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本編
33話 王様たちと その12
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「さて、では、今日皆さんをお呼びした一番の目的ですわね」
一通り堪能しきった一同にパトリシアはそう呼び掛けつつゆっくりと腰を上げた、
「ふむ、そうであったな、で、次は何が出てくるのかのう」
「そうですわね、これ以上となりますとなかなかに難しいですわよ」
「そうですね、でも、姉様のことですから」
「楽しみですわね」
国王達は膨れた腹を摩りながら楽し気にパトリシアを見上げる、
「ふふ、勿論ですわ」
パトリシアはニヤリと不敵に笑い、
「では、向こうの席へ、お着きになって下さい」
壁沿いに設えたテーブルを左手で優雅に指し示す、国王達はホウと一息吐いて腰を上げ、それぞれにゆっくりと移動した、
「さ、イフナースも、クロノス様」
「あぁ、分かっている」
クロノスが先に立ってイフナースに肩を貸す、イフナースは素直にその助力に従うが、先程の軽食のお陰か活力はあるようで、自力で立ち上がるとゆっくりとではあるが自身の足で席へと向かった、
「まぁ、大丈夫なのイフナース」
「はい、母上、今日は今朝から調子が良いのです、不思議な事もあるものですね」
力の無い優しい笑みを浮かべるイフナース、しかし、クロノスはその背後に控え、パトリシアも心配そうに見つめている、やがて、壁に向かって王族達が並んで座るというなんとも奇妙な光景が生まれた、
「それでは、皆さん、宜しいですわね」
パトリシアが嬉しそうに壁の縄に手をかけた、
「うむ、そう、勿体ぶるな」
「姉さま、早くー」
国王が流石に面倒くさそうにパトリシアを睨み、ウルジュラは黄色い声でパトリシアを急かす、
「では、ご覧あれ」
パトリシアがゆっくりと縄を引き、賓客達の眼前にある白いシーツが持ち上げられた、そして、
「・・・まぁ・・・」
「む、これは・・・」
ガラス鏡が徐々にその姿を現し、それぞれの油断仕切った顔を映し出す、賓客達は何が眼前にあるのかを理解するのに暫く沈黙し、やがて、
「これは、鏡か?」
国王がやっと声を発し、
「え、これ、私?」
「うそー、えっ、えっ、何、どうなってるの?」
一斉に悲鳴とも感嘆ともとれる奇妙な声を上げる、
「ふふ、ガラスで作られた鏡ですわ、どうです、素晴らしいでしょう」
パトリシアは心底楽しそうにニヤつき、意地の悪そうな瞳で一同を見下ろす、
「いや、そうか、鏡か、いや、え?」
「鏡ですわね、よね」
「確かに鏡ですわね」
「すごーい、えっ、私の顔?こんな?」
「・・・酷い顔だな・・・ふふ」
そうして、パトリシアの満足そうな高笑いが響き、クロノスはやれやれと大きく吐息を吐き、ソフィア達はそうなるよねーとこちらも満足そうに眺めるのであった。
暫くの間、国王達はガラス鏡を絶賛し、やがて、その興味は自身の顔に移っていった、それぞれに頭の中にあった自身の姿との乖離に絶望しつつ、銅鏡でも水鏡でも見られないより細かい点を大鏡に顔を押し当てる様にして確認する、それを見たパトリシアがさらに意地悪そうに手鏡の存在を伝え、小さな不満の声が上がりつつ手鏡に素早く手を伸ばした国王達は、その手鏡にも絶賛の声を上げつつ、自身の顔の観察に余念がない、そして、その行為が一段落着いた頃合いで、
「さて、もう一仕掛けですわ」
パトリシアの指示が飛び、メイド達が合わせ鏡を持って一同の背後に立つ、そこでさらに大きな感嘆の声が上がり、パトリシアは正にしってやったりと何度目かの高笑いを上げた、
「バー、変な顔ー」
「わっ、ミナちゃん」
「きゃっ」
「あははー、ミナの勝ちー」
「えー、何それー、じゃ、こうだー」
「もっとー、こーにゃよー」
「むぅ、負けられませんわ」
「こら、ウルジュラ、はしたない」
「えー、でも、楽しいですよー、ねー、ミナちゃん」
