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本編
30話 雨を降らせた悪だくみ その6
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「お疲れ様です、テラさん」
「ブノワトさんもお世話様です」
テラとブノワトが簡単な挨拶を交わすと二人は席に着く、
「うふ、前掛け似合いますね」
「ま、それは社交辞令というやつですわね、ブノワトさんも口が軽いですね」
「えー、違いますよー」
ブノワトとテラが微笑み合い、
「あ、アフラさんにこの前掛けの事聞くのを忘れてましたわ」
エレインが頭を掻く、
「これですか?」
テラが前掛けの端を右手で持ち上げた、
「ええ、これはリシア様から頂いた品なのですが、店舗を増やすにあたって作業服として統一しようかと思ってまして」
「なるほど、そうですね、この独特の輝きは目を惹きますよね、うん、確かに作業服の統一か、それも面白いですね」
「そうなんです、ですが、頂き物なので、こちらで作製できる店ってあるのかしら?」
「あー、たぶん、無理ですね、リシア様経由の品となると、これ、北ヘルデルで開発された生地だと思います、確か・・・海蜘蛛の糸と何とかっていう兎?みたいな動物の毛を使って開発したとかなんとか、そんな事を聞いた事がありますね、実物を見た事がなかったので、それとは気付きませんでしたが、恐らくそれです」
テラは前掛けの端を持ってその手触りを確認する、
「へー、海蜘蛛ですか、それはまた高級そうな・・・っていうか海蜘蛛って何ですか?」
ブノワトがまじまじと前掛けを見る、
「海蜘蛛は海蜘蛛ですね、海にいる蜘蛛です、結構大きいですよ、見た目は全く蜘蛛ですね、それと兎の方は、角があって毛が凄い長いそうです、すいません、そっちは見た事ないので、そうらしいとしか言えませんが」
テラが律儀に答える、
「うーん、そうなると、やはりアフラさんに聞くのが一番ですね、この独特の輝きにしろ、全く洗濯していないのにまるで汚れない所とか、素晴らしく便利な品ですから、はい、改めて確認しましょう、で・・・なんですが」
エレインは強引に話題を変えると、
「ガラス鏡の販売価格について決定してしまいたいのですね、以前にブノワトさんからは製作費は見積って貰ってまして・・・」
エレインは黒板を取り出すと具体的な金額を幾つか記入した、
「で、私としては、向う半年程度・・・平民用のガラス店舗を開店する迄は、この金額で卸して貰って、この金額で販売としたいなと思っておりました、テラさんとしてはどうでしょう、大鏡の金額です」
エレインが黒板に書きつけた数字をテラはじっくりと見つめ、
「販売価格は妥当と思います、大量に受注した場合の値引きはどのように考えていらっしゃいますか?」
「そうですね、恐らくですが5枚程度・・・種類に係わらずですが、それ以上の数量の受注で、3割迄引けるかなと考えておりますが・・・」
エレインの答えにテラは静かに考え込み、
「なるほど、それであれば遠方での価格も妥当なものになりますね、輸送費と保険を鑑みても貴族相手であれば十分かと思います、そうしますと、やはりここですね、以前にも少しばかり相談を受けましたが卸価格についてのお考えを変えるつもりは無いという事ですね」
テラの冷静な口調に、ブノワトは静かな緊張を感じ、思わずゴクリと唾を飲み込んだ、エレインの提示した卸価格はブノワトが見積もった金額の倍である、テラの持つ常識では、生産者が提示した金額の倍を支払う事は在り得ない事であり、それは商談でも、取引でもない、ただのお人好しで愚か者の口にする戯言である、
「そうですね、製作側にもしっかりと利益を確保して欲しいと思っております、販売価格が高額な内に各工場さんには人員しかり設備しかり、しっかりと生産体制を作って貰って、その上で安価に製造できるようになっていれば、他の追随に対抗できます、私はそう信じているのですがどうでしょう」
