302 / 1,153
本編
35話 秋のはじまり その4
しおりを挟む
「あー、ほら、お茶入れ直すわねー、冷めちゃったでしょー」
ソフィアはそれぞれの前に置いてある茶に手を伸ばす、それらは一切手が付けられておらず、侘しそうに佇んでいた、
「あ、ごめんなさい、話しに夢中になっちゃって」
ブノワトが慌てて立ち上がると、
「私やりますよ、ほら、コッキーも」
「あ、はい」
ブノワトとコッキーはバタバタと冷めた茶を回収し、
「いいからいいから、座ってなさい」
ソフィアは慌てる二人を宥めつつ回収した茶を持って厨房へ入る、
「ふー、でも、面白いねー、やっぱり考え方が違うのかなー」
ブノワトが木簡に視線を落として呟いた、
「うん、いずれこうなるって分かっている感じだな」
「はい、確かに、この3面の鏡以外はいずれはそうなる商品ばかりのように感じますわね」
「でも、あれでしょ、こうやって伝えて貰わなかったら暫く先になったんじゃない?開発するにしても」
「そうね、それが何年若しくは何十年も縮まった感覚ですわね」
「縮まった感覚かー、なんかそうだよなー、でも、こうなると、いよいよ他の職人も引き込んでいかないとだね、エレイン会長、職人達に引き合わせるのも発注もできるが、どう対応する?」
ブラスがエレインに向き直り、ブノワトもうんうんと頷きながらエレインへ視線を上げる、
「そうですわね、テラさんとも話して、出来ればそうね、実際のガラス鏡を持ってしっかりと説明した上で参画して貰いたいですわね」
「そうだな、いや、そうなると、あれかな、家具にしろ額縁にしろ最終組み立てまでやってもらうかどうかかな・・・」
「どういう事です?」
「うん、商品の流れとして、えっと、この机を作って、その工場でガラスも組み込んでしまうか、出来た机を例えばうちの工場に運んできてガラスを組み込むかってこと・・・」
「そこまでする?手間がかかる分料金上がっちゃわない?」
「でも、品質を管理する点では、最終をこっちでまとめた方がいいと思うぞ」
「なるほど・・・工程ですか・・・」
エレインは難しそうな顔で腕を組む、
「あー、早速打ち合わせ?」
そこへソフィアが戻ってきて、
「ほら、せめて一口くらいは口を付けてよ、折角淹れたのだから」
ニコニコ笑って茶を供する、
「はい、すいません」
皆それぞれに小さく礼を言って茶に手を伸ばした、
「それでと、私としてはこっちが本題なのよねー」
ソフィアも茶を啜りつつ別の木簡を取り出してテーブルに置いた、4人は吸い込まれるようにその木簡へ視線を集中させ、
「えっと、これは?」
「はい、えっ、うーん」
「何か地味・・・」
「そうね、何に使う道具なのです?」
4人はそれぞれに疑問と感想を口にした、絵図を見ただけではその用途を読み取る事は出来ない様子である、
「あー、そうなるよねー、私もね旦那が作ってたのを横で見てただけだから、でも、出来上がったらそれこそ色んな事に使えるわよ、もう何から何まで」
ソフィアはニヤリと笑いつつ、
「えっと、肝になるのはこのばねって言っていいのかどうか私には分からないけど、これをね、ブノワトさんでも作れそうだなーって思ったから思い出したんだけどね」
ソフィアが4人に見せたのは洗濯ばさみの絵図である、2本の木製の棒状の物体を太い針金で連結させその中心に端を伸ばした金属ばねを図示していた、
「このばねは、端をこう伸ばして、真ん中はグルグル巻きにしておくのね、で、端と端はこう角度を付けるのよ、こうするとどうなるか分かる?」
ソフィアはブノワトに問う、
「はい、えっと、え・・・どうなるんだろう?」
「うん、ばねってほら、上下で力を発揮するもんなんじゃないかな?」
ブノワトもブラスも想像出来ない様子であった、
「そうね、私の知っている限りでもそうなのよね、あれでしょ、伸び縮みして使う感じよね」
「そうですね、はい」
「あれです、兄貴が今、回転機構の仕掛けで使ってますね、まだ、完成じゃないって言ってますけど」
「そうよね、でも、これはこういう力が生まれるらしいのよ」
ソフィアは黒板を取り出すとそこへ丸を描いて棒を2本伸ばす、その棒に対して矢印で力の方向を書き記した、
「へー、あ、え、金属の弾性・・・ですか?」
「いや、でも、それだとこの真ん中のグルグルの意味が無いよ、ここで弾性は死んじゃってるじゃん」
