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本編
46話 秋の味覚と修練と その11
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その頃事務所である、王妃二人とウルジュラが数人の側仕えを連れて到着し、迎えるのはエレインとテラである、オリビアは茶と茶請けの準備で動き回り、マフダは大量の荷物を抱えて開発室に引き籠っている、リーニーとカチャーは研修として店舗に立っていた、
「エレイン会長、良いメイドを雇いましたね」
エフェリーンが席に着くなり誉め言葉を口にする、マルルースはあら、と若干意外そうな顔となった、
「ありがとうございます、つい2日前に雇った娘達です、エフェリーン様のお気に召されるとは大変光栄な事と思います」
エレインもエフェリーンに褒められるとはと驚きつつもすぐに礼を口にした、
「姉様、そんな事を言って、今日は早速厳しかったでしょうに」
マルルースが眉間に皺を寄せる、
「あら、あの程度は普通ですよ、問題はその苦言の後です、彼女達は文句も言わずに掃除をやり直しましたでしょう、その切り替えの早さと対応力が大事なのですよ」
「またそんな事言ってー、エフェリーン母様は面と向かって褒めないんですよ、後から良い子だっていうんだもんなー、本人に言えばやる気もでるのにー」
ウルジュラもマルルースに同意のようである、砕けた調子でにやけ笑いを浮かべる、
「本人に言っては駄目ですよ、評価とは周囲の人間からの扱いによって理解させなければなりません、メイドは特に主従の関係をしっかりと確立しないと、つけ入る隙を作っては舐められますよ、特に慣れないうちはね、結局人なのですから、お互いにどういう立場であるかをしっかりと認識し、関係を構築しないと問題しか起こりません」
「それはそうですけどー」
ウルジュラもエフェリーンの言い分はしっかりと理解している、しかし、エフェリーンはあまりにも厳しいとそう言いたいだけなのである、
「まぁまぁ、姉様の言う事は正しいですよ、最初は厳しく、その厳しさの下で仕事を熟せる人を重用するのです、人を動かす場合の一つの方法論ですよ」
マルルースは心情的にはウルジュラ側であるが、エフェリーンの人心掌握術も理解していた、実に貴族らしいやり方ではあるが、高位貴族としては当然の手管である、しかし、エレインとしては、メイドは大事な家族であり、家人であるという感覚が強い、高位貴族とはこういうものなのかと思いつつも、さて、自分はどうだろうと考え、どちらかと言えばオリビアに使われているのかもなと思い立ち、お互い様かしらと考え直して小さく微笑んでしまった、
「あら、どうしたのですエレインさん」
その微笑みを見逃さなかったエフェリーンである、エレインは失礼しましたと小さく詫びつつ、
「いえ、私とオリビアの事を考えまして、その、時々オリビアに叱られたり、あれだこれだとお尻を叩かれたりするものですから・・・これではどっちが主か分からないなと思いまして、貴族としてはだらしないのかなと・・・」
曖昧な笑みを浮かべつつ恥ずかしそうにその心情を吐露するエレインである、
「ふふ、それもまた良いではないですか」
エフェリーンは羨ましそうに微笑んだ、
「そうですよ、オリビアさんを見る限り、主従はしっかりと出来ています、その上でちゃんとエレインさんを立てているように見えます、それが大事なのです」
マルルースもエフェリーンに同意のようである、さらに、
「駄目なメイドはただ従うだけの者の事です、貴族はどうしても体面が重要ですからね、その体面の為に進言できる者が必要なものです、世は漆喰の下と言いますでしょう、あの格言ほど貴族を表している言葉はないものです、私はね、側仕えに求められるのは理想としての貴族の形と、主の在り方を理解している事だと思うのですよ、貴族だって人なのだから調子が悪い時も機嫌の悪い時もあります、その状態でも成さねばならない責務というものがあるものです、あらゆる不測の状態の下でも主に恥をかかせる事がないように配慮できるのが良いメイド、良い側仕えというものです」
「そうだねー」
これにはウルジュラも相槌を打ちつつ、
「でも、もっと、気楽にすればいいのにね」