エレインも静かで硬い口調である、以前に相談した際とほぼ同じ事をエレインは口にした、口調も硬いが意思も硬い様子である、エレインのこの独特の理念が何処から来たものだろうかとテラは疑問に思ったが、テラが一人となって改めて考えると、エレインの方針は商会の利益を考えなければ実に理に適っているとも思う、商会も商人も売る物が無ければ成り立たない、しかし、一般的な商人にとって商う品は金を使えば手に入る物である、その品が例えなくなっても他の品に手を出すだけだ、焦土作戦と言っても過言ではない、そうなると生産者の利益を考える事は無く、まして生産者を保護する事など考えもしない、故に商人は嫌われる傾向にあった、どこまでも我が先であり、生産者に寄り添う事をしないのである、しかしエレインはそれを実行しようとしているのである、それは商人としての経験の浅さ故か、貴族として公的な利益が見えている為かは分からない、テラとしてはこれは厄介な事を言い出したなと感じたが、よくよく考え、エレインの方針も間違っていない事に気付き、自身の考えを改めた、そして今後、自分はどういった助言をエレインに与えられるかについて深く考えこんだ、
「そこが難しい所と私も考えておりました、商家としての意見を言わせてもらえれば、言葉は悪いですが、下請け工場や生産者の事を考える必要は基本的には無い・・・というのが一般的な商人の考え方です、安く買って高く売る、これが商人の基本ですから、今回のように工場から出てきた金額の倍を支払う事等、私は聞いた事がありません」
「そうだよねー、まして、販売価格についても明示するって珍しいよねー」
ブノワトがボソリと口を挟む、
「まったくです、単純にこちらの利益が生産者に分かってしまうので、衝突の元ですからね」
「そうですが、今回の場合はいずれ分かる事でしょうに」
「はい、今回はですが、ブノワトさんに対して失礼な物言いになるかもしれませんが、生産者との距離が近すぎると思います、様々な状況があった上でこのような体制になっているものと邪推しますが、これは本来有り得ない近さかな・・・と思いますね、正直、ここまで近いのであれば、商会として各工場を傘下に納めてしまって良い程ですよ」
「その、様々な状況がねー、複雑怪奇で・・・何とも・・・ハー」
エレインは大きく溜息を吐き、ブノワトも苦笑いを浮かべる、
「テラさんの言う事は重々理解できます、まったく持ってその通りすぎて、何も言えないのですよ、正直な事を言えば、わたくしは商人としては半人前以下ですからね、様々な縁があってこうなっていますが・・・」
エレインは言葉を無くし、うーんと考え込む、
「そうね、屋台の時は面白かったよね、みんな素人でさ」
ブノワトがニコニコとエレインを見る、
「そうですね、それがこれですから・・・まぁ、いいです」
エレインは明るく顔を上げると、
「つまり、テラさんにはこういった点でお力を発揮して欲しいのですよね、何ともその、しがらみってやつですか?それが多くて、でもそのお陰でこうして頑張っているんですから、面白いものです」
どこか達観したようなエレインの顔に、テラは困ったように微笑むと、
「分かりました・・・そうですね、今回はエレイン会長の案で進めましょう、金額に関しても納得は出来ませんが、正しいとも思います」
「正しい?ですか?」
エレインとブノワトは同時に問う、
「はい、経済として正しいと今はそう申し上げておきます、これは経営のより上位にあって、経営とはまるで相容れない概念なんですが、その観点から考えればエレイン会長の考えている事は間違っておりません、私が言えるのはそれだけですね」
テラは一旦言葉を区切ると、
「ただ、平民用に販売する際にはより調整が必要と思います、価格・・・販売価格も仕入れ価格もそうですが、貴族用の商品の種類を増やす必要・・・特に見た目の豪華さを付加する事、家具屋さんや他の職工を巻き込んでいく必要がありますね、それと、平民用も一緒ですね、より平民の生活に合った商品開発が必要になる・・・気軽に手に入って気軽に使える品、差別化といえば分かり易いですか・・・そうなっていけばと・・・お考えなんでしょう?」
テラはニヤリとエレインを見る、
「そうね、全くその通り・・・、ま、次の次の次、くらいの課題ですわね」
エレインはそう言って楽しそうに鼻を鳴らした、
「そっか、次の次の次かー、先は長いなー、忙しくなるなー」
ブノワトも楽しそうに伸びをし、テラはそんな二人の様子に目を剥きつつ、
「これが・・・若さというやつですね・・・」
思わずそう呟く、
「そうですかー?テラさんも十分若いですよー」
ブノワトが笑顔になり、
「あのね、そうでもないのよ」
エレインがわざとらしく声を顰めた、
「あー、会長、そういうのはちょっと・・・」
「あら、御自分で笑いのネタにしてらっしゃるじゃない」
「自分で言うのはいいんです、他人に言われるのは何とも・・・」
「そういうもんなの?」
エレインが口を尖らせる、
「そういうもんです」
テラが口をへの字に曲げた、
「そっか、そういうもんなんだって」