「えへへー、でしょー、じゃー、こうにゃー」
「あはは、それ、凄い」
ミナが様子を見ながらこっそりと近付き、ウルジュラとマルルースの間に滑り込むと変顔を披露した、驚きつつも楽しそうに笑うウルジュラと心底驚いた顔を見せるマルルース、ソフィアが止めようか足を出しかけて思い止まり、
「あー、ま、いいかしら?楽しんでるみたいだし」
「ふふ、ミナちゃんにとっては遊び道具なんですよねー」
もう既に様々な人達の反応に見飽きているブノワトである、王家が発する独特の雰囲気にも慣れてきたのかのんびりと微笑む、
「そうね、うん、じゃ、メロンの準備をしましょうか」
ソフィアがテラとオリビアに目配せし、3人は揃って席を立った、
「えっと、メロンてあの超美味しいメロンですか?」
ブノワトも一人座っているのも寂しいのか立ち上がる、
「そうよー、後はまぁ、ゆっくりお茶をしてそれで今日はお終いかな?」
「そうですねー」
こちらはこちらで楽しそうに準備が始まり、メイドが数人手伝いに合流する、やがて、メロンと茶の準備が整い、メイドの一人がパトリシアにその旨を伝えた、
「ふふ、さて、では茶の用意が出来たようですわ」
パトリシアが柔らかく告げるが、誰も席を立つものはいない、
「もー、では、ごゆっくりどうぞ」
パトリシアは臍を曲げたような口振りである、しかし、その顔には満面の笑みを湛えている、
「さて、ゆっくりしましょうか」
パトリシアが席に着き、エレイン達に柔らかく語りかけた、
「そうですね、でも、気に入られたようでなによりです」
エレインが答え、
「勿論ですわよ、ふふ、お披露目会は大成功でしたわ、お義母様達のあの顔と言ったら、陛下もだし、ユラの驚いた顔、うふふ、してやったりですわね」
パトリシアはグフフと下品な笑い声を上げる、やがて、国王が席を立ち、イフナースも席を立つ、
「で、どういうことだ?あれもお前か」
国王は自席に戻るなりソフィアを睨んだ、
「まぁ、怖い」
ソフィアはおどけて笑い、
「うふふ、そんなに真剣にならなくても」
パトリシアは尚楽しそうに国王をからかう、
「何をいう、たいした代物ではないか、いや、驚いた、金属を研磨した鏡や、水鏡はあるであろうが、これほど美しく映せるものではないだろう、どういう仕掛けなのだ?」
「そうですね、では、それは、折角なのでブノワトさんに説明して頂きましょうか」
パトリシアがニコリと笑ってブノワトを指名した、
「ひゃ、ひゃい」
ブノワトは再び緊張したのか甲高い声を上げてしまい、顔を赤くして俯いた、
「ふふ、じゃ、代わりに私から」
ソフィアが沈黙してしまったブノワトに代わり、ガラス鏡の構造とその来歴を適当にはぐらかして説明する、
「ふうむ、それはエルフとは別という事か?」
「はい」
「詳細は?」
「もうしわけありません」
「どうしてもか?」
「はい」
国王の質問をソフィアは断固として断り続けた、
「まぁまぁ、その辺で、全ての秘密を話してしまっては今後の楽しみが無くなりましょう」
パトリシアが優雅にその場をまとめようとするが、国王はむぅと黙り込み、ソフィアはそっぽを向いてしまう、
「ふふ、姉様の意見に賛同しますよ」
イフナースが静かに呟く、国王はジロリとイフナースを睨み、イフナースは柔らかい視線を返した、
「むぅ、まったく、イフナースに免じて不問とするか、すると、あの鏡を作ったのがブノワト嬢か」
「そうなります」
パトリシアが答え、チラリとブノワトの様子を伺う、ブノワトはゴクリと生唾を飲み込んで、
「はい、その、ソフィアさんの発注通りに制作しました、コッキー・・・えっと、ガラス職人と協力して、出来たものを見たときには、ほんとに度肝を抜かれました」
「なるほど、だろうな、うんうん、分かる気がするのう」
国王は嬉しそうに笑い、
「いや、若い者の活躍は良いことだ、老人達が手柄を掻っ攫う世の中は健全とは言えぬからな」
「は、恐縮です、はい」
ブノワトは再び赤面して俯いた、
「では、ゆっくり茶を貰おうか、もう仕掛けはないのであろうな?」
