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本編
43話 職人達とネイルケア その12
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翌日、エレインの姿は学園にあった、午前のかなり早い時間である、一つ目の講義が始まるかどうかの頃合いであった、エレインは久しぶりねーと、卒業もしていないのに郷愁の想いが込み上げて来た、実に1月以上ぶりの登校である、学園独特の重く冷たい空気を大きく吸い込み、講義が始まったのであろう教室から漏れる講師の声を聞きながら、慣れた道を一人事務室へと向かう、
エレインは卒業に必要とされる授業は全て終えていた、在籍しているのは政治経済学部の貴族科である、貴族の子弟のみが入る事ができる学科となり、一般的には3年で講義科目は終える事ができる、共通科目が2年、専攻科目が1年である、エレインはこの学園に合わせて5年在籍している、来春を迎えれば6年になるのであろうか、入学してからの3年はそれなりに真面目に授業に参加し、一通り修めてからは暇つぶしで学園に通っていた、まさに訳ありのお嬢様である、そのような生徒は数人在籍しているらしいが学園に顔を出す者は少ない、というかほぼいない、恐らくであるが訳あり故にちゃんとした屋敷を用意され生活に不自由はしてないのであろう、エレインのように下級貴族で寮住まいの上に訳ありな人間は少ないのではないだろうか、何故それが許されているのかと考えれば、この学園では貴族科については金さえ払っておけば学生としての身分を提供してくれる都合の良い制度がある、平民から見たら理解されないであろうが、訳ありとされる貴族の子弟としては実に便利な身の置き場なのであった、毎年の授業料としてある程度の寄付を無心されるが、訳あり故に地元に置く事も放逐する事も難しい身に適当な身分とそれに付随し居場所を提供してくれるのである、面子を保つことが重要な仕事とされる貴族としては、至極便利な機構として重宝されているのである、勿論、真面目に勉強ししっかりと卒業する者が大半なのである、しかし、学園側としてもそういった社会的不良生徒を抱えるだけで一定の収入が見込めるのであれば、この制度を批判的に扱う者はいなかった、なんとも言えない程に大人の事情である、
「失礼します」
エレインが事務室に入ると、受付の事務員が顔を上げ、驚いた顔でエレインを見る、
「えっと、ダナさんいらっしゃいます?」
エレインがそう声をかけると、
「はい、お待ちください」
事務員はすぐに腰を上げて奥の事務机に座るダナを連れて来た、
「おはようございます、珍しいですね、どうしたんですか」
ダナは嬉しそうに微笑んだ、エレインはその笑顔にホッと安心する、自分が生徒である事は確固たる事実なのであるが、事務室に来なければならない用件は全てオリビアやその前任者に丸投げしていたのだ、実の所エレインは初めて事務室に入る、6年近く通っていたにも係わらずである、商会長として諸々を切り盛りするようになってから、改めて自分のここ2・3年のぐうたらぶりに反吐が出る思いであった、
「えっと、人材を募集したいと考えておりまして、その手続きをと思いました、ユーリ先生がダナさんに相談するようにとの事でしたので、忙しいです?」
貴族とは思えない低姿勢である、とても商工ギルド相手に大演説を打った人間とは思えない、それは勝手を知らなかった故の若さと勢いであり、今は勝手を知っているが故の尻込みと遠慮がその態度に表れている、
「まぁ、勿論です、そうですね、ちょっとお待ちを、あ、向こうの席にどうぞ、お茶を用意しますね、担当と一緒にお伺いします」
ダナは応接用のテーブルを指差し、事務机に戻った、エレインはなんとかなりそうかなと思いつつ、席に座り木簡を取り出す、すぐにダナと求人担当が席に着いた、