「いや、良く分かんないよ」
ブノワトが眉を顰め、3人は柔らかく笑い合った。
「ブノワトさんもお世話様です」
テラとブノワトが簡単な挨拶を交わすと二人は席に着く、
「うふ、前掛け似合いますね」
「ま、それは社交辞令というやつですわね、ブノワトさんも口が軽いですね」
「えー、違いますよー」
ブノワトとテラが微笑み合い、
「あ、アフラさんにこの前掛けの事聞くのを忘れてましたわ」
エレインが頭を掻く、
「これですか?」
テラが前掛けの端を右手で持ち上げた、
「ええ、これはリシア様から頂いた品なのですが、店舗を増やすにあたって作業服として統一しようかと思ってまして」
「なるほど、そうですね、この独特の輝きは目を惹きますよね、うん、確かに作業服の統一か、それも面白いですね」
「そうなんです、ですが、頂き物なので、こちらで作製できる店ってあるのかしら?」
「あー、たぶん、無理ですね、リシア様経由の品となると、これ、北ヘルデルで開発された生地だと思います、確か・・・海蜘蛛の糸と何とかっていう兎?みたいな動物の毛を使って開発したとかなんとか、そんな事を聞いた事がありますね、実物を見た事がなかったので、それとは気付きませんでしたが、恐らくそれです」
テラは前掛けの端を持ってその手触りを確認する、
「へー、海蜘蛛ですか、それはまた高級そうな・・・っていうか海蜘蛛って何ですか?」
ブノワトがまじまじと前掛けを見る、
「海蜘蛛は海蜘蛛ですね、海にいる蜘蛛です、結構大きいですよ、見た目は全く蜘蛛ですね、それと兎の方は、角があって毛が凄い長いそうです、すいません、そっちは見た事ないので、そうらしいとしか言えませんが」
テラが律儀に答える、
「うーん、そうなると、やはりアフラさんに聞くのが一番ですね、この独特の輝きにしろ、全く洗濯していないのにまるで汚れない所とか、素晴らしく便利な品ですから、はい、改めて確認しましょう、で・・・なんですが」
エレインは強引に話題を変えると、
「ガラス鏡の販売価格について決定してしまいたいのですね、以前にブノワトさんからは製作費は見積って貰ってまして・・・」
エレインは黒板を取り出すと具体的な金額を幾つか記入した、
「で、私としては、向う半年程度・・・平民用のガラス店舗を開店する迄は、この金額で卸して貰って、この金額で販売としたいなと思っておりました、テラさんとしてはどうでしょう、大鏡の金額です」
エレインが黒板に書きつけた数字をテラはじっくりと見つめ、
「販売価格は妥当と思います、大量に受注した場合の値引きはどのように考えていらっしゃいますか?」
「そうですね、恐らくですが5枚程度・・・種類に係わらずですが、それ以上の数量の受注で、3割迄引けるかなと考えておりますが・・・」
エレインの答えにテラは静かに考え込み、
「なるほど、それであれば遠方での価格も妥当なものになりますね、輸送費と保険を鑑みても貴族相手であれば十分かと思います、そうしますと、やはりここですね、以前にも少しばかり相談を受けましたが卸価格についてのお考えを変えるつもりは無いという事ですね」
テラの冷静な口調に、ブノワトは静かな緊張を感じ、思わずゴクリと唾を飲み込んだ、エレインの提示した卸価格はブノワトが見積もった金額の倍である、テラの持つ常識では、生産者が提示した金額の倍を支払う事は在り得ない事であり、それは商談でも、取引でもない、ただのお人好しで愚か者の口にする戯言である、
「そうですね、製作側にもしっかりと利益を確保して欲しいと思っております、販売価格が高額な内に各工場さんには人員しかり設備しかり、しっかりと生産体制を作って貰って、その上で安価に製造できるようになっていれば、他の追随に対抗できます、私はそう信じているのですがどうでしょう」
エレインも静かで硬い口調である、以前に相談した際とほぼ同じ事をエレインは口にした、口調も硬いが意思も硬い様子である、エレインのこの独特の理念が何処から来たものだろうかとテラは疑問に思ったが、テラが一人となって改めて考えると、エレインの方針は商会の利益を考えなければ実に理に適っているとも思う、商会も商人も売る物が無ければ成り立たない、しかし、一般的な商人にとって商う品は金を使えば手に入る物である、その品が例えなくなっても他の品に手を出すだけだ、焦土作戦と言っても過言ではない、そうなると生産者の利益を考える事は無く、まして生産者を保護する事など考えもしない、故に商人は嫌われる傾向にあった、どこまでも我が先であり、生産者に寄り添う事をしないのである、しかしエレインはそれを実行しようとしているのである、それは商人としての経験の浅さ故か、貴族として公的な利益が見えている為かは分からない、テラとしてはこれは厄介な事を言い出したなと感じたが、よくよく考え、エレインの方針も間違っていない事に気付き、自身の考えを改めた、そして今後、自分はどういった助言をエレインに与えられるかについて深く考えこんだ、
