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本編
49話 Attack on the Gakuentyo その7
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「そうなると、儂からの助言としては・・・」
一頻り聴取を終えて学園長はムフーと溜息を吐き茶に手を伸ばすと、
「これは儂の考えていた文化史・・・は大きすぎるか・・・となると、風俗史・・・の方がしっくりくるかのう、その分野における先鞭といって良い資料・・・いや第一史料になるな・・・」
木簡に視線を落とし探るように言葉を紡ぐ、内から湧き上がる笑みを抑えられないのかその口元は大きく歪んでいた、
「それは・・・すいません、フウゾク?ですか?」
エレイン達がまた難しい単語が出て来たなと言葉を無くして固まった為、ユーリが代わって質問する、
「うむ、風俗とはの、その時代、その文化の衣食住と言葉じゃな、そんな人の生活に密接した有様を総称してそう呼んでいる、最も人に近く、当たり前の事として生活の中に組み込まれている常識とか礼儀とか商習慣とかそういった、人が集団生活をする上で形成した諸々の事じゃな」
「まぁ、そんな単語があったなんて・・・」
テラが感心し、
「そうですわね、初めて聞く単語です」
エレインも驚いている、
「うむ、今、執筆している文化に関して分類を考えていての、特に生活に密着している部分を別けるべきか否かで悩んでいてな、別けるとすれば・・・と儂が作った造語じゃ、初めて聞くのも無理はない」
学園長はあっはっはと笑い、
「儂も初めて口にした」
とさらに大きく笑った、若干の照れ隠しもあるのであろう、
「でも確かにそうですね、風俗ですか・・・学園長の説明に当たる単語が思い付きません」
ユーリが首を傾げ、マフダはなんのことやらとボケーっとしており、オリビアは聞いているのかいないのか定かではない、
「じゃろう?での、神殿や政治、貴族制度、統治制度、貨幣、司法記録、ま、そういった大上段にある部分はわりと語る者がいてそれなりの書も存在するのじゃが、平民の生活様式を記した物は少なくてのう、精々が祭りのしきたりとかちょっとした昔話とかな、そういうのが断片的にあるばかりでの、その断片こそ面白いのではないかと思っていた所でな、ほれ、ソフィアさんが訳してくれた下水道の史料、あるじゃろう?」
「はい、ありますね」
「あれなぞは素晴らしい史料じゃな、帝国時代の生活様式を知れる第一級の史料じゃ、特にの下水道を管理運営する為の書類でしかないからの、その、それでしかないという部分に価値があるのじゃな、例えば学者が下水道に関して記したとした場合どうしてもその構造であるとか、建設に関する問題点とか、その必要性とか、歴史とか、そういう固い部分を書いてしまって、あのように実際に運用する際の細々とした部分にまでは考えが至らないものじゃ、しかし、当時の人達に必要なのは歴史でも構造でもなく、運用なのじゃな、便利な物を作った、で、それを使うにはどうするか、注意点は?維持管理は?さらに言えば何故そうなるかまでもあの資料は書いているからな、取扱い説明書としてあれほど優れたものはないし、何気なくその時代に使われた文書として大変貴重な物になる、さらに言えば何気なさ過ぎて誰も残そうと思わん、故に重要で有用な史料となるのじゃな」
「トリアツカイセツメイショ?」
また良く分からない単語だなとエレインは困った顔になる、
「うむ、ようはあれだ、主らの調理法の木簡のようなものじゃな、道具の使い方とか、管理の仕方をまとめたものじゃな」
なるほどーと女性達は声を合わせた、
「あれも素晴らしい品じゃが・・・ま、一旦置いておいてじゃ」
学園長は茶を啜って喉を潤すと、
「儂のな、サビナに託した服飾関連の資料ではどうしても網羅できなかった部分でもあってな、布やその原料、染め方、裁縫技術、服飾の型なんぞは文章として残しやすいし、簡潔での、しかし、どうしてもその品の価値や取扱いに関しては表現が難しくての、特に市場での取扱いや人々の向き合い方じゃな、そう言った部分は蔑ろになってしまっての、学問としてはそれで良いのじゃが、文化史としては片手落ちじゃと思っておっての、文章で幾ら貴重だと表現してもどれだけ貴重であるかは伝わりにくいじゃろ?」
