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本編
34話 研究会と講習会 その10
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「そうね、で、ここからが本題になるんだけど」
「え、本題じゃなかったの?」
「違うわよ、それで・・・サビナ、あなた、研究会の顧問になりなさい」
ソフィアはサビナを正面からみつめ、静かに告げた、
「へ?研究会の顧問・・・ですか?」
サビナは突然の事にキョトンとした顔となる、
「そうよ、美容服飾研究会を学園に作るから、それの顧問兼主任研究員」
「私がですか?」
サビナは不思議そうに問う、
「うん、今日決まった事だから詳細を話すわね」
ユーリは事の詳細を話しだす、昨日の夕食後の事から事務長との面談の件、そこから学長と女性講師陣を交えての会合、その顛末を訥々と語り、
「そういうわけで、仮称だけど美容服飾研究会が発足するから、で、私が名前だけだけど顧問になって、実質的にはあなたが中心となって好きにやっていいわ、私の名前に泥を塗らない限り何やってもいいわよ、私が許す」
「いや、突然そんな・・・」
サビナは狐に摘ままれたような顔である、
「へー、でも、面白そうじゃない」
カトカは嬉しそうに微笑み、
「そうね、良くわかんないけど凄いんじゃない」
ソフィアも理解は足りないが他人事として前向きである、
「えっと、その、何で私なんですか?」
サビナはどう反応すべきか困った顔である、
「そうね、えっとね、さっき女性講師陣と学園長と打ち合わせしたって言ったけど、その席でね、美容と服飾、特に服飾に関して学術的にまとめておきたいって事になったのね」
「服飾ですか?」
「そうよ、普段着と訪問着と正装?現状大まかに分けて3種かしら、それと平民の着る服と貴族のそれと、勿論、冒険者の服装とか兵士の鎧とか、思い付くだけでも多岐に渡るでしょ、学園長もね、文化として取り扱うに足りかつ学問としても有益な課題であると、そんな風な事言ってたわね」
「へー、あの先生ってほんとになんというか柔軟よねー」
「そうね、さらに言えばその技術的な部分ね、私ら平民としては男も女も関係無くある程度の裁縫の技術は持っているけど、それらを集めてしっかりとした技術体系っていうのかな、そういう形にした文献は無いらしいのよね」
「そう言われれば見たこと無いですね」
カトカが呟く、
「カトカがそう言うならやっぱり無いのかしら、で、そういった服飾に関するあらゆることを対象にして、まとめて、その上で選択式になるけれど学科を立ち上げるって事になったのよ、それも来年の春を目途にして」
「選択式の学科ですか・・・」
「そうよ、ほら、兵士や冒険者や役人を目指している人間からすれば不要な知識だしね、それと男共の大半が不要と思うでしょうしね、だから全学部共通の選択可能な学科、学園として・・・学園長としてかな、現時点では、専攻として学生を集める程の分野では無い・・・としても生活に直結する分野ではある、技術としても文化としても十分に学問に成り得る分野・・・そこまで熟慮した上での選択式の学科なのよ、学園長も上手い事考えるわよね」
ユーリはニヤリと笑い、
「で、ここからが重要、あなた、その講師になりなさい」
ユーリがはっきりと断言し、サビナはえっと驚いて言葉を無くした、
「あなた、講師志望でしょ、丁度良いじゃない、それにまっさらな学問だからね、やりたい放題よ」
「えっ、いや、えっ」
「なるほど、やったね、サビナ」
カトカは嬉しそうに微笑み、
「なるほどね、そういう事」
ソフィアも笑みで祝福を表す、
「そういう事、今のままだと講師って十分にいるからね、指くわえて待っててもなれるものではないのよね、でも、講師陣や学園長が納得する程の教科書を作れば否が応でもあんたは講師になれるし、そのまま研究所も持たせて貰えるわよ」