「そこが難しい所と私も考えておりました、商家としての意見を言わせてもらえれば、言葉は悪いですが、下請け工場や生産者の事を考える必要は基本的には無い・・・というのが一般的な商人の考え方です、安く買って高く売る、これが商人の基本ですから、今回のように工場から出てきた金額の倍を支払う事等、私は聞いた事がありません」
「そうだよねー、まして、販売価格についても明示するって珍しいよねー」
ブノワトがボソリと口を挟む、
「まったくです、単純にこちらの利益が生産者に分かってしまうので、衝突の元ですからね」
「そうですが、今回の場合はいずれ分かる事でしょうに」
「はい、今回はですが、ブノワトさんに対して失礼な物言いになるかもしれませんが、生産者との距離が近すぎると思います、様々な状況があった上でこのような体制になっているものと邪推しますが、これは本来有り得ない近さかな・・・と思いますね、正直、ここまで近いのであれば、商会として各工場を傘下に納めてしまって良い程ですよ」
「その、様々な状況がねー、複雑怪奇で・・・何とも・・・ハー」
エレインは大きく溜息を吐き、ブノワトも苦笑いを浮かべる、
「テラさんの言う事は重々理解できます、まったく持ってその通りすぎて、何も言えないのですよ、正直な事を言えば、わたくしは商人としては半人前以下ですからね、様々な縁があってこうなっていますが・・・」
エレインは言葉を無くし、うーんと考え込む、
「そうね、屋台の時は面白かったよね、みんな素人でさ」
ブノワトがニコニコとエレインを見る、
「そうですね、それがこれですから・・・まぁ、いいです」
エレインは明るく顔を上げると、
「つまり、テラさんにはこういった点でお力を発揮して欲しいのですよね、何ともその、しがらみってやつですか?それが多くて、でもそのお陰でこうして頑張っているんですから、面白いものです」
どこか達観したようなエレインの顔に、テラは困ったように微笑むと、
「分かりました・・・そうですね、今回はエレイン会長の案で進めましょう、金額に関しても納得は出来ませんが、正しいとも思います」
「正しい?ですか?」
エレインとブノワトは同時に問う、
「はい、経済として正しいと今はそう申し上げておきます、これは経営のより上位にあって、経営とはまるで相容れない概念なんですが、その観点から考えればエレイン会長の考えている事は間違っておりません、私が言えるのはそれだけですね」
テラは一旦言葉を区切ると、
「ただ、平民用に販売する際にはより調整が必要と思います、価格・・・販売価格も仕入れ価格もそうですが、貴族用の商品の種類を増やす必要・・・特に見た目の豪華さを付加する事、家具屋さんや他の職工を巻き込んでいく必要がありますね、それと、平民用も一緒ですね、より平民の生活に合った商品開発が必要になる・・・気軽に手に入って気軽に使える品、差別化といえば分かり易いですか・・・そうなっていけばと・・・お考えなんでしょう?」
テラはニヤリとエレインを見る、
「そうね、全くその通り・・・、ま、次の次の次、くらいの課題ですわね」
エレインはそう言って楽しそうに鼻を鳴らした、
「そっか、次の次の次かー、先は長いなー、忙しくなるなー」
ブノワトも楽しそうに伸びをし、テラはそんな二人の様子に目を剥きつつ、
「これが・・・若さというやつですね・・・」
思わずそう呟く、
「そうですかー?テラさんも十分若いですよー」
ブノワトが笑顔になり、
「あのね、そうでもないのよ」
エレインがわざとらしく声を顰めた、
「あー、会長、そういうのはちょっと・・・」
「あら、御自分で笑いのネタにしてらっしゃるじゃない」
「自分で言うのはいいんです、他人に言われるのは何とも・・・」
「そういうもんなの?」
エレインが口を尖らせる、
「そういうもんです」
テラが口をへの字に曲げた、
「そっか、そういうもんなんだって」
「いや、良く分かんないよ」
ブノワトが眉を顰め、3人は柔らかく笑い合った。
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