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本編
46話 秋の味覚と修練と その7
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「戻りました」
寮の厨房へジャネットが顔を出した、実に晴れ晴れとした良い笑顔と気持ちの良い澄んだ声である、
「あら、お疲れ、どうだった?」
ソフィアが夕食の準備をしながら振り返る、
「はい、とっても有意義でした、ありがとうございます、ソフィアさん」
心底嬉しそうに答えるジャネットである、
「そっか、あの二人は?」
「はい、お湯の準備をしています、一緒にどうだと誘われました」
ジャネットは笑顔のままに堂々と言い放ち、
「ちょっと、それは止めときなさい」
ソフィアが苦い顔で止めるが、
「勿論です、あ、でも、後でお湯は頂きたいです」
「それはいいわよ、どうせ余るんだから、連中が帰ったら好きに使いなさいな」
「はい、そうします、でも、やっぱり、あれですね、全然違いますね」
ジャネットはササッとソフィアの側に近寄り、
「スイランズ様もイース様もやっぱり歴戦の強者って感じでした、全然相手にならなくて、それに、芯の強さはしっかりあって、学園の講師なんかでは太刀打ちできないのが分かります」
「あら、そうなの?」
「はい、なんていうか、何をどうしようがどうも出来ないって感じでした、イース様とは当たってないんですが、スイランズ様は二人がかりでも全然ビクともしなくて、挙句、笑いながらいなされました、これでも学園では男には負けないと思ってたんですけど、格の違いってやつですね」
朗らかな上に楽しそうにしているが、その内容は完全に負けを認めるものである、
「そっか、じゃ、休みの間、相手して貰えば?」
ソフィアはまぁそうだろうなと思いつつ軽くいなす、
「はい、明日はアニタとパウラを誘います、スイランズ様が学園の全員相手でも負けないと笑ってましたので、せめて3人で膝を着かせる迄がんばります」
「・・・クロノス相手にそれは無理でしょ」
流石のソフィアも苦言を呈す、現場を退いて贅肉にまみれているとはいえ元一流の冒険者であり、騎士であった上に英雄と呼ばれるクロノスである、3人がかりであろうが10人がかりであろうが本気を出す必要もない、本人が冗談で言うようにまさに万の軍を持って来なければ鼻歌交りで蹴散らされるのは目に見えている、
「はい、でも、やります、目標は大きく持てと教わりました」
ニコニコと宣言するジャネットである、
「それはまた、あれだけど・・・そうだ、クロノスはあれ?得物は何?」
「はい、えっと、長剣の木剣です、それを2本、両手で使ってました」
「長剣の二刀使いか・・・そうね、私から助言があるとすると、両手剣を持ち出したら本気の筈よ」
「えっ、そうなんですか?」
「うん、確か昔つるんでた時はそうだったわね、何でも騎乗して使ってたら一番馴染んだとかなんとか、そうね、両手剣を持たせたら私が知っている限り勝てる人いないんじゃないかな?」
「・・・すげー、正に英雄ですね・・・」
「それは黙っておくこと」
「はい、心得てます」
ビシッと背筋を伸ばすジャネットである、
「そ、怪我しないようにね、って、怪我してないわよね」
「はい、あっちこっち打ち込まれましたが全然です、不思議なくらいに怪我は無いです」
両手を伸ばして健康を誇示するジャネットである、
「へー、クロノスも気を使っているのね、相手が男だと容赦ないんだけどね」
「えへへ、それに、受けが上手いってイース様に褒められました」
「そうなんだ、なら大丈夫かしら?」
「はい、えっと、薦めて下さってありがとうございます、なんか久しぶりに本気で打ち合えた感じなんです」
ジャネットの機嫌の良さは止まらない、普段のぶっきらぼうとした乱雑な言葉使いは完全に鳴りを潜めており、教科書通りの優等生のような口振りである、そこへ、
「ソフィア、手拭くれー」
クロノスがヒョイと勝手口へ顔を出す、
「あっ、私やります、お待ちください」
ジャネットが大声で答え倉庫へと小走りになる、
