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本編
51話 宴の始末 その4
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ユーリが自身の事務室から学園の正門へ向かうとそこには既に多数の見物人が集まっており、街の衛兵と学園の守衛が協力して人並みを抑えていた、さらに女性事務員が数人、大声で見学は公務時間のみである事を告げている、
「ありゃ、朝から凄いわね・・・」
早朝からこんな事になるとはとユーリは目を剥いて立ち尽くした、公務時間開始の鐘が鳴るまでには暫くある、見物人の服装を見る限り、どうやら職場に向かう前に立ち寄った勤め人が多い様子で、事務員の説明に渋い顔を浮かべて難癖をつける者もいるようであった、
「あーそうなるかー」
直接ではないが事務員に浴びせかけられるその難癖を耳にして、ユーリはそりゃそうかもなと納得せざるを得ない、昨日まだ酒の入っていない学園長と事務長と協議し、見物は公務時間に限定する事を決めたのであるが、そうなると確かに見物できない者の方が多くなる、恐らくそれを聞きつけた真面目な勤め人が朝ならよかろうと詰めかけたのであろう、もしくは朝なら見れるとの噂話が先行したのであろうか、そう聞いたとする声も散見され、玄関前はかなり不穏な空気が漂ってきており、事務員達も遠目に見る限り押され気味であった、群衆の圧もそうであるが、彼等の言い分も尤もなのである、事務員達は取り敢えず学園の決定をそのまま説明しているだけに過ぎず、この場で論を交わせば向こうの方が理に適った事を言っている事はすぐに理解できた、ユーリはあー、これは拙いなと対処が必要である事を理解し、さて、学園長と事務長を捕まえるかと校舎に戻りかけた瞬間、
「これは、いけませんな」
背後から男性の声が響く、振り返ると事務長が事務員と共に駆け寄ってきた、ユーリはこれは好都合と足を止めて二人を待つ、
「事務長、おはようございます」
「ユーリ先生おはようございます」
事務長はユーリの側で立ち止まり、
「そういう事で対応しましょう」
と共に走ってきた事務員へ声を掛けた、事務員はハイと大きく返事をしてそのまま騒動に対応している事務員の元へ走る、
「いや、学園長と話しましてな、関係者以外の見物は公務時間外の日暮れ迄とする事になりました」
事務長はユーリに説明する、
「あ、そうですか、それは良かったです」
ユーリはホッとして胸を撫で下ろし、事務員達も改めて声を張り上げて説明している、群衆からはどっちだよと不満の声も聞こえるが、それでも理解した者から背を向けている様子であった、さらに群衆の間でもその対応が伝播されているようで、野次は次第に少なくなり、それと共に人波も少なくなっている様子である、
「あ、収まりそうですね・・・」
「そうですな、いや、朝から活気があって良いですな」
ニコニコと事務長は微笑む、ユーリはエッと驚き、どこまでが本心なのかと問い詰めたくなるが、騒動の大元は自分である、変に噛みつくのは違うなと思いグッと堪えた、しかし、どうしても口が出てしまい、
「活気があるというのはどうかと思いますが・・・」
だいぶ本心を抑えた言葉が吐き出された、
「そうですな、しかし、学園がこれほど注目される事も無いですから、これはこれで良い宣伝になりますよ」
しかし事務長はどこまでも鷹揚である、ホッホッホと明るく朗らかに笑う始末である、
「宣伝ですか?」
ユーリは眉を顰めて事務長を見上げた、
「はい、ここは前向きに捉えて宣伝と思う事にしましょう、学園長の考えでしてね、どうしてもこの学園はモニケンダムにあって浮いている存在でしたからな、ソフィアさんやエレインさんのお陰で領主様との仲は良くなってきたとはいえ、一般の人達とはやはり距離がありました、これを機に学園を身近に感じてもらうのも悪くないだろうと学園長は仰っておりましてな、なに、良いも悪いも髪結いの目と言いますでしょう、これを機に学園の存在を誇示するのも面白かろうと・・・ま、そのように考えております」
