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本編
45話 兵士と英雄と その5
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エレインが事務所に戻ると入れ違いでミナとレインが寮へと戻った、どうやらこれ以上面白いものが無さそうだと二人は直感し、であればとソフィアが食堂で勉強するようにと二人を追い出したのである、エレインはあらあらと微笑みつつ二人を見送り、テラが茶を淹れ直しているテーブルに木箱を一つドスンと置いた、小脇に抱えられる程度の箱であるがかなりの重量がある様子である、
「では、改めて」
エレインが軽く咳払いをしつつ席に着く、和やかでやった事務所内は再び大気が重苦しく感じられる、損な役回りだわねとソフィアは口には出さずに小さく鼻息を吐き出した、
「最初にお願いしたいのは、お二人には絶対に怒って欲しくないという事です」
エレインはブラスとバーレントの視線を真正面から受け止めた、二人はエレインが戻った瞬間から表情を固くし、ブノワトとコッキーは居心地が悪そうに俯いている、何も悪い事はしていないのであるが、いたたまれないのであろう、
「分かりました、しかし、その内容によります」
ブラスが静かであるが強くそう答え、
「そうですね、俺としてもそう思います」
バーレントも背筋を伸ばしてブラスに同意する、
「それは重々理解しております、そうね、一般的に言えば後ろ指を指されるような事はありません、非難されるとすればそれを家族にも、勿論ですが伴侶にも肉親にも話せなかった事ですね、それはお二人にそのようにと私からお願いした事でもありますし、それが良いとお二人が判断した結果です」
「それは・・・随分、なんというか」
「うん、少し大袈裟すぎないですか?」
男二人はますます眉間の皺を深くする、
「いいえ、そして、お二人に今日打ち明ける事もまた、お二人の心の内に留めておくことが必要になります、もし、これを守れなかった場合、私どもとしてはお二人にお仕事をお願いする事は一切できなくなりますし、場合によってはお二人の家族ごとどうにかなる場合も考えれらます」
「・・・それほどの大事なのですね」
ブラスが目を強く閉じ何かを考えている様子であり、バーレントは何の事やらと難しい顔となる、
「はい、しかし、それに対する対価は大きいですね、少なくともこのままガラス鏡や様々な商品で商売を広げられます、上手くいけば将来的にはさらに良い暮らしも可能と思います」
エレインはそこで一度言葉を区切り、淹れ直された茶に手を伸ばす、
「どうします?ここまで聞いてこの先を聞く勇気がありますか?」
試すようなエレインの視線である、ブラスは目を大きく見開いて頷き、バーレントも同様に無言で頷く、
「はい、では・・・そうですね・・・リシア様はお二人共に面識あるかしら?」
「俺は勿論・・・バーレントは・・・」
「えっと、話だけ、そのエレイン会長の御友人で高貴な方と聞いております」
「なるほど、ではそのリシア様ですが、それは偽名というか綽名です、本名はパトリシア・アウル・ロレンシア様です」
エレインはそう言って二人の反応を伺う、二人は共にピンときていない様子であったが、ブラスが小首を傾げた瞬間、アッと大きな声を上げ、
「それって、もしかして・・・その、北ヘルデルのお姫様・・・」
「えっ、あ、そうか、英雄クロノスのお妃・・・」
「え、もしかして、クロノス様・・・・え、クロノス様?」
バーレントの言葉でどうやらブラスが察したらしい、簡単な連想ゲームであったが、ブラスにとってはパトリシアよりもクロノスの方が重大であったようである、その顔は驚愕に満ち、若干青ざめてもいる、
「そうですね、ブラスさんは何度かお会いしてますね、こちらではスイランズ様と名乗ってますがそれは昔の名前だそうです、クロノス・アウル・ロレンシア様です、ですが皆さんクロノス様と呼んでますから、良くある名前だからと本人は笑ってましたけど、でも、英雄クロノスその人ですね」
