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本編
44話 殿下が来た その8
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寮の食堂でも絵画研究が一段落ついたようである、レインが提示した奥行のある意匠が採用され、それを元に数枚の試作が描かれた、どれも斬新かつ華やかで不可思議と言える絵である、
「これは可愛いなー、やっぱり赤だけだと寂しい感じがしますよね」
「そうね、それは否定できませんわ」
「ミナ、これが好きー」
「そちらも良いですわね・・・壁に描いたらどうなるのでしょう・・・楽しみですわね」
「うーん、こう見ると、やはり、あれですね、どれも魅力的と思います、色彩が豊富な方が楽しいと思いますけど」
「そうでしょうか、壁に書くことを考えれば色味は少ない方が良いかと思いますよ」
「そうですね・・・うん、そうなるとやはりこれとこれかな?吸い込まれるような雰囲気と可愛らしいニャンコが良い感じです」
「でしょー、ミナもそう思うー」
「ニャンコ・・・花で無くていいの?六花商会でしょ?」
「それはほら、可愛い方が・・・でも、それもそうですわね・・・」
「でも、花を小さく描いても味気ないかしら?」
「壁に描くのですから大きくなりますでしょう」
「それもそうね・・・でも、あまりに精緻な線は表現出来ないかと思いますが、この辺とか、あ、どっちにしろ大きくなるのかな?」
「そうね、でも、そこはそれ、なんとでもなるでしょう、王都から絵師を連れて来ても良いと思いますしね」
「絵師はめんどくさいんじゃなかったですか?」
「好きに書かせるとめんどくさいのよ、完成するのに平気で2年も3年もかける人達なのですよ、色がどうだ、採光がどうだ、構図がどうだと手を動かさずに延々と悩んでますからね、そうやって食い扶持をたかるのが商売なのですよ、あの人達は、出来上がった絵画はそれは良いものなのですが、実質的に一月程度で描いてますからね、陛下や母様はそういうもんだと笑ってますが、私に言わせれば怠け者ですわ、腕はいいのに仕事をしない職人なんて履いて捨てれば宜しいのにまったく」
「なるほど、そういう、めんどくささなのですか」
「そうなのよ、だから、これをそのまま壁に描けと言われれば速いものでしょう、絵師の弟子か助手に任せてもいいかもね、変に大家を連れてくると駄目かもだから・・・そうね、若いのに声をかけてみようかしら、絵画も老人共の凝り固まった価値観から引き離す必要があるわね、若い連中にも作品発表の場を作らないと・・・うん、エレインさん、絵師はこちらで手配してみますわ、後程期日を打ち合わせしましょう」
「まぁ、宜しいのですか、ありがとうございます」
「ふふ、使える者は使い倒すものですわよ」
どうやら、それなりに納得いく作品が出来たらしい、完成した絵の数枚が壁に貼られ、それらを一同は腕組みをして観賞し、パトリシアが作業の段取りをつける事で一応の治まりを見せた、しかし、その隣りでは、
「うー、ニャンコに見えない?」
「見えんのう・・・なんというか、あれじゃな、ニャンコの特徴がまったくないのう」
「えー、だって、4本脚だし、しっぽは長いし、顔は平らだしー」
「あー、ニャンコはのう、丸顔で三角の耳を付けるだけでよいのじゃ」
「でもー、それはニャンコの顔でしょー、全身を描きたいのー」
「難しい事を言うのう、ニャンコの顔も描けないで全身を描くつもりなのか?」
「ううー、それもそうかなー」
「うむ、まずは言われた通りにニャンコの顔を描いて、ニャンコに見えるように努力してみるのじゃ」
「うー、わかったー」
レインの忠告に従って渋々と絵筆を動かすウルジュラである、自作のニャンコには見えない何かの隣りにニャンコの顔を描くが、
「・・・口と目が人のそれじゃぞ」
「えー、でも、ニャンコの顔でしょー」
「はっきり言うが、ニャンコにはニャンコの目と口と鼻と髭があるものじゃ、なんというか詳しく描こうとせんでいいぞ、ミナが描いたように丸と三角だけでもニャンコの顔になるんじゃ」
「そうだけどー、描きたくなる・・・じゃない・・・」
「そこはグッと抑えてじゃな、うん、丸と棒と三角だけで描いてみるのじゃ」
「うー、わかったー」
本当に理解しているのかは分らなかったがウルジュラはレインの厳しくも真面目な指導の下、再び絵筆を動かし始めた、そこへ、
「おう、ソフィア、いるか?」
クロノスがノソリと顔を出す、
「なにー?」
ソフィアがヒョイと向いた瞬間、
「コラー、何て格好してるのよ」
怒声が食堂を震わせ、皆が何事かと振り返る、そこには一糸まとわぬクロノスがのほほんとした顔で立ち尽くしていた、しかし、よく見るとそれは正確ではない、汗を落としていたのであろう手拭いを一本肩に掛けている、それ以外には一切の衣服を纏っていない、
「ちょっと、クロノス」
パトリシアも慌てて声を荒げ、エレインとカトカとウルジュラはさっと視線を逸らせた、
「なんだよ・・・ソフィア、石鹸あるか?」
何を騒いでいるのやらと用向きを伝えるクロノスである、
「石鹸じゃないわよ、あんたせめて下着くらいは着けなさいよ、ここは女子寮なのよ」
ソフィアはさらに声を張り上げるが、
「別にいいだろう、生徒はいないんだし」
クロノスはどこ吹く風といった風情である、
「良くないわよ」
「なんだよ、見慣れたもんだろ俺の裸なんぞ」
「そういう問題ではないわよ、見せたいってんなら見てあげるけど・・・なによその身体、だらしないわねー」
「あー、それは勘弁してくれ、日がな一日切った張ったをしていた頃とは違うだろ」
「もう、何を言っていますの、恥ずかしいですわ」
パトリシアもたまらずに参戦する、
「恥ずかしいって、俺の裸なんぞでいきり立つな」
クロノスは不思議そうである、
「だから、そういう事ではないですわ、もう、ミナちゃん、レインちゃん、やっておしまい」
「いいの?」
ミナがピョンと飛び跳ねた、
「勿論ですわ」
「ふふ、仕方無いのう」
レインもゆらりと立ち上がる、
「まて、ミナとレインは容赦が無い、何をされるかわからん」
「知ったことではないですわ、あの阿呆を成敗なさい」
「わかったー」
「ふふ、覚悟するのじゃー」
ミナとレインが駆け出した瞬間、
「何を騒いでいるんです?」
クロノスの背後からイフナースがヒョイと顔を出す、そして、こちらも全裸であった、
「イフナース、あなたまでなんですか」
パトリシアの怒声が再び響き、
「なんですかと言われても湯浴みですな」
こちらも涼しい顔である、クロノス同様に肩に手拭いを掛けている、そういう装いなのであろうか、
「もう、分かったから、石鹸は持っていきますから、さっさと戻って下さい」
ソフィアがさらに大声を上げた、
「あぁ、頼む」
二人は悪びれる事無く内庭へ戻り、ミナとレインは、
「ぶー、つまんない」
「そうじゃのう、今日こそコテンパンにしてやろうかと思ったのじゃが」
「まったく、服を着たらコテンパンでもボロクソでもボコボコでも好きにして良いですわよ」
パトリシアが鼻息を荒くする、
「いいの?、やったー」
「ふむ、任せておけ」
二人はこれ以上ない程の邪悪な顔で微笑み合う、
「まったく、失礼しましたわ、男共はこれだから」
パトリシアがプリプリと謝罪の言葉を口にすると、
「えっと、ま、こういう事もありますわよね」
エレインが顔を赤くして困惑し、
「そうですね、たまにはいいかな・・・」
カトカとウルジュラは赤面しながらも何処か嬉しそうである、
「あー、なに、クロノスってば、太り過ぎじゃない?」
ユーリがニヤニヤと微笑んでいる、
「そうね、だから、ほら、殿下のお相手に志願したのよ」
「なるほどねー、あれじゃ、リシア様に愛想つかされちゃいそうね」
「そうなんですのよ、もう、前々から摂生するように言っているのですが・・・お二人からも言って頂けるかしら?」
「リシア様が言っても駄目なら、私達が言っても駄目ですよー」
「そうそう、クロノスは私達を女扱いしてませんしねー」
あっはっはと笑いあうソフィアとユーリ、パトリシアは怒りつつも何とか笑顔を作るのであった。
「これは可愛いなー、やっぱり赤だけだと寂しい感じがしますよね」
「そうね、それは否定できませんわ」
「ミナ、これが好きー」
「そちらも良いですわね・・・壁に描いたらどうなるのでしょう・・・楽しみですわね」
「うーん、こう見ると、やはり、あれですね、どれも魅力的と思います、色彩が豊富な方が楽しいと思いますけど」
「そうでしょうか、壁に書くことを考えれば色味は少ない方が良いかと思いますよ」
「そうですね・・・うん、そうなるとやはりこれとこれかな?吸い込まれるような雰囲気と可愛らしいニャンコが良い感じです」
「でしょー、ミナもそう思うー」
「ニャンコ・・・花で無くていいの?六花商会でしょ?」
「それはほら、可愛い方が・・・でも、それもそうですわね・・・」
「でも、花を小さく描いても味気ないかしら?」
「壁に描くのですから大きくなりますでしょう」
「それもそうね・・・でも、あまりに精緻な線は表現出来ないかと思いますが、この辺とか、あ、どっちにしろ大きくなるのかな?」
「そうね、でも、そこはそれ、なんとでもなるでしょう、王都から絵師を連れて来ても良いと思いますしね」
「絵師はめんどくさいんじゃなかったですか?」
「好きに書かせるとめんどくさいのよ、完成するのに平気で2年も3年もかける人達なのですよ、色がどうだ、採光がどうだ、構図がどうだと手を動かさずに延々と悩んでますからね、そうやって食い扶持をたかるのが商売なのですよ、あの人達は、出来上がった絵画はそれは良いものなのですが、実質的に一月程度で描いてますからね、陛下や母様はそういうもんだと笑ってますが、私に言わせれば怠け者ですわ、腕はいいのに仕事をしない職人なんて履いて捨てれば宜しいのにまったく」
「なるほど、そういう、めんどくささなのですか」
「そうなのよ、だから、これをそのまま壁に描けと言われれば速いものでしょう、絵師の弟子か助手に任せてもいいかもね、変に大家を連れてくると駄目かもだから・・・そうね、若いのに声をかけてみようかしら、絵画も老人共の凝り固まった価値観から引き離す必要があるわね、若い連中にも作品発表の場を作らないと・・・うん、エレインさん、絵師はこちらで手配してみますわ、後程期日を打ち合わせしましょう」
「まぁ、宜しいのですか、ありがとうございます」
「ふふ、使える者は使い倒すものですわよ」
どうやら、それなりに納得いく作品が出来たらしい、完成した絵の数枚が壁に貼られ、それらを一同は腕組みをして観賞し、パトリシアが作業の段取りをつける事で一応の治まりを見せた、しかし、その隣りでは、
「うー、ニャンコに見えない?」
「見えんのう・・・なんというか、あれじゃな、ニャンコの特徴がまったくないのう」
「えー、だって、4本脚だし、しっぽは長いし、顔は平らだしー」
「あー、ニャンコはのう、丸顔で三角の耳を付けるだけでよいのじゃ」
「でもー、それはニャンコの顔でしょー、全身を描きたいのー」
「難しい事を言うのう、ニャンコの顔も描けないで全身を描くつもりなのか?」
「ううー、それもそうかなー」
「うむ、まずは言われた通りにニャンコの顔を描いて、ニャンコに見えるように努力してみるのじゃ」
「うー、わかったー」
レインの忠告に従って渋々と絵筆を動かすウルジュラである、自作のニャンコには見えない何かの隣りにニャンコの顔を描くが、
「・・・口と目が人のそれじゃぞ」
「えー、でも、ニャンコの顔でしょー」
「はっきり言うが、ニャンコにはニャンコの目と口と鼻と髭があるものじゃ、なんというか詳しく描こうとせんでいいぞ、ミナが描いたように丸と三角だけでもニャンコの顔になるんじゃ」
「そうだけどー、描きたくなる・・・じゃない・・・」
「そこはグッと抑えてじゃな、うん、丸と棒と三角だけで描いてみるのじゃ」
「うー、わかったー」
本当に理解しているのかは分らなかったがウルジュラはレインの厳しくも真面目な指導の下、再び絵筆を動かし始めた、そこへ、
「おう、ソフィア、いるか?」
クロノスがノソリと顔を出す、
「なにー?」
ソフィアがヒョイと向いた瞬間、
「コラー、何て格好してるのよ」
怒声が食堂を震わせ、皆が何事かと振り返る、そこには一糸まとわぬクロノスがのほほんとした顔で立ち尽くしていた、しかし、よく見るとそれは正確ではない、汗を落としていたのであろう手拭いを一本肩に掛けている、それ以外には一切の衣服を纏っていない、
「ちょっと、クロノス」
パトリシアも慌てて声を荒げ、エレインとカトカとウルジュラはさっと視線を逸らせた、
「なんだよ・・・ソフィア、石鹸あるか?」
何を騒いでいるのやらと用向きを伝えるクロノスである、
「石鹸じゃないわよ、あんたせめて下着くらいは着けなさいよ、ここは女子寮なのよ」
ソフィアはさらに声を張り上げるが、
「別にいいだろう、生徒はいないんだし」
クロノスはどこ吹く風といった風情である、
「良くないわよ」
「なんだよ、見慣れたもんだろ俺の裸なんぞ」
「そういう問題ではないわよ、見せたいってんなら見てあげるけど・・・なによその身体、だらしないわねー」
「あー、それは勘弁してくれ、日がな一日切った張ったをしていた頃とは違うだろ」
「もう、何を言っていますの、恥ずかしいですわ」
パトリシアもたまらずに参戦する、
「恥ずかしいって、俺の裸なんぞでいきり立つな」
クロノスは不思議そうである、
「だから、そういう事ではないですわ、もう、ミナちゃん、レインちゃん、やっておしまい」
「いいの?」
ミナがピョンと飛び跳ねた、
「勿論ですわ」
「ふふ、仕方無いのう」
レインもゆらりと立ち上がる、
「まて、ミナとレインは容赦が無い、何をされるかわからん」
「知ったことではないですわ、あの阿呆を成敗なさい」
「わかったー」
「ふふ、覚悟するのじゃー」
ミナとレインが駆け出した瞬間、
「何を騒いでいるんです?」
クロノスの背後からイフナースがヒョイと顔を出す、そして、こちらも全裸であった、
「イフナース、あなたまでなんですか」
パトリシアの怒声が再び響き、
「なんですかと言われても湯浴みですな」
こちらも涼しい顔である、クロノス同様に肩に手拭いを掛けている、そういう装いなのであろうか、
「もう、分かったから、石鹸は持っていきますから、さっさと戻って下さい」
ソフィアがさらに大声を上げた、
「あぁ、頼む」
二人は悪びれる事無く内庭へ戻り、ミナとレインは、
「ぶー、つまんない」
「そうじゃのう、今日こそコテンパンにしてやろうかと思ったのじゃが」
「まったく、服を着たらコテンパンでもボロクソでもボコボコでも好きにして良いですわよ」
パトリシアが鼻息を荒くする、
「いいの?、やったー」
「ふむ、任せておけ」
二人はこれ以上ない程の邪悪な顔で微笑み合う、
「まったく、失礼しましたわ、男共はこれだから」
パトリシアがプリプリと謝罪の言葉を口にすると、
「えっと、ま、こういう事もありますわよね」
エレインが顔を赤くして困惑し、
「そうですね、たまにはいいかな・・・」
カトカとウルジュラは赤面しながらも何処か嬉しそうである、
「あー、なに、クロノスってば、太り過ぎじゃない?」
ユーリがニヤニヤと微笑んでいる、
「そうね、だから、ほら、殿下のお相手に志願したのよ」
「なるほどねー、あれじゃ、リシア様に愛想つかされちゃいそうね」
「そうなんですのよ、もう、前々から摂生するように言っているのですが・・・お二人からも言って頂けるかしら?」
「リシア様が言っても駄目なら、私達が言っても駄目ですよー」
「そうそう、クロノスは私達を女扱いしてませんしねー」
あっはっはと笑いあうソフィアとユーリ、パトリシアは怒りつつも何とか笑顔を作るのであった。
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