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本編
33話 王様たちと その5
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「おう、出来上がったと見て良さそうだな」
ズカズカとこの城の主、クロノスが休憩中の小部屋に入って来た、メイド達はサッと居住まいを正し、リンドは腰を上げ、エレイン達もそれに倣った、微動だにしなかったのはパトリシアのみである、
「はい、こちらの準備はほぼ済んだかと思います」
リンドが恭しく頭を垂れる、
「そうか、あー、そんなに畏まるな」
クロノスは右手をヒラヒラと振り、それを見てメイド達は静かに退出し、リンドも頭を上げた、
「エレイン嬢、それにブノワト嬢にオリビア嬢か、テラも何かと面倒掛けるな」
鷹揚に笑顔を見せるクロノスに、エレインはニコリと笑みで答え、ブノワトは未だに慣れないのかそわそわと目線を下げた、オリビアは静かに頭を垂れ、テラは小さく会釈する、
「で、パトリシアとしてはどうだ?予定どおりになりそうか?」
クロノスはメイドの運んできた椅子を受け取ると、パトリシアの隣りに置いてドカリと座り込む、
「ふふん、今の所は、陛下よりも義母様達とユラの驚いた顔が浮かぶようです」
パトリシアはニヤリと笑い、
「ほら、皆さんも座りなさい、遠慮は不要です」
立ったままのエレイン達を座らせ、優雅に茶を啜るパトリシア、
「そうすると、あ、ソフィアはどうした?あいつに一言、言っておかなければ気が済まん」
クロノスは丸テーブルを囲む面々に視線を走らせる、
「はい、夕食の支度があるとの事で先にお戻りになりました」
リンドが静かに答えた、
「む、そうか、よく見ればお前ら全員、付けておるのだな、まったく、目のやり場に困るぞ」
クロノスの視線は、エレインのみならず、オリビア、テラ、ブノワト、それぞれの胸部へと向けられており、4人はあぁーそういう事ねと口には出さずに理解する、
「まぁ、もう慣れたと言っていたではないですか?」
「うん、無理だ、な、リンド」
クロノスはガハハと笑い、リンドへ水を向ける、
「そこは我慢です、クロノス様」
リンドは静かに答え、手にした茶に視線を落とした、
「む、何だ、リンド、お前、もう枯れたのか?」
「枯れてはおりませんが、我慢です」
「またまたー、本能の問題だ、我慢等出来るわけもないだろう」
「そうですね、クロノス様、紳士であろうとなさることです」
「またそれか、お前の言う紳士とやらは生殖能力の無い仙人みたいなものであろう」
「いいえ、紳士とは品格と礼儀を備えた一流の男性の事です」
リンドの静かな言葉に、女性達はおぉーと静かな歓声を上げ、
「しかし、そのような男性は存在しません」
続くリンドの決めつけに、えっと静かに驚いた、
「私であっても、貴族の規範として名高い、紳士卿と綽名されるかのクリストッフェル侯爵であっても同じです、であれば、紳士とは何か?どう考えられますかな?」
リンドはビシリとクロノスを睨み、クロノスは面倒な事になったと頭を掻いて、
「どうだろうな、考えた事もない」
「そこが問題なのです、紳士たる事、そうであろうとする事が紳士なのです、何度でも言いましょう、紳士なる人は存在しません、クリストッフェル侯爵は博打好きで好色家でありました、しかし、紳士として名高い、それは紳士たろうと努力した上での結果です、つまり紳士とはそうあるべき理想の姿であって、実在しない概念存在なのです」
やや強い口調のリンドの言葉に、女性達は改めて歓声を上げた、
「だからさ、それは結局、人の本質を否定する事にならんか?女共の派手な装いとなんら変わらんだろう」
