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本編
39話 チンチクリンな職人さん その1
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「おはよー」
翌日、いつもの通りに、否、より精彩を欠いたユーリが食堂へ暗い顔を出し、その背後には同様に暗い顔のカトカとサビナが続いていた、
「あー、カトカとサビナだー、おはよー」
ミナがユーリを素通りしてカトカとサビナへ駆け寄る、
「おはようございます」
「朝から元気なのねー」
カトカは律儀に挨拶し、サビナはめんどくさそうにミナの頭を撫でつけた、
「どうしたのー?今日はお泊り?」
「そうよー」
「そうなんですよ、呑み過ぎまして・・・」
「うん、あれだ、たまには良いかななんてね、寒くなったら出来ないし」
ミナの質問にそれぞれがウダウダと答えつつ席に着く3人である、
「ソフィー、二人分追加ねー」
ユーリは席に着くなり大声を上げ、厨房からソフィアの大声が返ってくるが何を言っているのか聞き取れなかった、
「おはようございます」
テラが3人へ爽やかに声をかけ、ジェネットとケイスも振り返って笑顔を見せる、
「わっ、なに?テラさん平気なの?」
カトカが小さく驚いている、
「ふふ、お酒には強いんです、私」
テラが朗らかに微笑んだ、昨夜の酒宴にはテラも同席しており、カトカの記憶によればかなりの酒量をその胃に納めているはずである、
「あー、羨ましー、何かお酒強い人ってかっこいいよねー」
サビナは両のこめかみを両手の人差し指で抑えつつ唸るように呟く、
「そうねー」
ユーリは常以上に駄目そうである、天井を仰いで実にだらしない、
「センセー、顔、洗ってきたらー」
「そうですよー、美人先生ならしっかりしなきゃですよー」
見兼ねたジャネットの助言とケイスの非難の声である、
「あー、そうねー、二人も行くー?」
ユーリは実にだるそうに腰を上げ、カトカとサビナもそれに続いた、そこへ、洗顔を終えたエレインが厨房から入って来る、
「あら、おはようございます」
寝起きのエレインらしくない爽やかな笑顔である、
「ありゃ、エレインさん最近朝も元気ねー」
ユーリがどこで見ているのか分からないほどの薄目でエレインの姿を捉え、
「そうなのよー、エレインさまの寝坊助が直ったのー」
ミナが溜まらず口を挟む、
「ふふ、そうなんです、リシア様の薬草ワインのお陰ですわ、寝る前にほんの少し頂くと朝から快調なんですのよ」
エレインは微笑みつつ朝食のトレーを手にした、
「へー、いいなー、それー、リシア様に言えば手配してくれるかな?」
「大丈夫だと思いますよ、でも、アフラさんに言うのが手っ取り早いとも思いますが」
「でも、それって、王族御用達なんですよねー」
「そーだよねー、なんか高そー」
「あー、研究に使うとかなんとか言って取り寄せるかー」
「それは職権乱用ですよー」
「いいのよー、少しぐらい、構わないわー」
「それ、手に入っても一日で飲み尽くしちゃ駄目ですよー」
「失礼ねー、あー、ソフィアー、リシア様の薬草ワインって知ってるー?」
テーブルに着くエレインと、グダグダと内庭へ向かう3人である、
「ふふ、調子が良いと不思議と朝が楽しくなりますわね」
エレインは健康的な笑みを浮かべて塩の壺に手を伸ばすのであった。
朝食後、エレインとテラは事務所へ向かうと、エレインは前日の売上報告を確認し、テラは朝の定例業務を済ませてそそくさとエレインの元へ向かい打ち合わせを始めた、
「まずは今日の対応ですわね」
エレインは売上報告の木簡を机に置くと顔を上げる、
「はい、ユーリ先生とサビナさんには根回し済みですので、後はこちらの要望と向こうの要望のすり合わせかと思います」
テラが冷静に答える、事務的な口調であった、公私の切り替えが実に早いとエレインは感じつつ、