「おう、すまんな」
クロノスがその背に労いの声をかけた、
「いえ、当然です」
さらに気持ちの良い返事があがる、
「あらあら、どうしたの?随分懐かれちゃって」
ソフィアがニヤニヤと振り返る、
「ん、少し揉んでやっただけだよ、お前さんの差し金だろ?」
「あら、分かる?」
「本人がそう言ってたからな」
「あら、つまんない」
「何を言っている、でも、あれだな、筋はいいぞ、男相手にも負けないと息まいてたが、本当だな」
「そう?」
「うむ、良い根性してるぞ、何度転ばしても向かってくるからな、男でも転ばしたらそのまま寝てるやつがいるが、見習ってほしいもんだよ、それに、少なくとも兵士としてはお前さんやユーリよりかは遥かにマシだよ」
「あら・・・まぁ、そうかもね」
「なんだ、怒らんのか?」
「なんでよ、私は兵士じゃないもの」
「・・・それもそうだな」
「でしょー、私は冒険者なんだから、元だけどね、それに人を相手にするのは二の次だったし、第一、軍の経験も無いのよ、比べるのが失礼ってものよ」
「そうか、ま、もう暫くすればイフナースの相手としては十分だな、大したもんだよ」
「えっ、そんなに?」
「いや、感を取り戻すには十分って意味だよ、イフナースはまだまだだからな、俺が相手するよりも良いかもしれん」
「そっか、あ、怪我だけは気をつけなさいよ」
「それは勿論だ・・・そうだ、裏山で魔法は使っても良いものか?」
「うーん・・・そうね、簡単なものなら大丈夫と思うけど、どうだろ?」
「そうか・・・止めておくか・・・今のままでもいいと言えばいいんだし」
そこへ、
「持ってきました、こちらです」
ジャネットが両手に手拭を抱えて戻ってきた、
「おい、2本もあれば十分だよ」
「いえ、使って下さい、私がしっかり洗いますから」
「あら、それは嬉しいわね」
ニヤリと微笑むソフィアである、
「はい、どうぞ」
ズイッと両手で差し出すジャネットである、
「気持ちだけ頂くよ」
クロノスは手拭を2本取ると内庭へ戻り、ジャネットは満足そうにムフーと鼻息を荒くするのであった。
その後の夕食時である、食後のデザートとして昼に収穫された葡萄が供された、ツヤツヤと黒く輝く果実を口にして歓喜の声を上げる面々である、
「グフー、オーイーシー」
満面の笑みで両手に掴んだ葡萄を頬張るミナである、
「うむ、良い出来じゃろ」
レインは得意気に微笑み、
「はっ、まったくです、師匠」
ジャネットはすかさず合の手を入れる、
「えっ、まだやってたの?」
ケイスがジャネットを睨むと、
「うん、今日一日って言っちゃったし」
ジャネットはニコニコと微笑む、今朝方のミナの不興をジャネットは師匠と呼ぶことで許して貰ったのである、それは今日一日の期限を設けられているが、ミナの機嫌を取る為の常套手段となりそうな感であった、
「あー、あんまり調子に乗せないでよー」
「そうですけどー、師匠、美味しいです」
「でしょー」
「だから必要以上に持ち上げないの」
「でもー」
「あー、これでワイン作ったら美味しいだろうなー」
「ですよね、こんなに甘くて汁気の多い葡萄は初めてです、粒も大きいし」
「うん、葡萄ってこんなに甘くなるんですね」
「ワイン作れるほど多くはないわよ」
「・・・作りたいがのー」
「・・・レイン・・・」
「分かっておるわ、睨むな」
「えへへ、幸せー」
「そうだ、秋の果物も取り入れないとですわね・・・」
「林檎と梨が出回ってたよー」
「あら、それではソースの開発も始めましょうか、林檎と梨ですわね」
「そうですね、休みの内に作っておいて、冷凍しておきます?」
「冬ミカンもそろそろよね、夏ミカンは在庫が少なくって来てました」
「それもありましたね」
「裏山の林檎と栗はどうするんですか?今日見た感じだと良い色でしたよ」
「あら、ジャネットさんも目敏いわね」
「えへへ、だって、良い色なんですものー」
「む、なら、手の空いている者で収穫するか?」
「あら、いいの?」
「腐らせても仕方がないしのー、リスも野鳥も全部は食えないであろう?」
「レインがいいならいいわよ」
「そうか、なら、明日の朝確認しておくぞ」
「えへへー、リンゴも美味しいよねー」