「初めましてですね、求人を担当してますネスケーです、六花商会のエレイン会長ですよね、噂を聞いております、宜しくお願い致します」
ネスケーと名乗った事務員が綺麗に頭を下げる、
「御丁寧にありがとうございます、良い噂であれば嬉しいのですが、こちらこそ宜しくお願い致します」
エレインも優雅に一礼する、
「勿論良い噂ですよ、お店の方には時々伺っているんですよ、美味しいですよね、ブロンパン、あと、ソフティーとか先日のやわらかクリームですか、あれも関わられているんでしょ、あと事務長のガラスペンも、得意気に使ってますよ事務長、それにダナから聞いてますよ、鏡の件」
ネスケーは朗らかに話し出す、どうやらエレインに対してというよりも商会に対して好印象のようであった、
「それはありがとうございます、先々日かな?新しい品も販売しておりますので、そちらもお勧めですよ」
「え、そうだったんですか、事務長が騒いでなかったから知りませんでした、ね?」
「そうね、もしかしてあれですか祭りの時に販売してた、なんでしたっけ?」
「ベールパンとロールケーキですね」
「それですそれ、ベールパン美味しかったですよ、ロールケーキも家族で食べました、あれも販売してるんですか?」
「はい、持ち帰り専用です、数量限定なので早めに・・・といってはあれですが、御注文頂ければあらかじめ用意しておく事もできますよ」
「え、そうだったんだ、それいいですね」
「ふふ、従業員の発案です、来客用に大量に欲しい時もあるだろうからって」
「なるほどー、それいいですねー」
3人は歳も近い事もあってか一頻り店舗の話で盛り上がる、事務所内の事務員達も聞き耳を立てている様子であった、時折羨ましそうな視線が3人へ向けられる、
「あ、で、求人の件ですよね」
ネスケーが本題を切り出した、
「そうですね、えーと、取り合えずこちらを、求人として必要な情報かと思うのですが、他に必要な事があればと思います」
エレインが木簡をスッと差し出し、拝見しますと一言おいてネスケーとダナが覗き込む、そして、
「これって、もしかして、ガラス鏡の店ですか?」
ダナが嬉しそうに顔を上げた、
「わかりますか?」
「勿論ですよ、うん、待ってたんですよー、良かったですねー、でも、貴族向けの区域ですよね、あー、そっかー、いや、そうなるよねー、おめでとうございますー」
「ありがとうございます、何とか店舗を確保できまして、そこで働く人材が欲しいなと相談にお邪魔した次第です」
「そっかー、そうなるとメイド科かなー、でもあれですか、学部とかは気にされます?」
ネスケーがエレインの木簡と自身が持って来た木簡を見比べながら確認する、
「そうですね、メイド科が最も適しているとは思うのですが、本人のやる気次第ですね、学部は問いません、対面販売が主業務となりますので、その点を理解して頂ければ、それと開店までの期間が若干あります、その間の準備作業もありますので、何でも嫌がらずに対応してもらえれば嬉しいですね」
「なるほど・・・えーと、こちらに無い情報としては住み込みは可能ですか?」
「住み込みですか・・・うーん・・・希望されればできますね、こちらの店舗では無く、商会の事務所になりますが、まぁ、何とかなると思います」
エレインは少し考え、テラが住んでいるのであるから可能は可能かとそう考えた、
「うんうん、その際の従業員側の費用負担はありますか?それと面接その他の日程はどのようになさいます?」
「えーと、ユーリ先生とも話したのですが・・・」
そこからネスケーが中心となって細かい点が打合せされ、特に問題も無く受付は済んだようである、思った以上に円滑に進んだ為かエレインはやや拍子抜けといった感じで、
「こんな簡単で大丈夫です?」
逆に心配して問い直すほどであった、
「大丈夫ですよ、だって・・・ね」
ネスケーはダナへと笑いかけ、
「そうですよ、実は何ですが、2・3件かな六花商会で働き口がないかと問い合わせもあったのです」