「なるほど・・・確かにそうですね」
ユーリが静かに頷く、
「うむ、特に服飾関係は儂の考える風俗にとっては最も大事な点でな、これは料理全般と双璧にあるな、これに生活に関する・・・そうじゃな・・・うん、それこそ買い物の仕方とか、一日の生活習慣とか、そういったものを網羅してやっとその時代の風俗史が出来上がる・・・そう考えておるのじゃよ」
「それはまた壮大な・・・」
「うむ、これは中々に大仕事じゃぞ、服にしろ料理にしろ生活習慣にしろ、これらは困った事に村ごとで違いがある、さらに個人によっても大きく変わってくる、さらに家門でも違っての、で、挙句に言葉も微妙に違っている、名称は特にな・・・そうなると、共通する部分を抜き出す事は可能なのじゃが、それでは面白く無い、儂はそう思っての、放浪していた時に、出来るだけ記録しようと思ったこともあったが・・・うん、お手上げじゃった」
あっはっはと学園長は大笑し、そりゃそうだろうなとテラは微笑む、
「じゃから、分かりやすく形あるものに絞って収集していたのじゃが・・・」
と学園長はうんうんと数度頷き、
「話しを戻すべきじゃな、うん、儂から言える事はの、この資料は大変に価値がある、故に、このまま、この言葉、この表現、この観点で続けるべきじゃな」
「あら、それは・・・」
ユーリがニヤリと微笑む、
「うむ、あくまで学術的な見解じゃが、先程定期的に続けていきたいとエレイン会長も話していたがの、そうじゃな・・・最初の一年は3か月ごと、そこから恐らくじゃが変化が少ない期間に入ると思う・・・これはあくまで予想じゃな、もっと早いかもしれぬ、何せ経緯を考えれば爆発的とさえ言える発展じゃ、昨日までは影も形も無かったものがわずか数日でこれじゃろ」
学園長は下着の並べられたテーブルを見渡し、
「じゃから・・・うん、もしくはあれかのう、各店で新商品が出たら収集していく形でも良いと思うぞ、で、その際の店員の対応もちゃんと調査していくのじゃな、それをしっかりと蓄積していけば、この資料は今この時代この街を表す大事な文献になる、確実にじゃ」
力強く宣言し、熱の籠った視線でエレインとマフダを捉える、
「それはまた・・・そのあまりにも・・・」
「過言ではないぞ、さっき言った下水道の史料が良い例じゃな、後世に残すには形にする事が必要なのじゃ、そうしなければ残らん、形にするとは記すことじゃ、主らが死んでもな、この資料は残るぞ、ま、そうあって欲しいという儂の願望でしかないが、服飾関連の資料と共にすれば残りやすいと思う、するとな・・・」
学園長はニヤリと微笑み、
「100年後、200年後、この資料は在り続け、やがて史料として後世の学者達はこれを片手にどうのこうのと論争するであろう、そして、主らの名前もまた残り続け、さらに、この時代、この街の様子を伝え続けるじゃろう、素晴らしいと思わんか?」
学園長はそう締め括ると満足そうに茶に手を伸ばす、しかし、女性陣は皆静かであった、ん?と学園長は不思議そうな顔になり、ユーリがこれはと口を挟む、
「・・・学園長・・・」
「なんじゃ?」
「話しが大きすぎてついてこれないですよ・・・」
「そうか?」
学園長が熱量を少し落として女性陣を見ると、そのユーリの忠告は確かなようである、皆ポカンとした顔でまるでピンと来ていない、
「む、やりすぎたか?」
「はっ、いいえ、そんな事は無いです、無いですが・・・そうですね、そこまでは考えていなかったです・・・はい」
エレインが慌てて答え、
「・・・そうですね、その大変勉強になりましたし、価値のある事というのは理解できました・・・しかしその・・・」
テラも慌てて取り繕い、
「100年とか200年とか言われても・・・」
「はい、その・・・希有壮大・・すぎてあまりにも・・・はい」
エレインとテラは顔を見合わせる、
「む、そうか・・・」
