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本編
58話 胎動再び その1
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翌朝、普段よりも若干睡眠時間の短かった生徒達は眠い目を擦りながら朝食を済ませ、普段通りに学園に向かい、普段とそう大きく生活習慣が変わらなかったであろうユーリはそれでもいつも通りにミナにおちょくられながら朝食を済ませると、
「ソフィアー、ダナに一言言っておくからー」
と厨房で皿洗いに従事するソフィアに声をかける、
「んー、なんだっけー」
ソフィアは作業を止めずに聞き返す、
「メイドさん達の事、あと、ニコリーネさんか、ま、それはいいのかな?」
「あー、そうよねー、おねがーい」
ソフィアは適当に答え、ユーリはそのまま三階へ上がる、結局昨夜の打ち合わせでニコリーネは当然として、メイドが二人研修だか修業だかの名目で手伝いに来る事になった、ソフィアとしては断る事は可能なのであろうが、相手が相手であった、変に断って印象を悪くするのは大人としても立場的にも宜しくなく、挙句学園への影響力が強い面々である、これがより拗れて大問題になるのも宜しくないであろうと、素直にその依頼を受ける事とした、而してそれは、よく考えれば単純に手が増えるという事でもある、依頼者の思惑がなんであれ正直それは知った事ではない、生徒達も増えて少々手間がかかるようになってきたと思っていた所であった、少しは楽が出来るかなと前向きに考える事とした、
「でもな」
とそこでソフィアは少し不安にも思う、彼女達が主目的とする料理に関しては、主にタロウから教わったものである、それをソフィアが調理しやすく改良し、手に入る食材でなんとかかんとか形にしているのが実情であったりする、そんな適当なものを教師面して教えるのもなと思うが、少なくともエレインはそれで構わないらしく、王妃達も同意のようであった、であれば良いかとも思うが、そこで思い出すのがタロウの愚痴であった、曰く、この国は野菜にしろ果物にしろ料理の元となる食材が極端に少ないらしい、さらに肉類にしてもソフィアは得意とはしていない魚類にしても同じらしく、故にタロウの求める故郷の料理にはとても及ばない上に味も良くないらしい、特に調味料に関しては壊滅的に駄目なんだとか、ソフィアとしてはそう言われてもと鼻白む他無く、だからどうしろというのかと口喧嘩にもなった、もしここにタロウが居て、王妃達の後ろ盾を得て好き勝手にやっていいとなったらどのような料理が作られるのであろうかと軽く妄想する、
「すごい事にはなるだろうな・・・いや、それ程でもないか・・・あの人、雑だからな・・・」
ソフィアはそう独り言ち、皿洗いを終えて食堂へ入った、食堂ではミナとレインが珍しくも鏡の前で髪を弄っている、
「あら、どうしたの?」
「うふふー、お洒落してるのー」
「じゃな」
「そりゃまたどうして?」
「なんとなくー」
「じゃな」
ソフィアは随分可愛らしいわねとそれはそれで放っておくことにして、さて、次はと食堂の片隅に集められた洗い物の籠に手を伸ばすと、
「洗濯してるから何かあったら呼んでねー」
と再び厨房へ入り内庭へ出る、すると、
「あぁ、ソフィアさん丁度良かった」
と現場に入ったばかりであろうブラスである、その後ろには職人が二人、どこか暗い顔で会釈をした、
「あら、おはよう何かあった?」
「おはようございます、明日以降の打合せをしておきたいなと思いまして」
ブラスとソフィアはそのまま立ち話となり、職人達はやはりどこか精彩を欠いた感じで現場に入った、
「何かあるの?」
