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本編
49話 Attack on the Gakuentyo その6
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ユーリは商会の扉を叩き出てきたテラに学園長を紹介すると、そのまま事務所へと招き入れられた、テラはエレインを呼びに2階へ走り、ユーリは事務所内に広げられたままの下着を学園長に見せつつマフダを紹介する、
「学園長先生ですか?」
マフダがポカンと見上げ、
「うむ、学園長をしているアウグスタじゃ、宜しくのう」
ニコヤカに微笑む老人にマフダはハァーと気の抜けた返事をしてしまい慌てて、
「はい、マフダです、宜しくお願いします」
サッと立ち上がって大きく一礼した、学園長は笑顔を崩さずに、
「それで、マフダさんが手掛けているというのがこれか?」
マフダの前に並べられた大量の木簡の一枚を手にする、
「はい、サビナとカトカ、それと寮の学生達でまとめられた資料になります、私も昨日一読したのですがなかなかに面白いかと思います」
ユーリがマフダに代わって答え、ニコリとマフダに微笑む、後は任せろという事かなとマフダは解釈し、二人の様子を見ながらユルユルと腰を下ろした、
「ほう・・・なるほど・・・」
学園長は立ったままで木簡へ目を落とし、うんうんと小さく頷きつつ、2枚目3枚目と木簡を手にし、それぞれに驚異的な速度で目を走らせる、そして、最初に手にした木簡に戻ると、
「これの現物はどれになる?」
鋭い視線をマフダに飛ばす、すっかり脱力していたマフダはエッと驚いて腰を上げ、
「はっ、はい、えっと、番号は何番ですか?」
木簡に記された管理番号を確認して、下着の平原に走ると、
「こちらです」
あっという間に該当の品を持って来た、
「ほう、しっかり管理されておるの」
学園長は目を細めて下着を手にし、そこへ、
「御機嫌よう、学園長先生」
ニコニコと笑顔を湛えたエレインが顔を出した、
「おう、エレインさん、いや、エレイン会長じゃな、なんだ、すっかり大人の顔になっているのう」
学園長も笑顔で答える、
「そんな、まだまだです、テラさんやソフィアさん、ユーリ先生にも助けられて何とかかんとか・・・」
「ほう、他人を立てる謙遜も覚えたか、うむ、良い良い」
ニヤリと学園長は微笑み、
「での、この市場調査であったか、これは大変興味深い手法じゃな」
学園長はさっそくと本題に入った、今日彼が訪問した理由はユーリから商会で行った下着の市場調査について報告され、その運用手法を相談されたからである、ユーリは発案はエレインであり、サビナとカトカが強力している事、自身が見る限りかなり特殊で新しいものである事を告げ、一度実際の物を見て貰いたいと昨日、修練場の許可を得る際に合わせて相談していた、学園長は何の事やらと訝しそうであったが、ユーリがそこまで言うのであればと足を運んだのである、
「であれば嬉しく思います、担当していますマフダから研究所の手を借りて何とか形になりそうだと報告を受けていました、私としても大変嬉しく思っております」
「うむ、そうか・・・そうすると詳細に関してはマフダさんに聞くのが良いのかな?」
「はい、すいません、私はまだ目を通していない資料です、こちらに関してはマフダに一任しております」
やや突き放したような口振りであるが、それだけマフダに信頼を置いているという事なのであろう、学園長はそう解釈し、
「ほう・・・エレイン会長は厳しいのう・・・」
感心したように呟き、マフダの小さな顔に視線を戻す、外見から年齢は判別できないが学園生と変わらない年齢であろう、しかしその年齢であれば世の中的には立派な大人である、
「いや、それが良いのかもな、うん、エレイン会長は経営者として、やる事が多いであろうからな」
納得したのか大きく頷き、
「では、マフダさん少々いいかな?」
ニコリと微笑みつつも柔らかく鋭い視線がマフダに向けられ、マフダはヒエーッと言葉にならない悲鳴を上げて身を竦める、しかしその様子にまるで気遣う事無く、
「まずは、じゃ」
と学園長が本腰を入れた瞬間、
「学園長、こちらへ、マフダさんもそこでは狭いでしょう」
テラが気を利かせたのか空いたテーブルを用意し、オリビアが茶道具を持って後ろに控えている、
「む、すまんの、マフダさん、忙しいと思うが申し訳ないのう」
