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本編
31話 スイカとメロンと干しブドウ その1
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翌日、
「オハヨー」
いつも通りのエレインの朝である、だらしない恰好のまま食堂に入ると、寝ぼけ眼を隠さずに鏡の前にストンと腰を落とす、反覚醒のままにヘアブラシを手にし、酷い顔だなーと自身の顔を見詰めながら髪を梳かし始める、
「エレインさまー、早く、早く、早くご飯しよう、ね、ね」
ミナがそんなエレインの周りを跳びはねた、
「あー、ミナさんは今日も元気ねー」
ミナに聞こえるかどうかの呟きがエレインの口から漏れる、
「うん、元気なの、だから、早く、ご飯しよ、ね、ゴーハーン」
今日に限って何をそんなにとエレインは思うが、思考の霞は晴れず、ミナのけたたましい声さえもエレインにとっては2度目の眠りに誘う子守歌のようである、
「お嬢様、洗顔を」
遠くでオリビアの声がする、
「あ、そうよね、うん、行くー」
エレインはフラリと立ち上がり厨房へ向かう、改めて食堂内を見ると、ケイスとジャネット、それからテラが楽しそうに話し込んでいる、ケイスさんがいるのは珍しーわねー等と思いつつ、井戸に辿り着き桶に汲まれた冷たい水に顔を浸け、漸く目が覚めたそう感じた。
「ふー、やっと目が覚めましたわ」
何とか覚醒したエレインが食堂へ入ると、ミナがエレインのトレーをサッと持ってくる、
「エレイン様、はい、ゴハン、食べて、食べて」
「どうしたんですの?ミナさん」
ミナはいつも以上に元気な上に常とは異なり変に世話を焼こうとしてる様子である、いつもであればエレインのトレーを持って来るような事はしない筈である、
「みて、みて、見れば分かるのー」
「何を?」
明るい笑顔でエレインを見上げるミナ、エレインはその顔から視線をずらしてトレーに至り、
「あら、メロンですか、あ、もしかして?」
「やっと、気付いた、エレイン様のネボスケー」
「ま、ミナさん、それは言い過ぎですわ」
「いいえ、お嬢様、寝坊助は寝坊助です」
先にテーブルに着いているオリビアが冷たい視線でエレインを睨む、
「ま、オリビアまで、折角の朝が台無しですことよ」
エレインはミナの手にするトレーを受け取ると、
「ミナさん、ありがとうございます」
静かに礼を口にする、
「うん、美味しいから、ね、美味しいから、食べて、ね」
「勿論ですわ、ミナさんとレインさんの自信作ですわね」
「うん、そうなの、すんごい美味しいの、絶対、美味しいの」
ミナはピョンピョンと飛び跳ね、
「うむ、至高の一品じゃ、心していただくのじゃ」
レインが踏ん反り返っている、
「うん、確かに至高の一品だね」
「そうだよ、メロンってこんなに美味しかったんだね、知らなかったよ」
「まったくです、これほどのメロンはお目にかかれる物ではないですよ」
ジャネットとケイスとテラがそれぞれに褒めそやす、
「じゃろうのう」
ニヤリとレインは笑みを浮かべ、
「でしょ、でしょ、ね、美味しいよね、ね」
ミナがパタパタと走り回った、
「こら、走らないの」
ソフィアが落ち着きのないミナを抱き留めると、
「むー、ソフィも美味しかったでしょ」
「勿論、ミナとレインは凄いわね、お世話大変だったでしょ」
「えへへ、凄い?凄い?あのね、頑張ったんだよ」
「うん、凄いね、頑張ったね」
「えへへー」
ソフィアから褒められてやっとミナも落ち着きを取り戻したようである、エレインはあらあらと微笑みながらいつもの席に着くと、フォークを手にして一口大に切られたメロンを突き刺し口に運んだ、
「まぁ」
思わず口に出たのは感激の一声である、口に入れたそれは汁気たっぷりでメロン独特の甘さが強く、鼻に抜ける香りも心地よい、さらに驚いたのはその柔らかさである、一噛み二噛みするうちに口中でとろけてしまった、
「どう?どう?」
ソフィアの手からすり抜けたミナがエレインの対面にピョコンと顔を出す、
「こんな、こんな、美味しい果物は初めてですわ、これ、メロンですわよね、うん、メロンですね、柔らかくて汁気たっぷりでこの甘さといい、なんて素晴らしい」
「むふー、えへへ、ミナとレインで作ったんだよ、頑張ったんだから」
「うん、うん、それにこの柔らかさ、ビックリですよ、これは至高のいや、最上級の、それでも足りませんわね、唯一無二の、幻の一品ですわ」
「ほう、幻の一品は良いのう」
「えへへー、良かったー、あのね、あのね、明日も食べられるの、まだまだあるのよ、でね、でね」
ミナは再び興奮して何を語りたいのか自分でも分かっていない様子である、