「えっ、ホントですか・・・えっ、何、知ってたのか?」
ブラスは大きく見開かれた目をブノワトに向ける、バーレントも実妹へ視線を向けた、ブノワトはどこか恥ずかしそうに頷き、コッキーも小さく頷いた、
「ここまで話せば事の重大さはわかるでしょう?」
エレインがニコリと微笑む、
「えっ、でも、北ヘルデルですよ、そんな簡単に来れる場所では・・・」
「そうね、それが可能なのですよ、そういうものがあるのです」
エレインは曖昧に答え、
「さらに言えばそうね、テラさんは以前クロノス様の部下であった人です」
「えっ」
ブラスとバーレントがテラを見つめる、
「あら、こっちに来ます?」
テラが軽い感じでエレインを斜めに見る、
「そうね、だって、ほら、それも事実だしね」
「そうですけど・・・ま、そうですね、確かに私は北ヘルデル出身で、クロノス様の研究所に一時期席がありました、でも、ほら、商売人だから、なら、エレイン会長を手伝ってやれって事でお世話になってるんです」
さらに軽い感じで告白するテラである、その顔には何の影も無い、何も後ろ暗い事は無く、堂々としたものである、その顔にブラスとバーレントも呆気にとられ、
「で、さらに話すと・・・」
エレインがそこからブノワトとコッキーを伴って北ヘルデルで行われた食事会の事を説明し、そこで王族達に会った事、さらに、その王族が現在新たに手に入れた屋敷に住んでいる事等を説明する、男二人は顔を白黒させながら静かに拝聴し、そして、
「・・・なるほど、家族にも言えないという事の意味が良く分かりました」
「そうですね、しかし、お前、大したもんだな・・・」
ブラスはやはり頭の回る男である、事の重大さをしっかりと理解した様子で、バーレントはその事実もそうであるが、このある種異常な状況に耐えていた歳の離れた妹に感心するのであった、
「えへへ、ほら、私は静かにしてただけだし、なんか巻き込まれちゃって・・・」
コッキーは恥ずかしそうにしており、
「だって、ね、半分あれよ、エレインさんに騙されたようなもんなのよ、この間なんて・・・ね」
ブノワトが口を尖らせてエレインを片目で睨む、
「ふふ、だって、王妃様達が来るっていったら逃げ出すでしょ」
「えー、酷いなー・・・でも、うん、逃げたかも」
「私も・・・でも、先日はあれはあれで楽しかったかな・・・えへへ、リシア様とユラ様のお役に立てたしね」
「そうだけど・・・うん、王妃様も喜んでたから嬉しかったな、皆さん貴族っぽくないのよね」
「それは失礼ですよ、王妃様達にもですがエレイン会長だって貴族なんですからね」
テラが小さく釘を刺す、
「あ、そうだった」
「いや、その、えへへ、そうだね」
「私の事はいいですわよ、田舎の子爵なんて金持ちの男爵以下なんですから」
「えー、でもさー」
「そういうものなんですよ、それとも、貴族らしくします?やろうと思えば出来ますわよ」
「それはちょっと・・・」
「うん、変に力が入りそうでヤダな」
「でしょう?」
押し黙っていた反動か二人の口が軽く動く、エレインとテラを相手に楽しそうに軽口となるが、男二人は何とも難しい顔であった、
「で・・・と、本題に入りますね」
エレインは場が少しばかり和んだかしらと居住まいを正す、まだ何かあるのかとブラスとバーレントも背筋を伸ばした、
「先程話しました食事会の際に頂いた物があります、こちらですね」
持ってきた木箱を開けて分厚い板を二組の前に置いた、
「これは、北ヘルデルの紋章・・・」
「あら、御存知?」
「はい、何かで見ましたね、はい、新しく作られた紋章だから覚えておけと、誰だったかな・・・」
バーレントが首を傾げる、
「流石ね、確かにこれは北ヘルデルの紋章で、その下にある文字が北ヘルデルの産業振興奨励受託店舗の証です」