「・・・そう言って頂けるのであれば・・・はい・・・」
ユーリは事務長の言葉を理解しつつも鼻白んでしまう、なにせ昨晩は国王とクロノス、ロキュスと共に早々に痛飲し、学園長と事務長はそのまま学園で寝てしまっていた、事務長が朝から妙に晴々としているのはしっかりと楽しんで、しっかりと休んでいるからである、彼等が寝ている間、ユーリとソフィアは責任感から率先して対応にあたり、学園の守衛とカトカとサビナと共に不測の事態が起らぬよう、学園内を駆けずり回っていた、学園は元々城ではあったが、城塞の無い城であり、それは言いかえるなら堅牢な建物があるだけの敷地の広い要塞なのである、さらに、敷地を明確にする為に樹木が植えられているが柵のような物はなく、侵入しようと思えばどこからでも入る事は可能なのであった、今こうして正門と恐らく裏門も同じ状況であると思うが、その二つに集まっている民衆は大変に行儀の良い真っ当な人達であり、昨晩は酒の入った者達が何処からともなく侵入し放題であり、ユーリとソフィアが対応にあたったのは主にそういった連中であった、しかし、多勢に無勢である、ユーリは城攻めは守りが有利とは聞くけど、それは戦力が充分にある場合のみだわねと、戦術論を修正するべきだわとグチグチと考え、ソフィアはソフィアで若干ハイになり楽しそうに次々と珍客達を拘束していった、しかしやはり無勢である、ユーリとソフィアとしては本気を出さずとも悠長な事をしてないでぶっ飛ばし続ければそれで問題は解決するのであるが、相手は普通の市民である、酔って調子に乗って見物に来ただけの人達に怪我は当然としてその命を取る等と物騒な事ができるはずも無く、手っ取り早い対応が取れない以上、当然であるが後手に回ってしまう、夜半を過ぎどうしようもないかと思った時である、天の助けと呼べるべき者達が現れた、ゲインと近衛兵である、状況を見ていたリンドが近衛兵の一隊をそれと分らぬ様に鎧を付けずに派遣し、さらにゲインがその隊と共に参戦してくれた、こうなると地龍に翼、スライムに天井である、さらに光柱の灯りのお陰もあって捕り物は順調に行われ、学園の施設に損傷は無く、小競り合いはあったが大きな怪我をするものも双方には無かった、まったく、ゲインとリンド様様なのである、こうして朝を迎え、空が白む頃には侵入する者は少なくなり、拘束された者達はソフィアが順次強引に酔いを覚まして学園外に放り出し、悪質な者は衛兵へと引き渡した、こうして、取り敢えず嵐は去ったのである、
「さて、では・・・なのですが」
事務長はニコニコと爽やかな笑みを浮かべてユーリを見下ろすと、
「今日も来賓の対応があります、前もって協議致しましょう」
「・・・協議ですか?」
「はい、昨日は取り敢えず見に来ただけの方ばかりでしてね、今日改めて詳細な説明が欲しいとの事です、それと、有効活用を望む意見もありましてな・・・それも含めてと思っております、ユーリ先生・・・今日が本番ですぞ」
口元は微笑んでいても厳しい視線が遠慮なくユーリに向けられ、流石のユーリも頬を引き攣らせた、
「何、昨日と同じように誤魔化して頂ければ良いのです、しかし・・・そうですね、真相を語るのは王国関係者のみ、その他の人達には全く同じ説明でなければなりません、改めて下準備といきますか、それと、どうでしょうか、私も足りない脳を使いましてね、陛下やクロノス様とも話したのですが、これは中々に使える技術であると思います、この学園の売りになるのではないか・・・とも考えておりましてね・・・」
やや不穏な口振りである、ユーリはまぁそう考えるよなと思いつつも背筋に冷たいものが走る、これはまた仕事が増えるのかなと考え、それで済めばいいんだけどなとも考えつつ、