「はい、分かりましたわ、ミナさんとレインさんに感謝して頂きますわね」
ニコリと優しく微笑むエレインに、ミナはムフーと鼻を鳴らして満面の笑顔となる、
「ねぇねぇ、菜園見せて貰ってもいい?何か違うの?」
ジャネットがメロンの盛られていた皿を物足りなさそうに見詰めながらレインに問うた、
「見て分かるかのう?」
「興味ありますね」
ケイスがジャネットに同調し、
「そうですね、きっと秘密があるはずです」
テラも話に乗ってきた、
「しようがないのう、どれ、ミナ、菜園を案内するぞ」
「うん、いいよー、見て、見て」
ミナはサッと厨房へ走る、
「あ、こら、もう、落ち着きのないったら、まったく」
ソフィアが静止する間もなくミナの姿は厨房へ消え、
「あー、いいです?」
ジャネットが申し訳なさそうにソフィアへ目で確認を取る、
「いいわよー、でも、そんな大層な事はしてない筈だけど、あれね、カトカさんにも話したけど土が良いんだと思うわ、勿論、ミナとレインが細かく手入れしたのもあるんでしょうけど」
「ふふん、そうだったのう、ソフィアにはもう一つの工夫は話しておらんかったのう」
レインの不適な笑みは変わらない、
「あら、何かあるの?」
ソフィアが小さく目を剥いた、
「そうじゃのう、ちょっとした事だがの、とても大事な事じゃぞ」
「あら、それ興味あるな、うん、じゃ、レイン先生に御教授頂きましょうか」
ソフィアが腰を上げる、
「あ、私も」
と朝食を済ませた面々が腰を上げた、
「仕方がないのう」
レインはそう言いつつもニヤニヤ笑いは崩さない、
「まだー、はやくー」
ミナが食堂へ走り込んできた、
「はいはい、今行くから、走り回らない」
ソフィアは小言を言いながらミナの背を追い、一同はその背に従う、食堂内にはポツンと一人エレインが取り残された、
「このメロン、リシア様へお届けしたいかしら・・・うーん、ソフィアさんと相談かなー」
静かになった食堂でいつものオートミールを口に運びつつ、メロンを見つめる、
「あ、そっか、ジャネットさん達今日お休みよね、なら、あれの商品開発をお願いしようかしら・・・でも、たまには休まないとだし、ま、戻ってきたらでいっか」
これもいつもの葉物野菜を咥え、シャキシャキと歯応えを楽しんでいると、
「エレイン様、早くー、エレイン様もー」
ミナが食堂へ呼びに来た、
「あら、私もいいんですの?」
「勿論、はやく、はやく」
モーとエレインは困った顔で笑顔になると朝食をそのままに席を立つのであった。
「オハヨー」
いつも通りのエレインの朝である、だらしない恰好のまま食堂に入ると、寝ぼけ眼を隠さずに鏡の前にストンと腰を落とす、反覚醒のままにヘアブラシを手にし、酷い顔だなーと自身の顔を見詰めながら髪を梳かし始める、
「エレインさまー、早く、早く、早くご飯しよう、ね、ね」
ミナがそんなエレインの周りを跳びはねた、
「あー、ミナさんは今日も元気ねー」
ミナに聞こえるかどうかの呟きがエレインの口から漏れる、
「うん、元気なの、だから、早く、ご飯しよ、ね、ゴーハーン」
今日に限って何をそんなにとエレインは思うが、思考の霞は晴れず、ミナのけたたましい声さえもエレインにとっては2度目の眠りに誘う子守歌のようである、
「お嬢様、洗顔を」
遠くでオリビアの声がする、
「あ、そうよね、うん、行くー」
エレインはフラリと立ち上がり厨房へ向かう、改めて食堂内を見ると、ケイスとジャネット、それからテラが楽しそうに話し込んでいる、ケイスさんがいるのは珍しーわねー等と思いつつ、井戸に辿り着き桶に汲まれた冷たい水に顔を浸け、漸く目が覚めたそう感じた。
「ふー、やっと目が覚めましたわ」
何とか覚醒したエレインが食堂へ入ると、ミナがエレインのトレーをサッと持ってくる、
「エレイン様、はい、ゴハン、食べて、食べて」
「どうしたんですの?ミナさん」
ミナはいつも以上に元気な上に常とは異なり変に世話を焼こうとしてる様子である、いつもであればエレインのトレーを持って来るような事はしない筈である、
「みて、みて、見れば分かるのー」
「何を?」
明るい笑顔でエレインを見上げるミナ、エレインはその顔から視線をずらしてトレーに至り、
「あら、メロンですか、あ、もしかして?」
「やっと、気付いた、エレイン様のネボスケー」
「ま、ミナさん、それは言い過ぎですわ」
「いいえ、お嬢様、寝坊助は寝坊助です」
先にテーブルに着いているオリビアが冷たい視線でエレインを睨む、
「ま、オリビアまで、折角の朝が台無しですことよ」
エレインはミナの手にするトレーを受け取ると、
「ミナさん、ありがとうございます」
静かに礼を口にする、
「うん、美味しいから、ね、美味しいから、食べて、ね」
「勿論ですわ、ミナさんとレインさんの自信作ですわね」