「えぇ、今日で基礎とお風呂場ですか、その工事は終わります、で、明日なんですが、重機を持って来ます、柱と屋根の主要材をそれで設置してしまいます」
「あら、大仕事なのね」
「そうですね、で、足場も組んでしまうので、ちょっと騒がしいのと、人が増えます、それと場合によっては若干時間がかかるかなと」
「なるほど、うん、了解しました、じゃ、どうしようか、エレインさんに話しておく?」
「出来ればお願いしたいですね、お店の方には邪魔にならないようにとは思いますが、どうなるかは正直分からないので」
「はいはい、そっか、でも、あっという間ね」
「いやー、現場が小さいですからね、それはもう、あっ、そうだ、昨日の祭り楽しかったですよ」
ブラスは完全に話題を変えてニヤリと微笑む、
「それは良かったわね、どうせ遅くまで飲んだんでしょ」
「えへへ、でもお陰で俺は元気です」
ブラスは俺はを強調して意地悪そうに職人達へ視線を移す、職人達はいかにも嫌そうな気まずそうな苦笑いとなった、溌剌としたブラスとは違いいかにもな二日酔いの顔である、そういう事かとソフィアは察して、
「まったく、次の日に残る酒なんて、駄目な飲み方しちゃ駄目よ」
「えへへ、そうなんですよ、鍛え方が足りんのです」
ブラスはムフンと胸を張り、職人達の苦笑いは泣き顔に代わる、
「あっ、そうだ、昨日ねイース様も飲んでたわ」
「えっ、ホントですか?」
「クロノスと一緒にね、で、クロノスが悪酔いしちゃってね、奥様に怒鳴られてたわ」
「えっ、あー、それはだってどこでも同じじゃないですか」
「そうだろうけど、あそこはほらあそこで大変なのよ、知ったこっちゃないけどさ、で、ブラスさんとバーレントさんに体調整えて置けってさ」
「マジっすか、それは嬉しいなー」
ブラスは小躍りしそうな程に明るい顔となる、
「そうは言っても、あれよ、クロノスは覚えてないかもよ、イース様は控えめに飲んでたけど」
「そんなに飲んだんですか?」
「そうよー、何か一人で盛り上がっちゃってね、あれね、酔い過ぎてる人がいると周りの人って控えるじゃない?正にそれ」
「ありゃ、それは寂しい感じですね」
「イース様には丁度良い勉強になったかもだけどさ」
「確かに、でも、そうですか、じゃ、イース様はだいぶ良くなられたんですかね」
「そうみたいね」
「良かったです、ほら、裏山に行くのを時々見かけてましたから、でも、だいぶ足取りもしっかりしていらっしゃいましたし、嬉しいですね」
「そうね、ま、そういう事だから、ちゃんとお声掛け頂くまでは摂生しなさいよ」
「それはもう、というか、暫く飲むなってブノワトに叱られてますから」
アッハッハとブラスは快活に笑う、
「あら、そんなに飲んだの?」
「いや、ほら、飲む暇あったら洗濯バサミ作れってうるさくて、昨日あれもあっという間に売れたみたいで、ありがとうございます」
「それは良かったわね」
「そんな、こちらこそお礼を言わないとですよ、親父達も真面目に取り組み出してますから、もう少しすれば量産できるようになると思います」
「そっか、そうよねー、あれって数が欲しくなるもんね」
「ですよね、なので、うん、ホントありがとうございます、もしかしたら大工よりも儲かるんじゃないかって話してまして」
「そんなに?」
「はい、ま、色々見越して算段を考えている状態ですね、それとブノワトはほら爪やすりも売れるって言って頑張ってますし」
「そっか・・・ま、売れるのは嬉しいしね、いいんじゃない」
「そんな他人事みたいに・・・」
「充分他人事よ」
「いや、ソフィアさんにそれ言われるとこっちが困りますから・・・」
「別に大した事じゃないわよ、さっ、私は洗濯だから、ほれ、しっかり仕事なさい」
「はいっ、有難うございます」