「いや、すいません、突然すぎて、何が何やら・・・」
サビナは大きな肩を揺らして何とも不安そうである、
「そうね、今日の今日の事だし、あ、でもあれよ断れないわよ」
「え?」
サビナは不思議そうにユーリを見つめる、
「ほら、やるって学園長に言っちゃったから、うちの超優秀な講師志望にやらせますって、断言しちゃったのよね、そういうわけだから、宜しくね」
「は、えーー」
サビナは悲鳴を上げ、
「あはは、それはやるしかないわねー」
カトカは笑い、
「あー、酷い上司を持ったわねー」
ソフィアも苦笑いを浮かべた、それから、ユーリが中心となって美容服飾研究会の展望が語られ、
「あ、え、もしかして私、巻き込まれるの?」
ソフィアが完全に他人事として楽しそうに聞いていたが、美容関連の計画について話題が移ると、途端嫌そうに顔を曇らせた、
「そうよ、エルフの知恵を全部開陳しなさい」
「そんな簡単に・・・」
「なによ、サビナの大事な研究よ、あんた、手伝わないつもり」
ユーリがジロリとソフィアを睨む、
「いや、そうじゃないけど」
「あのね、私だって散髪の奥義を伝授しようって思っているんだからね、あんたはお肌の手入れとか小物とか色々隠しているんでしょ、それを全部出しなさい」
「えー、あー、ま、あるにはあるけどー」
「あるんですか?」
「あの蜂蜜以外って事ですよね」
カトカとサビナが喰い付いた、
「ま、まぁ、あるにはあるけど、小出しにして楽しみたかったかなーって、それとお風呂が出来ないと難しいのもあるしなーって感じ?」
ソフィアは何とも煮え切らない様子である、
「それに、例の下着だって全部ではないんでしょ、ついでにそれも完成させればいいわ」
「でも、あれよ、そういうのはゆっくりじっくりやるのが楽しいのであって・・・」
「そうね、別に明日中に全部出せなんて言うつもりは無いの、さっきも言ったけど学科の立ち上げは来年の春、で、近々に手を着けなければならないのが、あんたの下着ね、エレインさんとも擦り合わせが必要になるかなって思うけど、それを主題にして研究会を開いて、そこから、服飾関係に、そして美容を取り入れてって感じね」
ユーリは大雑把な構想を語って聞かせ、
「なるほど、やっとやる事が見えてきました」
サビナは難しい顔を崩さないままに前向きに考え出した様子である、
「そうね、ま、私が後ろにいるし、カトカもソフィアもいるんだから、上手い事使いなさい、カトカなんて、綺麗な服着せて立たせているだけで、説得力が増すわよ」
「えっと、私の役回りはそんなですか?」
「あんたは何着ても似合うんだからいいでしょ、羨ましいくらいだわ」
「そうですけどー」
「わ、認めたよこの人」
サビナがサッとカトカから身を離し、
「なによ、協力しないわよ」
キッと睨みつけるカトカ、
「あ、ほら、こういう顔も可愛いでしょ」
「ホントだ、可愛い」
ユーリとソフィアがからかうと、
「何ですかー、お二人まで」
カトカは冷たい視線を二人に向ける、
「ま、ゾクゾクするわ」
「うん、すごい魅力的」
今度は心底そう思った様子である、
「あー、そうしますと、あれですか、今の研究分はカトカに引き継ぎます?」
サビナは現実的に考え始めたようである、
「うんにゃ、それは引き続きやってもらうわよ、陶器版の改良他諸々」
「えっと、手が回らなくなりそうですけど」
サビナは大きな肩を小さく丸めて上目遣いとなる、
「そう?でも引き続きお願い、それはそれ、これはこれよ」
ユーリはあっさりと言い放つ、
「ですから、手が回らなくなりそうかなって」
サビナは語気を強めて叫びそうになるのを堪えた、
「大丈夫よ、若いんだから出来るわよ」
「あー、そういう事・・・」
ソフィアが何かに感づいたようである、
