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本編
48話 モニケンダムお土産探訪 その11
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それから暫くして2人の部屋の支度が終わり、ルルも買い出しから戻った、食堂でかち合った二組をソフィアが紹介しあい、新入生として同期になる3人はどこか恥ずかしそうな顔でペコペコと頭を下げあう、そしてルルは腰を落ち着けると買い物籠から戦利品を取り出し、
「こっちの生地屋さんはやっぱり違いますねー」
「そうなのよね、田舎とは違うでしょー」
「そうですよ、あんなにいっぱいの毛糸は初めて見ました」
「これ、これ、ミナが選んであげたのー、あとこれもー」
ウキウキとルルは口が軽い、ミナがその隣りで毛糸玉を両手にこちらも笑顔となり、ソフィアはニコニコと相手をしている、コミンとサレバも興味を示していたがそれ以上にガラス鏡が気になるようで、
「あの、あれは鏡ですよね?」
と二人並んで鏡の前に座り込み、
「ふふーん、それ使ってみ、何か分かる?」
ジャネットがその背後に立って髪留めを自慢し始めた、そこへ3階からユーリが降りて来る、
「あら、どうしたの楽しそうに」
3人ずつに別れた姦しい一同を見下ろした、ソフィアがあらっとユーリを見上げ、
「お帰り、はやいわね」
「まーねー、学園長と事務長に根回しするだけだしね、誰も使ってないなら許可するってそれだけね」
「そっか、良かったわ」
「だね、クロノスは?」
「見てないわよ」
「まだかしら?」
ユーリは3階を見上げる、
「まだじゃないの?じゃ、どうしようか、お茶でも淹れる?」
「あー、それもいいけど、向こうに顔出すわ、何気に気になるのよねー」
ユーリの視線は商会事務所へ向けられる、
「そう?随分熱心ね」
「まぁね、あれはあれで面白いじゃない、刺激になるわ」
「なら御自由に、あっ、ゲインは?」
「上で寝てるよ」
「えっ、あっ、そうだった・・・」
ユーリの答えにルルが反応した、
「じゃ、ほっときましょうか」
「そうね、そうだ、ルルさん知ってる?」
ユーリがニヤリとルルに問う、
「・・・何をですか?」
ルルは突然何だろうと首を傾げた、
「ゲインってねー、あんなにデカイのにお酒弱いのよ」
ユーリは勝ち誇ったように微笑む、
「えっ、そうなんですか?」
「うん、今日調子悪そうじゃなかった?」
「うーん、あまり変わらなかったと思いますけど・・・すいません、その・・・」
「うん、変化が判らないのよね・・・」
ソフィアがそういう事もあったなと懐かしそうに微笑み、
「それはある」
ユーリが楽しそうに笑う、
「・・・そうですよね・・・」
ルルは自分だけでは無かったとどこかホッとした、3人は曖昧な笑みを浮かべると、ユーリはじゃと一言置いて事務所に向かい、
「あ、で、ソフィアさんこの棒って何に使うか分かります?」
ルルは戦利品の確認に戻った、籠の中から数本の編み棒を取り出すとテーブルに並べて見せる、
「それはレース編み用の編み棒よ」
「えっ、これがそうなんですか・・・レース編みはした事が無くて・・・そっかこれがそうなんだ」
「そうね、私も少ししか出来ないかな・・・確かエレインさんとオリビアさんが得意じゃなかったかな」
「そうなんですね、へー、カッコイイなー」
「そう?」
「そうですよー、何かお洒落に聞こえます」
「それもそうかな、絹糸とか使えばそうかもね・・・お金かかる感じで」
「刺繍もそうですよねー、何かお金持ちの趣味って感じです」
「それは偏見でしょ、刺繍はわりと出来るわよ」
「そうですかー、あれは何か手間暇がかかっている感じですよ」
「手間暇はどれもかかってるでしょ、あっ、じゃ、どうする?お土産用に何か編む?」
「えっ・・・どうしようかな・・・伯父さんいつ帰るんだろう?」
ソフィアの提案にルルはうーんと悩みだす、
「10日程で戻るって言ったらしいよ」
「そうなんですね、なら明後日あたりかな帰るの、なら、小さいのを作って髪留めに付けれるかな・・・」
ルルは毛糸玉を手にさらに悩み始め、