「それの何が悪いのです?人は結局、外面と仕草と言動から相手を判断するものです、外面を整えるということは服飾を正すこと、仕草を整えるのは躾と礼儀、言動を整えるのは教養と思いやりです、紳士とはこれらを網羅する男性特有の概念であり、淑女とは紳士に対する女性名称です、つまり、淑女なる存在もありません、概念でありますからな、故に、紳士とは、例え女性を買おうが博打に狂おうが糞尿に塗れようが紳士である事を貫く者が紳士なのです」
リンドの言動はやや乱暴とも言える内容である、しかし、その珍しい饒舌ぶりに女性達は素直に関心し、クロノスはぐぅの音も無く黙り込む、
「こう言えば興味を持たれるでしょう」
リンドは一息吐くと、
「件のクリストッフェル侯爵は娼館で金銭を支払った事が無いと噂されております」
「なに、マジか?」
クロノスは驚きの声を上げ、女性達は何のことやらと訝しい目で二人を睨む、
「つまりはあれか・・・」
クロノスが口を開いた瞬間、
「ク・ロ・ノ・ス・様」
パトリシアがジロリと睨み、クロノスは開いた口を素直に閉じた、
「まったく、いきなり来たかと思えばやかましい事、一休みして段取りを再確認していた所なのですよ」
強い口調でクロノスを制するパトリシア、クロノスは、
「・・・そうか、それは失敬」
気まずそうに口の端をグニャリと上げ、リンドもしゃべり過ぎたかと姿勢を正す、
「そうですね、では、明日の午前中に参集して一通り実行してみるという事で宜しいですわね」
パトリシアは優しい口調に戻ると、エレイン達に微笑みかける、
「はい、そのように」
エレインは代表して静かに答えた、
「それと、クロノス様、エレインさんの機転で鏡を6組ずつ、追加で納入頂いております、クロノス様の寝所、それとメイド達の支度部屋、他には侍従の支度部屋にも一式置こうかと思いますの、他に置きたい場所はありますか?」
パトリシアはやや上目遣いでクロノスへ視線を送る、
「6組か、それはまた嬉しいな、それはあれか量産体制が出来たのか?」
クロノスがブノワトへ直接問う、ブノワトはアワアワと落ち着きを無くしつつ、
「ひゃい、あの、その、一日辺り二組程度、作製できるようににゃっております」
舌を噛みそうになりながら答え、
「そうか、それは凄いにゃ、良い事だにゃ」
クロノスが底意地の悪い笑みを浮かべてニヤリと笑う、
「ま、ブノワトさんをからかうなんて、私の友人に対する非礼は許しませんよ、もう紳士である事を忘れたのですか」
再びパトリシアがジロリと睨み、
「あー、でも、あれだぞ、俺とブラスはもう飲み仲間だぞ、その嫁さんとなれば、俺にとってもダチだろうが」
「え、そうなの・・・ですか?」
ブノワトがやや驚いて呟く、
「そうだぞ、男はな、一度楽しく飲み交わせば友人なんだよ、楽なもんだろ?」
「また、適当な、あなたが良くても向こうがそう思っていないかもしれませんわよ」
「俺がそうだと思っているんだからそれでいいだろうが、なぁ?」
クロノスはブノワトに笑いかけるが、ブノワトは何とも複雑な顔である、
「まったく、やはり、あれだな、向こうで会うのとは違うな、それも仕方の無い事か」
「そうですね、さっきもその話しをしていたのですが、どうにも皆さん、硬くて」
クロノスとパトリシアは顔を見合わせ、
「うん、こういう時はソフィアがいれば、だいぶ楽なんだがな、いないものは仕方が無い、明日は来るんだろう?」
「その予定ですわ」
「そうか、うん、じゃ、バカ話しは明日にするか、リンド、こっちが済んだら執務室へ、邪魔したな」
クロノスは腰を上げるとあっという間に姿を消した、その勢いにエレイン達は呆気に取られつつ、
「あの、失礼があったでしょうか?」
恐る恐るとパトリシアに問う、
「あー、大丈夫よ、ほら、言ってたでしょ、向こうの感覚で話して欲しかったのよ、でも、ねぇ、ま、お城じゃどうしても緊張しちゃうわよね」
パトリシアは若干寂しそうに微笑み、
