
「まだやってるの?」
と片付けを終えたソフィアとオリビアが戻ってきた、
「ソフィー、見てー描いたのー」
ミナがバタバタとソフィアへ駆け寄り、
「あら、可愛い、何これ?」
「レイン、あと、ニコー、ニャンコ、イース様、クロノスー、あと、リスー」
「へー、良く描けてるじゃない」
「でしょでしょー」
と夕陽が僅かに覗く食堂は暫くの間楽し気な声に包まれていた。
「絵を描きに来ましたので、描きます、以上です」
とその目的と決意を表明した、すると、
「ミナもー、ミナも描いたのー、楽しかったー」
ミナがキャッキャッと声を上げ、
「見たいなー、どんなの?」
と生徒達は囃し立てる、
「はいはい、それは後でね、お食事が終わってから、じゃ、その前に」
とソフィアは藁箱を二つ取り出すと、
「うーん、みんなの前で出すのもあれだけどね、昨日渡しそびれちゃって・・・」
ソフィアは藁箱をミナとレインの前に置くと、
「えーとね、昨日はほら神様の誕生日でしょ、で、ブノワトさんに聞いたら贈り物を贈るんだとか、で、作って用意したのはいいんだけどさ・・・」
ソフィアは額を小さく掻いて、
「忘れちゃってたのよ」
と続けてアッハッハと大きな口で誤魔化し笑いをする、
「えっと・・・えっと・・・」
ミナは突然の事に驚いているのかキョロキョロとソフィアと生徒達の顔を見比べ、
「へー、いいなー、ミナちゃん贈り物だって」
「贈り物?」
「そうよー、何が入ってるのかな?」
「わっ、でも可愛いですね、藁箱にレースか・・・」
「うん、何かワクワクしてくる」
「・・・これ良いわね」
「そうですね、これはレースの端切れですか?」
「へー、可愛いい」
「そうだねー」
中身が分からない状態であるにも関わらず、たかだかレース生地で十字に縛られた程度の藁箱が注目の的となった、
「でしょー、私もね、こりゃ発明だわって思っちゃったわ」
「ですねー、へー、これはあれですか、贈り物ですか・・・素敵です」
「いいわね・・・テラさん、オリビア、これ、いいんじゃない?」
「はい、藁箱は・・・あれ、これうちのやつですか?」
「そうよ、ロールケーキが入ってたやつ」
「えっ、そうなんだ、わっ、見違えた・・・」
「うん、へー、布で縛っただけですか?何か全然雰囲気違いますね」
「レース生地が高いからなー、でも、あれか端切れであればいいのか・・・」
「これいけるんじゃない?エレイン様ー」
「そうね・・・うん、どうしようか、レースの端切れ安く手に入るかしら?」
「ネイハウス商会に聞いてみます?」
「マフダさんの方が早いかもですよ、ネイハウス商会だと端切れまでは取扱っているかどうか・・・」
「それもそうね、マフダさんに聞いてみましょう」
と一頻り盛り上がる、しかし、ミナは困惑してどうすればいいかとキョロキョロし続け、レインもどうしたものかと首を傾げている、
「ほら、開けてみて、大丈夫よ良い物が入っているから」
ニコリと微笑むソフィアにミナはコクンと小さく頷き、恐る恐ると箱に手を伸ばす、そして、箱を開けようとするが十字に縛られている為思うように出来ず、隣りに座っているルルが、
「あー、ほら、ミナちゃん、先にレースを解かないと」
と助言し、ミナはその指差された所からレースを解くと、やっと蓋を開けた、
「わっ、何これ?かわいいー、ニャンコ?ニャンコ?」
「そうよー、ミナ好きでしょ」
「うん、好きー、えっと、何これ、どうするの?」
「何これって言われても困るけど取り出してみなさい」
ソフィアに促されミナはソロソロと中身を取り出した、それはなんて事は無いソフィアが編んでいた毛糸の靴下である、
「わっ、えっとなんだっけ、これ、アシブクロー」
「そうよー、そろそろ寒くなるからね、寝る時に使いなさい」
「わー、いいなー、ミナちゃん」
「うん、温かそうだねー」
「へー、こうなるんだー」
「これ良さそうね」
「アシブクロ?ですか?どうやって使うんです?」
「寝るときに足に着けるんだよ、手袋みたいな感じだそうです」
「えっ、それいいですね・・・」
「みんなで編んでるんですよ」
「そっかー、アシブクロか・・・なるほどなー、カトカこれ欲しいんじゃない?」
「はい、とっても欲しいです」
「じゃ、作れば?」
「そんな、簡単に・・・」
「・・・売れそうね・・・」
「会長・・・なんでもかんでもですよ、売れそうですけど」
「マフダさんに作らせようかしら・・・」
「・・・そうですね」
その毛糸の靴下にはミナの履くスリッパと同様に、しかし若干より可愛らしくなった感のある黒猫が縫い付けられており、レインが取り出したそれには白猫が縫い付けられていた、ミナは小躍りしてキャッキャッと騒いでいるがその隣りのレインは冷静なもので、しかし、それでも嬉しそうな事には変わりなく、口元を軽く痙攣させて微笑みを誤魔化しているように見える、