「へっ、そうなんですか?」
「そりゃもう、ジャネットさん達が働いてますでしょう、であれば、私もって子がいても不思議ではないですよ」
「・・・それもそうですね、あの、面倒をおかけしてないですか?」
「面倒なんて、全然、生徒達が仕事をする事は奨励はできませんが認められておりますし、ほら、お店の方で皆さん楽しそうに働いてますからね、そりゃ、自分もって思うでしょうしね」
「それは・・・嬉しいですね」
「そうですよね、それにこの給金の額を見たら・・・」
ダナが木簡へ視線を移す、
「うん、私もこれ応募していいですか?」
ネスケーがどこまで本気か分からないがニヤニヤと上目遣いとなる、
「そんな、学園とは問題を起こしたくないので勘弁して下さい、でも・・・事務員さんも欲しいのですよね、すっかり忙しくなってしまって・・・」
「本気ですか?」
「まぁ、忙しいのは忙しいですし、手が足りないと言えばそうですから・・・」
エレインが何とも困った顔になった所で、
「エレイン会長、うちの事務員を勧誘するのは無しですぞ」
事務室の奥から厳めしい声がエレインへ投げかけられた、ビクリと肩を震わせ顔を上げると、事務長が笑顔でこちらへ歩いて来る、
「これはおはようございます、事務長先生」
「おはようございます、事務室でお会いするのは初めてですかな?どういうわけか寮でお会いする事の方が多いらしい」
「ふふ、そうですね」
笑顔のまま3人の側に立つ事務長である、
「求人との事ですが、どうですかな?問題はないですか?」
「はい、取り敢えずは、でも、優秀な人材であれば幾らでも欲しいのですよね、例えばダナさんみたいな」
ニヤリと微笑むエレインである、急に自分の名を出されダナはえっと驚いた、
「ほう、それは良い目をしておりますな、流石、新進気鋭の商会です、そうでなければ」
鷹揚に微笑む事務長である、あー、これは冗談かとダナは理解を示し、ネスケーもそういう事であればと、
「えー、私は駄目ですかー」
これ見よがしに口を尖らせる、
「もう少し仕事をしてみませんと分かりませんもの」
エレインの冷静な答えに、
「えー、厳しいなー」
「うむ、仕事とは厳しいものです」
「まったくですね」
事務長とエレインは笑い合い、ダナとネスケーも笑顔となった。
エレインは卒業に必要とされる授業は全て終えていた、在籍しているのは政治経済学部の貴族科である、貴族の子弟のみが入る事ができる学科となり、一般的には3年で講義科目は終える事ができる、共通科目が2年、専攻科目が1年である、エレインはこの学園に合わせて5年在籍している、来春を迎えれば6年になるのであろうか、入学してからの3年はそれなりに真面目に授業に参加し、一通り修めてからは暇つぶしで学園に通っていた、まさに訳ありのお嬢様である、そのような生徒は数人在籍しているらしいが学園に顔を出す者は少ない、というかほぼいない、恐らくであるが訳あり故にちゃんとした屋敷を用意され生活に不自由はしてないのであろう、エレインのように下級貴族で寮住まいの上に訳ありな人間は少ないのではないだろうか、何故それが許されているのかと考えれば、この学園では貴族科については金さえ払っておけば学生としての身分を提供してくれる都合の良い制度がある、平民から見たら理解されないであろうが、訳ありとされる貴族の子弟としては実に便利な身の置き場なのであった、毎年の授業料としてある程度の寄付を無心されるが、訳あり故に地元に置く事も放逐する事も難しい身に適当な身分とそれに付随し居場所を提供してくれるのである、面子を保つことが重要な仕事とされる貴族としては、至極便利な機構として重宝されているのである、勿論、真面目に勉強ししっかりと卒業する者が大半なのである、しかし、学園側としてもそういった社会的不良生徒を抱えるだけで一定の収入が見込めるのであれば、この制度を批判的に扱う者はいなかった、なんとも言えない程に大人の事情である、
「失礼します」
