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本編
53話 新学期 その11
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それから暫くの間、ソフィアは溜まった洗濯に忙殺され、研究所はバタバタと忙しかった、やはりミナは所内に転がる珍奇な道具類に集中を乱され、いちいちハタキの手を止めてはこれは何だとカトカを質問攻めにしてしまう、カトカはまぁこうなるだろうなと予想通りの有様に微笑みを浮かべて優しく対応し、レインはレインでテーブルの清掃に従事していたが、やはりそこここに転がる書物類に興味を惹かれている様子で、手を止めたと思えば書に釘付けとなっており、こちらはハッと自主的に気が付いて再び手が動くあたりにまだ愛嬌があるとも言える、そんな3人であったが掃除はそれなりに進んでいき、作業場としている3階のホールはだいぶ綺麗になった、そこから研究室と呼ばれる事になった貴族部屋の続きの二部屋、そして転送陣の並ぶ部屋、倉庫として使用している部屋、普段から綺麗にしているつもりの応接室の掃除を終え、廊下を仕上げて何とか形になったようである、
「こんなもんかな?お疲れ様」
カトカはニコニコと二人を労い、
「うふ、綺麗になった?」
「いいところじゃろ」
二人の可愛い助手はムフーと満足そうに鼻息を荒くする、
「そうね、いいところだね、下の階みたいにスリッパでも良いくらい綺麗にしてもいいんだけどね、来客も多いから」
「じゃな、クロノスやらなにやらとここは出入りが多いからな」
「なのよねー、それに作業場はどうしても汚れるからね・・・うん、仕方ないかな?」
カトカは悩ましく小首を傾げる、カトカ自身は潔癖とは言えないまでも綺麗好きな方である、サビナも同じ程度に綺麗好きであり、ユーリにしても無精なだけであり気が向いたら掃除はしている、但し気が向くのが1年に数度である点が問題であったりする、それを無精と呼ぶのであるが、こういう所でもソフィアとの相性はすこぶる良いのであろう、もしくはソフィアがそうである為、ユーリがそうなったのかもしれない、長年の付き合いは互いに影響を与え合うものなのである、而して研究所に関しては、カトカとサビナから一度は3階も徹底的に清掃してスリッパ履きにしようとの案も出た、ユーリもそれが良いかもねと前向きであったが、学園からの出入りや来客を考えると難しいとなったのである、それに作業場はどうしても汚れてしまうものである、陶器板や釉薬の削りカス、魔法石の研磨等もこの場でやっている為に大変に埃っぽい、一日の終わりには簡単に清掃はしているのであるが、それでも月に一度は大掃除が必要だろうなとカトカは真っ黒に汚れた雑巾と同じように汚れの浮かんだ手桶を目にして実感した、
「この部屋はー?」
ミナがキョロキョロと周囲を見渡し手をいれていない部屋を指差す、
「そこは所長の部屋ですから、入っちゃだめですよ」
「そうなの?」
「そうよー、お酒の樽とかビンとかありますからねー、自分で掃除しなきゃでしょ」
「そっかー、ユーリの部屋かー」
ミナは何か考えているのかニマニマと不適な笑みを浮かべ、そーっといかにもな忍び足でその扉に手を伸ばす、
「こらっ」
カトカが苦笑いで叱りつけ、
「そうじゃの、それは駄目だぞ」
レインも渋い顔となる、
「うー、ユーリならいいのー」
「良くないですよ」
「うむ、良くないな」
「ぬー」
ミナは如何にも不満そうに頬を膨らませ、しかし、二人の手前思い止まったらしい、伸ばした手を後ろ手に組み直しそっと扉から離れた、
「さて、そしたらどうしようかな、もう一仕事あるんだけど」
「なーにー?」
「暖炉の周りを片付けたいのですよ、使ってない物を倉庫に入れたいなって、冬支度の準備って感じですね」
「手伝う?」
「重いかもですよ」
「やってみる」