「そうね、私としては話しを聞く限りだと面白そうな人材のようですし、やる気も感じられます、エフモントさん云々は置いておいても縁は繋いでおきたい・・・とは思いますが」
「はい、その点については私も同意見ですね、女性はどうしても受け身になりがちですから、特に仕事に関しては・・・社会的、家庭的な面でそれは仕方が無いとも思いますが、自ら他人の門を叩く程の胆力の持ち主であれば、良い仕事をしてくれるものと考えます」
「でも、あれよ、ジャネットさん見たく欲望が先にあって突っ走る人格は駄目よね」
エレインは口の端を微妙に上げる、
「そうでしょうか?お話しを聞く限りそのジャネットさんの暴走がこの商会の元なのでしょう?」
「・・・そうね、そうだったわ」
エレインは苦笑いを浮かべつつ、
「なるほど、そういう方向性もありかしら・・・」
と左拳を口元に当てる、
「と言いますと?」
「少し考えていたんですが、その方の背景を考えた時に自立してお店を持つのが一番理想的なのではないかしら・・・そう思ってしまってね」
「自立ですか・・・確かに、その気になれば資金は潤沢・・・でしょうしね、裏の顔役が養父で姉妹が遊女屋の経営者となれば、資金の面でも、人材の面でも、経営知識もあるでしょうし・・・はい、十分ですよね」
「そうなんですよ、であれば、修行と言わずにお店を持たせたいんじゃないかなって、その実家としても・・・」
「確かに、それが出来ない理由でもあるんでしょうか?それとも本人が嫌がっているのかな?簡単な事ではないですからね」
「簡単ではないでしょうけど、実際に経営者に囲まれているのであれば助言できる人は多いでしょう・・・ま、そうなると、一つのやり方として、そうね・・・下着専門店の開業を目標にするというのはどうかしら?」
「まぁ、それ、素敵ですね」
「前に寝付けない時に考えていたんですが、やっぱりほら、いくら普段着は作るものと言っても人それぞれで上手い下手はありますからね、その上、ソフティーに関して言えば肌に密着してさらに個々人に合わせて作るのが理想の品ですから、袖や丈を直せば良いと言うものでは無いですし、穴が開いたら繕えば良いというものでもないですし」
「確かに、さらに言えば、その用途も最初から3種類も提示してしまいましたからね、体型に合わせて選択できるようにという前提はありますが、その点を考えて自作するとしても難易度は高いのですよね」
「そうね、各商会で今後どのように展開していくかを考えているとは思いますが、個々人に合わせるという思考で商品展開していく商会さんがどれほどあるか・・・興味があるのですが、その答えは暫く先になりますわね」
「その点は私達が口出しできる範囲を超えていますからね、確かに興味はありますが・・・うーん、基本的にあの業界は作るだけ作って、身体に合わせるのはお客様でお好きにどうぞ・・・が主流だと思いますから・・・そうなると」
「そうなのよ、身体に合わない下着で苦しむ女性が増えるかも・・・なのよね、ほら、どうしても見栄を張りたいじゃない」
エレインは自身の胸元へ視線を落とす、
「その為の、エーレじゃないですかー」
テラはニコリと微笑むも、
「だからこそよ、この下着だって、ちゃんと胸を下から持ち上げてくれているからね、動き回る時にそれなりに楽なのよ、無いなりにね、それに締め付ける事で背筋が伸びる感じがするし、無いなりにね、朝起きてゴソゴソとこれを着けるだけで、身体が目覚める気がするのよね、無いなりに」
「会長、しつこいですよ」
エレインは無表情で言葉を紡ぎ、テラは若干引き気味にしかめっ面となる、
「でも、大事でしょ、それにテラさんがオーリを着けたら苦しいだけでしょ?それに大きい人ほどその身体に合った品にしないとだしね」
「そうですけど・・・ん、ではこういうのはどうです、下着専門店である事を標榜しつつ、お客様に最も合った品を紹介する店というのは?」
「どういうこと?」
エレインは素直に問い返す、