「そうだな、ん、ん?」
ブノワトとブラスは流石に本職である、金属の特性を理解しているが故にその形に対して疑問を抱き、エレインとコッキーは何の事やらとポカンとしている、
「ふふ、で、旦那はね、この金属の加工が上手く行かなくて投げちゃったんだけど、実際に作ってみれば分かると思うわ、少なくとも旦那が作った半端な物でもこの矢印のように元に戻ろうとする力はあったから、間違ってはいないのよね」
「へー、そうするとどうなるんです?」
「そうね、つまり矢印の方向に常に力がかかる事になるでしょ、そうすると、この金具を中心にしてこの木でこう三角形を維持しようとするわけよね」
「はい、そうですね」
「そうね、そうすると、ここに色んな物を挟み込めるのよ、それこそ、板から布から、何から何まで、たぶんだけど重いのは難しいでしょうけどね」
「なるほど、確かにそうですね、え、でもこれで何をするんです?」
「あー、それ聞く?それは出来上がってからにしたいかなー」
ソフィアは意地の悪い笑みを浮かべ、
「えっと、どういう事に使うんですか・・・そのちょっとした手掛かりだけでも・・・」
ブラスも引き下がらない、
「そうね、何にでも使えるんじゃない?旦那はあれね、洗濯に使うって言ってたかな?あ、これ以上はダメー」
「洗濯ですか?」
ブラスとブノワトは大きく首を傾げ、コッキーとエレインはいよいよ何の事か分からないといった顔である、
「ま、一度作ってみてよ、私としては上手くいったなら、これの派生で作りたいものがあるしね、とりあえず大きさはお任せするけど、そうねこの金属部分はこの間の下着の金具か、あれくらいの細さが欲しいかな、それに合わせて各部を調整してみて、大丈夫、これは絶対に売れるから、もうウハウハよ」
ソフィアは明るく笑い、
「はい、ソフィアさんがそう言うのであれば・・・」
「そうだね、作ってみるのが先かな・・・」
ブノワトとブラスは理解できないままに頷いた、
「じゃ、もう一個ね、こっちは簡単よ」
ソフィアは別の木簡を取り出すと、二人の前に置いた、
「これもできるだけ薄い金属・・・鉄ね、たぶん、それをこう切り抜いて欲しいのよ」
「あら、こっちは簡単そうですね」
「うん、でもまた歪ですね、なんですこれ?」
その木簡には長細い三角が図示され、その中には細長い矢じりのような物体が書き込まれている、
「まぁまぁ、これも作ってみてよ、大きさはそうね、人差し指くらいかしら、この中のこの部分は抜いてもらたいのね、で、根本の方ね、こっちの大きい方に小さくていいから丸い穴が一つ欲しいかな、で、身体に着けて使うものだから怪我しないように角を落として貰えると嬉しいかなー」
「え、身体に着けるんですか?」
「そうよ、ま、これも別に身体と言わず、何に使ってもいいんだけど、ま、出来てからね、ふふ、こっちも楽しいわよー、あ、で、出来るだけ軽くしたいかな、でも強度は欲しいんだよなー、でもそれも出来てからかな・・・」
「はい、分かりました、これはすぐにでも出来るかな・・・」
「そうだな、薄い鉄板はあるし、今日やるか?」
「そだね・・・」
二人は腕を組んで木簡を睨み、
「よろしくね、ま、いろいろあるけど、それぞれ一個か二個作ってみてよ、どうせ改良しまくる事になるんだし、もう、二人とも若いんだからガンガンやりなさい、あ、エレインさん、これも上手い事いったら売っていいわよ」
「はー、そうですね」
エレインは乗り気では無い様子である、
「あー、エレインさんでも想像できないかー、ま、実物を見ないとなんとも言えないよねー」
ソフィアはニヤニヤと笑い、茶に手を伸ばした。
ソフィアはそれぞれの前に置いてある茶に手を伸ばす、それらは一切手が付けられておらず、侘しそうに佇んでいた、
「あ、ごめんなさい、話しに夢中になっちゃって」
ブノワトが慌てて立ち上がると、
「私やりますよ、ほら、コッキーも」
「あ、はい」
ブノワトとコッキーはバタバタと冷めた茶を回収し、
「いいからいいから、座ってなさい」
ソフィアは慌てる二人を宥めつつ回収した茶を持って厨房へ入る、
「ふー、でも、面白いねー、やっぱり考え方が違うのかなー」
ブノワトが木簡に視線を落として呟いた、
「うん、いずれこうなるって分かっている感じだな」