ソフィアは足元に置いた洗濯籠を拾い上げて井戸へ向かい、ブラスは現場に入る、そのままここ数日見慣れた内庭の光景になるかと思われた瞬間、
「ソフィー、ニコ、ニコが来たー」
ミナが内庭へ駆け出して来た、
「ありゃ、早いわね」
「うん、来たー、あー、大工のおっちゃんだー」
「こら、ブラスさんでしょ」
「いいのー、おっちゃんチーッス」
「おう、おはよう、ミナちゃん」
ソフィアはおいおいと腰を上げると、
「こら、邪魔しちゃ駄目よ、ニコリーネさんは?」
「こっちー」
とミナがソフィアの手を取ったと同時に、
「おはようございます」
ソフィアの背後から甲高い声が響いた、
「あっ、こっち来たー」
ミナがソフィアの手を離して駆け出し、
「わっ、おはよう、ニコリーネさん早いのね」
ソフィアが振り返って微笑むと、
「はい、お許しを得たので早速来ましたお世話になります」
ニコリーネは大荷物を足元に置いてビシリと背筋を伸ばし直立不動である、何もそこまでとソフィアは苦笑いとなりつつ、
「そうね、取り敢えず宜しくね、じゃ、どうしようか、エレインさんの所には行ったの?」
「まだです、先に描きたいので来ました、裏山行ってもいいですか?」
独特の微妙に合わない視線をソフィアに向け、しかしとても嬉しそうに許可を求めるニコリーネに、
「そんなに急がなくても、ま、何とでもなるわよね、裏山は好きに入っていいわよ、あ、あれでも山だから気を付けてね」
「はい、ありがとうございます」
ニコリーネは嬉しそうに大荷物を背負い直すと裏山へ向かい、
「ミナもー、ミナも行くー」
ミナは当然のようにソフィアにねだり、いつの間にやらレインも内庭に出てきていた、
「はいはい、邪魔しちゃ駄目よ」
「うん、邪魔しない、お手伝いするー」
「お手伝いって・・・なるかしら?」
「なるー、一緒にお絵描きするって昨日約束したのー」
「それはお手伝いなのかな?ま、好きになさい」
「うん、好きにするー、ニコー、待ってー」
ミナはバタバタとニコリーネを追いかけ、さらにレインもその後を追うのであった。
「ソフィアー、ダナに一言言っておくからー」
と厨房で皿洗いに従事するソフィアに声をかける、
「んー、なんだっけー」
ソフィアは作業を止めずに聞き返す、
「メイドさん達の事、あと、ニコリーネさんか、ま、それはいいのかな?」
「あー、そうよねー、おねがーい」
ソフィアは適当に答え、ユーリはそのまま三階へ上がる、結局昨夜の打ち合わせでニコリーネは当然として、メイドが二人研修だか修業だかの名目で手伝いに来る事になった、ソフィアとしては断る事は可能なのであろうが、相手が相手であった、変に断って印象を悪くするのは大人としても立場的にも宜しくなく、挙句学園への影響力が強い面々である、これがより拗れて大問題になるのも宜しくないであろうと、素直にその依頼を受ける事とした、而してそれは、よく考えれば単純に手が増えるという事でもある、依頼者の思惑がなんであれ正直それは知った事ではない、生徒達も増えて少々手間がかかるようになってきたと思っていた所であった、少しは楽が出来るかなと前向きに考える事とした、
「でもな」
とそこでソフィアは少し不安にも思う、彼女達が主目的とする料理に関しては、主にタロウから教わったものである、それをソフィアが調理しやすく改良し、手に入る食材でなんとかかんとか形にしているのが実情であったりする、そんな適当なものを教師面して教えるのもなと思うが、少なくともエレインはそれで構わないらしく、王妃達も同意のようであった、であれば良いかとも思うが、そこで思い出すのがタロウの愚痴であった、曰く、この国は野菜にしろ果物にしろ料理の元となる食材が極端に少ないらしい、さらに肉類にしてもソフィアは得意とはしていない魚類にしても同じらしく、故にタロウの求める故郷の料理にはとても及ばない上に味も良くないらしい、特に調味料に関しては壊滅的に駄目なんだとか、ソフィアとしてはそう言われてもと鼻白む他無く、だからどうしろというのかと口喧嘩にもなった、もしここにタロウが居て、王妃達の後ろ盾を得て好き勝手にやっていいとなったらどのような料理が作られるのであろうかと軽く妄想する、