「あはは・・・そうですね・・・はー・・・」
頼りない口振りの溜息と事務長と共に校舎へと戻るのであった、尚、私もソフィアのようにぶっ倒れるべきだったわと後悔する事も勿論忘れていなかった。
「ありゃ、朝から凄いわね・・・」
早朝からこんな事になるとはとユーリは目を剥いて立ち尽くした、公務時間開始の鐘が鳴るまでには暫くある、見物人の服装を見る限り、どうやら職場に向かう前に立ち寄った勤め人が多い様子で、事務員の説明に渋い顔を浮かべて難癖をつける者もいるようであった、
「あーそうなるかー」
直接ではないが事務員に浴びせかけられるその難癖を耳にして、ユーリはそりゃそうかもなと納得せざるを得ない、昨日まだ酒の入っていない学園長と事務長と協議し、見物は公務時間に限定する事を決めたのであるが、そうなると確かに見物できない者の方が多くなる、恐らくそれを聞きつけた真面目な勤め人が朝ならよかろうと詰めかけたのであろう、もしくは朝なら見れるとの噂話が先行したのであろうか、そう聞いたとする声も散見され、玄関前はかなり不穏な空気が漂ってきており、事務員達も遠目に見る限り押され気味であった、群衆の圧もそうであるが、彼等の言い分も尤もなのである、事務員達は取り敢えず学園の決定をそのまま説明しているだけに過ぎず、この場で論を交わせば向こうの方が理に適った事を言っている事はすぐに理解できた、ユーリはあー、これは拙いなと対処が必要である事を理解し、さて、学園長と事務長を捕まえるかと校舎に戻りかけた瞬間、
「これは、いけませんな」
背後から男性の声が響く、振り返ると事務長が事務員と共に駆け寄ってきた、ユーリはこれは好都合と足を止めて二人を待つ、
「事務長、おはようございます」
「ユーリ先生おはようございます」
事務長はユーリの側で立ち止まり、
「そういう事で対応しましょう」
と共に走ってきた事務員へ声を掛けた、事務員はハイと大きく返事をしてそのまま騒動に対応している事務員の元へ走る、
「いや、学園長と話しましてな、関係者以外の見物は公務時間外の日暮れ迄とする事になりました」
事務長はユーリに説明する、
「あ、そうですか、それは良かったです」
ユーリはホッとして胸を撫で下ろし、事務員達も改めて声を張り上げて説明している、群衆からはどっちだよと不満の声も聞こえるが、それでも理解した者から背を向けている様子であった、さらに群衆の間でもその対応が伝播されているようで、野次は次第に少なくなり、それと共に人波も少なくなっている様子である、
「あ、収まりそうですね・・・」
「そうですな、いや、朝から活気があって良いですな」
ニコニコと事務長は微笑む、ユーリはエッと驚き、どこまでが本心なのかと問い詰めたくなるが、騒動の大元は自分である、変に噛みつくのは違うなと思いグッと堪えた、しかし、どうしても口が出てしまい、
「活気があるというのはどうかと思いますが・・・」
だいぶ本心を抑えた言葉が吐き出された、
「そうですな、しかし、学園がこれほど注目される事も無いですから、これはこれで良い宣伝になりますよ」
しかし事務長はどこまでも鷹揚である、ホッホッホと明るく朗らかに笑う始末である、
「宣伝ですか?」
ユーリは眉を顰めて事務長を見上げた、
「はい、ここは前向きに捉えて宣伝と思う事にしましょう、学園長の考えでしてね、どうしてもこの学園はモニケンダムにあって浮いている存在でしたからな、ソフィアさんやエレインさんのお陰で領主様との仲は良くなってきたとはいえ、一般の人達とはやはり距離がありました、これを機に学園を身近に感じてもらうのも悪くないだろうと学園長は仰っておりましてな、なに、良いも悪いも髪結いの目と言いますでしょう、これを機に学園の存在を誇示するのも面白かろうと・・・ま、そのように考えております」
「・・・そう言って頂けるのであれば・・・はい・・・」