優しい言葉であるが否を言わせぬ強い拘束力のある言葉である、マフダはフラフラと誘導されるまま席に着き、ユーリと学園長、それからエレインも席に着いた、テラはやや離れた席を引きそこに自分の居場所を定め、オリビアは壁際に控え茶の準備をしている、
「商品項目については良く分かる、価格もそうだし店名や商品名もそうだな、で、ここだ、店員の対応についてはどのように調査したのだ?」
「はい、えっと、私とテラさんとジャネットさんで実際に店先で購入しました、その際の店員さんの対応になります」
マフダはユーリとエレイン、それからテラの様子を見ながら静かに答える、
「ほう、それを一つ一つ覚えていたのか?」
「はい、ですが、それは商品一つ一つというよりもお店それぞれの対応といった感じです、ソフティーは3種類を同時に販売しているお店が大半でした、なので、店員さんがどのように商品を紹介して、どのようにお客様に薦めているかを3人で調査した感じです」
「ほう、すると、店が同じだと同じ文言になる?」
「いいえ、3種類でそれぞれ薦め方が違いました、えっと、こちらの品ですとテーラになりますので、私やジャネットさんには合いませんよってはっきり言ってくれたのですね、でも、他のお店だとそこまではっきりと言わない感じの所もありました、そういう店は売れればいいと思っている感じでして、その点なども記載してます」
「それはまた・・・」
「辛辣ですね」
学園長は驚き、ユーリも思わず感想が口に出る、
「はい・・・その、テラさんがそういう点が商売として大事だからと・・・はい」
マフダはテラの顔をチラチラと見ながら俯いて答える、
「いや、非難しているわけではない」
学園長は小さく修正し、
「そうね、大したものだと感心しちゃったのよ」
ユーリも慌てて取り繕う、
「ならいいんですけど・・・」
「うむ、そうなると、ここは観察者の印象という事になるのか・・・なるほど・・・商売として大事とは・・・うむ、面白い」
学園長は改めて木簡に目を落とした、そこへオリビアが茶を供し、
「おう、すまんの」
学園長は淹れたての茶に手を伸ばすと、
「では、技術的な部分じゃな」
と、より詳細な部分へと話題は移っていった。
「えっ、そうなの?」
「うん、ガクエンチョーセンセーが書いたんだよー、で、今は別のを書いてるんだってー」
「さっきの先生だよね?」
「そうだよー」
寮の食堂では暖炉の前でミナとサレバとコミンが植物学の本を開いて覗き込んでいる、その隣りにはオジギソウの鉢が置かれ、当然のようにその葉は全て閉じていた、
「でね、これ、見たー、あのね、ガクエンチョーセンセーの菜園にあったのー」
「えっ、でもこれこっちでは育たないって書いてあるよ・・・」
「うん、でも見たよ」
「そうなんだ・・・」
「じゃ、これ、これは?」
サレバがやや興奮して書を捲る、
「うーん、分かんない・・・レインー、これ見たー?」
「どれじゃ?」
レインは一人離れて動物学の書を開いていたがよっこらしょと3人の間に割り込むと、
「む、どうじゃろうのう?」
「分かんない?」
「うむ、花は咲いておらんかったからな、葉と枝だけでは何が何やらじゃったろう?」
「それもそっかー」
「そうかー、残念だなー」
サレバは分かりやすく気落ちする、
「どうしたのー?」
ミナが心配そうに問うと、
「あのね、村で栽培できたらいいなーって思ったの、ほら、ここに果実は美味しく日持ちが良いって書いてあるでしょ」
「あっ、ホントだ・・・」
「うん、だから、村で作れないかなーって、私ね、農家の娘だからそういうの勉強しに来たんだよ、だから、これだーって思っちゃって」
「もー、サレバは気が早いんだから・・・」
コミンが呆れたように微笑むが、
「それにさー、美味しそうじゃん・・・」
「あー、それが本音でしょー」
「そうだねー、美味しそうだねー」
果実の素描をじっくりと見てミナが同意の歓声をあげる、
「では、聞いてみれば良かろう」
レインが当然の事を口にする、
「えっ、いいのかな?」
「だって、学園長って一番偉い先生なんでしょ・・・」
サレバとコミンは学園長が去った後でその正体を聞き、なんでそんな人がとルルと共に驚いたのである、しかし、ソフィア曰く、面白い先生で、ミナ曰く、お友達だよー、だそうである、3人は何が何やらといった感じで眩暈にも似た感覚に襲われた、
「大丈夫じゃろう、どうせ戻って来るからのう、その時に捕まえれば良い」
レインはそう言って輪から離れ、
「ミナは、これ、これを食べたいのー」
ミナはあっさりと別の頁を捲っている、
「わ、ホントだ美味しそう・・・」
「でも、毒があるって書いてあるよ」