「すごい事にはなるだろうな・・・いや、それ程でもないか・・・あの人、雑だからな・・・」
ソフィアはそう独り言ち、皿洗いを終えて食堂へ入った、食堂ではミナとレインが珍しくも鏡の前で髪を弄っている、
「あら、どうしたの?」
「うふふー、お洒落してるのー」
「じゃな」
「そりゃまたどうして?」
「なんとなくー」
「じゃな」
ソフィアは随分可愛らしいわねとそれはそれで放っておくことにして、さて、次はと食堂の片隅に集められた洗い物の籠に手を伸ばすと、
「洗濯してるから何かあったら呼んでねー」
と再び厨房へ入り内庭へ出る、すると、
「あぁ、ソフィアさん丁度良かった」
と現場に入ったばかりであろうブラスである、その後ろには職人が二人、どこか暗い顔で会釈をした、
「あら、おはよう何かあった?」
「おはようございます、明日以降の打合せをしておきたいなと思いまして」
ブラスとソフィアはそのまま立ち話となり、職人達はやはりどこか精彩を欠いた感じで現場に入った、
「何かあるの?」
「えぇ、今日で基礎とお風呂場ですか、その工事は終わります、で、明日なんですが、重機を持って来ます、柱と屋根の主要材をそれで設置してしまいます」
「あら、大仕事なのね」
「そうですね、で、足場も組んでしまうので、ちょっと騒がしいのと、人が増えます、それと場合によっては若干時間がかかるかなと」
「なるほど、うん、了解しました、じゃ、どうしようか、エレインさんに話しておく?」
「出来ればお願いしたいですね、お店の方には邪魔にならないようにとは思いますが、どうなるかは正直分からないので」
「はいはい、そっか、でも、あっという間ね」
「いやー、現場が小さいですからね、それはもう、あっ、そうだ、昨日の祭り楽しかったですよ」
ブラスは完全に話題を変えてニヤリと微笑む、
「それは良かったわね、どうせ遅くまで飲んだんでしょ」
「えへへ、でもお陰で俺は元気です」
ブラスは俺はを強調して意地悪そうに職人達へ視線を移す、職人達はいかにも嫌そうな気まずそうな苦笑いとなった、溌剌としたブラスとは違いいかにもな二日酔いの顔である、そういう事かとソフィアは察して、
「まったく、次の日に残る酒なんて、駄目な飲み方しちゃ駄目よ」
「えへへ、そうなんですよ、鍛え方が足りんのです」
ブラスはムフンと胸を張り、職人達の苦笑いは泣き顔に代わる、
「あっ、そうだ、昨日ねイース様も飲んでたわ」
「えっ、ホントですか?」
「クロノスと一緒にね、で、クロノスが悪酔いしちゃってね、奥様に怒鳴られてたわ」
「えっ、あー、それはだってどこでも同じじゃないですか」
「そうだろうけど、あそこはほらあそこで大変なのよ、知ったこっちゃないけどさ、で、ブラスさんとバーレントさんに体調整えて置けってさ」
「マジっすか、それは嬉しいなー」
ブラスは小躍りしそうな程に明るい顔となる、
「そうは言っても、あれよ、クロノスは覚えてないかもよ、イース様は控えめに飲んでたけど」
「そんなに飲んだんですか?」
「そうよー、何か一人で盛り上がっちゃってね、あれね、酔い過ぎてる人がいると周りの人って控えるじゃない?正にそれ」
「ありゃ、それは寂しい感じですね」
「イース様には丁度良い勉強になったかもだけどさ」