「はい、確かに、この3面の鏡以外はいずれはそうなる商品ばかりのように感じますわね」
「でも、あれでしょ、こうやって伝えて貰わなかったら暫く先になったんじゃない?開発するにしても」
「そうね、それが何年若しくは何十年も縮まった感覚ですわね」
「縮まった感覚かー、なんかそうだよなー、でも、こうなると、いよいよ他の職人も引き込んでいかないとだね、エレイン会長、職人達に引き合わせるのも発注もできるが、どう対応する?」
ブラスがエレインに向き直り、ブノワトもうんうんと頷きながらエレインへ視線を上げる、
「そうですわね、テラさんとも話して、出来ればそうね、実際のガラス鏡を持ってしっかりと説明した上で参画して貰いたいですわね」
「そうだな、いや、そうなると、あれかな、家具にしろ額縁にしろ最終組み立てまでやってもらうかどうかかな・・・」
「どういう事です?」
「うん、商品の流れとして、えっと、この机を作って、その工場でガラスも組み込んでしまうか、出来た机を例えばうちの工場に運んできてガラスを組み込むかってこと・・・」
「そこまでする?手間がかかる分料金上がっちゃわない?」
「でも、品質を管理する点では、最終をこっちでまとめた方がいいと思うぞ」
「なるほど・・・工程ですか・・・」
エレインは難しそうな顔で腕を組む、
「あー、早速打ち合わせ?」
そこへソフィアが戻ってきて、
「ほら、せめて一口くらいは口を付けてよ、折角淹れたのだから」
ニコニコ笑って茶を供する、
「はい、すいません」
皆それぞれに小さく礼を言って茶に手を伸ばした、
「それでと、私としてはこっちが本題なのよねー」
ソフィアも茶を啜りつつ別の木簡を取り出してテーブルに置いた、4人は吸い込まれるようにその木簡へ視線を集中させ、
「えっと、これは?」
「はい、えっ、うーん」
「何か地味・・・」
「そうね、何に使う道具なのです?」
4人はそれぞれに疑問と感想を口にした、絵図を見ただけではその用途を読み取る事は出来ない様子である、
「あー、そうなるよねー、私もね旦那が作ってたのを横で見てただけだから、でも、出来上がったらそれこそ色んな事に使えるわよ、もう何から何まで」
ソフィアはニヤリと笑いつつ、
「えっと、肝になるのはこのばねって言っていいのかどうか私には分からないけど、これをね、ブノワトさんでも作れそうだなーって思ったから思い出したんだけどね」
ソフィアが4人に見せたのは洗濯ばさみの絵図である、2本の木製の棒状の物体を太い針金で連結させその中心に端を伸ばした金属ばねを図示していた、
「このばねは、端をこう伸ばして、真ん中はグルグル巻きにしておくのね、で、端と端はこう角度を付けるのよ、こうするとどうなるか分かる?」
ソフィアはブノワトに問う、
「はい、えっと、え・・・どうなるんだろう?」
「うん、ばねってほら、上下で力を発揮するもんなんじゃないかな?」
ブノワトもブラスも想像出来ない様子であった、
「そうね、私の知っている限りでもそうなのよね、あれでしょ、伸び縮みして使う感じよね」
「そうですね、はい」
「あれです、兄貴が今、回転機構の仕掛けで使ってますね、まだ、完成じゃないって言ってますけど」
「そうよね、でも、これはこういう力が生まれるらしいのよ」
ソフィアは黒板を取り出すとそこへ丸を描いて棒を2本伸ばす、その棒に対して矢印で力の方向を書き記した、
「へー、あ、え、金属の弾性・・・ですか?」
「いや、でも、それだとこの真ん中のグルグルの意味が無いよ、ここで弾性は死んじゃってるじゃん」
「そうだな、ん、ん?」
ブノワトとブラスは流石に本職である、金属の特性を理解しているが故にその形に対して疑問を抱き、エレインとコッキーは何の事やらとポカンとしている、
「ふふ、で、旦那はね、この金属の加工が上手く行かなくて投げちゃったんだけど、実際に作ってみれば分かると思うわ、少なくとも旦那が作った半端な物でもこの矢印のように元に戻ろうとする力はあったから、間違ってはいないのよね」
「へー、そうするとどうなるんです?」
「そうね、つまり矢印の方向に常に力がかかる事になるでしょ、そうすると、この金具を中心にしてこの木でこう三角形を維持しようとするわけよね」
「はい、そうですね」
「そうね、そうすると、ここに色んな物を挟み込めるのよ、それこそ、板から布から、何から何まで、たぶんだけど重いのは難しいでしょうけどね」