「えっと、そうですね、でも、はい、難しいかと思います」
エレインは申し訳なさそうにするのであった。
ズカズカとこの城の主、クロノスが休憩中の小部屋に入って来た、メイド達はサッと居住まいを正し、リンドは腰を上げ、エレイン達もそれに倣った、微動だにしなかったのはパトリシアのみである、
「はい、こちらの準備はほぼ済んだかと思います」
リンドが恭しく頭を垂れる、
「そうか、あー、そんなに畏まるな」
クロノスは右手をヒラヒラと振り、それを見てメイド達は静かに退出し、リンドも頭を上げた、
「エレイン嬢、それにブノワト嬢にオリビア嬢か、テラも何かと面倒掛けるな」
鷹揚に笑顔を見せるクロノスに、エレインはニコリと笑みで答え、ブノワトは未だに慣れないのかそわそわと目線を下げた、オリビアは静かに頭を垂れ、テラは小さく会釈する、
「で、パトリシアとしてはどうだ?予定どおりになりそうか?」
クロノスはメイドの運んできた椅子を受け取ると、パトリシアの隣りに置いてドカリと座り込む、
「ふふん、今の所は、陛下よりも義母様達とユラの驚いた顔が浮かぶようです」
パトリシアはニヤリと笑い、
「ほら、皆さんも座りなさい、遠慮は不要です」
立ったままのエレイン達を座らせ、優雅に茶を啜るパトリシア、
「そうすると、あ、ソフィアはどうした?あいつに一言、言っておかなければ気が済まん」
クロノスは丸テーブルを囲む面々に視線を走らせる、
「はい、夕食の支度があるとの事で先にお戻りになりました」
リンドが静かに答えた、
「む、そうか、よく見ればお前ら全員、付けておるのだな、まったく、目のやり場に困るぞ」
クロノスの視線は、エレインのみならず、オリビア、テラ、ブノワト、それぞれの胸部へと向けられており、4人はあぁーそういう事ねと口には出さずに理解する、
「まぁ、もう慣れたと言っていたではないですか?」
「うん、無理だ、な、リンド」
クロノスはガハハと笑い、リンドへ水を向ける、
「そこは我慢です、クロノス様」
リンドは静かに答え、手にした茶に視線を落とした、
「む、何だ、リンド、お前、もう枯れたのか?」
「枯れてはおりませんが、我慢です」
「またまたー、本能の問題だ、我慢等出来るわけもないだろう」
「そうですね、クロノス様、紳士であろうとなさることです」
「またそれか、お前の言う紳士とやらは生殖能力の無い仙人みたいなものであろう」
「いいえ、紳士とは品格と礼儀を備えた一流の男性の事です」
リンドの静かな言葉に、女性達はおぉーと静かな歓声を上げ、
「しかし、そのような男性は存在しません」
続くリンドの決めつけに、えっと静かに驚いた、
「私であっても、貴族の規範として名高い、紳士卿と綽名されるかのクリストッフェル侯爵であっても同じです、であれば、紳士とは何か?どう考えられますかな?」
リンドはビシリとクロノスを睨み、クロノスは面倒な事になったと頭を掻いて、
「どうだろうな、考えた事もない」
「そこが問題なのです、紳士たる事、そうであろうとする事が紳士なのです、何度でも言いましょう、紳士なる人は存在しません、クリストッフェル侯爵は博打好きで好色家でありました、しかし、紳士として名高い、それは紳士たろうと努力した上での結果です、つまり紳士とはそうあるべき理想の姿であって、実在しない概念存在なのです」
やや強い口調のリンドの言葉に、女性達は改めて歓声を上げた、
「だからさ、それは結局、人の本質を否定する事にならんか?女共の派手な装いとなんら変わらんだろう」
「それの何が悪いのです?人は結局、外面と仕草と言動から相手を判断するものです、外面を整えるということは服飾を正すこと、仕草を整えるのは躾と礼儀、言動を整えるのは教養と思いやりです、紳士とはこれらを網羅する男性特有の概念であり、淑女とは紳士に対する女性名称です、つまり、淑女なる存在もありません、概念でありますからな、故に、紳士とは、例え女性を買おうが博打に狂おうが糞尿に塗れようが紳士である事を貫く者が紳士なのです」