のんびりと私見を口にするが、
「お気楽で統治はできませんよ、あなたはもう少ししっかりなさい」
エフェリーンがジロリとウルジュラを睨む、
「そうね、特にあなたは王女なのです、パトリシアのようにとは言いませんが、少しだらしないですよ」
実母であるマルルースもこれには苦言を呈さざるをえない、
「うー、怒られたー」
しかし、どうやら慣れっこになっている様子のウルジュラである、わざとらしく泣き顔となり、
「姉様遅いねー、ミナちゃんはお使いの時間かなー」
何処吹く風と木戸から寮の方へと視線を飛ばす、
「もう、この子は・・・」
「そうね、少し甘やかしすぎたかしら」
王妃達は共に困り顔となる、これは話しを変えるべきかしらとエレインは思い立ち、
「それでは、先にこちらをと思いますが、ふふ、以前よりも美しくなされてますね」
手元に用意した木箱を開けて話題を提供する事とした、しかし、その視線を賓客たちの指先へと移し、その変化に気付いて嬉しそうに微笑む、
「あら、気付きました?」
「少しやりすぎかしらと思うのよね」
「えー、母様楽しそうだったじゃない」
「ウルジュラが調子に乗せるからです」
「調子に乗ったのは母様でしょー」
途端に姦しくなるのは話題がお洒落に移ったからである、それぞれの爪はエレインの指摘の通り、寮で施術された時よりも派手になっていた、色はそれほどでもないが、その模様と配色である、様々に塗られた爪先をどうかしらとエレインへと見せながら、キャッキャッとはしゃぎだした、
「なるほど、素晴らしいですね」
「でしょー、お抱えの画家に見せたらすんごい頑張っちゃって」
「そうなんですのよ、皆様に合ったお色と文様がありますって」
「あれは、はしゃぎ過ぎですよ」
「でも、良い感じじゃない」
「そうね、これはこれで悪くないのよね、少し派手かしらと思うけど」
「このくらいでいいと思うよー、で、エレインさんそれは?」
「はい、新しい爪やすりです、かなり細かくて何よりも持ちやすくなってます、使い易くなってますよ」
木箱から数本のやすりを取り出し3人の前へと並べた、
「あら、随分小さくなりましたわね」
「ホントだー、それにうん、細かいねー」
「そうなんです、ブノワトさんが気合を入れて作ったって笑ってました、これならちょっとした事なら自分で整えられますね、こんな感じです」
エレインがその一本を手にして実際に使って見せる、
「なるほどー、凄いね」
「うん、休む前に使えるかしら?」
「そうね、一々側仕えを呼ぶのは嫌ですしね」
賓客達もやすりを手にして軽く爪先に当て、
「あ、良い感じ、使いやすい」
「確かに」
「そうね、これはいいわね」
評判は上々である、エレインが笑顔になると、
「あら、お揃いね」
パトリシアがゆっくりとその姿を現した、アフラも静かに付いて来ている、
「むー、姉様遅いー」
すかさずウルジュラがブー垂れる、
「正午過ぎならこんなものでしょう?」
「えー、アフラさんはすぐに来るって言ってたよー」
「ウルジュラ、身重の女性に無理を言っては駄目ですよ」
「あっ、そっか、姉様、大丈夫?」
「えぇ、そろそろ動くのが億劫になってきましたね、でも、まだまだ平気ですわよ」
ニコニコと笑顔を見せるパトリシアである、エレインが腰を上げて挨拶を交わし、静かに様子を伺っていたテラが椅子を引いた、
「テラさんありがとう、で、クロノスに聞いても教えてくれないのですが今日はなんです?」
腰を落ち着けながら早速とばかりに問い質すパトリシアである、
「あれでしょ」
「あれね」
「あからさまよね」
王妃二人とウルジュラがこれ見よがしにシーツで隠された一画へ視線を送る、
「はい、あれです」
エレインもニコリと笑って答えると、
「では皆さんこちらへ、そうですね、除幕をされます?」
意地悪く問うエレインである、
「じゃ、私やるー」
ウルジュラがサッとシーツへ近寄った、
「あ、ゆっくりお願いします、私はこちらを、ユラ様はそちらを持って頂けますか」
エレインが慌てて走り寄りシーツの端を手に取った、
「うん、いいよ、あ、そっか、引っかかってるね」
「はい、なので、ゆっくりと」
「うん、わかった」
エレインとウルジュラが呼吸を合わせてそろそろとシーツを引き下ろす、そこに表れたのは全身鏡であった、
「わっ、凄い、おっきい」