「なるほど、確かにそうですね、え、でもこれで何をするんです?」
「あー、それ聞く?それは出来上がってからにしたいかなー」
ソフィアは意地の悪い笑みを浮かべ、
「えっと、どういう事に使うんですか・・・そのちょっとした手掛かりだけでも・・・」
ブラスも引き下がらない、
「そうね、何にでも使えるんじゃない?旦那はあれね、洗濯に使うって言ってたかな?あ、これ以上はダメー」
「洗濯ですか?」
ブラスとブノワトは大きく首を傾げ、コッキーとエレインはいよいよ何の事か分からないといった顔である、
「ま、一度作ってみてよ、私としては上手くいったなら、これの派生で作りたいものがあるしね、とりあえず大きさはお任せするけど、そうねこの金属部分はこの間の下着の金具か、あれくらいの細さが欲しいかな、それに合わせて各部を調整してみて、大丈夫、これは絶対に売れるから、もうウハウハよ」
ソフィアは明るく笑い、
「はい、ソフィアさんがそう言うのであれば・・・」
「そうだね、作ってみるのが先かな・・・」
ブノワトとブラスは理解できないままに頷いた、
「じゃ、もう一個ね、こっちは簡単よ」
ソフィアは別の木簡を取り出すと、二人の前に置いた、
「これもできるだけ薄い金属・・・鉄ね、たぶん、それをこう切り抜いて欲しいのよ」
「あら、こっちは簡単そうですね」
「うん、でもまた歪ですね、なんですこれ?」
その木簡には長細い三角が図示され、その中には細長い矢じりのような物体が書き込まれている、
「まぁまぁ、これも作ってみてよ、大きさはそうね、人差し指くらいかしら、この中のこの部分は抜いてもらたいのね、で、根本の方ね、こっちの大きい方に小さくていいから丸い穴が一つ欲しいかな、で、身体に着けて使うものだから怪我しないように角を落として貰えると嬉しいかなー」
「え、身体に着けるんですか?」
「そうよ、ま、これも別に身体と言わず、何に使ってもいいんだけど、ま、出来てからね、ふふ、こっちも楽しいわよー、あ、で、出来るだけ軽くしたいかな、でも強度は欲しいんだよなー、でもそれも出来てからかな・・・」
「はい、分かりました、これはすぐにでも出来るかな・・・」
「そうだな、薄い鉄板はあるし、今日やるか?」
「そだね・・・」
二人は腕を組んで木簡を睨み、
「よろしくね、ま、いろいろあるけど、それぞれ一個か二個作ってみてよ、どうせ改良しまくる事になるんだし、もう、二人とも若いんだからガンガンやりなさい、あ、エレインさん、これも上手い事いったら売っていいわよ」
「はー、そうですね」
エレインは乗り気では無い様子である、
「あー、エレインさんでも想像できないかー、ま、実物を見ないとなんとも言えないよねー」
ソフィアはニヤニヤと笑い、茶に手を伸ばした。
1
お気に入りに追加
168
あなたにおすすめの小説

魔王
覧都
ファンタジー
勇者は、もう一人の勇者と、教団の策略により人間の世界では不遇だった。
不遇の勇者は、人生のリセットすることを選び、魔王となる。
魔王になったあとは、静かに家族と暮らします。
静かに暮らす魔王に、再び教団の魔の手が伸びます。
家族として暮らしていた娘を、教団に拉致されたのです。
魔王はその救出を決意し……。

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜
望月かれん
ファンタジー
中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。
戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。
暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。
疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。
なんと、ぬいぐるみが喋っていた。
しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。
天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。