エレインが事務室に入ると、受付の事務員が顔を上げ、驚いた顔でエレインを見る、
「えっと、ダナさんいらっしゃいます?」
エレインがそう声をかけると、
「はい、お待ちください」
事務員はすぐに腰を上げて奥の事務机に座るダナを連れて来た、
「おはようございます、珍しいですね、どうしたんですか」
ダナは嬉しそうに微笑んだ、エレインはその笑顔にホッと安心する、自分が生徒である事は確固たる事実なのであるが、事務室に来なければならない用件は全てオリビアやその前任者に丸投げしていたのだ、実の所エレインは初めて事務室に入る、6年近く通っていたにも係わらずである、商会長として諸々を切り盛りするようになってから、改めて自分のここ2・3年のぐうたらぶりに反吐が出る思いであった、
「えっと、人材を募集したいと考えておりまして、その手続きをと思いました、ユーリ先生がダナさんに相談するようにとの事でしたので、忙しいです?」
貴族とは思えない低姿勢である、とても商工ギルド相手に大演説を打った人間とは思えない、それは勝手を知らなかった故の若さと勢いであり、今は勝手を知っているが故の尻込みと遠慮がその態度に表れている、
「まぁ、勿論です、そうですね、ちょっとお待ちを、あ、向こうの席にどうぞ、お茶を用意しますね、担当と一緒にお伺いします」
ダナは応接用のテーブルを指差し、事務机に戻った、エレインはなんとかなりそうかなと思いつつ、席に座り木簡を取り出す、すぐにダナと求人担当が席に着いた、
「初めましてですね、求人を担当してますネスケーです、六花商会のエレイン会長ですよね、噂を聞いております、宜しくお願い致します」
ネスケーと名乗った事務員が綺麗に頭を下げる、
「御丁寧にありがとうございます、良い噂であれば嬉しいのですが、こちらこそ宜しくお願い致します」
エレインも優雅に一礼する、
「勿論良い噂ですよ、お店の方には時々伺っているんですよ、美味しいですよね、ブロンパン、あと、ソフティーとか先日のやわらかクリームですか、あれも関わられているんでしょ、あと事務長のガラスペンも、得意気に使ってますよ事務長、それにダナから聞いてますよ、鏡の件」
ネスケーは朗らかに話し出す、どうやらエレインに対してというよりも商会に対して好印象のようであった、
「それはありがとうございます、先々日かな?新しい品も販売しておりますので、そちらもお勧めですよ」
「え、そうだったんですか、事務長が騒いでなかったから知りませんでした、ね?」
「そうね、もしかしてあれですか祭りの時に販売してた、なんでしたっけ?」
「ベールパンとロールケーキですね」
「それですそれ、ベールパン美味しかったですよ、ロールケーキも家族で食べました、あれも販売してるんですか?」
「はい、持ち帰り専用です、数量限定なので早めに・・・といってはあれですが、御注文頂ければあらかじめ用意しておく事もできますよ」
「え、そうだったんだ、それいいですね」
「ふふ、従業員の発案です、来客用に大量に欲しい時もあるだろうからって」
「なるほどー、それいいですねー」
3人は歳も近い事もあってか一頻り店舗の話で盛り上がる、事務所内の事務員達も聞き耳を立てている様子であった、時折羨ましそうな視線が3人へ向けられる、
「あ、で、求人の件ですよね」
ネスケーが本題を切り出した、
「そうですね、えーと、取り合えずこちらを、求人として必要な情報かと思うのですが、他に必要な事があればと思います」
エレインが木簡をスッと差し出し、拝見しますと一言おいてネスケーとダナが覗き込む、そして、
「これって、もしかして、ガラス鏡の店ですか?」
ダナが嬉しそうに顔を上げた、
「わかりますか?」
「勿論ですよ、うん、待ってたんですよー、良かったですねー、でも、貴族向けの区域ですよね、あー、そっかー、いや、そうなるよねー、おめでとうございますー」
「ありがとうございます、何とか店舗を確保できまして、そこで働く人材が欲しいなと相談にお邪魔した次第です」