「それはまた仰々しい名前ですね」
「そうね、で、こちらが奨励金」
続いてエレインが取り出した革袋を二人の前に置いた、ガチャリと重い金属音が響く、
「えっと・・・これは・・・」
「もしかして・・・」
「もしかしなくてもお金です、食事会の折にガラス鏡を披露してね、褒賞金としての意味合いが強いと思うけど、名目は奨励金ね、かなりの額ですよ」
エレインが冷静に説明するが男二人は言葉も無くその革袋を見つめ、ブノワトとコッキーは再び気まずそうな顔になる、
「これを黙っていたのか・・・」
ブラスが事の真相に気付いてブノワトへ顔を向けた、その目は責めるでもなく非難でも無い、困惑が見て取れる、
「そうなんだよね、その・・・あまりに大きい額でね、持って帰るのも難しいって事で、エレインさんに預かって貰ってたのよ」
「そういう事か・・・」
ブラスは何処か寂しそうに革袋へと視線を戻す、
「えっと、お前も知ってたんだよな・・・」
バーレントもコッキーへ問いかける、
「そうだね、えへへ、ほら、そういう事情だから、だって、いきなりこんな大金持っていたらさ、全部話さないとでしょ、でも、話せない・・・から・・・」
コッキーの言い訳が全てを物語っている、二人としても心苦しかったであろう、家族にも言えない秘密を持ち続けるのは心労が大きい、普段から話題として出て来る事でもない為考えないようにしていた二人であるが、いくら女性が嘘が上手で秘密が好きだとしても、許容できる大きさというものがある、しかし突然であるがエレインにその秘密を代弁された事により、二人はすまなさそうに俯いているがどこか安堵した様子で、無意識に入っていた両肩の力が抜けた様子であった、
「さて、ここまで話せば分かりますわね、こちらの金額があれば出来る事がかなり増えるものと思います、正直な話しですが、そうね、家族4人が数年不自由無く暮らせる程の金額です、好きに使えば良いとも思いますが、それではクロノス様やリシア様の期待を裏切る事になると思います、有効活用を考えましょう」
「え、そんな額なのですか?」
「そうですね、開けてみて下さい、全部金貨です」
「えっ、金貨・・・」
「はい、使いにくいとは思いますが金貨です」
エレインは大事なことであると念を押す様に繰り返した。
「では、改めて」
エレインが軽く咳払いをしつつ席に着く、和やかでやった事務所内は再び大気が重苦しく感じられる、損な役回りだわねとソフィアは口には出さずに小さく鼻息を吐き出した、
「最初にお願いしたいのは、お二人には絶対に怒って欲しくないという事です」
エレインはブラスとバーレントの視線を真正面から受け止めた、二人はエレインが戻った瞬間から表情を固くし、ブノワトとコッキーは居心地が悪そうに俯いている、何も悪い事はしていないのであるが、いたたまれないのであろう、
「分かりました、しかし、その内容によります」
ブラスが静かであるが強くそう答え、
「そうですね、俺としてもそう思います」
バーレントも背筋を伸ばしてブラスに同意する、
「それは重々理解しております、そうね、一般的に言えば後ろ指を指されるような事はありません、非難されるとすればそれを家族にも、勿論ですが伴侶にも肉親にも話せなかった事ですね、それはお二人にそのようにと私からお願いした事でもありますし、それが良いとお二人が判断した結果です」
「それは・・・随分、なんというか」
「うん、少し大袈裟すぎないですか?」
男二人はますます眉間の皺を深くする、
「いいえ、そして、お二人に今日打ち明ける事もまた、お二人の心の内に留めておくことが必要になります、もし、これを守れなかった場合、私どもとしてはお二人にお仕事をお願いする事は一切できなくなりますし、場合によってはお二人の家族ごとどうにかなる場合も考えれらます」
「・・・それほどの大事なのですね」
ブラスが目を強く閉じ何かを考えている様子であり、バーレントは何の事やらと難しい顔となる、