「いかがでしょうか、全身鏡と名付けたのですが」
「なるほど、これは良いですね」
「全身鏡・・・言い得て妙ですわ」
「ふふ、これは素晴らしい」
絶賛の声を受けつつ、エレインは続けて姿見と3面鏡を披露する、さらに歓喜の声を上げる賓客達であった。
「エレイン会長、良いメイドを雇いましたね」
エフェリーンが席に着くなり誉め言葉を口にする、マルルースはあら、と若干意外そうな顔となった、
「ありがとうございます、つい2日前に雇った娘達です、エフェリーン様のお気に召されるとは大変光栄な事と思います」
エレインもエフェリーンに褒められるとはと驚きつつもすぐに礼を口にした、
「姉様、そんな事を言って、今日は早速厳しかったでしょうに」
マルルースが眉間に皺を寄せる、
「あら、あの程度は普通ですよ、問題はその苦言の後です、彼女達は文句も言わずに掃除をやり直しましたでしょう、その切り替えの早さと対応力が大事なのですよ」
「またそんな事言ってー、エフェリーン母様は面と向かって褒めないんですよ、後から良い子だっていうんだもんなー、本人に言えばやる気もでるのにー」
ウルジュラもマルルースに同意のようである、砕けた調子でにやけ笑いを浮かべる、
「本人に言っては駄目ですよ、評価とは周囲の人間からの扱いによって理解させなければなりません、メイドは特に主従の関係をしっかりと確立しないと、つけ入る隙を作っては舐められますよ、特に慣れないうちはね、結局人なのですから、お互いにどういう立場であるかをしっかりと認識し、関係を構築しないと問題しか起こりません」
「それはそうですけどー」
ウルジュラもエフェリーンの言い分はしっかりと理解している、しかし、エフェリーンはあまりにも厳しいとそう言いたいだけなのである、
「まぁまぁ、姉様の言う事は正しいですよ、最初は厳しく、その厳しさの下で仕事を熟せる人を重用するのです、人を動かす場合の一つの方法論ですよ」
マルルースは心情的にはウルジュラ側であるが、エフェリーンの人心掌握術も理解していた、実に貴族らしいやり方ではあるが、高位貴族としては当然の手管である、しかし、エレインとしては、メイドは大事な家族であり、家人であるという感覚が強い、高位貴族とはこういうものなのかと思いつつも、さて、自分はどうだろうと考え、どちらかと言えばオリビアに使われているのかもなと思い立ち、お互い様かしらと考え直して小さく微笑んでしまった、
「あら、どうしたのですエレインさん」
その微笑みを見逃さなかったエフェリーンである、エレインは失礼しましたと小さく詫びつつ、
「いえ、私とオリビアの事を考えまして、その、時々オリビアに叱られたり、あれだこれだとお尻を叩かれたりするものですから・・・これではどっちが主か分からないなと思いまして、貴族としてはだらしないのかなと・・・」
曖昧な笑みを浮かべつつ恥ずかしそうにその心情を吐露するエレインである、
「ふふ、それもまた良いではないですか」
エフェリーンは羨ましそうに微笑んだ、
「そうですよ、オリビアさんを見る限り、主従はしっかりと出来ています、その上でちゃんとエレインさんを立てているように見えます、それが大事なのです」
マルルースもエフェリーンに同意のようである、さらに、
「駄目なメイドはただ従うだけの者の事です、貴族はどうしても体面が重要ですからね、その体面の為に進言できる者が必要なものです、世は漆喰の下と言いますでしょう、あの格言ほど貴族を表している言葉はないものです、私はね、側仕えに求められるのは理想としての貴族の形と、主の在り方を理解している事だと思うのですよ、貴族だって人なのだから調子が悪い時も機嫌の悪い時もあります、その状態でも成さねばならない責務というものがあるものです、あらゆる不測の状態の下でも主に恥をかかせる事がないように配慮できるのが良いメイド、良い側仕えというものです」
「そうだねー」
これにはウルジュラも相槌を打ちつつ、
「でも、もっと、気楽にすればいいのにね」
のんびりと私見を口にするが、
「お気楽で統治はできませんよ、あなたはもう少ししっかりなさい」
エフェリーンがジロリとウルジュラを睨む、
「そうね、特にあなたは王女なのです、パトリシアのようにとは言いませんが、少しだらしないですよ」