「はい、下着を売る・・・というのは一旦置いておいて、そうですね、相談所みたいな感じでしょうか?その人に合う形を提案できて、その下着を販売している商会を紹介する・・・ような・・・場合によっては購入した品をその人に合わせて修繕する事もできるみたいな?」
「・・・それ、面白いですわね・・・」
「これであれば服飾商会さんとの軋轢は少ないでしょうし、さらに言えば様々な女性の体型を探る事もできます、その上で・・・そうだ、大事な点、普段着の直しについても助言するような?サビナさんにギルドでの講習会でその点を強く口にして貰いましたけど、その点がおざなりにならないように啓蒙し続ける必要もありますから」
「なるほど・・・下着と服飾の相談所・・・ですか・・・」
「ただし、これだけでは商売にはならないですね、そうなると、どこの商会もやらない事であると思います」
「でも、必要かもね・・・女はとかく見栄を張りますからね・・・うん・・・そうでは無いと・・・それでは自分の魅力を表現できていないぞ・・・と」
「それと不必要に締め付けるのも良くないと、ソフィアさんもその点に注意してましたしね」
「・・・健康的に、活動的になる為の品である、その為の下着である、そこは譲れないわよね」
「その上で・・・どうでしょう、美容に繋げるなり、ガラス鏡の販促に繋げるなり・・・飛躍し過ぎですかね」
「いいえ、うん、良い案だと思いますわ・・・でも、今日の人がそれに対応できるかしら?」
「あっ、そうですよね、話しがだいぶズレましたね」
二人は小さく微笑みあって、
「うん、その人の考えも聞いてみましょう、それからでも遅く無いわね、では、もっと大きな問題ね」
エレインは机上の木簡を探りつつ、
「新店舗・・・というか王子様の仮住まいに関してよね、お金の心配は無くりましたが、それ以上にパトリシア様に御満足頂ける物件でないと、さらに第二王妃様ですからね・・・パトリシア様から聞く限り第二王妃様の方が口うるさい感じでしたが・・・」
「それもありますね・・・上級貴族様を満足させるお屋敷で店舗で・・・難しいですね・・・」
二人は同時に大きな溜息を吐くのであった。
翌日、いつもの通りに、否、より精彩を欠いたユーリが食堂へ暗い顔を出し、その背後には同様に暗い顔のカトカとサビナが続いていた、
「あー、カトカとサビナだー、おはよー」
ミナがユーリを素通りしてカトカとサビナへ駆け寄る、
「おはようございます」
「朝から元気なのねー」
カトカは律儀に挨拶し、サビナはめんどくさそうにミナの頭を撫でつけた、
「どうしたのー?今日はお泊り?」
「そうよー」
「そうなんですよ、呑み過ぎまして・・・」
「うん、あれだ、たまには良いかななんてね、寒くなったら出来ないし」
ミナの質問にそれぞれがウダウダと答えつつ席に着く3人である、
「ソフィー、二人分追加ねー」
ユーリは席に着くなり大声を上げ、厨房からソフィアの大声が返ってくるが何を言っているのか聞き取れなかった、
「おはようございます」
テラが3人へ爽やかに声をかけ、ジェネットとケイスも振り返って笑顔を見せる、
「わっ、なに?テラさん平気なの?」
カトカが小さく驚いている、
「ふふ、お酒には強いんです、私」
テラが朗らかに微笑んだ、昨夜の酒宴にはテラも同席しており、カトカの記憶によればかなりの酒量をその胃に納めているはずである、
「あー、羨ましー、何かお酒強い人ってかっこいいよねー」
サビナは両のこめかみを両手の人差し指で抑えつつ唸るように呟く、
「そうねー」
ユーリは常以上に駄目そうである、天井を仰いで実にだらしない、
「センセー、顔、洗ってきたらー」
「そうですよー、美人先生ならしっかりしなきゃですよー」
見兼ねたジャネットの助言とケイスの非難の声である、
「あー、そうねー、二人も行くー?」
ユーリは実にだるそうに腰を上げ、カトカとサビナもそれに続いた、そこへ、洗顔を終えたエレインが厨房から入って来る、
「あら、おはようございます」
寝起きのエレインらしくない爽やかな笑顔である、