「確かに、でも、そうですか、じゃ、イース様はだいぶ良くなられたんですかね」
「そうみたいね」
「良かったです、ほら、裏山に行くのを時々見かけてましたから、でも、だいぶ足取りもしっかりしていらっしゃいましたし、嬉しいですね」
「そうね、ま、そういう事だから、ちゃんとお声掛け頂くまでは摂生しなさいよ」
「それはもう、というか、暫く飲むなってブノワトに叱られてますから」
アッハッハとブラスは快活に笑う、
「あら、そんなに飲んだの?」
「いや、ほら、飲む暇あったら洗濯バサミ作れってうるさくて、昨日あれもあっという間に売れたみたいで、ありがとうございます」
「それは良かったわね」
「そんな、こちらこそお礼を言わないとですよ、親父達も真面目に取り組み出してますから、もう少しすれば量産できるようになると思います」
「そっか、そうよねー、あれって数が欲しくなるもんね」
「ですよね、なので、うん、ホントありがとうございます、もしかしたら大工よりも儲かるんじゃないかって話してまして」
「そんなに?」
「はい、ま、色々見越して算段を考えている状態ですね、それとブノワトはほら爪やすりも売れるって言って頑張ってますし」
「そっか・・・ま、売れるのは嬉しいしね、いいんじゃない」
「そんな他人事みたいに・・・」
「充分他人事よ」
「いや、ソフィアさんにそれ言われるとこっちが困りますから・・・」
「別に大した事じゃないわよ、さっ、私は洗濯だから、ほれ、しっかり仕事なさい」
「はいっ、有難うございます」
ソフィアは足元に置いた洗濯籠を拾い上げて井戸へ向かい、ブラスは現場に入る、そのままここ数日見慣れた内庭の光景になるかと思われた瞬間、
「ソフィー、ニコ、ニコが来たー」
ミナが内庭へ駆け出して来た、
「ありゃ、早いわね」
「うん、来たー、あー、大工のおっちゃんだー」
「こら、ブラスさんでしょ」
「いいのー、おっちゃんチーッス」
「おう、おはよう、ミナちゃん」
ソフィアはおいおいと腰を上げると、
「こら、邪魔しちゃ駄目よ、ニコリーネさんは?」
「こっちー」
とミナがソフィアの手を取ったと同時に、
「おはようございます」
ソフィアの背後から甲高い声が響いた、
「あっ、こっち来たー」
ミナがソフィアの手を離して駆け出し、
「わっ、おはよう、ニコリーネさん早いのね」
ソフィアが振り返って微笑むと、
「はい、お許しを得たので早速来ましたお世話になります」
ニコリーネは大荷物を足元に置いてビシリと背筋を伸ばし直立不動である、何もそこまでとソフィアは苦笑いとなりつつ、
「そうね、取り敢えず宜しくね、じゃ、どうしようか、エレインさんの所には行ったの?」
「まだです、先に描きたいので来ました、裏山行ってもいいですか?」
独特の微妙に合わない視線をソフィアに向け、しかしとても嬉しそうに許可を求めるニコリーネに、
「そんなに急がなくても、ま、何とでもなるわよね、裏山は好きに入っていいわよ、あ、あれでも山だから気を付けてね」
「はい、ありがとうございます」
ニコリーネは嬉しそうに大荷物を背負い直すと裏山へ向かい、
「ミナもー、ミナも行くー」
ミナは当然のようにソフィアにねだり、いつの間にやらレインも内庭に出てきていた、
「はいはい、邪魔しちゃ駄目よ」
「うん、邪魔しない、お手伝いするー」
「お手伝いって・・・なるかしら?」
「なるー、一緒にお絵描きするって昨日約束したのー」
「それはお手伝いなのかな?ま、好きになさい」
「うん、好きにするー、ニコー、待ってー」
ミナはバタバタとニコリーネを追いかけ、さらにレインもその後を追うのであった。
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