343 / 1,141
本編
38話 エレイン様は忙しい その13
しおりを挟む
「ごめんねー、忙しいんじゃない?」
「忙しいは忙しいんでしょうけど、もうあれです、クロノス様から陛下の紹介をされた瞬間にこれは仕事にならないなって、覚悟しましたから」
カトカはヤレヤレと肩を落とし、ソフィアはそっかーと微笑んだ、二人は厨房で夕食の準備に勤しんでいる、カトカは異常に機嫌のよい学園長と服飾に関する事で打ち合わせをしていた所に、3階の転送陣を従者の面々がバタバタと行きかい、さらにクロノスがのそりとその姿を現した挙句、リンドが大量の食材を持って現れたのを見て、これはそう言う事かとソフィアの手伝いを買って出たのであった、
「それに、たまには料理もしないと、腕がなまるってもんですよ」
カトカはそう言って小麦を練る腕に力を籠める、
「そういや、朝食はどうしてるの?」
「朝食ですか?・・・えっと、適当ですね、宿舎に共同の調理場があるんです、そこで、パンとか果物とか摘まんで済ましてますね、それと近くに朝からやってる食堂があるんですけど、そこで済ませる日もあります、宿舎の周辺は独身が多いみたいなんですよね、なもんで朝から男共が多くて、毎日行ってもいいんですけど・・・はぁー」
カトカは溜息を吐く、男共の無遠慮な視線が嫌なのであろう、それが好意であると理解した今でもやはりあの視線は不愉快に感じている、
「そうなんだー、なら、寮で朝食も食べる?今は何だかんだで9人分か、結構作ってるのよね、少々増えてもいいわよー」
「それは申し訳ないですよ、それに転送陣は所長が開けないとですから」
「あ、それもあったわね」
「そうですねー、お気持ちだけ頂いておきます」
「そっかー、あ、そうだ、旦那がね、一日三食は食べなきゃ駄目だって言うんだけど、どう思う?」
ソフィアは思い出したように話題を変える、
「三食ですか・・・贅沢に聞こえますね」
「そうよねー、でも、実際にやってみたら、確かに調子は良いのよね、一日どころか夜になっても動ける感じ?」
「それは・・・また、凄いですね」
「そうなのよ、でも、手間がねー、それにほらそういう生活習慣じゃないじゃない」
「そうですよね、でも朝と夕は分かるんですが、もう一食はどの時間帯で食べるんです?」
「正午あたり?公務時間が終わる鐘の前かしら」
「あー、それだと、難しいですよね」
「うん、別に鐘の音に合わせてもいいんだろうけど、でもその時間ってもう夕飯はどうしようかなって考えちゃってるのよね、なもんで、面倒くさくなっちゃうのよ、ほら、冬場とか陽が短いでしょ、明るいうちに夕飯を済ませようって思って行動するからね、それに何か一日中食事の事を考えている感じがしてね・・・うん、ま、いっか」
「そんな適当な・・・」
カトカは困ったような笑顔となり、
「それってあれですか?旦那さんの故郷の習慣なんですか?」
「そうみたいよー、あの人は随分遠くから来たみたいでね、最初会った時から奇妙な事ばっかり言う人で、変な人もいるもんだと思ったわ、そのくせ言葉は通じるしね、不思議な人だなーって思ったもんよ、ま、そのうち顔出すと思うから、優しくしてあげてね」
「いや、それはこちらからお願いすることですよー」
「そう?あの人、美人に滅茶苦茶弱いから、カトカさんに会ったら話しも出来ないんじゃないかしら?」
「それは・・・もう、またその話しですかー」
「またって・・・そうね、まただったわね、ごめんなさいね」
ソフィアはほくそ笑みつつ手元のボールで混ぜていたタレの味見をする、
「うん、いい感じ、後は・・・」
作業台に置かれた山となっている食材を眺めると、
「うーん、あいつら持ってくればいいって思ってるわよね、絶対・・・」
「・・・あいつら・・・は駄目だと思いますよ」
カトカが苦笑し、ソフィアはそうねと腕を組み食材を睨みつけるのであった。
「では、相変わらず突発ですが、定番の夕食会を始めまーす」
裏山での夕食も回を重ねる毎に支度の腕が上達し、本日も開催の件を聞きつけたジャネット達が率先して手伝った事もあって、驚くほど順調に会場は設えられた、
「じゃ、どうしましょう、閣下、乾杯の挨拶をお願いできます?」
ソフィアはニコリとボニファースを伺う、ボニファースは生徒の手前、陛下と呼ぶのは難しいとなり、では、より曖昧な敬称である閣下と呼ぶこととなった、その上で本人の続柄はパトリシアの父親という点に変更は無い、生徒達にはパトリシアの親孝行という曖昧な説明をしていた、
「うむ、では、日頃の感謝とそうだな、恩人達と若き王国民、それと愛すべき神々に健勝を祈って、乾杯じゃ」