「さぁ、どうでしょう、もう一品、幻の品がありますのよ」
パトリシアがニヤリと笑った。
一通り堪能しきった一同にパトリシアはそう呼び掛けつつゆっくりと腰を上げた、
「ふむ、そうであったな、で、次は何が出てくるのかのう」
「そうですわね、これ以上となりますとなかなかに難しいですわよ」
「そうですね、でも、姉様のことですから」
「楽しみですわね」
国王達は膨れた腹を摩りながら楽し気にパトリシアを見上げる、
「ふふ、勿論ですわ」
パトリシアはニヤリと不敵に笑い、
「では、向こうの席へ、お着きになって下さい」
壁沿いに設えたテーブルを左手で優雅に指し示す、国王達はホウと一息吐いて腰を上げ、それぞれにゆっくりと移動した、
「さ、イフナースも、クロノス様」
「あぁ、分かっている」
クロノスが先に立ってイフナースに肩を貸す、イフナースは素直にその助力に従うが、先程の軽食のお陰か活力はあるようで、自力で立ち上がるとゆっくりとではあるが自身の足で席へと向かった、
「まぁ、大丈夫なのイフナース」
「はい、母上、今日は今朝から調子が良いのです、不思議な事もあるものですね」
力の無い優しい笑みを浮かべるイフナース、しかし、クロノスはその背後に控え、パトリシアも心配そうに見つめている、やがて、壁に向かって王族達が並んで座るというなんとも奇妙な光景が生まれた、
「それでは、皆さん、宜しいですわね」
パトリシアが嬉しそうに壁の縄に手をかけた、
「うむ、そう、勿体ぶるな」
「姉さま、早くー」
国王が流石に面倒くさそうにパトリシアを睨み、ウルジュラは黄色い声でパトリシアを急かす、
「では、ご覧あれ」
パトリシアがゆっくりと縄を引き、賓客達の眼前にある白いシーツが持ち上げられた、そして、
「・・・まぁ・・・」
「む、これは・・・」
ガラス鏡が徐々にその姿を現し、それぞれの油断仕切った顔を映し出す、賓客達は何が眼前にあるのかを理解するのに暫く沈黙し、やがて、
「これは、鏡か?」
国王がやっと声を発し、
「え、これ、私?」
「うそー、えっ、えっ、何、どうなってるの?」
一斉に悲鳴とも感嘆ともとれる奇妙な声を上げる、
「ふふ、ガラスで作られた鏡ですわ、どうです、素晴らしいでしょう」
パトリシアは心底楽しそうにニヤつき、意地の悪そうな瞳で一同を見下ろす、
「いや、そうか、鏡か、いや、え?」
「鏡ですわね、よね」
「確かに鏡ですわね」
「すごーい、えっ、私の顔?こんな?」
「・・・酷い顔だな・・・ふふ」
そうして、パトリシアの満足そうな高笑いが響き、クロノスはやれやれと大きく吐息を吐き、ソフィア達はそうなるよねーとこちらも満足そうに眺めるのであった。
暫くの間、国王達はガラス鏡を絶賛し、やがて、その興味は自身の顔に移っていった、それぞれに頭の中にあった自身の姿との乖離に絶望しつつ、銅鏡でも水鏡でも見られないより細かい点を大鏡に顔を押し当てる様にして確認する、それを見たパトリシアがさらに意地悪そうに手鏡の存在を伝え、小さな不満の声が上がりつつ手鏡に素早く手を伸ばした国王達は、その手鏡にも絶賛の声を上げつつ、自身の顔の観察に余念がない、そして、その行為が一段落着いた頃合いで、
「さて、もう一仕掛けですわ」
パトリシアの指示が飛び、メイド達が合わせ鏡を持って一同の背後に立つ、そこでさらに大きな感嘆の声が上がり、パトリシアは正にしってやったりと何度目かの高笑いを上げた、
「バー、変な顔ー」
「わっ、ミナちゃん」
「きゃっ」
「あははー、ミナの勝ちー」
「えー、何それー、じゃ、こうだー」
「もっとー、こーにゃよー」
「むぅ、負けられませんわ」
「こら、ウルジュラ、はしたない」
「えー、でも、楽しいですよー、ねー、ミナちゃん」
「えへへー、でしょー、じゃー、こうにゃー」
「あはは、それ、凄い」
ミナが様子を見ながらこっそりと近付き、ウルジュラとマルルースの間に滑り込むと変顔を披露した、驚きつつも楽しそうに笑うウルジュラと心底驚いた顔を見せるマルルース、ソフィアが止めようか足を出しかけて思い止まり、