「そうね、ニャンコなら1日かかんないんじゃない?」
「そうですか?」
「ミナも手伝う?」
ソフィアが隣りで毛糸玉をお手玉代わりにして遊んでいるミナへ問うと、
「いいよー、やるー、お耳作るー」
「いいの?嬉しいなー」
「いいよー、なにニャンコにする?」
「えっとねー、どうしようかな・・・」
3人は額を寄せ合って猫の図柄を考え始めた。
「あら、お疲れさん」
ユーリが事務所へ顔を出すとエレインとテラが戻っており、サビナとカトカの姿は無かった、昼を過ぎた頃合いの為宣言通りに帰宅したのであろう、ダナの姿も無い、二人と共に戻ったのであろう、
「あ、先生、お疲れ様です」
テラがニコニコとユーリを出迎え、エレインは、
「あっ、良かった、相談したい事があったんです」
こちらも笑顔でユーリを迎えると、
「なに?仕事の話し?」
ユーリは予定とは違うなーと思いつつも招かれるままに席に着いた、アニタ達は引き続き木簡を手にして作業中のようである、サビナとカトカがいないという事は調査そのものは一段落し、まとめ作業に入っているのであろう、
「そうなんです、えっとですね、出来ればなんですが紫大理石と溶岩板、それと冷凍箱の製作をお願いしたいのです」
エレインが単刀直入に切り出す、
「あら、必要なの?あっ、新しいお店用か」
ユーリはすぐに察して理解する、
「はい、ガラス鏡のお店でも軽食を提供したいと考えてまして、それともう一つの店舗の方でも」
「もう一つ?・・・あっ、言ってたね、背中合わせで購入したんだっけ?」
「はい、それなんです、そちらの平民向け用のお店は軽食と雑貨を販売する予定です、こちらの店舗と同じ感じですね」
「へー、そういう事か、すると・・・」
とユーリは暫し考え、
「そっか、紫大理石と溶岩板、それと冷凍箱・・・後はコンロ・・・それとあれじゃない?ガラスのケースも欲しいんじゃないの?」
「流石先生、話が早くて助かります」
エレインとテラは微笑みつつ、
「ガラスケースはこちらのを向こうで使う予定でした、むこうの方が大きいですし、場所にも困らないので、で、コンロは確か作成が難しいと聞いてましたので出来ればと思います」
「そっか、えっと、サビナ・・・は帰ったのよね」
ユーリは自身の右腕の名を呼んで不在である事を思い出し、視線を戻すと、
「そうね、私としては新型を作るつもりだったから丁度良いかなって思うんだけど、それで良かったら使ってみて」
「新型ですか?」
「うん、ほら、意見とか要望とか貰ってたしね、カトカに設計はしてもらってたのよ、で、それを陶器板に組み込むんだけど、陶器板が来月頭かな?に来る予定だから、それが来てからかなって思ってたのよ」
「そうなんですね、えっと、それをお借りする事は出来ますか?」
エレインがやや上目づかいで質問する、
「だから、使ってみてって言ったでしょ、その上で改良点を出して欲しいわね、前回みたいに」
ユーリは何を今更といった顔である、
「それは嬉しいです、ありがとうございます」
「礼を言われる筋合いはないわよ、研究に協力してもらうのが前提だしね、あ、でね、コンロの方も新しく作る予定なのよ、それも使う?」
「はい、是非、いいんですか?」
「いいわよー、あ、でも、どうしようかな新しいのはソフィアに使わせて古い方は引き上げようかと思ってたのよね・・・魔法石足りるかな・・・いや、クロノスの所から持ってこようかしら・・・」
ユーリは暫し悩み、
「ま、どうとでもなるわね、コンロに関してはほら普通に竈でも暖炉でも使えば良いんだし、そうね、一応提供したいとは思っているからあまり期待しないでいて」
何とも適当に答えるユーリであるが、エレインは強く出ることは難しいなと瞬時に判断し了承した、
「すると、あれか、冷凍箱はブラスさんとも話さないとだなー」
「あ、それは前もって話しました、前と同じであれば難しくないって事です」
「そっか、うん、じゃ、あれだ、こっちはこっちで準備しておくわ、開店はいつ?」
「はい、来月の半ば以降を予定しておりまして」
エレインとテラは今日現地で打ち合わせた事を交えて詳細を説明する、本日の打ち合わせではエトとブラスを交えての補修工事の段取り、マフレナとケイランと共に実際の仕事の流れの確認等多岐に渡った、そこで調理道具の手配に関しても議題となり、ユーリへの依頼となったのである、