ユーリは事務長の言葉を理解しつつも鼻白んでしまう、なにせ昨晩は国王とクロノス、ロキュスと共に早々に痛飲し、学園長と事務長はそのまま学園で寝てしまっていた、事務長が朝から妙に晴々としているのはしっかりと楽しんで、しっかりと休んでいるからである、彼等が寝ている間、ユーリとソフィアは責任感から率先して対応にあたり、学園の守衛とカトカとサビナと共に不測の事態が起らぬよう、学園内を駆けずり回っていた、学園は元々城ではあったが、城塞の無い城であり、それは言いかえるなら堅牢な建物があるだけの敷地の広い要塞なのである、さらに、敷地を明確にする為に樹木が植えられているが柵のような物はなく、侵入しようと思えばどこからでも入る事は可能なのであった、今こうして正門と恐らく裏門も同じ状況であると思うが、その二つに集まっている民衆は大変に行儀の良い真っ当な人達であり、昨晩は酒の入った者達が何処からともなく侵入し放題であり、ユーリとソフィアが対応にあたったのは主にそういった連中であった、しかし、多勢に無勢である、ユーリは城攻めは守りが有利とは聞くけど、それは戦力が充分にある場合のみだわねと、戦術論を修正するべきだわとグチグチと考え、ソフィアはソフィアで若干ハイになり楽しそうに次々と珍客達を拘束していった、しかしやはり無勢である、ユーリとソフィアとしては本気を出さずとも悠長な事をしてないでぶっ飛ばし続ければそれで問題は解決するのであるが、相手は普通の市民である、酔って調子に乗って見物に来ただけの人達に怪我は当然としてその命を取る等と物騒な事ができるはずも無く、手っ取り早い対応が取れない以上、当然であるが後手に回ってしまう、夜半を過ぎどうしようもないかと思った時である、天の助けと呼べるべき者達が現れた、ゲインと近衛兵である、状況を見ていたリンドが近衛兵の一隊をそれと分らぬ様に鎧を付けずに派遣し、さらにゲインがその隊と共に参戦してくれた、こうなると地龍に翼、スライムに天井である、さらに光柱の灯りのお陰もあって捕り物は順調に行われ、学園の施設に損傷は無く、小競り合いはあったが大きな怪我をするものも双方には無かった、まったく、ゲインとリンド様様なのである、こうして朝を迎え、空が白む頃には侵入する者は少なくなり、拘束された者達はソフィアが順次強引に酔いを覚まして学園外に放り出し、悪質な者は衛兵へと引き渡した、こうして、取り敢えず嵐は去ったのである、
「さて、では・・・なのですが」
事務長はニコニコと爽やかな笑みを浮かべてユーリを見下ろすと、
「今日も来賓の対応があります、前もって協議致しましょう」
「・・・協議ですか?」
「はい、昨日は取り敢えず見に来ただけの方ばかりでしてね、今日改めて詳細な説明が欲しいとの事です、それと、有効活用を望む意見もありましてな・・・それも含めてと思っております、ユーリ先生・・・今日が本番ですぞ」
口元は微笑んでいても厳しい視線が遠慮なくユーリに向けられ、流石のユーリも頬を引き攣らせた、
「何、昨日と同じように誤魔化して頂ければ良いのです、しかし・・・そうですね、真相を語るのは王国関係者のみ、その他の人達には全く同じ説明でなければなりません、改めて下準備といきますか、それと、どうでしょうか、私も足りない脳を使いましてね、陛下やクロノス様とも話したのですが、これは中々に使える技術であると思います、この学園の売りになるのではないか・・・とも考えておりましてね・・・」
やや不穏な口振りである、ユーリはまぁそう考えるよなと思いつつも背筋に冷たいものが走る、これはまた仕事が増えるのかなと考え、それで済めばいいんだけどなとも考えつつ、
「あはは・・・そうですね・・・はー・・・」
頼りない口振りの溜息と事務長と共に校舎へと戻るのであった、尚、私もソフィアのようにぶっ倒れるべきだったわと後悔する事も勿論忘れていなかった。
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