「そうなのー?」
「えー、違うよー、葉には毒があるけど、果実は美味しいってあるじゃない」
「えー、どっちー?」
ソフィア達が新入生の対応に追われる隣りで何とも楽し気な3人であった。
「学園長先生ですか?」
マフダがポカンと見上げ、
「うむ、学園長をしているアウグスタじゃ、宜しくのう」
ニコヤカに微笑む老人にマフダはハァーと気の抜けた返事をしてしまい慌てて、
「はい、マフダです、宜しくお願いします」
サッと立ち上がって大きく一礼した、学園長は笑顔を崩さずに、
「それで、マフダさんが手掛けているというのがこれか?」
マフダの前に並べられた大量の木簡の一枚を手にする、
「はい、サビナとカトカ、それと寮の学生達でまとめられた資料になります、私も昨日一読したのですがなかなかに面白いかと思います」
ユーリがマフダに代わって答え、ニコリとマフダに微笑む、後は任せろという事かなとマフダは解釈し、二人の様子を見ながらユルユルと腰を下ろした、
「ほう・・・なるほど・・・」
学園長は立ったままで木簡へ目を落とし、うんうんと小さく頷きつつ、2枚目3枚目と木簡を手にし、それぞれに驚異的な速度で目を走らせる、そして、最初に手にした木簡に戻ると、
「これの現物はどれになる?」
鋭い視線をマフダに飛ばす、すっかり脱力していたマフダはエッと驚いて腰を上げ、
「はっ、はい、えっと、番号は何番ですか?」
木簡に記された管理番号を確認して、下着の平原に走ると、
「こちらです」
あっという間に該当の品を持って来た、
「ほう、しっかり管理されておるの」
学園長は目を細めて下着を手にし、そこへ、
「御機嫌よう、学園長先生」
ニコニコと笑顔を湛えたエレインが顔を出した、
「おう、エレインさん、いや、エレイン会長じゃな、なんだ、すっかり大人の顔になっているのう」
学園長も笑顔で答える、
「そんな、まだまだです、テラさんやソフィアさん、ユーリ先生にも助けられて何とかかんとか・・・」
「ほう、他人を立てる謙遜も覚えたか、うむ、良い良い」
ニヤリと学園長は微笑み、
「での、この市場調査であったか、これは大変興味深い手法じゃな」
学園長はさっそくと本題に入った、今日彼が訪問した理由はユーリから商会で行った下着の市場調査について報告され、その運用手法を相談されたからである、ユーリは発案はエレインであり、サビナとカトカが強力している事、自身が見る限りかなり特殊で新しいものである事を告げ、一度実際の物を見て貰いたいと昨日、修練場の許可を得る際に合わせて相談していた、学園長は何の事やらと訝しそうであったが、ユーリがそこまで言うのであればと足を運んだのである、
「であれば嬉しく思います、担当していますマフダから研究所の手を借りて何とか形になりそうだと報告を受けていました、私としても大変嬉しく思っております」
「うむ、そうか・・・そうすると詳細に関してはマフダさんに聞くのが良いのかな?」
「はい、すいません、私はまだ目を通していない資料です、こちらに関してはマフダに一任しております」
やや突き放したような口振りであるが、それだけマフダに信頼を置いているという事なのであろう、学園長はそう解釈し、
「ほう・・・エレイン会長は厳しいのう・・・」
感心したように呟き、マフダの小さな顔に視線を戻す、外見から年齢は判別できないが学園生と変わらない年齢であろう、しかしその年齢であれば世の中的には立派な大人である、
「いや、それが良いのかもな、うん、エレイン会長は経営者として、やる事が多いであろうからな」
納得したのか大きく頷き、
「では、マフダさん少々いいかな?」
ニコリと微笑みつつも柔らかく鋭い視線がマフダに向けられ、マフダはヒエーッと言葉にならない悲鳴を上げて身を竦める、しかしその様子にまるで気遣う事無く、
「まずは、じゃ」
と学園長が本腰を入れた瞬間、
「学園長、こちらへ、マフダさんもそこでは狭いでしょう」
テラが気を利かせたのか空いたテーブルを用意し、オリビアが茶道具を持って後ろに控えている、
「む、すまんの、マフダさん、忙しいと思うが申し訳ないのう」
優しい言葉であるが否を言わせぬ強い拘束力のある言葉である、マフダはフラフラと誘導されるまま席に着き、ユーリと学園長、それからエレインも席に着いた、テラはやや離れた席を引きそこに自分の居場所を定め、オリビアは壁際に控え茶の準備をしている、
「商品項目については良く分かる、価格もそうだし店名や商品名もそうだな、で、ここだ、店員の対応についてはどのように調査したのだ?」