「そういう事、いい、サビナ、そうね、1月の半ば辺りまで、死ぬ気になって服飾の教科書をまとめなさい、それと今の仕事もしっかりと熟すこと、この二つを両立できなければ講師になった所で学生と変わらないわ、ありものの教科書で知ったかぶりして馬鹿の前に立つ無能になるわよ」
ユーリは真剣な瞳でサビナを見つめ、サビナもまた真剣にその言葉に耳を傾ける、
「あんたの実力は十分に理解しているし、大したもんだと思っているけど、あんたに足りないのは経験と意地よ、あんたにも矜持ってものがあるでしょ、研究と教科書作成と研究会の運営に尽力して成功させなさい、それは絶対あなたの底力になるし、その経験こそがあんたに今足りないもので、それをやりきる事で意地を身につけなさい、それがあんたの強味になって魅力になるわ、絶対にね」
「・・・分かりました」
サビナはグッと口元を引き締めて頷いた、
「そ、ま、ほら、そうは言ったけど、あれよ、駄目な時は駄目って言いなさいよ」
ユーリは一転優しい口調である、
「そうね、いくら頑健なサビナさんでも倒れる時はあるでしょうし」
「うんうん、死ぬ気でやって死んだら困るしね」
「そうそう、ま、私もカトカさんもユーリもいるんだし、何とかなるわよ」
「そうですよ、サビナさんならできますよ」
ソフィアとカトカは軽い口調ながらもしっかりと助力を約束しているようである、
「ありがとうございます」
サビナは静かに礼を口にした、
「うん、じゃ、この場はこのくらいでいいかしら、サビナ、上であらためて計画練るわよ、で、急ぎの部分から着手して、ほら、学園の女どもを落ち着かせないとジャネットさん達が可哀そうだからね」
「あー、そういう所は良い先生よねー」
ソフィアが口の端を上げてユーリを流し見る、
「そう?私は良い先生で良い上司なのよ、ついでに美人で優しいのよ、知らなかった?」
「あー、それは初耳です」
カトカは微笑み、
「はい、私も知りませんでした」
サビナは溜息交じりに呟いた、
「そうね、美人で優しいはどこからきたのかしら・・・」
ソフィアは不思議そうに小首を傾げる、
「お・ま・え・ら・はー」
ユーリは3人を一睨みし、鼻を鳴らして憤慨するのであった。
「え、本題じゃなかったの?」
「違うわよ、それで・・・サビナ、あなた、研究会の顧問になりなさい」
ソフィアはサビナを正面からみつめ、静かに告げた、
「へ?研究会の顧問・・・ですか?」
サビナは突然の事にキョトンとした顔となる、
「そうよ、美容服飾研究会を学園に作るから、それの顧問兼主任研究員」
「私がですか?」
サビナは不思議そうに問う、
「うん、今日決まった事だから詳細を話すわね」
ユーリは事の詳細を話しだす、昨日の夕食後の事から事務長との面談の件、そこから学長と女性講師陣を交えての会合、その顛末を訥々と語り、
「そういうわけで、仮称だけど美容服飾研究会が発足するから、で、私が名前だけだけど顧問になって、実質的にはあなたが中心となって好きにやっていいわ、私の名前に泥を塗らない限り何やってもいいわよ、私が許す」
「いや、突然そんな・・・」
サビナは狐に摘ままれたような顔である、
「へー、でも、面白そうじゃない」
カトカは嬉しそうに微笑み、
「そうね、良くわかんないけど凄いんじゃない」
ソフィアも理解は足りないが他人事として前向きである、
「えっと、その、何で私なんですか?」
サビナはどう反応すべきか困った顔である、
「そうね、えっとね、さっき女性講師陣と学園長と打ち合わせしたって言ったけど、その席でね、美容と服飾、特に服飾に関して学術的にまとめておきたいって事になったのね」
「服飾ですか?」
「そうよ、普段着と訪問着と正装?現状大まかに分けて3種かしら、それと平民の着る服と貴族のそれと、勿論、冒険者の服装とか兵士の鎧とか、思い付くだけでも多岐に渡るでしょ、学園長もね、文化として取り扱うに足りかつ学問としても有益な課題であると、そんな風な事言ってたわね」
「へー、あの先生ってほんとになんというか柔軟よねー」
「そうね、さらに言えばその技術的な部分ね、私ら平民としては男も女も関係無くある程度の裁縫の技術は持っているけど、それらを集めてしっかりとした技術体系っていうのかな、そういう形にした文献は無いらしいのよね」
「そう言われれば見たこと無いですね」
カトカが呟く、
「カトカがそう言うならやっぱり無いのかしら、で、そういった服飾に関するあらゆることを対象にして、まとめて、その上で選択式になるけれど学科を立ち上げるって事になったのよ、それも来年の春を目途にして」
「選択式の学科ですか・・・」
「そうよ、ほら、兵士や冒険者や役人を目指している人間からすれば不要な知識だしね、それと男共の大半が不要と思うでしょうしね、だから全学部共通の選択可能な学科、学園として・・・学園長としてかな、現時点では、専攻として学生を集める程の分野では無い・・・としても生活に直結する分野ではある、技術としても文化としても十分に学問に成り得る分野・・・そこまで熟慮した上での選択式の学科なのよ、学園長も上手い事考えるわよね」
ユーリはニヤリと笑い、
「で、ここからが重要、あなた、その講師になりなさい」
ユーリがはっきりと断言し、サビナはえっと驚いて言葉を無くした、
「あなた、講師志望でしょ、丁度良いじゃない、それにまっさらな学問だからね、やりたい放題よ」
「えっ、いや、えっ」
「なるほど、やったね、サビナ」
カトカは嬉しそうに微笑み、
「なるほどね、そういう事」
ソフィアも笑みで祝福を表す、
「そういう事、今のままだと講師って十分にいるからね、指くわえて待っててもなれるものではないのよね、でも、講師陣や学園長が納得する程の教科書を作れば否が応でもあんたは講師になれるし、そのまま研究所も持たせて貰えるわよ」
「いや、すいません、突然すぎて、何が何やら・・・」
サビナは大きな肩を揺らして何とも不安そうである、
「そうね、今日の今日の事だし、あ、でもあれよ断れないわよ」
「え?」
サビナは不思議そうにユーリを見つめる、
「ほら、やるって学園長に言っちゃったから、うちの超優秀な講師志望にやらせますって、断言しちゃったのよね、そういうわけだから、宜しくね」
「は、えーー」
サビナは悲鳴を上げ、
「あはは、それはやるしかないわねー」
カトカは笑い、
「あー、酷い上司を持ったわねー」
ソフィアも苦笑いを浮かべた、それから、ユーリが中心となって美容服飾研究会の展望が語られ、
「あ、え、もしかして私、巻き込まれるの?」
ソフィアが完全に他人事として楽しそうに聞いていたが、美容関連の計画について話題が移ると、途端嫌そうに顔を曇らせた、
「そうよ、エルフの知恵を全部開陳しなさい」
「そんな簡単に・・・」
「なによ、サビナの大事な研究よ、あんた、手伝わないつもり」
ユーリがジロリとソフィアを睨む、
「いや、そうじゃないけど」
「あのね、私だって散髪の奥義を伝授しようって思っているんだからね、あんたはお肌の手入れとか小物とか色々隠しているんでしょ、それを全部出しなさい」
「えー、あー、ま、あるにはあるけどー」
「あるんですか?」
「あの蜂蜜以外って事ですよね」
カトカとサビナが喰い付いた、
「ま、まぁ、あるにはあるけど、小出しにして楽しみたかったかなーって、それとお風呂が出来ないと難しいのもあるしなーって感じ?」
ソフィアは何とも煮え切らない様子である、
「それに、例の下着だって全部ではないんでしょ、ついでにそれも完成させればいいわ」
「でも、あれよ、そういうのはゆっくりじっくりやるのが楽しいのであって・・・」
「そうね、別に明日中に全部出せなんて言うつもりは無いの、さっきも言ったけど学科の立ち上げは来年の春、で、近々に手を着けなければならないのが、あんたの下着ね、エレインさんとも擦り合わせが必要になるかなって思うけど、それを主題にして研究会を開いて、そこから、服飾関係に、そして美容を取り入れてって感じね」
ユーリは大雑把な構想を語って聞かせ、
「なるほど、やっとやる事が見えてきました」
サビナは難しい顔を崩さないままに前向きに考え出した様子である、
「そうね、ま、私が後ろにいるし、カトカもソフィアもいるんだから、上手い事使いなさい、カトカなんて、綺麗な服着せて立たせているだけで、説得力が増すわよ」
「えっと、私の役回りはそんなですか?」
「あんたは何着ても似合うんだからいいでしょ、羨ましいくらいだわ」
「そうですけどー」
「わ、認めたよこの人」
サビナがサッとカトカから身を離し、
「なによ、協力しないわよ」
キッと睨みつけるカトカ、
「あ、ほら、こういう顔も可愛いでしょ」
「ホントだ、可愛い」
ユーリとソフィアがからかうと、
「何ですかー、お二人まで」
カトカは冷たい視線を二人に向ける、
「ま、ゾクゾクするわ」
「うん、すごい魅力的」
今度は心底そう思った様子である、
「あー、そうしますと、あれですか、今の研究分はカトカに引き継ぎます?」
サビナは現実的に考え始めたようである、
「うんにゃ、それは引き続きやってもらうわよ、陶器版の改良他諸々」
「えっと、手が回らなくなりそうですけど」
サビナは大きな肩を小さく丸めて上目遣いとなる、
「そう?でも引き続きお願い、それはそれ、これはこれよ」
ユーリはあっさりと言い放つ、
「ですから、手が回らなくなりそうかなって」
サビナは語気を強めて叫びそうになるのを堪えた、
「大丈夫よ、若いんだから出来るわよ」
「あー、そういう事・・・」
ソフィアが何かに感づいたようである、
「そういう事、いい、サビナ、そうね、1月の半ば辺りまで、死ぬ気になって服飾の教科書をまとめなさい、それと今の仕事もしっかりと熟すこと、この二つを両立できなければ講師になった所で学生と変わらないわ、ありものの教科書で知ったかぶりして馬鹿の前に立つ無能になるわよ」
ユーリは真剣な瞳でサビナを見つめ、サビナもまた真剣にその言葉に耳を傾ける、
「あんたの実力は十分に理解しているし、大したもんだと思っているけど、あんたに足りないのは経験と意地よ、あんたにも矜持ってものがあるでしょ、研究と教科書作成と研究会の運営に尽力して成功させなさい、それは絶対あなたの底力になるし、その経験こそがあんたに今足りないもので、それをやりきる事で意地を身につけなさい、それがあんたの強味になって魅力になるわ、絶対にね」
「・・・分かりました」
サビナはグッと口元を引き締めて頷いた、
「そ、ま、ほら、そうは言ったけど、あれよ、駄目な時は駄目って言いなさいよ」
ユーリは一転優しい口調である、
「そうね、いくら頑健なサビナさんでも倒れる時はあるでしょうし」
「うんうん、死ぬ気でやって死んだら困るしね」
「そうそう、ま、私もカトカさんもユーリもいるんだし、何とかなるわよ」
「そうですよ、サビナさんならできますよ」
ソフィアとカトカは軽い口調ながらもしっかりと助力を約束しているようである、
「ありがとうございます」
サビナは静かに礼を口にした、
「うん、じゃ、この場はこのくらいでいいかしら、サビナ、上であらためて計画練るわよ、で、急ぎの部分から着手して、ほら、学園の女どもを落ち着かせないとジャネットさん達が可哀そうだからね」
「あー、そういう所は良い先生よねー」
ソフィアが口の端を上げてユーリを流し見る、
「そう?私は良い先生で良い上司なのよ、ついでに美人で優しいのよ、知らなかった?」
「あー、それは初耳です」
カトカは微笑み、
「はい、私も知りませんでした」
サビナは溜息交じりに呟いた、
「そうね、美人で優しいはどこからきたのかしら・・・」
ソフィアは不思議そうに小首を傾げる、
「お・ま・え・ら・はー」
ユーリは3人を一睨みし、鼻を鳴らして憤慨するのであった。
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