「ふふ、今日のミナちゃんは働き者ですね」
「うふふー、そうなの、ミナは働き者なのー」
3人はキャッキャと楽しそうにホールへ戻ると、暖炉の周りに積み上げられた何がしかの仕分けを始めた、それらは木製の品や書物類が多い、乱雑な状態で暖炉で火を焚いたら火事の原因となりかねない物ばかりである、カトカは一つ一つ確認しながら倉庫へ納める物、作業場の別の場所に移すもの、書棚に戻すものと丁寧に仕分けていき、ミナとレインはそれらを手にしてはカトカの指示に従ってちょこまかと動き回った、そして、暖炉の周りはそれなりに整頓され、3人は倉庫行きの雑多な物を両腕に抱えて倉庫へ向う、
「じゃ、ちょっと待ってね、分類しておいた筈なのよねー」
倉庫の中は掃除の折にも入っているが、木箱が積み重ねられたなんとも雑な状態であった、木箱はそれぞれに内容物は決まっているがそれは外観では分からない、カトカとサビナはそのうち木箱に印でもつけて分かりやすくしようと相談していたが、そのような作業は当然のように後回しになってしまっている、カトカは取り敢えずと手前にある箱から開けていき、あーこんなものもあったかと一人ブツクサと忙しい、すると、
「これ何ー」
木箱の一つを覗き込んでミナが叫ぶ、
「ん、なんでしょう?」
カトカはここも整理しなきゃなと身に染みて思いつつ適当に問い返す、
「ピカピカしてるー、キレー」
「ほう、これは大したものだな」
どうやらレインもそれに興味を惹かれたらしい、何か特別な物ってあったかしらとカトカが振り返る、ミナが覗き込んでいるのは鉱物が納められた木箱で先程確認の為に開けた箱である、
「あー、鉱物標本ですね、ピカピカしてるのはなんでしょう?水晶かな?」
カトカは再び適当に答えて視線を戻す、
「これはー?」
「何でしょう、大したものは入ってないはずですよー」
実際の所、大したものは入っていない、貴重とされる鉱石や研究で使用される鉱物類は研究室に置いてある、倉庫に突っ込んである鉱石はつまりガラクタに近い物であったりする、
「おおっ!!これは凄い、なんじゃ!!存在したのか!!」
突然レインが大声を上げた、カトカはビクリと肩を震わせて振り返る、見るとレインがこぶし大の鉱石を手にして見た事がない種類の笑みを浮かべていた、歓喜とも違う、驚きとも違う、恐れでは勿論無い、喜んでいるのは分かるのであるが、それ以上の、権力者が上りつめた時のような、愉悦を伴った欲望に塗れた奇妙な笑顔であった、
「えっ、どうしたの?そんなに珍しい?」
カトカはすぐに二人に歩み寄る、
「うむ、これは素晴らしい鉱石だぞ、初めて見た、いや、存在は聞いていたのだがな、学園長の書にも載っていなかった、幻の鉱石だ」
レインの興奮した早口に、カトカはエッと驚き、ミナは、
「そうなの?凄いの?」
こちらは単純に楽しそうである、
「凄いぞ、凄いのだが・・・うん、これはこの状態で採掘されたのか?」
レインが真剣な瞳でカトカを見上げた、
「えっ・・・あっ、どうだろう、えっと、どこにありました?」
カトカは木箱に取り付き、その鉱物と共にあるはずの木簡を探す、
「ここじゃ、おっ、3つもあるの、やはりどこかで採れたのか?」
「待ってねー、あ、これだ」
木箱の端に追いやられていた木簡を引っ張り出すと、
「えっと、そうね、鉄鉱山で採掘されたらしいわね、通常の鉄鉱石と違って銀色である事、採取量が極端に少ないってあるね、活用方法を求むともあるな・・・なんだこりゃ?」
「そうか、採掘されたのか、それはうん、なるほど、存在は示唆されていたのだ、うん、これは凄い」
レインの興奮に拍車がかかったようである、その鉱石を手にして踊り出さんばかりであった、
「うー、なんなのー?」
「そうですね、何なんですか?」