「じゃな」
秋の味覚を堪能し、和やかで暖かい空間を共有する面々であった。
寮の厨房へジャネットが顔を出した、実に晴れ晴れとした良い笑顔と気持ちの良い澄んだ声である、
「あら、お疲れ、どうだった?」
ソフィアが夕食の準備をしながら振り返る、
「はい、とっても有意義でした、ありがとうございます、ソフィアさん」
心底嬉しそうに答えるジャネットである、
「そっか、あの二人は?」
「はい、お湯の準備をしています、一緒にどうだと誘われました」
ジャネットは笑顔のままに堂々と言い放ち、
「ちょっと、それは止めときなさい」
ソフィアが苦い顔で止めるが、
「勿論です、あ、でも、後でお湯は頂きたいです」
「それはいいわよ、どうせ余るんだから、連中が帰ったら好きに使いなさいな」
「はい、そうします、でも、やっぱり、あれですね、全然違いますね」
ジャネットはササッとソフィアの側に近寄り、
「スイランズ様もイース様もやっぱり歴戦の強者って感じでした、全然相手にならなくて、それに、芯の強さはしっかりあって、学園の講師なんかでは太刀打ちできないのが分かります」
「あら、そうなの?」
「はい、なんていうか、何をどうしようがどうも出来ないって感じでした、イース様とは当たってないんですが、スイランズ様は二人がかりでも全然ビクともしなくて、挙句、笑いながらいなされました、これでも学園では男には負けないと思ってたんですけど、格の違いってやつですね」
朗らかな上に楽しそうにしているが、その内容は完全に負けを認めるものである、
「そっか、じゃ、休みの間、相手して貰えば?」
ソフィアはまぁそうだろうなと思いつつ軽くいなす、
「はい、明日はアニタとパウラを誘います、スイランズ様が学園の全員相手でも負けないと笑ってましたので、せめて3人で膝を着かせる迄がんばります」
「・・・クロノス相手にそれは無理でしょ」
流石のソフィアも苦言を呈す、現場を退いて贅肉にまみれているとはいえ元一流の冒険者であり、騎士であった上に英雄と呼ばれるクロノスである、3人がかりであろうが10人がかりであろうが本気を出す必要もない、本人が冗談で言うようにまさに万の軍を持って来なければ鼻歌交りで蹴散らされるのは目に見えている、
「はい、でも、やります、目標は大きく持てと教わりました」
ニコニコと宣言するジャネットである、
「それはまた、あれだけど・・・そうだ、クロノスはあれ?得物は何?」
「はい、えっと、長剣の木剣です、それを2本、両手で使ってました」
「長剣の二刀使いか・・・そうね、私から助言があるとすると、両手剣を持ち出したら本気の筈よ」
「えっ、そうなんですか?」
「うん、確か昔つるんでた時はそうだったわね、何でも騎乗して使ってたら一番馴染んだとかなんとか、そうね、両手剣を持たせたら私が知っている限り勝てる人いないんじゃないかな?」
「・・・すげー、正に英雄ですね・・・」
「それは黙っておくこと」
「はい、心得てます」
ビシッと背筋を伸ばすジャネットである、
「そ、怪我しないようにね、って、怪我してないわよね」
「はい、あっちこっち打ち込まれましたが全然です、不思議なくらいに怪我は無いです」
両手を伸ばして健康を誇示するジャネットである、
「へー、クロノスも気を使っているのね、相手が男だと容赦ないんだけどね」
「えへへ、それに、受けが上手いってイース様に褒められました」
「そうなんだ、なら大丈夫かしら?」
「はい、えっと、薦めて下さってありがとうございます、なんか久しぶりに本気で打ち合えた感じなんです」
ジャネットの機嫌の良さは止まらない、普段のぶっきらぼうとした乱雑な言葉使いは完全に鳴りを潜めており、教科書通りの優等生のような口振りである、そこへ、
「ソフィア、手拭くれー」
クロノスがヒョイと勝手口へ顔を出す、
「あっ、私やります、お待ちください」
ジャネットが大声で答え倉庫へと小走りになる、
「おう、すまんな」
クロノスがその背に労いの声をかけた、
「いえ、当然です」
さらに気持ちの良い返事があがる、
「あらあら、どうしたの?随分懐かれちゃって」
ソフィアがニヤニヤと振り返る、