「なるほど、期日的には余裕はあるのね・・・うん、何とかなるんじゃないかな」
ユーリは段取りの良い仕事振りだことと感心した。
「こっちの生地屋さんはやっぱり違いますねー」
「そうなのよね、田舎とは違うでしょー」
「そうですよ、あんなにいっぱいの毛糸は初めて見ました」
「これ、これ、ミナが選んであげたのー、あとこれもー」
ウキウキとルルは口が軽い、ミナがその隣りで毛糸玉を両手にこちらも笑顔となり、ソフィアはニコニコと相手をしている、コミンとサレバも興味を示していたがそれ以上にガラス鏡が気になるようで、
「あの、あれは鏡ですよね?」
と二人並んで鏡の前に座り込み、
「ふふーん、それ使ってみ、何か分かる?」
ジャネットがその背後に立って髪留めを自慢し始めた、そこへ3階からユーリが降りて来る、
「あら、どうしたの楽しそうに」
3人ずつに別れた姦しい一同を見下ろした、ソフィアがあらっとユーリを見上げ、
「お帰り、はやいわね」
「まーねー、学園長と事務長に根回しするだけだしね、誰も使ってないなら許可するってそれだけね」
「そっか、良かったわ」
「だね、クロノスは?」
「見てないわよ」
「まだかしら?」
ユーリは3階を見上げる、
「まだじゃないの?じゃ、どうしようか、お茶でも淹れる?」
「あー、それもいいけど、向こうに顔出すわ、何気に気になるのよねー」
ユーリの視線は商会事務所へ向けられる、
「そう?随分熱心ね」
「まぁね、あれはあれで面白いじゃない、刺激になるわ」
「なら御自由に、あっ、ゲインは?」
「上で寝てるよ」
「えっ、あっ、そうだった・・・」
ユーリの答えにルルが反応した、
「じゃ、ほっときましょうか」
「そうね、そうだ、ルルさん知ってる?」
ユーリがニヤリとルルに問う、
「・・・何をですか?」
ルルは突然何だろうと首を傾げた、
「ゲインってねー、あんなにデカイのにお酒弱いのよ」
ユーリは勝ち誇ったように微笑む、
「えっ、そうなんですか?」
「うん、今日調子悪そうじゃなかった?」
「うーん、あまり変わらなかったと思いますけど・・・すいません、その・・・」
「うん、変化が判らないのよね・・・」
ソフィアがそういう事もあったなと懐かしそうに微笑み、
「それはある」
ユーリが楽しそうに笑う、
「・・・そうですよね・・・」
ルルは自分だけでは無かったとどこかホッとした、3人は曖昧な笑みを浮かべると、ユーリはじゃと一言置いて事務所に向かい、
「あ、で、ソフィアさんこの棒って何に使うか分かります?」
ルルは戦利品の確認に戻った、籠の中から数本の編み棒を取り出すとテーブルに並べて見せる、
「それはレース編み用の編み棒よ」
「えっ、これがそうなんですか・・・レース編みはした事が無くて・・・そっかこれがそうなんだ」
「そうね、私も少ししか出来ないかな・・・確かエレインさんとオリビアさんが得意じゃなかったかな」
「そうなんですね、へー、カッコイイなー」
「そう?」
「そうですよー、何かお洒落に聞こえます」
「それもそうかな、絹糸とか使えばそうかもね・・・お金かかる感じで」
「刺繍もそうですよねー、何かお金持ちの趣味って感じです」
「それは偏見でしょ、刺繍はわりと出来るわよ」
「そうですかー、あれは何か手間暇がかかっている感じですよ」
「手間暇はどれもかかってるでしょ、あっ、じゃ、どうする?お土産用に何か編む?」
「えっ・・・どうしようかな・・・伯父さんいつ帰るんだろう?」
ソフィアの提案にルルはうーんと悩みだす、
「10日程で戻るって言ったらしいよ」
「そうなんですね、なら明後日あたりかな帰るの、なら、小さいのを作って髪留めに付けれるかな・・・」
ルルは毛糸玉を手にさらに悩み始め、
「そうね、ニャンコなら1日かかんないんじゃない?」
「そうですか?」
「ミナも手伝う?」
ソフィアが隣りで毛糸玉をお手玉代わりにして遊んでいるミナへ問うと、
「いいよー、やるー、お耳作るー」
「いいの?嬉しいなー」
「いいよー、なにニャンコにする?」
「えっとねー、どうしようかな・・・」