「はい、しかし、それに対する対価は大きいですね、少なくともこのままガラス鏡や様々な商品で商売を広げられます、上手くいけば将来的にはさらに良い暮らしも可能と思います」
エレインはそこで一度言葉を区切り、淹れ直された茶に手を伸ばす、
「どうします?ここまで聞いてこの先を聞く勇気がありますか?」
試すようなエレインの視線である、ブラスは目を大きく見開いて頷き、バーレントも同様に無言で頷く、
「はい、では・・・そうですね・・・リシア様はお二人共に面識あるかしら?」
「俺は勿論・・・バーレントは・・・」
「えっと、話だけ、そのエレイン会長の御友人で高貴な方と聞いております」
「なるほど、ではそのリシア様ですが、それは偽名というか綽名です、本名はパトリシア・アウル・ロレンシア様です」
エレインはそう言って二人の反応を伺う、二人は共にピンときていない様子であったが、ブラスが小首を傾げた瞬間、アッと大きな声を上げ、
「それって、もしかして・・・その、北ヘルデルのお姫様・・・」
「えっ、あ、そうか、英雄クロノスのお妃・・・」
「え、もしかして、クロノス様・・・・え、クロノス様?」
バーレントの言葉でどうやらブラスが察したらしい、簡単な連想ゲームであったが、ブラスにとってはパトリシアよりもクロノスの方が重大であったようである、その顔は驚愕に満ち、若干青ざめてもいる、
「そうですね、ブラスさんは何度かお会いしてますね、こちらではスイランズ様と名乗ってますがそれは昔の名前だそうです、クロノス・アウル・ロレンシア様です、ですが皆さんクロノス様と呼んでますから、良くある名前だからと本人は笑ってましたけど、でも、英雄クロノスその人ですね」
「えっ、ホントですか・・・えっ、何、知ってたのか?」
ブラスは大きく見開かれた目をブノワトに向ける、バーレントも実妹へ視線を向けた、ブノワトはどこか恥ずかしそうに頷き、コッキーも小さく頷いた、
「ここまで話せば事の重大さはわかるでしょう?」
エレインがニコリと微笑む、
「えっ、でも、北ヘルデルですよ、そんな簡単に来れる場所では・・・」
「そうね、それが可能なのですよ、そういうものがあるのです」
エレインは曖昧に答え、
「さらに言えばそうね、テラさんは以前クロノス様の部下であった人です」
「えっ」
ブラスとバーレントがテラを見つめる、
「あら、こっちに来ます?」
テラが軽い感じでエレインを斜めに見る、
「そうね、だって、ほら、それも事実だしね」
「そうですけど・・・ま、そうですね、確かに私は北ヘルデル出身で、クロノス様の研究所に一時期席がありました、でも、ほら、商売人だから、なら、エレイン会長を手伝ってやれって事でお世話になってるんです」
さらに軽い感じで告白するテラである、その顔には何の影も無い、何も後ろ暗い事は無く、堂々としたものである、その顔にブラスとバーレントも呆気にとられ、
「で、さらに話すと・・・」
エレインがそこからブノワトとコッキーを伴って北ヘルデルで行われた食事会の事を説明し、そこで王族達に会った事、さらに、その王族が現在新たに手に入れた屋敷に住んでいる事等を説明する、男二人は顔を白黒させながら静かに拝聴し、そして、
「・・・なるほど、家族にも言えないという事の意味が良く分かりました」
「そうですね、しかし、お前、大したもんだな・・・」
ブラスはやはり頭の回る男である、事の重大さをしっかりと理解した様子で、バーレントはその事実もそうであるが、このある種異常な状況に耐えていた歳の離れた妹に感心するのであった、
「えへへ、ほら、私は静かにしてただけだし、なんか巻き込まれちゃって・・・」
コッキーは恥ずかしそうにしており、
「だって、ね、半分あれよ、エレインさんに騙されたようなもんなのよ、この間なんて・・・ね」
ブノワトが口を尖らせてエレインを片目で睨む、
「ふふ、だって、王妃様達が来るっていったら逃げ出すでしょ」