実母であるマルルースもこれには苦言を呈さざるをえない、
「うー、怒られたー」
しかし、どうやら慣れっこになっている様子のウルジュラである、わざとらしく泣き顔となり、
「姉様遅いねー、ミナちゃんはお使いの時間かなー」
何処吹く風と木戸から寮の方へと視線を飛ばす、
「もう、この子は・・・」
「そうね、少し甘やかしすぎたかしら」
王妃達は共に困り顔となる、これは話しを変えるべきかしらとエレインは思い立ち、
「それでは、先にこちらをと思いますが、ふふ、以前よりも美しくなされてますね」
手元に用意した木箱を開けて話題を提供する事とした、しかし、その視線を賓客たちの指先へと移し、その変化に気付いて嬉しそうに微笑む、
「あら、気付きました?」
「少しやりすぎかしらと思うのよね」
「えー、母様楽しそうだったじゃない」
「ウルジュラが調子に乗せるからです」
「調子に乗ったのは母様でしょー」
途端に姦しくなるのは話題がお洒落に移ったからである、それぞれの爪はエレインの指摘の通り、寮で施術された時よりも派手になっていた、色はそれほどでもないが、その模様と配色である、様々に塗られた爪先をどうかしらとエレインへと見せながら、キャッキャッとはしゃぎだした、
「なるほど、素晴らしいですね」
「でしょー、お抱えの画家に見せたらすんごい頑張っちゃって」
「そうなんですのよ、皆様に合ったお色と文様がありますって」
「あれは、はしゃぎ過ぎですよ」
「でも、良い感じじゃない」
「そうね、これはこれで悪くないのよね、少し派手かしらと思うけど」
「このくらいでいいと思うよー、で、エレインさんそれは?」
「はい、新しい爪やすりです、かなり細かくて何よりも持ちやすくなってます、使い易くなってますよ」
木箱から数本のやすりを取り出し3人の前へと並べた、
「あら、随分小さくなりましたわね」
「ホントだー、それにうん、細かいねー」
「そうなんです、ブノワトさんが気合を入れて作ったって笑ってました、これならちょっとした事なら自分で整えられますね、こんな感じです」
エレインがその一本を手にして実際に使って見せる、
「なるほどー、凄いね」
「うん、休む前に使えるかしら?」
「そうね、一々側仕えを呼ぶのは嫌ですしね」
賓客達もやすりを手にして軽く爪先に当て、
「あ、良い感じ、使いやすい」
「確かに」
「そうね、これはいいわね」
評判は上々である、エレインが笑顔になると、
「あら、お揃いね」
パトリシアがゆっくりとその姿を現した、アフラも静かに付いて来ている、
「むー、姉様遅いー」
すかさずウルジュラがブー垂れる、
「正午過ぎならこんなものでしょう?」
「えー、アフラさんはすぐに来るって言ってたよー」
「ウルジュラ、身重の女性に無理を言っては駄目ですよ」
「あっ、そっか、姉様、大丈夫?」
「えぇ、そろそろ動くのが億劫になってきましたね、でも、まだまだ平気ですわよ」
ニコニコと笑顔を見せるパトリシアである、エレインが腰を上げて挨拶を交わし、静かに様子を伺っていたテラが椅子を引いた、
「テラさんありがとう、で、クロノスに聞いても教えてくれないのですが今日はなんです?」
腰を落ち着けながら早速とばかりに問い質すパトリシアである、
「あれでしょ」
「あれね」
「あからさまよね」
王妃二人とウルジュラがこれ見よがしにシーツで隠された一画へ視線を送る、
「はい、あれです」
エレインもニコリと笑って答えると、
「では皆さんこちらへ、そうですね、除幕をされます?」
意地悪く問うエレインである、
「じゃ、私やるー」
ウルジュラがサッとシーツへ近寄った、
「あ、ゆっくりお願いします、私はこちらを、ユラ様はそちらを持って頂けますか」
エレインが慌てて走り寄りシーツの端を手に取った、
「うん、いいよ、あ、そっか、引っかかってるね」
「はい、なので、ゆっくりと」
「うん、わかった」
エレインとウルジュラが呼吸を合わせてそろそろとシーツを引き下ろす、そこに表れたのは全身鏡であった、
「わっ、凄い、おっきい」
「いかがでしょうか、全身鏡と名付けたのですが」
「なるほど、これは良いですね」
「全身鏡・・・言い得て妙ですわ」
「ふふ、これは素晴らしい」
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