リンドの言動はやや乱暴とも言える内容である、しかし、その珍しい饒舌ぶりに女性達は素直に関心し、クロノスはぐぅの音も無く黙り込む、
「こう言えば興味を持たれるでしょう」
リンドは一息吐くと、
「件のクリストッフェル侯爵は娼館で金銭を支払った事が無いと噂されております」
「なに、マジか?」
クロノスは驚きの声を上げ、女性達は何のことやらと訝しい目で二人を睨む、
「つまりはあれか・・・」
クロノスが口を開いた瞬間、
「ク・ロ・ノ・ス・様」
パトリシアがジロリと睨み、クロノスは開いた口を素直に閉じた、
「まったく、いきなり来たかと思えばやかましい事、一休みして段取りを再確認していた所なのですよ」
強い口調でクロノスを制するパトリシア、クロノスは、
「・・・そうか、それは失敬」
気まずそうに口の端をグニャリと上げ、リンドもしゃべり過ぎたかと姿勢を正す、
「そうですね、では、明日の午前中に参集して一通り実行してみるという事で宜しいですわね」
パトリシアは優しい口調に戻ると、エレイン達に微笑みかける、
「はい、そのように」
エレインは代表して静かに答えた、
「それと、クロノス様、エレインさんの機転で鏡を6組ずつ、追加で納入頂いております、クロノス様の寝所、それとメイド達の支度部屋、他には侍従の支度部屋にも一式置こうかと思いますの、他に置きたい場所はありますか?」
パトリシアはやや上目遣いでクロノスへ視線を送る、
「6組か、それはまた嬉しいな、それはあれか量産体制が出来たのか?」
クロノスがブノワトへ直接問う、ブノワトはアワアワと落ち着きを無くしつつ、
「ひゃい、あの、その、一日辺り二組程度、作製できるようににゃっております」
舌を噛みそうになりながら答え、
「そうか、それは凄いにゃ、良い事だにゃ」
クロノスが底意地の悪い笑みを浮かべてニヤリと笑う、
「ま、ブノワトさんをからかうなんて、私の友人に対する非礼は許しませんよ、もう紳士である事を忘れたのですか」
再びパトリシアがジロリと睨み、
「あー、でも、あれだぞ、俺とブラスはもう飲み仲間だぞ、その嫁さんとなれば、俺にとってもダチだろうが」
「え、そうなの・・・ですか?」
ブノワトがやや驚いて呟く、
「そうだぞ、男はな、一度楽しく飲み交わせば友人なんだよ、楽なもんだろ?」
「また、適当な、あなたが良くても向こうがそう思っていないかもしれませんわよ」
「俺がそうだと思っているんだからそれでいいだろうが、なぁ?」
クロノスはブノワトに笑いかけるが、ブノワトは何とも複雑な顔である、
「まったく、やはり、あれだな、向こうで会うのとは違うな、それも仕方の無い事か」
「そうですね、さっきもその話しをしていたのですが、どうにも皆さん、硬くて」
クロノスとパトリシアは顔を見合わせ、
「うん、こういう時はソフィアがいれば、だいぶ楽なんだがな、いないものは仕方が無い、明日は来るんだろう?」
「その予定ですわ」
「そうか、うん、じゃ、バカ話しは明日にするか、リンド、こっちが済んだら執務室へ、邪魔したな」
クロノスは腰を上げるとあっという間に姿を消した、その勢いにエレイン達は呆気に取られつつ、
「あの、失礼があったでしょうか?」
恐る恐るとパトリシアに問う、
「あー、大丈夫よ、ほら、言ってたでしょ、向こうの感覚で話して欲しかったのよ、でも、ねぇ、ま、お城じゃどうしても緊張しちゃうわよね」
パトリシアは若干寂しそうに微笑み、
「えっと、そうですね、でも、はい、難しいかと思います」
エレインは申し訳なさそうにするのであった。
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