「えー、酷いなー・・・でも、うん、逃げたかも」
「私も・・・でも、先日はあれはあれで楽しかったかな・・・えへへ、リシア様とユラ様のお役に立てたしね」
「そうだけど・・・うん、王妃様も喜んでたから嬉しかったな、皆さん貴族っぽくないのよね」
「それは失礼ですよ、王妃様達にもですがエレイン会長だって貴族なんですからね」
テラが小さく釘を刺す、
「あ、そうだった」
「いや、その、えへへ、そうだね」
「私の事はいいですわよ、田舎の子爵なんて金持ちの男爵以下なんですから」
「えー、でもさー」
「そういうものなんですよ、それとも、貴族らしくします?やろうと思えば出来ますわよ」
「それはちょっと・・・」
「うん、変に力が入りそうでヤダな」
「でしょう?」
押し黙っていた反動か二人の口が軽く動く、エレインとテラを相手に楽しそうに軽口となるが、男二人は何とも難しい顔であった、
「で・・・と、本題に入りますね」
エレインは場が少しばかり和んだかしらと居住まいを正す、まだ何かあるのかとブラスとバーレントも背筋を伸ばした、
「先程話しました食事会の際に頂いた物があります、こちらですね」
持ってきた木箱を開けて分厚い板を二組の前に置いた、
「これは、北ヘルデルの紋章・・・」
「あら、御存知?」
「はい、何かで見ましたね、はい、新しく作られた紋章だから覚えておけと、誰だったかな・・・」
バーレントが首を傾げる、
「流石ね、確かにこれは北ヘルデルの紋章で、その下にある文字が北ヘルデルの産業振興奨励受託店舗の証です」
「それはまた仰々しい名前ですね」
「そうね、で、こちらが奨励金」
続いてエレインが取り出した革袋を二人の前に置いた、ガチャリと重い金属音が響く、
「えっと・・・これは・・・」
「もしかして・・・」
「もしかしなくてもお金です、食事会の折にガラス鏡を披露してね、褒賞金としての意味合いが強いと思うけど、名目は奨励金ね、かなりの額ですよ」
エレインが冷静に説明するが男二人は言葉も無くその革袋を見つめ、ブノワトとコッキーは再び気まずそうな顔になる、
「これを黙っていたのか・・・」
ブラスが事の真相に気付いてブノワトへ顔を向けた、その目は責めるでもなく非難でも無い、困惑が見て取れる、
「そうなんだよね、その・・・あまりに大きい額でね、持って帰るのも難しいって事で、エレインさんに預かって貰ってたのよ」
「そういう事か・・・」
ブラスは何処か寂しそうに革袋へと視線を戻す、
「えっと、お前も知ってたんだよな・・・」
バーレントもコッキーへ問いかける、
「そうだね、えへへ、ほら、そういう事情だから、だって、いきなりこんな大金持っていたらさ、全部話さないとでしょ、でも、話せない・・・から・・・」
コッキーの言い訳が全てを物語っている、二人としても心苦しかったであろう、家族にも言えない秘密を持ち続けるのは心労が大きい、普段から話題として出て来る事でもない為考えないようにしていた二人であるが、いくら女性が嘘が上手で秘密が好きだとしても、許容できる大きさというものがある、しかし突然であるがエレインにその秘密を代弁された事により、二人はすまなさそうに俯いているがどこか安堵した様子で、無意識に入っていた両肩の力が抜けた様子であった、
「さて、ここまで話せば分かりますわね、こちらの金額があれば出来る事がかなり増えるものと思います、正直な話しですが、そうね、家族4人が数年不自由無く暮らせる程の金額です、好きに使えば良いとも思いますが、それではクロノス様やリシア様の期待を裏切る事になると思います、有効活用を考えましょう」
「え、そんな額なのですか?」
「そうですね、開けてみて下さい、全部金貨です」
「えっ、金貨・・・」
「はい、使いにくいとは思いますが金貨です」
エレインは大事なことであると念を押す様に繰り返した。
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