「はい、えっと、私とテラさんとジャネットさんで実際に店先で購入しました、その際の店員さんの対応になります」
マフダはユーリとエレイン、それからテラの様子を見ながら静かに答える、
「ほう、それを一つ一つ覚えていたのか?」
「はい、ですが、それは商品一つ一つというよりもお店それぞれの対応といった感じです、ソフティーは3種類を同時に販売しているお店が大半でした、なので、店員さんがどのように商品を紹介して、どのようにお客様に薦めているかを3人で調査した感じです」
「ほう、すると、店が同じだと同じ文言になる?」
「いいえ、3種類でそれぞれ薦め方が違いました、えっと、こちらの品ですとテーラになりますので、私やジャネットさんには合いませんよってはっきり言ってくれたのですね、でも、他のお店だとそこまではっきりと言わない感じの所もありました、そういう店は売れればいいと思っている感じでして、その点なども記載してます」
「それはまた・・・」
「辛辣ですね」
学園長は驚き、ユーリも思わず感想が口に出る、
「はい・・・その、テラさんがそういう点が商売として大事だからと・・・はい」
マフダはテラの顔をチラチラと見ながら俯いて答える、
「いや、非難しているわけではない」
学園長は小さく修正し、
「そうね、大したものだと感心しちゃったのよ」
ユーリも慌てて取り繕う、
「ならいいんですけど・・・」
「うむ、そうなると、ここは観察者の印象という事になるのか・・・なるほど・・・商売として大事とは・・・うむ、面白い」
学園長は改めて木簡に目を落とした、そこへオリビアが茶を供し、
「おう、すまんの」
学園長は淹れたての茶に手を伸ばすと、
「では、技術的な部分じゃな」
と、より詳細な部分へと話題は移っていった。
「えっ、そうなの?」
「うん、ガクエンチョーセンセーが書いたんだよー、で、今は別のを書いてるんだってー」
「さっきの先生だよね?」
「そうだよー」
寮の食堂では暖炉の前でミナとサレバとコミンが植物学の本を開いて覗き込んでいる、その隣りにはオジギソウの鉢が置かれ、当然のようにその葉は全て閉じていた、
「でね、これ、見たー、あのね、ガクエンチョーセンセーの菜園にあったのー」
「えっ、でもこれこっちでは育たないって書いてあるよ・・・」
「うん、でも見たよ」
「そうなんだ・・・」
「じゃ、これ、これは?」
サレバがやや興奮して書を捲る、
「うーん、分かんない・・・レインー、これ見たー?」
「どれじゃ?」
レインは一人離れて動物学の書を開いていたがよっこらしょと3人の間に割り込むと、
「む、どうじゃろうのう?」
「分かんない?」
「うむ、花は咲いておらんかったからな、葉と枝だけでは何が何やらじゃったろう?」
「それもそっかー」
「そうかー、残念だなー」
サレバは分かりやすく気落ちする、
「どうしたのー?」
ミナが心配そうに問うと、
「あのね、村で栽培できたらいいなーって思ったの、ほら、ここに果実は美味しく日持ちが良いって書いてあるでしょ」
「あっ、ホントだ・・・」
「うん、だから、村で作れないかなーって、私ね、農家の娘だからそういうの勉強しに来たんだよ、だから、これだーって思っちゃって」
「もー、サレバは気が早いんだから・・・」
コミンが呆れたように微笑むが、
「それにさー、美味しそうじゃん・・・」
「あー、それが本音でしょー」
「そうだねー、美味しそうだねー」
果実の素描をじっくりと見てミナが同意の歓声をあげる、
「では、聞いてみれば良かろう」
レインが当然の事を口にする、
「えっ、いいのかな?」
「だって、学園長って一番偉い先生なんでしょ・・・」
サレバとコミンは学園長が去った後でその正体を聞き、なんでそんな人がとルルと共に驚いたのである、しかし、ソフィア曰く、面白い先生で、ミナ曰く、お友達だよー、だそうである、3人は何が何やらといった感じで眩暈にも似た感覚に襲われた、
「大丈夫じゃろう、どうせ戻って来るからのう、その時に捕まえれば良い」
レインはそう言って輪から離れ、
「ミナは、これ、これを食べたいのー」
ミナはあっさりと別の頁を捲っている、
「わ、ホントだ美味しそう・・・」
「でも、毒があるって書いてあるよ」
「そうなのー?」
「えー、違うよー、葉には毒があるけど、果実は美味しいってあるじゃない」
「えー、どっちー?」
ソフィア達が新入生の対応に追われる隣りで何とも楽し気な3人であった。
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