ミナとカトカは不思議そうにレインを見つめる、レインは、はてどう答えたものかと一瞬真顔になった、レインの知る名前を言った所でミナは当然であるが、カトカも理解出来ないであろう、近い物質名で誤魔化す事も可能であろうが、それでは自分が道化になってしまう、ミナに対してはどうでも良いがカトカに対しては誤魔化しは通用しないであろう、そこで、ハタと思い出した名称があった、確かいつぞや読んだか聞いたかした御伽噺の中でそう呼んでいたはずである、レインはうんと覚悟を決め、
「これはな、天然のミスリルというものじゃ」
「えっ」
とカトカは言葉を無くし、
「ふーん」
ミナは実に淡泊な反応であった、それはつまりその言葉の意味をまるで理解していないという事である。
「こんなもんかな?お疲れ様」
カトカはニコニコと二人を労い、
「うふ、綺麗になった?」
「いいところじゃろ」
二人の可愛い助手はムフーと満足そうに鼻息を荒くする、
「そうね、いいところだね、下の階みたいにスリッパでも良いくらい綺麗にしてもいいんだけどね、来客も多いから」
「じゃな、クロノスやらなにやらとここは出入りが多いからな」
「なのよねー、それに作業場はどうしても汚れるからね・・・うん、仕方ないかな?」
カトカは悩ましく小首を傾げる、カトカ自身は潔癖とは言えないまでも綺麗好きな方である、サビナも同じ程度に綺麗好きであり、ユーリにしても無精なだけであり気が向いたら掃除はしている、但し気が向くのが1年に数度である点が問題であったりする、それを無精と呼ぶのであるが、こういう所でもソフィアとの相性はすこぶる良いのであろう、もしくはソフィアがそうである為、ユーリがそうなったのかもしれない、長年の付き合いは互いに影響を与え合うものなのである、而して研究所に関しては、カトカとサビナから一度は3階も徹底的に清掃してスリッパ履きにしようとの案も出た、ユーリもそれが良いかもねと前向きであったが、学園からの出入りや来客を考えると難しいとなったのである、それに作業場はどうしても汚れてしまうものである、陶器板や釉薬の削りカス、魔法石の研磨等もこの場でやっている為に大変に埃っぽい、一日の終わりには簡単に清掃はしているのであるが、それでも月に一度は大掃除が必要だろうなとカトカは真っ黒に汚れた雑巾と同じように汚れの浮かんだ手桶を目にして実感した、
「この部屋はー?」
ミナがキョロキョロと周囲を見渡し手をいれていない部屋を指差す、
「そこは所長の部屋ですから、入っちゃだめですよ」
「そうなの?」
「そうよー、お酒の樽とかビンとかありますからねー、自分で掃除しなきゃでしょ」
「そっかー、ユーリの部屋かー」
ミナは何か考えているのかニマニマと不適な笑みを浮かべ、そーっといかにもな忍び足でその扉に手を伸ばす、
「こらっ」
カトカが苦笑いで叱りつけ、
「そうじゃの、それは駄目だぞ」
レインも渋い顔となる、
「うー、ユーリならいいのー」
「良くないですよ」
「うむ、良くないな」
「ぬー」
ミナは如何にも不満そうに頬を膨らませ、しかし、二人の手前思い止まったらしい、伸ばした手を後ろ手に組み直しそっと扉から離れた、
「さて、そしたらどうしようかな、もう一仕事あるんだけど」
「なーにー?」
「暖炉の周りを片付けたいのですよ、使ってない物を倉庫に入れたいなって、冬支度の準備って感じですね」
「手伝う?」
「重いかもですよ」
「やってみる」
「ふふ、今日のミナちゃんは働き者ですね」
「うふふー、そうなの、ミナは働き者なのー」
3人はキャッキャと楽しそうにホールへ戻ると、暖炉の周りに積み上げられた何がしかの仕分けを始めた、それらは木製の品や書物類が多い、乱雑な状態で暖炉で火を焚いたら火事の原因となりかねない物ばかりである、カトカは一つ一つ確認しながら倉庫へ納める物、作業場の別の場所に移すもの、書棚に戻すものと丁寧に仕分けていき、ミナとレインはそれらを手にしてはカトカの指示に従ってちょこまかと動き回った、そして、暖炉の周りはそれなりに整頓され、3人は倉庫行きの雑多な物を両腕に抱えて倉庫へ向う、
「じゃ、ちょっと待ってね、分類しておいた筈なのよねー」