「ふふ、喜んでもらえたら嬉しいわね、ミナ、大事に使ってよ」
「大事にするー、今日から使うー」
「使ってもいいけど、もっと寒くなってからでいいのよ」
「やだー、使いたいー」
「はいはい、じゃ、御免ね、夕食にしましょうか」
こうして、夕食は始まったのであるが、エレインを中心とした商会組は商売の話しに華を咲かせ、グルジア達は靴下の装飾に拘りたいなと盛り上がる、その横で新参者であるゾーイとニコリーネはなるほど、この不思議な熱量が商会の基礎にあり、ソフィアが諸々の仕掛人と噂される理由を何となく理解した、そして、
「これ、ミナが描いたのー、これはレインでー、こっちがニコなのよー」
食事を終えたテーブルに何枚もの大判の上質紙が並べられ、ミナが嬉しそうに飛び跳ねる、その両手には貰ったばかりの靴下を着けており、それじゃ手袋だろーとジャネットにからかわれながらも決して外そうとはしなかった、
「そっかー、へー、やっぱり大したものねー」
「そうですね、これなんかいいなー、部屋に飾りたいですね」
「うん、違いますよねー」
女生徒たちはそれらを見下ろしてうんうんとニコリーネの画力に感心していた、やはりニコリーネの作品はまるで別次元である、絵画にそれほど触れていない生徒達でもその美しさが理解できた、
「レインちゃんのも良いよね、何か構図が違うな」
「ほう、分かるか?」
「うん、何か違う・・・感じがする・・・」
ケイスがレインの描いた一枚に惹きつけられている様子である、
「ミナのはー、ミナのもいいでしょー」
「そうだね、ミナちゃんのもいいねー、でも、裏山にニャンコっていた?」
「いないよ」
ミナは何を言っているのやらと不思議そうにルルを見上げ、
「いないのに描いたの?」
「そうだよー、ニャンコを描けば可愛くなるんだよ」
ニコニコと両手のニャンコを自分の頬に当てる、
「ミナちゃん可愛いなー、でも、それでいいのか?・・・まっ、いいか」
「いいのー、ミナがいいって言ったらいいのー」
何とも傍若無人である、
「そっかいいのか」
ルルは子供らしいなと微笑むしかなく、ミナは満足そうに、
「いいんだよー、でねでね」
と自分の作品の説明に余念が無い、その隣りでは、
「これはあれ、下書きってやつなの?」
とサビナがニコリーネに問う、
「はい、えっと、素描と呼んでます、その・・・下書きでいいというか、描く物を決めて、で、徹底的にこうその構造を描くというか、なので、はい」
ニコリーネは恥ずかしそうに適当に説明した、ニコリーネとしては素描を他人に見せる事は恥ずかしく、なによりあくまで試し書きの意味合いが強い、さらに今日は調子に乗って書きなぐってしまい、出来の良し悪しで言えば悪い方にあたる、父親に見せたら紙の無駄だとどなりつけられるであろう、
「へー、下書きでこれかー、凄いねー」
そのニコリーネの思いを知ってか知らずかサビナは素直に感心する、上質紙には主に精霊の木が様々な角度で描かれいてるが、ミナの寝顔や、レインの横顔、さらにはイフナースが精霊の木に横たわっている様子、クロノスが木剣を構えて笑っている様子等、とても一日で描いたとは思えない量である、
「・・・この絵好きだなー、幾らで売るの?」
ユーリが一枚を取り上げてしげしげと見つめている、それは精霊の木の素描の一つであった、
「そんな、売り物では無いですし、お金をとるほどのものでは・・・はい」
ニコリーネは慌てて答えるが、
「そうなの?じゃ、頂戴」
ユーリもまるで遠慮の無い人間である、ニヤリと嫌らしくニコリーネを見つめ、有無を言わさぬ圧力まで感じられる、
「えっと、はい、差し上げる分には別に・・・」
「うふ、ありがとう、じゃ、これ頂くわねー」
「マジですか所長」
「勿論よ、うーん、額装したいなー、丁度いい額無い?」
「倉庫探せば何かあるんじゃないですか?」
「そんなのあったっけ?」
「先日見かけたような?」
「じゃ、探そー」
「えー、いいなー、じゃ、私もいい?」
グルジアが上目づかいでニコリーネを伺い、
「じゃ、私も」
「なら、私だって」
と一気に姦しくなる、そこへ、
「まだやってるの?」
と片付けを終えたソフィアとオリビアが戻ってきた、
「ソフィー、見てー描いたのー」
ミナがバタバタとソフィアへ駆け寄り、
「あら、可愛い、何これ?」
「レイン、あと、ニコー、ニャンコ、イース様、クロノスー、あと、リスー」
「へー、良く描けてるじゃない」
「でしょでしょー」
と夕陽が僅かに覗く食堂は暫くの間楽し気な声に包まれていた。
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