「ありゃ、エレインさん最近朝も元気ねー」
ユーリがどこで見ているのか分からないほどの薄目でエレインの姿を捉え、
「そうなのよー、エレインさまの寝坊助が直ったのー」
ミナが溜まらず口を挟む、
「ふふ、そうなんです、リシア様の薬草ワインのお陰ですわ、寝る前にほんの少し頂くと朝から快調なんですのよ」
エレインは微笑みつつ朝食のトレーを手にした、
「へー、いいなー、それー、リシア様に言えば手配してくれるかな?」
「大丈夫だと思いますよ、でも、アフラさんに言うのが手っ取り早いとも思いますが」
「でも、それって、王族御用達なんですよねー」
「そーだよねー、なんか高そー」
「あー、研究に使うとかなんとか言って取り寄せるかー」
「それは職権乱用ですよー」
「いいのよー、少しぐらい、構わないわー」
「それ、手に入っても一日で飲み尽くしちゃ駄目ですよー」
「失礼ねー、あー、ソフィアー、リシア様の薬草ワインって知ってるー?」
テーブルに着くエレインと、グダグダと内庭へ向かう3人である、
「ふふ、調子が良いと不思議と朝が楽しくなりますわね」
エレインは健康的な笑みを浮かべて塩の壺に手を伸ばすのであった。
朝食後、エレインとテラは事務所へ向かうと、エレインは前日の売上報告を確認し、テラは朝の定例業務を済ませてそそくさとエレインの元へ向かい打ち合わせを始めた、
「まずは今日の対応ですわね」
エレインは売上報告の木簡を机に置くと顔を上げる、
「はい、ユーリ先生とサビナさんには根回し済みですので、後はこちらの要望と向こうの要望のすり合わせかと思います」
テラが冷静に答える、事務的な口調であった、公私の切り替えが実に早いとエレインは感じつつ、
「そうね、私としては話しを聞く限りだと面白そうな人材のようですし、やる気も感じられます、エフモントさん云々は置いておいても縁は繋いでおきたい・・・とは思いますが」
「はい、その点については私も同意見ですね、女性はどうしても受け身になりがちですから、特に仕事に関しては・・・社会的、家庭的な面でそれは仕方が無いとも思いますが、自ら他人の門を叩く程の胆力の持ち主であれば、良い仕事をしてくれるものと考えます」
「でも、あれよ、ジャネットさん見たく欲望が先にあって突っ走る人格は駄目よね」
エレインは口の端を微妙に上げる、
「そうでしょうか?お話しを聞く限りそのジャネットさんの暴走がこの商会の元なのでしょう?」
「・・・そうね、そうだったわ」
エレインは苦笑いを浮かべつつ、
「なるほど、そういう方向性もありかしら・・・」
と左拳を口元に当てる、
「と言いますと?」
「少し考えていたんですが、その方の背景を考えた時に自立してお店を持つのが一番理想的なのではないかしら・・・そう思ってしまってね」
「自立ですか・・・確かに、その気になれば資金は潤沢・・・でしょうしね、裏の顔役が養父で姉妹が遊女屋の経営者となれば、資金の面でも、人材の面でも、経営知識もあるでしょうし・・・はい、十分ですよね」
「そうなんですよ、であれば、修行と言わずにお店を持たせたいんじゃないかなって、その実家としても・・・」
「確かに、それが出来ない理由でもあるんでしょうか?それとも本人が嫌がっているのかな?簡単な事ではないですからね」
「簡単ではないでしょうけど、実際に経営者に囲まれているのであれば助言できる人は多いでしょう・・・ま、そうなると、一つのやり方として、そうね・・・下着専門店の開業を目標にするというのはどうかしら?」
「まぁ、それ、素敵ですね」
「前に寝付けない時に考えていたんですが、やっぱりほら、いくら普段着は作るものと言っても人それぞれで上手い下手はありますからね、その上、ソフティーに関して言えば肌に密着してさらに個々人に合わせて作るのが理想の品ですから、袖や丈を直せば良いと言うものでは無いですし、穴が開いたら繕えば良いというものでもないですし」