学園長はこれはやり過ぎてしまったかとやや消沈し、
「そうですね・・・ようはね・・・」
ユーリが代わってまとめに入った。
一頻り聴取を終えて学園長はムフーと溜息を吐き茶に手を伸ばすと、
「これは儂の考えていた文化史・・・は大きすぎるか・・・となると、風俗史・・・の方がしっくりくるかのう、その分野における先鞭といって良い資料・・・いや第一史料になるな・・・」
木簡に視線を落とし探るように言葉を紡ぐ、内から湧き上がる笑みを抑えられないのかその口元は大きく歪んでいた、
「それは・・・すいません、フウゾク?ですか?」
エレイン達がまた難しい単語が出て来たなと言葉を無くして固まった為、ユーリが代わって質問する、
「うむ、風俗とはの、その時代、その文化の衣食住と言葉じゃな、そんな人の生活に密接した有様を総称してそう呼んでいる、最も人に近く、当たり前の事として生活の中に組み込まれている常識とか礼儀とか商習慣とかそういった、人が集団生活をする上で形成した諸々の事じゃな」
「まぁ、そんな単語があったなんて・・・」
テラが感心し、
「そうですわね、初めて聞く単語です」
エレインも驚いている、
「うむ、今、執筆している文化に関して分類を考えていての、特に生活に密着している部分を別けるべきか否かで悩んでいてな、別けるとすれば・・・と儂が作った造語じゃ、初めて聞くのも無理はない」
学園長はあっはっはと笑い、
「儂も初めて口にした」
とさらに大きく笑った、若干の照れ隠しもあるのであろう、
「でも確かにそうですね、風俗ですか・・・学園長の説明に当たる単語が思い付きません」
ユーリが首を傾げ、マフダはなんのことやらとボケーっとしており、オリビアは聞いているのかいないのか定かではない、
「じゃろう?での、神殿や政治、貴族制度、統治制度、貨幣、司法記録、ま、そういった大上段にある部分はわりと語る者がいてそれなりの書も存在するのじゃが、平民の生活様式を記した物は少なくてのう、精々が祭りのしきたりとかちょっとした昔話とかな、そういうのが断片的にあるばかりでの、その断片こそ面白いのではないかと思っていた所でな、ほれ、ソフィアさんが訳してくれた下水道の史料、あるじゃろう?」
「はい、ありますね」
「あれなぞは素晴らしい史料じゃな、帝国時代の生活様式を知れる第一級の史料じゃ、特にの下水道を管理運営する為の書類でしかないからの、その、それでしかないという部分に価値があるのじゃな、例えば学者が下水道に関して記したとした場合どうしてもその構造であるとか、建設に関する問題点とか、その必要性とか、歴史とか、そういう固い部分を書いてしまって、あのように実際に運用する際の細々とした部分にまでは考えが至らないものじゃ、しかし、当時の人達に必要なのは歴史でも構造でもなく、運用なのじゃな、便利な物を作った、で、それを使うにはどうするか、注意点は?維持管理は?さらに言えば何故そうなるかまでもあの資料は書いているからな、取扱い説明書としてあれほど優れたものはないし、何気なくその時代に使われた文書として大変貴重な物になる、さらに言えば何気なさ過ぎて誰も残そうと思わん、故に重要で有用な史料となるのじゃな」
「トリアツカイセツメイショ?」
また良く分からない単語だなとエレインは困った顔になる、
「うむ、ようはあれだ、主らの調理法の木簡のようなものじゃな、道具の使い方とか、管理の仕方をまとめたものじゃな」
なるほどーと女性達は声を合わせた、
「あれも素晴らしい品じゃが・・・ま、一旦置いておいてじゃ」
学園長は茶を啜って喉を潤すと、
「儂のな、サビナに託した服飾関連の資料ではどうしても網羅できなかった部分でもあってな、布やその原料、染め方、裁縫技術、服飾の型なんぞは文章として残しやすいし、簡潔での、しかし、どうしてもその品の価値や取扱いに関しては表現が難しくての、特に市場での取扱いや人々の向き合い方じゃな、そう言った部分は蔑ろになってしまっての、学問としてはそれで良いのじゃが、文化史としては片手落ちじゃと思っておっての、文章で幾ら貴重だと表現してもどれだけ貴重であるかは伝わりにくいじゃろ?」