ボニファースは木箱から立ち上がると短く高らかに宣言し杯を掲げる、続いて楽し気な復唱が続いた、男性陣はワインを手にしており、女性陣はソーダ水である、やや肌寒く感じるようになった夕刻であるが、良く冷やされたソーダ水は気持ちよく喉を潤し、王都から持ってきたというワインを男性陣は美味そうに喉を鳴らして流し込んでいる、
「ふー、美味しいねー」
嬉しそうに微笑むミナである、ミナもすっかり裏山での食事に慣れたようで、今日も率先して走り回ってお手伝いに励んでいた、
「さて、では、今日の料理なのですが、スイランズ君の要望もありまして、前回と同じように溶岩板での薄肉焼になります」
ソフィアはテーブル代わりに並べられた木箱の上の溶岩板を作動させ、薄く切った肉の乗ったまな板をドンドンと溶岩板の隣りへ置く、さらに様々な生野菜の乗った大皿も並べると、
「野菜もしっかりありますからね、レイン、ちゃんと食べるのよー」
急に名指しされたレインが、
「なんじゃ」
と短く非難の声をあげ、一同はクスクスと微笑む、
「さらに、今日はこちらも用意してあります」
ソフィアはコンロにかけられている中くらいの鍋の蓋を取る、一同からはその中身が見えず、数人が何だろうと腰を上げた、
「ふふ、こちらチーズです、贅沢品ですよー」
ソフィアはニコニコと微笑みつつ、
「うちの田舎では御馳走なんですが、焼いた肉とか野菜とかをこちらのチーズに入れて食べてみてください、勿論タレもありますが、チーズで食べるのも美味しいですからねー」
「おー、溶かしチーズだ、懐かしいー」
ユーリが快哉を叫ぶ、
「そうねー、ユーリの好物だったわよねー、じゃ、そういう事で、初めて参加する人には教えてあげて下さいね、あ、タレはそこに、取り皿はいいわね、それと、最後に焼きシロメンもありますので、では、お好きにどうぞ」
ソフィアが説明を終えると、それぞれが思い思いに腰を上げる、いの一番に肉に手を伸ばしたのミナであった、やがて近い関係の人が集まりつつ溶岩板を中心にして小さい円陣が形成される、今回は溶岩板を3台若干距離を置いて配置してみた、前回まではその3台を並べて置いた為、調理する者と食事に専念する者とで完全に分かれてしまっていたのである、ソフィアとしては各自が焼きながら食べるという手法に拘りたかった為、一計を案じたというところであった、
「なるほど、これは楽しいな」
ボニファースは上機嫌で肉を焼きつつワインを傾ける、
「そうですね、屋敷では出来ませんな」
ヨリックも楽しそうである、
「はい、こちら焼けましたよ」
パトリシアが焼けた肉をボニファースの取り皿に置くと、
「これは嬉しいのう、なんじゃ、母親になる練習か?」
酔いが回り始め、口の軽くなったボニファースは実の娘をからかい、
「まぁ、この程度は出来ますのよ、まったく、失礼ですわ」
プンプンと怒って見せるパトリシアに、ボニファースはさらに機嫌の良い笑い声を上げる、
「それでのう、先程、カトカさんとも話したのじゃがな、方向性はあれで良いと思う、付け加えるとなると・・・」
「はぁ・・・そうですね・・・」
ボニファースよりも上機嫌な学園長にサビナは早速捕まったようである、肉を焼く手を止めずに何とも疲れた顔で相槌を打っている、
「うー、美味しいねー、なんだろ、やっぱこのタレかな?」
「うん、この溶かしチーズも美味しいよー、これってユーリ先生の田舎料理なんですか?」
「そうよー、冬にね、暖炉に鍋をかけて、ワインを温めてチーズを入れて、塩で調整して、それに煮た野菜とか焙った干し肉とか突っ込んで食べるのよ」
「へー、温まりそうですね、それ」
「勿論よ、それに良い塩梅だわ、流石ソフィアね」
生徒達は生徒達でキャッキャと楽しそうである、本日はアニタとパウラも参加していた、その為か黄色い声がより甲高く聞こえる気がする、やがて山となった肉と野菜が心許なくなった頃合いでソフィアは焼シロメンに取りかかる、ソフィアの企みはほどよく成功したようで、各々が調理と食事を均等に楽しんでいたようであった、ソフィアは思い付きであった策がそれなりに成功したことに微笑みつつ、最後の3玉だと宣言し菜園産のメロンを切り分けた、そしてそれらが皆の胃袋に綺麗に収まると、その日の裏山での夕食は日暮れと共に楽しく終わりを迎えるのであった。
「忙しいは忙しいんでしょうけど、もうあれです、クロノス様から陛下の紹介をされた瞬間にこれは仕事にならないなって、覚悟しましたから」