「確かに、さらに言えば、その用途も最初から3種類も提示してしまいましたからね、体型に合わせて選択できるようにという前提はありますが、その点を考えて自作するとしても難易度は高いのですよね」
「そうね、各商会で今後どのように展開していくかを考えているとは思いますが、個々人に合わせるという思考で商品展開していく商会さんがどれほどあるか・・・興味があるのですが、その答えは暫く先になりますわね」
「その点は私達が口出しできる範囲を超えていますからね、確かに興味はありますが・・・うーん、基本的にあの業界は作るだけ作って、身体に合わせるのはお客様でお好きにどうぞ・・・が主流だと思いますから・・・そうなると」
「そうなのよ、身体に合わない下着で苦しむ女性が増えるかも・・・なのよね、ほら、どうしても見栄を張りたいじゃない」
エレインは自身の胸元へ視線を落とす、
「その為の、エーレじゃないですかー」
テラはニコリと微笑むも、
「だからこそよ、この下着だって、ちゃんと胸を下から持ち上げてくれているからね、動き回る時にそれなりに楽なのよ、無いなりにね、それに締め付ける事で背筋が伸びる感じがするし、無いなりにね、朝起きてゴソゴソとこれを着けるだけで、身体が目覚める気がするのよね、無いなりに」
「会長、しつこいですよ」
エレインは無表情で言葉を紡ぎ、テラは若干引き気味にしかめっ面となる、
「でも、大事でしょ、それにテラさんがオーリを着けたら苦しいだけでしょ?それに大きい人ほどその身体に合った品にしないとだしね」
「そうですけど・・・ん、ではこういうのはどうです、下着専門店である事を標榜しつつ、お客様に最も合った品を紹介する店というのは?」
「どういうこと?」
エレインは素直に問い返す、
「はい、下着を売る・・・というのは一旦置いておいて、そうですね、相談所みたいな感じでしょうか?その人に合う形を提案できて、その下着を販売している商会を紹介する・・・ような・・・場合によっては購入した品をその人に合わせて修繕する事もできるみたいな?」
「・・・それ、面白いですわね・・・」
「これであれば服飾商会さんとの軋轢は少ないでしょうし、さらに言えば様々な女性の体型を探る事もできます、その上で・・・そうだ、大事な点、普段着の直しについても助言するような?サビナさんにギルドでの講習会でその点を強く口にして貰いましたけど、その点がおざなりにならないように啓蒙し続ける必要もありますから」
「なるほど・・・下着と服飾の相談所・・・ですか・・・」
「ただし、これだけでは商売にはならないですね、そうなると、どこの商会もやらない事であると思います」
「でも、必要かもね・・・女はとかく見栄を張りますからね・・・うん・・・そうでは無いと・・・それでは自分の魅力を表現できていないぞ・・・と」
「それと不必要に締め付けるのも良くないと、ソフィアさんもその点に注意してましたしね」
「・・・健康的に、活動的になる為の品である、その為の下着である、そこは譲れないわよね」
「その上で・・・どうでしょう、美容に繋げるなり、ガラス鏡の販促に繋げるなり・・・飛躍し過ぎですかね」
「いいえ、うん、良い案だと思いますわ・・・でも、今日の人がそれに対応できるかしら?」
「あっ、そうですよね、話しがだいぶズレましたね」
二人は小さく微笑みあって、
「うん、その人の考えも聞いてみましょう、それからでも遅く無いわね、では、もっと大きな問題ね」
エレインは机上の木簡を探りつつ、
「新店舗・・・というか王子様の仮住まいに関してよね、お金の心配は無くりましたが、それ以上にパトリシア様に御満足頂ける物件でないと、さらに第二王妃様ですからね・・・パトリシア様から聞く限り第二王妃様の方が口うるさい感じでしたが・・・」
「それもありますね・・・上級貴族様を満足させるお屋敷で店舗で・・・難しいですね・・・」
二人は同時に大きな溜息を吐くのであった。
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