「そっかー、そうなるとメイド科かなー、でもあれですか、学部とかは気にされます?」
ネスケーがエレインの木簡と自身が持って来た木簡を見比べながら確認する、
「そうですね、メイド科が最も適しているとは思うのですが、本人のやる気次第ですね、学部は問いません、対面販売が主業務となりますので、その点を理解して頂ければ、それと開店までの期間が若干あります、その間の準備作業もありますので、何でも嫌がらずに対応してもらえれば嬉しいですね」
「なるほど・・・えーと、こちらに無い情報としては住み込みは可能ですか?」
「住み込みですか・・・うーん・・・希望されればできますね、こちらの店舗では無く、商会の事務所になりますが、まぁ、何とかなると思います」
エレインは少し考え、テラが住んでいるのであるから可能は可能かとそう考えた、
「うんうん、その際の従業員側の費用負担はありますか?それと面接その他の日程はどのようになさいます?」
「えーと、ユーリ先生とも話したのですが・・・」
そこからネスケーが中心となって細かい点が打合せされ、特に問題も無く受付は済んだようである、思った以上に円滑に進んだ為かエレインはやや拍子抜けといった感じで、
「こんな簡単で大丈夫です?」
逆に心配して問い直すほどであった、
「大丈夫ですよ、だって・・・ね」
ネスケーはダナへと笑いかけ、
「そうですよ、実は何ですが、2・3件かな六花商会で働き口がないかと問い合わせもあったのです」
「へっ、そうなんですか?」
「そりゃもう、ジャネットさん達が働いてますでしょう、であれば、私もって子がいても不思議ではないですよ」
「・・・それもそうですね、あの、面倒をおかけしてないですか?」
「面倒なんて、全然、生徒達が仕事をする事は奨励はできませんが認められておりますし、ほら、お店の方で皆さん楽しそうに働いてますからね、そりゃ、自分もって思うでしょうしね」
「それは・・・嬉しいですね」
「そうですよね、それにこの給金の額を見たら・・・」
ダナが木簡へ視線を移す、
「うん、私もこれ応募していいですか?」
ネスケーがどこまで本気か分からないがニヤニヤと上目遣いとなる、
「そんな、学園とは問題を起こしたくないので勘弁して下さい、でも・・・事務員さんも欲しいのですよね、すっかり忙しくなってしまって・・・」
「本気ですか?」
「まぁ、忙しいのは忙しいですし、手が足りないと言えばそうですから・・・」
エレインが何とも困った顔になった所で、
「エレイン会長、うちの事務員を勧誘するのは無しですぞ」
事務室の奥から厳めしい声がエレインへ投げかけられた、ビクリと肩を震わせ顔を上げると、事務長が笑顔でこちらへ歩いて来る、
「これはおはようございます、事務長先生」
「おはようございます、事務室でお会いするのは初めてですかな?どういうわけか寮でお会いする事の方が多いらしい」
「ふふ、そうですね」
笑顔のまま3人の側に立つ事務長である、
「求人との事ですが、どうですかな?問題はないですか?」
「はい、取り敢えずは、でも、優秀な人材であれば幾らでも欲しいのですよね、例えばダナさんみたいな」
ニヤリと微笑むエレインである、急に自分の名を出されダナはえっと驚いた、
「ほう、それは良い目をしておりますな、流石、新進気鋭の商会です、そうでなければ」
鷹揚に微笑む事務長である、あー、これは冗談かとダナは理解を示し、ネスケーもそういう事であればと、
「えー、私は駄目ですかー」
これ見よがしに口を尖らせる、
「もう少し仕事をしてみませんと分かりませんもの」
エレインの冷静な答えに、
「えー、厳しいなー」
「うむ、仕事とは厳しいものです」
「まったくですね」
事務長とエレインは笑い合い、ダナとネスケーも笑顔となった。
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