※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。

契約結婚のはずが、気づけば王族すら跪いていました
言諮 アイ
ファンタジー
――名ばかりの妻のはずだった。
貧乏貴族の娘であるリリアは、家の借金を返すため、冷酷と名高い辺境伯アレクシスと契約結婚を結ぶことに。
「ただの形式だけの結婚だ。お互い干渉せず、適当にやってくれ」
それが彼の第一声だった。愛の欠片もない契約。そう、リリアはただの「飾り」のはずだった。
だが、彼女には誰もが知らぬ “ある力” があった。
それは、神代より伝わる失われた魔法【王威の審判】。
それは“本来、王にのみ宿る力”であり、王族すら彼女の前に跪く絶対的な力――。
気づけばリリアは貴族社会を塗り替え、辺境伯すら翻弄し、王すら頭を垂れる存在へ。
「これは……一体どういうことだ?」
「さあ? ただの契約結婚のはずでしたけど?」
いつしか契約は意味を失い、冷酷な辺境伯は彼女を「真の妻」として求め始める。
――これは、一人の少女が世界を変え、気づけばすべてを手に入れていた物語。
魔法少女になれたなら【完結済み】
M・A・J・O
ファンタジー
【第5回カクヨムWeb小説コンテスト、中間選考突破!】
【第2回ファミ通文庫大賞、中間選考突破!】
【第9回ネット小説大賞、一次選考突破!】
とある普通の女子小学生――“椎名結衣”はある日一冊の本と出会う。
そこから少女の生活は一変する。
なんとその本は魔法のステッキで?
魔法のステッキにより、強引に魔法少女にされてしまった結衣。
異能力の戦いに戸惑いながらも、何とか着実に勝利を重ねて行く。
これは人間の願いの物語。
愉快痛快なステッキに振り回される憐れな少女の“願い”やいかに――
謎に包まれた魔法少女劇が今――始まる。
・表紙絵はTwitterのフォロワー様より。

社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します
湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。
そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。
しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。
そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。
この死亡は神様の手違いによるものだった!?
神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。
せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!!
※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中

転生チートは家族のために~ユニークスキルで、快適な異世界生活を送りたい!~
りーさん
ファンタジー
ある日、異世界に転生したルイ。
前世では、両親が共働きの鍵っ子だったため、寂しい思いをしていたが、今世は優しい家族に囲まれた。
そんな家族と異世界でも楽しく過ごすために、ユニークスキルをいろいろと便利に使っていたら、様々なトラブルに巻き込まれていく。
「家族といたいからほっといてよ!」
※スキルを本格的に使い出すのは二章からです。

ちょっと神様!私もうステータス調整されてるんですが!!
べちてん
ファンタジー
アニメ、マンガ、ラノベに小説好きの典型的な陰キャ高校生の西園千成はある日河川敷に花見に来ていた。人混みに酔い、体調が悪くなったので少し離れた路地で休憩していたらいつの間にか神域に迷い込んでしまっていた!!もう元居た世界には戻れないとのことなので魔法の世界へ転移することに。申し訳ないとか何とかでステータスを古龍の半分にしてもらったのだが、別の神様がそれを知らずに私のステータスをそこからさらに2倍にしてしまった!ちょっと神様!もうステータス調整されてるんですが!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる