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本編
34話 研究会と講習会 その7
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「それでじゃ、父上の許可が下りたぞ」
「まぁ、それは良かった」
事務所ではエレインとテラが揃ってレアンとユスティーナを前にして嬉しそうに微笑んだ、正午を回る程度の時間に、レアンとユスティーナは事務所へ現れ、当然のようにライニールも付き従っている、エレインとテラもギルドにて打合せを終え戻ったところであり、テラの淹れた茶を囲んで4人は打合せに入ったのであった、
「うむ、での商品名についてなのだがな」
レアンは勿体ぶってニヤリと笑い、対する二人は期待の眼差しを向ける、レアンは若干不安そうに視線を泳がせるが口元に力を入れて、
「クレオの一時・・・でどうじゃろう」
小さく静かに口にした、
「クレオの一時ですか・・・」
エレインはその単語を復唱し、暫し考え、
「なるほど、落ち着いて良い響きですね」
「そうであろう」
「はい、優雅ですし、気品もあります」
「そうであろう」
「ええ、とっても素敵」
「そうであろう」
エレインとテラの感想一つ一つにレアンはホッとしつつも得意気に相槌を打ち、
「もう、レアン、そんなに威張るほどの事ではないでしょう」
ユスティーナは我が娘の空威張りをやんわりと窘める、
「いいえ、私は良い物は良いと、分かる人には分かるのだとそう納得しておるだけであります」
レアンは奇妙な言い訳を展開しつつ、
「実はの、父上と母上と知恵を出し合ってな、結局母上の案が採用されたのじゃ、父上も喜んでの、なぁ、ライニール」
レアンは背後に立つ自身の従者に笑いかける、
「はい、大変お喜びでした」
「のう」
嬉しそうな笑顔を浮かべると、
「取り敢えず進めたぞ」
どうだと言わんばかりにレアンは小さな胸を張り、ユスティーナは渋い顔を崩さぬままに柔らかい笑みを口元に浮かべる、
「ありがとうございます、そうなりますと」
エレインはテラに視線を走らせ、
「はい、予定としては調理法の木簡の作成と調理器具の用意ですね、それらを販売する形にしまして、えっと、クレオの一時ですね、そちらの販売方法も検討しましょう」
「うむ、そうだの、まだまだ作業があるが楽しみじゃ」
「そうね、ふふ、なるほど、商品展開も考えていくのですね、面白くなりそうです」
母娘二人はワクワクと楽しそうである、
「そうですね、そうしますと」
エレインは席を立ち黒板に向かう、
「まずは、木簡、それと調理器具、それと製品化・・・」
ぶつぶつと呟きながら板書し、
「木簡については、焼き菓子の部分は出来ていて、カスタードの部分もありましたわね」
「はい、カトカさんの叩き台があります、そちらで十分ですね」
「あれは、分かり易かったですわね」
「そうですね、一度、まったく知らない人にあれだけで作って貰っても良いかなと思いますね、従業員には見せただけなので、やって貰いましょうか、えっと、物は・・・」
エレインが事務机の木簡の山をゴソゴソと漁り、3枚の木簡を取り出すと、
「焼き菓子とマヨソースとカスタード・・・あ、このユスティーナ様の焼き菓子は何と呼びましょう?」
「それもあったのう」
「そうね、では、そちらは・・・フランカ・・・私の乳母の名前を使いたいですわね」
ユスティーナはそう言って悩み始める、
「母上、クレオノートの名前を使えば良いではないですか」
「でも、レアン、最初の焼き菓子はカラミッド様から許可を貰っておりませんよ」
「そうですが、クレオの一時の一部となる品ですよ」
「それはそれ、これはこれなのではなくて?」
「そうですね、まるで別のお名前でも良いのかな・・・と思いますが、私としてはユスティーナ様かレアン様のお名前を頂きたい所です」
「そうか・・・」
「あら」
母娘はそういう意図かとエレインへ視線を送る、
「はい、商売的に考えますと、失礼ながら見ず知らずの女性の名前よりも、クレオノート家のお二人の名前に由来した方が、興味も惹きますし、手に取りたいと思うかと・・・さらに言えば、この先何年も残る可能性のある品ですから・・・」
「なるほど」
「この先、何年も・・・ですか・・・」
「はい、これは私の願望もあるのですが、クレオの一時と合わせ、モニケンダムの焼き菓子と言われたらこの名が上がる程の品として広められればとも思うのですよね」
「・・・壮大じゃのう」
「ですね、でも、この心意気が大事なのです」
エレインはフンスと鼻息を荒くして、
「ですので、クレオの一時とはまた違った良い名が欲しいかなと思いますね」
「心意気か・・・」
レアンは腕を組み直し、
「ふふ、楽しいですわ」
ユスティーナもやる気の満ちた瞳になる、
「そうなるとじゃ、レアンかユスティーナであろう?レアンの一時?ユスティーナの一時」
「それは単純過ぎますよ」
確かにと言ってレアンは微笑み、
「母上の綽名を使うのはどうでしょう?」
「綽名ですか?」
「はい、子供の頃の」
「うーん、お父様とお母様にはユストと呼ばれてましたわね」
「ユストですか」
「であれば、ユストの一時?」
「それは単純過ぎるのでしょう?」
「そうね、では、ユストの焼き菓子・・・ここはより単純にユストの午後かしら?」
二人はうんうんと悩み、ライニールも口を出そうか出すまいかと首を傾げている、
「私の田舎ですと、焼き菓子をクッキーと呼んでいましたね」
唐突にテラが口を挟んだ、
「あら、クッキーですか?」
「はい、焼き菓子全般をそう呼んでました、理由は分からないですが、はい」
テラが短く答える、
「クッキー・・・楽しい響きだの」
レアンは顔を綻ばせ、
「そうね、お菓子らしい呼び名ですね」
ユスティーナも微笑んでいる、
「はい、なので、ユストクッキー又は、レアンクッキー、あ、駄目かもですが、クレオクッキー・・・などは如何でしょうか?」
テラが続けて提案する、
「まぁ、可愛らしいわね」
「そうですね、クレオクッキーが一番しっくりくるかと思うが、難しいのう、ユストクッキー、か、うむ、可愛らしくて良いではないですか」
「それならレアンクッキーでしょう、私としてはそちらの方が可愛らしいですよ」
母娘は微妙に譲りあっている様子である、
「なるほど、ユストクッキー、レアンクッキーですね」
聞き役に徹していたエレインが板書し、うーんと悩みつつ、
「いっその事、もう一種類作りましょうか?」
思い付きをそのまま口にした、
「もう一種類?」
また、面倒な事をとレアンが眉根を寄せる、
「はい、そうですね、この木簡に記された製法をユストクッキーにしまして、レアンクッキーの方は材料を板状に伸ばして型で抜いたものの名前にするのはどうでしょう?」
「ほう、なるほど、しかし、味は変わらぬのであろう」
「そうですね、でも・・・うん、物語が作れるのですね・・・」
エレインはニコリと笑みして、
「ユストクッキーが最初にあって、レアンクッキーが生まれました・・・そこへカスタードを挟みこんだのがクレオの一時・・・母から娘に伝えられ、父の拘りが入った品・・・短い物語ですが、如何でしょう」
エレインが思案しながら言葉を紡ぐ、
「まぁ、そう聞くと何やら良い物に聞こえますね」
ユスティーナは嬉しそうに微笑み、
「むぅ、確かに・・・」
「はい、歴史を感じさせつつ、家族愛もあります」
「・・・尊いですね」
ライニールがポツリと呟く、
「尊いか・・・ふふ、なるほどの、確かにな」
「そうね、でも、うん、物語か・・・ただの焼き菓子がなにやら貴重な物に聞こえるのう」
「はい、それにこの物語が付加された事によって、親子で一緒に作れる品であるという周知が図れます、この木簡を前にして母親が得意そうに、娘が四苦八苦している様を想像すると・・・」
「幸せそうじゃの」
「良い風景ですわね」
「そして、クレオの一時を家族で頂いている姿・・・食卓を囲んで、娘が誇らしげに母は楽しそうに・・・父親ははにかんで・・・」
ボソリとテラが眩しそうに呟く、
「なるほど、良いかもしれんのう」
「はい、これは素晴らしい発案です」
ライニールはやや上擦った声を上げ、慌てて興奮を抑え込んだ様子である、
「ふふ、では、そのように、ユストクッキーは現状で、レアンクッキーを新たに書き起こしましょう、それとクレオの一時ですわね、ふむ、そうなると、カスタードの製法はクレオの一時に含めても良いかもですね」
エレインが板書しつつまとめ、
「そうですね、木簡の種類については、一度再構成が必要ですね、ユストクッキーとレアンクッキー、クレオの一時は確定・・・取り敢えずこの3種類でいいかしら?マヨソース・・・これも大事ですが、少し方向性が違うかしら」
「なるほど、マヨソースは菓子ではないからのう」
「はい、それに店で出す予定は無いので、あ、ホイップクリームにしましょうか・・・」
「む、良いのか?カスタードとホイップは目玉商品なのであろう?」
レアンが心配そうに問う、
「はい、目玉商品ではありますが、そうそう簡単に・・・作業は簡単で単純なのですが、いざやってみるとかなりの重労働なのです、恐らくですが、ホイップクリームに関しては一度やってみて、こりゃしんどいとなる可能性があるのですよね」
「はい、確かに会長の言う通りですね、私も実際にやってみましたが、理想通りの形になるまでとても大変でした」
テラが補足する、
「そうなのか、でも、その為の泡立て器であろう?」
「それでもなのです」
エレインはニヤリと笑い、テラも、
「そうです、それでもなのです」
何とも複雑な顔である、
「ふむ、ま、そちらが良いと言うのであればこちらから言う事は無いがの」
レアンは口をへの字に曲げつつも理解を示した様子である、
「お気遣いありがとうございます、では、木簡については、この4種、取り敢えずとしては十分かなと思いますね」
エレインは黒板を見直してうんうんと頷いた。
「まぁ、それは良かった」
事務所ではエレインとテラが揃ってレアンとユスティーナを前にして嬉しそうに微笑んだ、正午を回る程度の時間に、レアンとユスティーナは事務所へ現れ、当然のようにライニールも付き従っている、エレインとテラもギルドにて打合せを終え戻ったところであり、テラの淹れた茶を囲んで4人は打合せに入ったのであった、
「うむ、での商品名についてなのだがな」
レアンは勿体ぶってニヤリと笑い、対する二人は期待の眼差しを向ける、レアンは若干不安そうに視線を泳がせるが口元に力を入れて、
「クレオの一時・・・でどうじゃろう」
小さく静かに口にした、
「クレオの一時ですか・・・」
エレインはその単語を復唱し、暫し考え、
「なるほど、落ち着いて良い響きですね」
「そうであろう」
「はい、優雅ですし、気品もあります」
「そうであろう」
「ええ、とっても素敵」
「そうであろう」
エレインとテラの感想一つ一つにレアンはホッとしつつも得意気に相槌を打ち、
「もう、レアン、そんなに威張るほどの事ではないでしょう」
ユスティーナは我が娘の空威張りをやんわりと窘める、
「いいえ、私は良い物は良いと、分かる人には分かるのだとそう納得しておるだけであります」
レアンは奇妙な言い訳を展開しつつ、
「実はの、父上と母上と知恵を出し合ってな、結局母上の案が採用されたのじゃ、父上も喜んでの、なぁ、ライニール」
レアンは背後に立つ自身の従者に笑いかける、
「はい、大変お喜びでした」
「のう」
嬉しそうな笑顔を浮かべると、
「取り敢えず進めたぞ」
どうだと言わんばかりにレアンは小さな胸を張り、ユスティーナは渋い顔を崩さぬままに柔らかい笑みを口元に浮かべる、
「ありがとうございます、そうなりますと」
エレインはテラに視線を走らせ、
「はい、予定としては調理法の木簡の作成と調理器具の用意ですね、それらを販売する形にしまして、えっと、クレオの一時ですね、そちらの販売方法も検討しましょう」
「うむ、そうだの、まだまだ作業があるが楽しみじゃ」
「そうね、ふふ、なるほど、商品展開も考えていくのですね、面白くなりそうです」
母娘二人はワクワクと楽しそうである、
「そうですね、そうしますと」
エレインは席を立ち黒板に向かう、
「まずは、木簡、それと調理器具、それと製品化・・・」
ぶつぶつと呟きながら板書し、
「木簡については、焼き菓子の部分は出来ていて、カスタードの部分もありましたわね」
「はい、カトカさんの叩き台があります、そちらで十分ですね」
「あれは、分かり易かったですわね」
「そうですね、一度、まったく知らない人にあれだけで作って貰っても良いかなと思いますね、従業員には見せただけなので、やって貰いましょうか、えっと、物は・・・」
エレインが事務机の木簡の山をゴソゴソと漁り、3枚の木簡を取り出すと、
「焼き菓子とマヨソースとカスタード・・・あ、このユスティーナ様の焼き菓子は何と呼びましょう?」
「それもあったのう」
「そうね、では、そちらは・・・フランカ・・・私の乳母の名前を使いたいですわね」
ユスティーナはそう言って悩み始める、
「母上、クレオノートの名前を使えば良いではないですか」
「でも、レアン、最初の焼き菓子はカラミッド様から許可を貰っておりませんよ」
「そうですが、クレオの一時の一部となる品ですよ」
「それはそれ、これはこれなのではなくて?」
「そうですね、まるで別のお名前でも良いのかな・・・と思いますが、私としてはユスティーナ様かレアン様のお名前を頂きたい所です」
「そうか・・・」
「あら」
母娘はそういう意図かとエレインへ視線を送る、
「はい、商売的に考えますと、失礼ながら見ず知らずの女性の名前よりも、クレオノート家のお二人の名前に由来した方が、興味も惹きますし、手に取りたいと思うかと・・・さらに言えば、この先何年も残る可能性のある品ですから・・・」
「なるほど」
「この先、何年も・・・ですか・・・」
「はい、これは私の願望もあるのですが、クレオの一時と合わせ、モニケンダムの焼き菓子と言われたらこの名が上がる程の品として広められればとも思うのですよね」
「・・・壮大じゃのう」
「ですね、でも、この心意気が大事なのです」
エレインはフンスと鼻息を荒くして、
「ですので、クレオの一時とはまた違った良い名が欲しいかなと思いますね」
「心意気か・・・」
レアンは腕を組み直し、
「ふふ、楽しいですわ」
ユスティーナもやる気の満ちた瞳になる、
「そうなるとじゃ、レアンかユスティーナであろう?レアンの一時?ユスティーナの一時」
「それは単純過ぎますよ」
確かにと言ってレアンは微笑み、
「母上の綽名を使うのはどうでしょう?」
「綽名ですか?」
「はい、子供の頃の」
「うーん、お父様とお母様にはユストと呼ばれてましたわね」
「ユストですか」
「であれば、ユストの一時?」
「それは単純過ぎるのでしょう?」
「そうね、では、ユストの焼き菓子・・・ここはより単純にユストの午後かしら?」
二人はうんうんと悩み、ライニールも口を出そうか出すまいかと首を傾げている、
「私の田舎ですと、焼き菓子をクッキーと呼んでいましたね」
唐突にテラが口を挟んだ、
「あら、クッキーですか?」
「はい、焼き菓子全般をそう呼んでました、理由は分からないですが、はい」
テラが短く答える、
「クッキー・・・楽しい響きだの」
レアンは顔を綻ばせ、
「そうね、お菓子らしい呼び名ですね」
ユスティーナも微笑んでいる、
「はい、なので、ユストクッキー又は、レアンクッキー、あ、駄目かもですが、クレオクッキー・・・などは如何でしょうか?」
テラが続けて提案する、
「まぁ、可愛らしいわね」
「そうですね、クレオクッキーが一番しっくりくるかと思うが、難しいのう、ユストクッキー、か、うむ、可愛らしくて良いではないですか」
「それならレアンクッキーでしょう、私としてはそちらの方が可愛らしいですよ」
母娘は微妙に譲りあっている様子である、
「なるほど、ユストクッキー、レアンクッキーですね」
聞き役に徹していたエレインが板書し、うーんと悩みつつ、
「いっその事、もう一種類作りましょうか?」
思い付きをそのまま口にした、
「もう一種類?」
また、面倒な事をとレアンが眉根を寄せる、
「はい、そうですね、この木簡に記された製法をユストクッキーにしまして、レアンクッキーの方は材料を板状に伸ばして型で抜いたものの名前にするのはどうでしょう?」
「ほう、なるほど、しかし、味は変わらぬのであろう」
「そうですね、でも・・・うん、物語が作れるのですね・・・」
エレインはニコリと笑みして、
「ユストクッキーが最初にあって、レアンクッキーが生まれました・・・そこへカスタードを挟みこんだのがクレオの一時・・・母から娘に伝えられ、父の拘りが入った品・・・短い物語ですが、如何でしょう」
エレインが思案しながら言葉を紡ぐ、
「まぁ、そう聞くと何やら良い物に聞こえますね」
ユスティーナは嬉しそうに微笑み、
「むぅ、確かに・・・」
「はい、歴史を感じさせつつ、家族愛もあります」
「・・・尊いですね」
ライニールがポツリと呟く、
「尊いか・・・ふふ、なるほどの、確かにな」
「そうね、でも、うん、物語か・・・ただの焼き菓子がなにやら貴重な物に聞こえるのう」
「はい、それにこの物語が付加された事によって、親子で一緒に作れる品であるという周知が図れます、この木簡を前にして母親が得意そうに、娘が四苦八苦している様を想像すると・・・」
「幸せそうじゃの」
「良い風景ですわね」
「そして、クレオの一時を家族で頂いている姿・・・食卓を囲んで、娘が誇らしげに母は楽しそうに・・・父親ははにかんで・・・」
ボソリとテラが眩しそうに呟く、
「なるほど、良いかもしれんのう」
「はい、これは素晴らしい発案です」
ライニールはやや上擦った声を上げ、慌てて興奮を抑え込んだ様子である、
「ふふ、では、そのように、ユストクッキーは現状で、レアンクッキーを新たに書き起こしましょう、それとクレオの一時ですわね、ふむ、そうなると、カスタードの製法はクレオの一時に含めても良いかもですね」
エレインが板書しつつまとめ、
「そうですね、木簡の種類については、一度再構成が必要ですね、ユストクッキーとレアンクッキー、クレオの一時は確定・・・取り敢えずこの3種類でいいかしら?マヨソース・・・これも大事ですが、少し方向性が違うかしら」
「なるほど、マヨソースは菓子ではないからのう」
「はい、それに店で出す予定は無いので、あ、ホイップクリームにしましょうか・・・」
「む、良いのか?カスタードとホイップは目玉商品なのであろう?」
レアンが心配そうに問う、
「はい、目玉商品ではありますが、そうそう簡単に・・・作業は簡単で単純なのですが、いざやってみるとかなりの重労働なのです、恐らくですが、ホイップクリームに関しては一度やってみて、こりゃしんどいとなる可能性があるのですよね」
「はい、確かに会長の言う通りですね、私も実際にやってみましたが、理想通りの形になるまでとても大変でした」
テラが補足する、
「そうなのか、でも、その為の泡立て器であろう?」
「それでもなのです」
エレインはニヤリと笑い、テラも、
「そうです、それでもなのです」
何とも複雑な顔である、
「ふむ、ま、そちらが良いと言うのであればこちらから言う事は無いがの」
レアンは口をへの字に曲げつつも理解を示した様子である、
「お気遣いありがとうございます、では、木簡については、この4種、取り敢えずとしては十分かなと思いますね」
エレインは黒板を見直してうんうんと頷いた。
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