「うん、そうなの、すんごい美味しいの、絶対、美味しいの」
ミナはピョンピョンと飛び跳ね、
「うむ、至高の一品じゃ、心していただくのじゃ」
レインが踏ん反り返っている、
「うん、確かに至高の一品だね」
「そうだよ、メロンってこんなに美味しかったんだね、知らなかったよ」
「まったくです、これほどのメロンはお目にかかれる物ではないですよ」
ジャネットとケイスとテラがそれぞれに褒めそやす、
「じゃろうのう」
ニヤリとレインは笑みを浮かべ、
「でしょ、でしょ、ね、美味しいよね、ね」
ミナがパタパタと走り回った、
「こら、走らないの」
ソフィアが落ち着きのないミナを抱き留めると、
「むー、ソフィも美味しかったでしょ」
「勿論、ミナとレインは凄いわね、お世話大変だったでしょ」
「えへへ、凄い?凄い?あのね、頑張ったんだよ」
「うん、凄いね、頑張ったね」
「えへへー」
ソフィアから褒められてやっとミナも落ち着きを取り戻したようである、エレインはあらあらと微笑みながらいつもの席に着くと、フォークを手にして一口大に切られたメロンを突き刺し口に運んだ、
「まぁ」
思わず口に出たのは感激の一声である、口に入れたそれは汁気たっぷりでメロン独特の甘さが強く、鼻に抜ける香りも心地よい、さらに驚いたのはその柔らかさである、一噛み二噛みするうちに口中でとろけてしまった、
「どう?どう?」
ソフィアの手からすり抜けたミナがエレインの対面にピョコンと顔を出す、
「こんな、こんな、美味しい果物は初めてですわ、これ、メロンですわよね、うん、メロンですね、柔らかくて汁気たっぷりでこの甘さといい、なんて素晴らしい」
「むふー、えへへ、ミナとレインで作ったんだよ、頑張ったんだから」
「うん、うん、それにこの柔らかさ、ビックリですよ、これは至高のいや、最上級の、それでも足りませんわね、唯一無二の、幻の一品ですわ」
「ほう、幻の一品は良いのう」
「えへへー、良かったー、あのね、あのね、明日も食べられるの、まだまだあるのよ、でね、でね」
ミナは再び興奮して何を語りたいのか自分でも分かっていない様子である、
「はい、分かりましたわ、ミナさんとレインさんに感謝して頂きますわね」
ニコリと優しく微笑むエレインに、ミナはムフーと鼻を鳴らして満面の笑顔となる、
「ねぇねぇ、菜園見せて貰ってもいい?何か違うの?」
ジャネットがメロンの盛られていた皿を物足りなさそうに見詰めながらレインに問うた、
「見て分かるかのう?」
「興味ありますね」
ケイスがジャネットに同調し、
「そうですね、きっと秘密があるはずです」
テラも話に乗ってきた、
「しようがないのう、どれ、ミナ、菜園を案内するぞ」
「うん、いいよー、見て、見て」
ミナはサッと厨房へ走る、
「あ、こら、もう、落ち着きのないったら、まったく」
ソフィアが静止する間もなくミナの姿は厨房へ消え、
「あー、いいです?」
ジャネットが申し訳なさそうにソフィアへ目で確認を取る、
「いいわよー、でも、そんな大層な事はしてない筈だけど、あれね、カトカさんにも話したけど土が良いんだと思うわ、勿論、ミナとレインが細かく手入れしたのもあるんでしょうけど」
「ふふん、そうだったのう、ソフィアにはもう一つの工夫は話しておらんかったのう」
レインの不適な笑みは変わらない、
「あら、何かあるの?」
ソフィアが小さく目を剥いた、
「そうじゃのう、ちょっとした事だがの、とても大事な事じゃぞ」
「あら、それ興味あるな、うん、じゃ、レイン先生に御教授頂きましょうか」
ソフィアが腰を上げる、
「あ、私も」
と朝食を済ませた面々が腰を上げた、
「仕方がないのう」
レインはそう言いつつもニヤニヤ笑いは崩さない、
「まだー、はやくー」
ミナが食堂へ走り込んできた、
「はいはい、今行くから、走り回らない」
ソフィアは小言を言いながらミナの背を追い、一同はその背に従う、食堂内にはポツンと一人エレインが取り残された、
「このメロン、リシア様へお届けしたいかしら・・・うーん、ソフィアさんと相談かなー」
静かになった食堂でいつものオートミールを口に運びつつ、メロンを見つめる、
「あ、そっか、ジャネットさん達今日お休みよね、なら、あれの商品開発をお願いしようかしら・・・でも、たまには休まないとだし、ま、戻ってきたらでいっか」
これもいつもの葉物野菜を咥え、シャキシャキと歯応えを楽しんでいると、
「エレイン様、早くー、エレイン様もー」
ミナが食堂へ呼びに来た、
「あら、私もいいんですの?」
「勿論、はやく、はやく」
モーとエレインは困った顔で笑顔になると朝食をそのままに席を立つのであった。
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