3人は額を寄せ合って猫の図柄を考え始めた。
「あら、お疲れさん」
ユーリが事務所へ顔を出すとエレインとテラが戻っており、サビナとカトカの姿は無かった、昼を過ぎた頃合いの為宣言通りに帰宅したのであろう、ダナの姿も無い、二人と共に戻ったのであろう、
「あ、先生、お疲れ様です」
テラがニコニコとユーリを出迎え、エレインは、
「あっ、良かった、相談したい事があったんです」
こちらも笑顔でユーリを迎えると、
「なに?仕事の話し?」
ユーリは予定とは違うなーと思いつつも招かれるままに席に着いた、アニタ達は引き続き木簡を手にして作業中のようである、サビナとカトカがいないという事は調査そのものは一段落し、まとめ作業に入っているのであろう、
「そうなんです、えっとですね、出来ればなんですが紫大理石と溶岩板、それと冷凍箱の製作をお願いしたいのです」
エレインが単刀直入に切り出す、
「あら、必要なの?あっ、新しいお店用か」
ユーリはすぐに察して理解する、
「はい、ガラス鏡のお店でも軽食を提供したいと考えてまして、それともう一つの店舗の方でも」
「もう一つ?・・・あっ、言ってたね、背中合わせで購入したんだっけ?」
「はい、それなんです、そちらの平民向け用のお店は軽食と雑貨を販売する予定です、こちらの店舗と同じ感じですね」
「へー、そういう事か、すると・・・」
とユーリは暫し考え、
「そっか、紫大理石と溶岩板、それと冷凍箱・・・後はコンロ・・・それとあれじゃない?ガラスのケースも欲しいんじゃないの?」
「流石先生、話が早くて助かります」
エレインとテラは微笑みつつ、
「ガラスケースはこちらのを向こうで使う予定でした、むこうの方が大きいですし、場所にも困らないので、で、コンロは確か作成が難しいと聞いてましたので出来ればと思います」
「そっか、えっと、サビナ・・・は帰ったのよね」
ユーリは自身の右腕の名を呼んで不在である事を思い出し、視線を戻すと、
「そうね、私としては新型を作るつもりだったから丁度良いかなって思うんだけど、それで良かったら使ってみて」
「新型ですか?」
「うん、ほら、意見とか要望とか貰ってたしね、カトカに設計はしてもらってたのよ、で、それを陶器板に組み込むんだけど、陶器板が来月頭かな?に来る予定だから、それが来てからかなって思ってたのよ」
「そうなんですね、えっと、それをお借りする事は出来ますか?」
エレインがやや上目づかいで質問する、
「だから、使ってみてって言ったでしょ、その上で改良点を出して欲しいわね、前回みたいに」
ユーリは何を今更といった顔である、
「それは嬉しいです、ありがとうございます」
「礼を言われる筋合いはないわよ、研究に協力してもらうのが前提だしね、あ、でね、コンロの方も新しく作る予定なのよ、それも使う?」
「はい、是非、いいんですか?」
「いいわよー、あ、でも、どうしようかな新しいのはソフィアに使わせて古い方は引き上げようかと思ってたのよね・・・魔法石足りるかな・・・いや、クロノスの所から持ってこようかしら・・・」
ユーリは暫し悩み、
「ま、どうとでもなるわね、コンロに関してはほら普通に竈でも暖炉でも使えば良いんだし、そうね、一応提供したいとは思っているからあまり期待しないでいて」
何とも適当に答えるユーリであるが、エレインは強く出ることは難しいなと瞬時に判断し了承した、
「すると、あれか、冷凍箱はブラスさんとも話さないとだなー」
「あ、それは前もって話しました、前と同じであれば難しくないって事です」
「そっか、うん、じゃ、あれだ、こっちはこっちで準備しておくわ、開店はいつ?」
「はい、来月の半ば以降を予定しておりまして」
エレインとテラは今日現地で打ち合わせた事を交えて詳細を説明する、本日の打ち合わせではエトとブラスを交えての補修工事の段取り、マフレナとケイランと共に実際の仕事の流れの確認等多岐に渡った、そこで調理道具の手配に関しても議題となり、ユーリへの依頼となったのである、
「なるほど、期日的には余裕はあるのね・・・うん、何とかなるんじゃないかな」
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