カトカはヤレヤレと肩を落とし、ソフィアはそっかーと微笑んだ、二人は厨房で夕食の準備に勤しんでいる、カトカは異常に機嫌のよい学園長と服飾に関する事で打ち合わせをしていた所に、3階の転送陣を従者の面々がバタバタと行きかい、さらにクロノスがのそりとその姿を現した挙句、リンドが大量の食材を持って現れたのを見て、これはそう言う事かとソフィアの手伝いを買って出たのであった、
「それに、たまには料理もしないと、腕がなまるってもんですよ」
カトカはそう言って小麦を練る腕に力を籠める、
「そういや、朝食はどうしてるの?」
「朝食ですか?・・・えっと、適当ですね、宿舎に共同の調理場があるんです、そこで、パンとか果物とか摘まんで済ましてますね、それと近くに朝からやってる食堂があるんですけど、そこで済ませる日もあります、宿舎の周辺は独身が多いみたいなんですよね、なもんで朝から男共が多くて、毎日行ってもいいんですけど・・・はぁー」
カトカは溜息を吐く、男共の無遠慮な視線が嫌なのであろう、それが好意であると理解した今でもやはりあの視線は不愉快に感じている、
「そうなんだー、なら、寮で朝食も食べる?今は何だかんだで9人分か、結構作ってるのよね、少々増えてもいいわよー」
「それは申し訳ないですよ、それに転送陣は所長が開けないとですから」
「あ、それもあったわね」
「そうですねー、お気持ちだけ頂いておきます」
「そっかー、あ、そうだ、旦那がね、一日三食は食べなきゃ駄目だって言うんだけど、どう思う?」
ソフィアは思い出したように話題を変える、
「三食ですか・・・贅沢に聞こえますね」
「そうよねー、でも、実際にやってみたら、確かに調子は良いのよね、一日どころか夜になっても動ける感じ?」
「それは・・・また、凄いですね」
「そうなのよ、でも、手間がねー、それにほらそういう生活習慣じゃないじゃない」
「そうですよね、でも朝と夕は分かるんですが、もう一食はどの時間帯で食べるんです?」
「正午あたり?公務時間が終わる鐘の前かしら」
「あー、それだと、難しいですよね」
「うん、別に鐘の音に合わせてもいいんだろうけど、でもその時間ってもう夕飯はどうしようかなって考えちゃってるのよね、なもんで、面倒くさくなっちゃうのよ、ほら、冬場とか陽が短いでしょ、明るいうちに夕飯を済ませようって思って行動するからね、それに何か一日中食事の事を考えている感じがしてね・・・うん、ま、いっか」
「そんな適当な・・・」
カトカは困ったような笑顔となり、
「それってあれですか?旦那さんの故郷の習慣なんですか?」
「そうみたいよー、あの人は随分遠くから来たみたいでね、最初会った時から奇妙な事ばっかり言う人で、変な人もいるもんだと思ったわ、そのくせ言葉は通じるしね、不思議な人だなーって思ったもんよ、ま、そのうち顔出すと思うから、優しくしてあげてね」
「いや、それはこちらからお願いすることですよー」
「そう?あの人、美人に滅茶苦茶弱いから、カトカさんに会ったら話しも出来ないんじゃないかしら?」
「それは・・・もう、またその話しですかー」
「またって・・・そうね、まただったわね、ごめんなさいね」
ソフィアはほくそ笑みつつ手元のボールで混ぜていたタレの味見をする、
「うん、いい感じ、後は・・・」
作業台に置かれた山となっている食材を眺めると、
「うーん、あいつら持ってくればいいって思ってるわよね、絶対・・・」
「・・・あいつら・・・は駄目だと思いますよ」
カトカが苦笑し、ソフィアはそうねと腕を組み食材を睨みつけるのであった。
「では、相変わらず突発ですが、定番の夕食会を始めまーす」
裏山での夕食も回を重ねる毎に支度の腕が上達し、本日も開催の件を聞きつけたジャネット達が率先して手伝った事もあって、驚くほど順調に会場は設えられた、
「じゃ、どうしましょう、閣下、乾杯の挨拶をお願いできます?」
ソフィアはニコリとボニファースを伺う、ボニファースは生徒の手前、陛下と呼ぶのは難しいとなり、では、より曖昧な敬称である閣下と呼ぶこととなった、その上で本人の続柄はパトリシアの父親という点に変更は無い、生徒達にはパトリシアの親孝行という曖昧な説明をしていた、
「うむ、では、日頃の感謝とそうだな、恩人達と若き王国民、それと愛すべき神々に健勝を祈って、乾杯じゃ」
ボニファースは木箱から立ち上がると短く高らかに宣言し杯を掲げる、続いて楽し気な復唱が続いた、男性陣はワインを手にしており、女性陣はソーダ水である、やや肌寒く感じるようになった夕刻であるが、良く冷やされたソーダ水は気持ちよく喉を潤し、王都から持ってきたというワインを男性陣は美味そうに喉を鳴らして流し込んでいる、