「なるほど・・・確かにそうですね」
ユーリが静かに頷く、
「うむ、特に服飾関係は儂の考える風俗にとっては最も大事な点でな、これは料理全般と双璧にあるな、これに生活に関する・・・そうじゃな・・・うん、それこそ買い物の仕方とか、一日の生活習慣とか、そういったものを網羅してやっとその時代の風俗史が出来上がる・・・そう考えておるのじゃよ」
「それはまた壮大な・・・」
「うむ、これは中々に大仕事じゃぞ、服にしろ料理にしろ生活習慣にしろ、これらは困った事に村ごとで違いがある、さらに個人によっても大きく変わってくる、さらに家門でも違っての、で、挙句に言葉も微妙に違っている、名称は特にな・・・そうなると、共通する部分を抜き出す事は可能なのじゃが、それでは面白く無い、儂はそう思っての、放浪していた時に、出来るだけ記録しようと思ったこともあったが・・・うん、お手上げじゃった」
あっはっはと学園長は大笑し、そりゃそうだろうなとテラは微笑む、
「じゃから、分かりやすく形あるものに絞って収集していたのじゃが・・・」
と学園長はうんうんと数度頷き、
「話しを戻すべきじゃな、うん、儂から言える事はの、この資料は大変に価値がある、故に、このまま、この言葉、この表現、この観点で続けるべきじゃな」
「あら、それは・・・」
ユーリがニヤリと微笑む、
「うむ、あくまで学術的な見解じゃが、先程定期的に続けていきたいとエレイン会長も話していたがの、そうじゃな・・・最初の一年は3か月ごと、そこから恐らくじゃが変化が少ない期間に入ると思う・・・これはあくまで予想じゃな、もっと早いかもしれぬ、何せ経緯を考えれば爆発的とさえ言える発展じゃ、昨日までは影も形も無かったものがわずか数日でこれじゃろ」
学園長は下着の並べられたテーブルを見渡し、
「じゃから・・・うん、もしくはあれかのう、各店で新商品が出たら収集していく形でも良いと思うぞ、で、その際の店員の対応もちゃんと調査していくのじゃな、それをしっかりと蓄積していけば、この資料は今この時代この街を表す大事な文献になる、確実にじゃ」
力強く宣言し、熱の籠った視線でエレインとマフダを捉える、
「それはまた・・・そのあまりにも・・・」
「過言ではないぞ、さっき言った下水道の史料が良い例じゃな、後世に残すには形にする事が必要なのじゃ、そうしなければ残らん、形にするとは記すことじゃ、主らが死んでもな、この資料は残るぞ、ま、そうあって欲しいという儂の願望でしかないが、服飾関連の資料と共にすれば残りやすいと思う、するとな・・・」
学園長はニヤリと微笑み、
「100年後、200年後、この資料は在り続け、やがて史料として後世の学者達はこれを片手にどうのこうのと論争するであろう、そして、主らの名前もまた残り続け、さらに、この時代、この街の様子を伝え続けるじゃろう、素晴らしいと思わんか?」
学園長はそう締め括ると満足そうに茶に手を伸ばす、しかし、女性陣は皆静かであった、ん?と学園長は不思議そうな顔になり、ユーリがこれはと口を挟む、
「・・・学園長・・・」
「なんじゃ?」
「話しが大きすぎてついてこれないですよ・・・」
「そうか?」
学園長が熱量を少し落として女性陣を見ると、そのユーリの忠告は確かなようである、皆ポカンとした顔でまるでピンと来ていない、
「む、やりすぎたか?」
「はっ、いいえ、そんな事は無いです、無いですが・・・そうですね、そこまでは考えていなかったです・・・はい」
エレインが慌てて答え、
「・・・そうですね、その大変勉強になりましたし、価値のある事というのは理解できました・・・しかしその・・・」
テラも慌てて取り繕い、
「100年とか200年とか言われても・・・」
「はい、その・・・希有壮大・・すぎてあまりにも・・・はい」
エレインとテラは顔を見合わせる、
「む、そうか・・・」
学園長はこれはやり過ぎてしまったかとやや消沈し、
「そうですね・・・ようはね・・・」
ユーリが代わってまとめに入った。
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