「あー、ま、いいかしら?楽しんでるみたいだし」
「ふふ、ミナちゃんにとっては遊び道具なんですよねー」
もう既に様々な人達の反応に見飽きているブノワトである、王家が発する独特の雰囲気にも慣れてきたのかのんびりと微笑む、
「そうね、うん、じゃ、メロンの準備をしましょうか」
ソフィアがテラとオリビアに目配せし、3人は揃って席を立った、
「えっと、メロンてあの超美味しいメロンですか?」
ブノワトも一人座っているのも寂しいのか立ち上がる、
「そうよー、後はまぁ、ゆっくりお茶をしてそれで今日はお終いかな?」
「そうですねー」
こちらはこちらで楽しそうに準備が始まり、メイドが数人手伝いに合流する、やがて、メロンと茶の準備が整い、メイドの一人がパトリシアにその旨を伝えた、
「ふふ、さて、では茶の用意が出来たようですわ」
パトリシアが柔らかく告げるが、誰も席を立つものはいない、
「もー、では、ごゆっくりどうぞ」
パトリシアは臍を曲げたような口振りである、しかし、その顔には満面の笑みを湛えている、
「さて、ゆっくりしましょうか」
パトリシアが席に着き、エレイン達に柔らかく語りかけた、
「そうですね、でも、気に入られたようでなによりです」
エレインが答え、
「勿論ですわよ、ふふ、お披露目会は大成功でしたわ、お義母様達のあの顔と言ったら、陛下もだし、ユラの驚いた顔、うふふ、してやったりですわね」
パトリシアはグフフと下品な笑い声を上げる、やがて、国王が席を立ち、イフナースも席を立つ、
「で、どういうことだ?あれもお前か」
国王は自席に戻るなりソフィアを睨んだ、
「まぁ、怖い」
ソフィアはおどけて笑い、
「うふふ、そんなに真剣にならなくても」
パトリシアは尚楽しそうに国王をからかう、
「何をいう、たいした代物ではないか、いや、驚いた、金属を研磨した鏡や、水鏡はあるであろうが、これほど美しく映せるものではないだろう、どういう仕掛けなのだ?」
「そうですね、では、それは、折角なのでブノワトさんに説明して頂きましょうか」
パトリシアがニコリと笑ってブノワトを指名した、
「ひゃ、ひゃい」
ブノワトは再び緊張したのか甲高い声を上げてしまい、顔を赤くして俯いた、
「ふふ、じゃ、代わりに私から」
ソフィアが沈黙してしまったブノワトに代わり、ガラス鏡の構造とその来歴を適当にはぐらかして説明する、
「ふうむ、それはエルフとは別という事か?」
「はい」
「詳細は?」
「もうしわけありません」
「どうしてもか?」
「はい」
国王の質問をソフィアは断固として断り続けた、
「まぁまぁ、その辺で、全ての秘密を話してしまっては今後の楽しみが無くなりましょう」
パトリシアが優雅にその場をまとめようとするが、国王はむぅと黙り込み、ソフィアはそっぽを向いてしまう、
「ふふ、姉様の意見に賛同しますよ」
イフナースが静かに呟く、国王はジロリとイフナースを睨み、イフナースは柔らかい視線を返した、
「むぅ、まったく、イフナースに免じて不問とするか、すると、あの鏡を作ったのがブノワト嬢か」
「そうなります」
パトリシアが答え、チラリとブノワトの様子を伺う、ブノワトはゴクリと生唾を飲み込んで、
「はい、その、ソフィアさんの発注通りに制作しました、コッキー・・・えっと、ガラス職人と協力して、出来たものを見たときには、ほんとに度肝を抜かれました」
「なるほど、だろうな、うんうん、分かる気がするのう」
国王は嬉しそうに笑い、
「いや、若い者の活躍は良いことだ、老人達が手柄を掻っ攫う世の中は健全とは言えぬからな」
「は、恐縮です、はい」
ブノワトは再び赤面して俯いた、
「では、ゆっくり茶を貰おうか、もう仕掛けはないのであろうな?」
「さぁ、どうでしょう、もう一品、幻の品がありますのよ」
パトリシアがニヤリと笑った。
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