「ん、少し揉んでやっただけだよ、お前さんの差し金だろ?」
「あら、分かる?」
「本人がそう言ってたからな」
「あら、つまんない」
「何を言っている、でも、あれだな、筋はいいぞ、男相手にも負けないと息まいてたが、本当だな」
「そう?」
「うむ、良い根性してるぞ、何度転ばしても向かってくるからな、男でも転ばしたらそのまま寝てるやつがいるが、見習ってほしいもんだよ、それに、少なくとも兵士としてはお前さんやユーリよりかは遥かにマシだよ」
「あら・・・まぁ、そうかもね」
「なんだ、怒らんのか?」
「なんでよ、私は兵士じゃないもの」
「・・・それもそうだな」
「でしょー、私は冒険者なんだから、元だけどね、それに人を相手にするのは二の次だったし、第一、軍の経験も無いのよ、比べるのが失礼ってものよ」
「そうか、ま、もう暫くすればイフナースの相手としては十分だな、大したもんだよ」
「えっ、そんなに?」
「いや、感を取り戻すには十分って意味だよ、イフナースはまだまだだからな、俺が相手するよりも良いかもしれん」
「そっか、あ、怪我だけは気をつけなさいよ」
「それは勿論だ・・・そうだ、裏山で魔法は使っても良いものか?」
「うーん・・・そうね、簡単なものなら大丈夫と思うけど、どうだろ?」
「そうか・・・止めておくか・・・今のままでもいいと言えばいいんだし」
そこへ、
「持ってきました、こちらです」
ジャネットが両手に手拭を抱えて戻ってきた、
「おい、2本もあれば十分だよ」
「いえ、使って下さい、私がしっかり洗いますから」
「あら、それは嬉しいわね」
ニヤリと微笑むソフィアである、
「はい、どうぞ」
ズイッと両手で差し出すジャネットである、
「気持ちだけ頂くよ」
クロノスは手拭を2本取ると内庭へ戻り、ジャネットは満足そうにムフーと鼻息を荒くするのであった。
その後の夕食時である、食後のデザートとして昼に収穫された葡萄が供された、ツヤツヤと黒く輝く果実を口にして歓喜の声を上げる面々である、
「グフー、オーイーシー」
満面の笑みで両手に掴んだ葡萄を頬張るミナである、
「うむ、良い出来じゃろ」
レインは得意気に微笑み、
「はっ、まったくです、師匠」
ジャネットはすかさず合の手を入れる、
「えっ、まだやってたの?」
ケイスがジャネットを睨むと、
「うん、今日一日って言っちゃったし」
ジャネットはニコニコと微笑む、今朝方のミナの不興をジャネットは師匠と呼ぶことで許して貰ったのである、それは今日一日の期限を設けられているが、ミナの機嫌を取る為の常套手段となりそうな感であった、
「あー、あんまり調子に乗せないでよー」
「そうですけどー、師匠、美味しいです」
「でしょー」
「だから必要以上に持ち上げないの」
「でもー」
「あー、これでワイン作ったら美味しいだろうなー」
「ですよね、こんなに甘くて汁気の多い葡萄は初めてです、粒も大きいし」
「うん、葡萄ってこんなに甘くなるんですね」
「ワイン作れるほど多くはないわよ」
「・・・作りたいがのー」
「・・・レイン・・・」
「分かっておるわ、睨むな」
「えへへ、幸せー」
「そうだ、秋の果物も取り入れないとですわね・・・」
「林檎と梨が出回ってたよー」
「あら、それではソースの開発も始めましょうか、林檎と梨ですわね」
「そうですね、休みの内に作っておいて、冷凍しておきます?」
「冬ミカンもそろそろよね、夏ミカンは在庫が少なくって来てました」
「それもありましたね」
「裏山の林檎と栗はどうするんですか?今日見た感じだと良い色でしたよ」
「あら、ジャネットさんも目敏いわね」
「えへへ、だって、良い色なんですものー」
「む、なら、手の空いている者で収穫するか?」
「あら、いいの?」
「腐らせても仕方がないしのー、リスも野鳥も全部は食えないであろう?」
「レインがいいならいいわよ」
「そうか、なら、明日の朝確認しておくぞ」
「えへへー、リンゴも美味しいよねー」
「じゃな」
秋の味覚を堪能し、和やかで暖かい空間を共有する面々であった。
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