倉庫の中は掃除の折にも入っているが、木箱が積み重ねられたなんとも雑な状態であった、木箱はそれぞれに内容物は決まっているがそれは外観では分からない、カトカとサビナはそのうち木箱に印でもつけて分かりやすくしようと相談していたが、そのような作業は当然のように後回しになってしまっている、カトカは取り敢えずと手前にある箱から開けていき、あーこんなものもあったかと一人ブツクサと忙しい、すると、
「これ何ー」
木箱の一つを覗き込んでミナが叫ぶ、
「ん、なんでしょう?」
カトカはここも整理しなきゃなと身に染みて思いつつ適当に問い返す、
「ピカピカしてるー、キレー」
「ほう、これは大したものだな」
どうやらレインもそれに興味を惹かれたらしい、何か特別な物ってあったかしらとカトカが振り返る、ミナが覗き込んでいるのは鉱物が納められた木箱で先程確認の為に開けた箱である、
「あー、鉱物標本ですね、ピカピカしてるのはなんでしょう?水晶かな?」
カトカは再び適当に答えて視線を戻す、
「これはー?」
「何でしょう、大したものは入ってないはずですよー」
実際の所、大したものは入っていない、貴重とされる鉱石や研究で使用される鉱物類は研究室に置いてある、倉庫に突っ込んである鉱石はつまりガラクタに近い物であったりする、
「おおっ!!これは凄い、なんじゃ!!存在したのか!!」
突然レインが大声を上げた、カトカはビクリと肩を震わせて振り返る、見るとレインがこぶし大の鉱石を手にして見た事がない種類の笑みを浮かべていた、歓喜とも違う、驚きとも違う、恐れでは勿論無い、喜んでいるのは分かるのであるが、それ以上の、権力者が上りつめた時のような、愉悦を伴った欲望に塗れた奇妙な笑顔であった、
「えっ、どうしたの?そんなに珍しい?」
カトカはすぐに二人に歩み寄る、
「うむ、これは素晴らしい鉱石だぞ、初めて見た、いや、存在は聞いていたのだがな、学園長の書にも載っていなかった、幻の鉱石だ」
レインの興奮した早口に、カトカはエッと驚き、ミナは、
「そうなの?凄いの?」
こちらは単純に楽しそうである、
「凄いぞ、凄いのだが・・・うん、これはこの状態で採掘されたのか?」
レインが真剣な瞳でカトカを見上げた、
「えっ・・・あっ、どうだろう、えっと、どこにありました?」
カトカは木箱に取り付き、その鉱物と共にあるはずの木簡を探す、
「ここじゃ、おっ、3つもあるの、やはりどこかで採れたのか?」
「待ってねー、あ、これだ」
木箱の端に追いやられていた木簡を引っ張り出すと、
「えっと、そうね、鉄鉱山で採掘されたらしいわね、通常の鉄鉱石と違って銀色である事、採取量が極端に少ないってあるね、活用方法を求むともあるな・・・なんだこりゃ?」
「そうか、採掘されたのか、それはうん、なるほど、存在は示唆されていたのだ、うん、これは凄い」
レインの興奮に拍車がかかったようである、その鉱石を手にして踊り出さんばかりであった、
「うー、なんなのー?」
「そうですね、何なんですか?」
ミナとカトカは不思議そうにレインを見つめる、レインは、はてどう答えたものかと一瞬真顔になった、レインの知る名前を言った所でミナは当然であるが、カトカも理解出来ないであろう、近い物質名で誤魔化す事も可能であろうが、それでは自分が道化になってしまう、ミナに対してはどうでも良いがカトカに対しては誤魔化しは通用しないであろう、そこで、ハタと思い出した名称があった、確かいつぞや読んだか聞いたかした御伽噺の中でそう呼んでいたはずである、レインはうんと覚悟を決め、
「これはな、天然のミスリルというものじゃ」
「えっ」
とカトカは言葉を無くし、
「ふーん」
ミナは実に淡泊な反応であった、それはつまりその言葉の意味をまるで理解していないという事である。
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