「ふー、美味しいねー」
嬉しそうに微笑むミナである、ミナもすっかり裏山での食事に慣れたようで、今日も率先して走り回ってお手伝いに励んでいた、
「さて、では、今日の料理なのですが、スイランズ君の要望もありまして、前回と同じように溶岩板での薄肉焼になります」
ソフィアはテーブル代わりに並べられた木箱の上の溶岩板を作動させ、薄く切った肉の乗ったまな板をドンドンと溶岩板の隣りへ置く、さらに様々な生野菜の乗った大皿も並べると、
「野菜もしっかりありますからね、レイン、ちゃんと食べるのよー」
急に名指しされたレインが、
「なんじゃ」
と短く非難の声をあげ、一同はクスクスと微笑む、
「さらに、今日はこちらも用意してあります」
ソフィアはコンロにかけられている中くらいの鍋の蓋を取る、一同からはその中身が見えず、数人が何だろうと腰を上げた、
「ふふ、こちらチーズです、贅沢品ですよー」
ソフィアはニコニコと微笑みつつ、
「うちの田舎では御馳走なんですが、焼いた肉とか野菜とかをこちらのチーズに入れて食べてみてください、勿論タレもありますが、チーズで食べるのも美味しいですからねー」
「おー、溶かしチーズだ、懐かしいー」
ユーリが快哉を叫ぶ、
「そうねー、ユーリの好物だったわよねー、じゃ、そういう事で、初めて参加する人には教えてあげて下さいね、あ、タレはそこに、取り皿はいいわね、それと、最後に焼きシロメンもありますので、では、お好きにどうぞ」
ソフィアが説明を終えると、それぞれが思い思いに腰を上げる、いの一番に肉に手を伸ばしたのミナであった、やがて近い関係の人が集まりつつ溶岩板を中心にして小さい円陣が形成される、今回は溶岩板を3台若干距離を置いて配置してみた、前回まではその3台を並べて置いた為、調理する者と食事に専念する者とで完全に分かれてしまっていたのである、ソフィアとしては各自が焼きながら食べるという手法に拘りたかった為、一計を案じたというところであった、
「なるほど、これは楽しいな」
ボニファースは上機嫌で肉を焼きつつワインを傾ける、
「そうですね、屋敷では出来ませんな」
ヨリックも楽しそうである、
「はい、こちら焼けましたよ」
パトリシアが焼けた肉をボニファースの取り皿に置くと、
「これは嬉しいのう、なんじゃ、母親になる練習か?」
酔いが回り始め、口の軽くなったボニファースは実の娘をからかい、
「まぁ、この程度は出来ますのよ、まったく、失礼ですわ」
プンプンと怒って見せるパトリシアに、ボニファースはさらに機嫌の良い笑い声を上げる、
「それでのう、先程、カトカさんとも話したのじゃがな、方向性はあれで良いと思う、付け加えるとなると・・・」
「はぁ・・・そうですね・・・」
ボニファースよりも上機嫌な学園長にサビナは早速捕まったようである、肉を焼く手を止めずに何とも疲れた顔で相槌を打っている、
「うー、美味しいねー、なんだろ、やっぱこのタレかな?」
「うん、この溶かしチーズも美味しいよー、これってユーリ先生の田舎料理なんですか?」
「そうよー、冬にね、暖炉に鍋をかけて、ワインを温めてチーズを入れて、塩で調整して、それに煮た野菜とか焙った干し肉とか突っ込んで食べるのよ」
「へー、温まりそうですね、それ」
「勿論よ、それに良い塩梅だわ、流石ソフィアね」
生徒達は生徒達でキャッキャと楽しそうである、本日はアニタとパウラも参加していた、その為か黄色い声がより甲高く聞こえる気がする、やがて山となった肉と野菜が心許なくなった頃合いでソフィアは焼シロメンに取りかかる、ソフィアの企みはほどよく成功したようで、各々が調理と食事を均等に楽しんでいたようであった、ソフィアは思い付きであった策がそれなりに成功したことに微笑みつつ、最後の3玉だと宣言し菜園産のメロンを切り分けた、そしてそれらが皆の胃袋に綺麗に収まると、その日の裏山での夕食は日暮れと共に楽しく終わりを迎えるのであった。
1
お気に入りに追加
168
あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!
理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。
ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。
仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる