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本編
28話 Art and recipe on the plate その2
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それから暫くしてレアン達の姿は事務所の中へと移っていた、ミナやレアンといえどもブランコだけを遊び続けるのは難しく、また、ユスティーナも一緒であった為早々に切り上げたのである、下山して事務所に顔を出した面々をエレインは柔らかく迎え入れ、貴賓室の打合せが終わるまでゆっくりする事となった、
「それでの、どうにも美しい盛り付けというのかの、それが難しくての、何か案はないものかと思っておってな」
レアンはソーダ水を楽しみながらエレインへと切り出した、エレインは、はて、と思わず呟いてしまう、
「あら、レアン、今日は遊びに来たのではなくて?」
ユスティーナがソーダ水を片手に優しい口調で窘める、
「そうですが母上、どうしても、こう、頭から離れなくて、エレイン会長のお知恵を借りたいとも思いますし」
レアンはしかめっ面でユスティーナを見る、レアンの隣りに座るケイランは静かに微笑んで二人を見守っている様子である、
「そうですか、確かに美しい盛り付けと言われると・・・難しいですわね」
エレインが二人の様子に微笑みながらも答えた、
「うむ、そうなのじゃ、料理人とも話したのだがの、あまり乗り気ではなくてな、小さく小分けにして供するというのは理解を得られているのだが、見た目の美しさについては何とも難しいらしくてな」
レアンは鼻息を荒くした、
「むー、難しいお話だー」
ミナが口を尖らせる、
「そうかの?大事な話しなのだ、少し待つが良い」
レアンがミナに余裕の笑みを見せる、ブーブーとミナは文句を言いつつも大人しくなった、
「そうですね、私もそういった事には造詣が深いとは言えません、調理担当の者がいれば一計を提供する事もできるかと思いますが、しかし、盛り付けとなると・・・」
エレインがうーんと首を傾げた、
「そうか、エレイン会長でも難しいか、ふむ」
レアンが腕を組んで考え込んでしまう、
「こういう時は・・・あ、なんでもかんでも頼るのは違いますね、ここはこちらで工夫しませんと」
エレインはソフィアの顔を思い出し、その言葉の通り考え直したようだ、
「ふふ、悩んでいる顔も様になってきましたわね」
ユスティーナはレアンの横顔を眺めてのんびりと口に出す、
「母上、からかわないで頂きたい」
どうやらレアンは真剣に悩んでいる様子である、ムッとした顔つきでユスティーナを見返すが、
「あら、これは失礼」
ユスティーナは笑顔を崩さずにそう言った、
「ふん、それならの、ミナ、少しお絵描きをするか?」
唐突にレインが割り込んできた、皆の視線がレインに集まる、
「お絵描き?いいよ、黒板?」
ミナがピョンと席を立つが、
「まぁ、まて、今回は少し趣向を変えようかの、どうじゃ、エレイン嬢、儂とミナの実力を見せても良いかの?」
レインは口元に薄い笑いを浮かべたまま挑戦的な視線をエレインに向けた、
「はー、え、実力ですか?」
エレインは気の抜けた声を発してしまい、あっと小さく声を上げて、
「はい、えっと、どのような事です、レインさん」
咳払いの後に体裁を繕う、
「何、簡単じゃ、そうじゃの、皿を数枚用意して欲しいの、それと、ミルクアイスケーキとブロンパンのパンだけじゃな、それと3種のソース、それと4本フォークとスプーンじゃな」
レインの上げた品に、エレインは食べたかったのかな等と考えつつ、
「それであれば、あ、ケイランさんお願いできます?皿は厨房にありますわね?」
「はい、では用意しますね」
ケイランが腰を上げると、
「うむ、儂も行こう、皿を見せて貰ってもよいかな、ミナは少し待っとれ」
レインが率先して屋敷の厨房へ向かい、ケイランがその後を追った、
「レインさんが動くなんて珍しいですわね」
エレインが呟き、
「そうだの、珍しいの」
レアンも呆気にとられている様子である、
「むふー、レインは凄いんだよ、大丈夫だよ」
ミナはニコニコと席に座り直した。
レインはバタバタと歩き回り、厨房と店舗から様々な道具と食材をかき集め、
「これでは足りんのう」
と寮へ走った、あれだこれだと騒ぎ出すレインに、
「何事?」
とソフィアは訝るも、
「待っておれ、楽しくなるぞ」
レインの自信満々の言葉に、ソフィアはまぁいいかとカトカとの共同開発の手を一時休め協力する。
やがて集めた品を事務所のテーブルへ並べると、
「さて、じゃ、まずは見て欲しいのじゃ」
大きな白く平らな丸皿をドンと置きその中央へミルクアイスケーキをそっと置いた、そして皆の視線が集まる中、3種のソースでミルクアイスケーキの周囲に3つの大きな点を形作る、
「ほう、これだけでも良いのではないか、美しいのう」
レアンの思わず出た感想に、
「まだまだじゃ」
レインは4本フォークを取り出してソースの点から薄い線を引き出しそれぞれの円を柔らかく繋ぐ、4つの軌跡が綺麗にアイスケーキを彩った、
「まぁ、これは楽しいですね」
「じゃろう、での、ここからなのじゃ」
今度は櫛を一本とりだして黒砂糖のソースを付けると、皿の外周部分に親愛なるミナへと書きつける、
「わぁ、親愛なるって初めて言われたー」
ミナがキャッキャと飛び跳ねる、
「そしてこれじゃ」
薄パンを小さく三角に切るとミルクアイスケーキの側面に突き刺した、
「うん、どうじゃ、参考になるかの?」
皿の正面を注目する皆へ回して見せる、皆は一様に小さくも感情のこもった歓声を上げる、
「かわいいね、かわいいね、なんかあれ、アイスが手を振ってるみたい」
「そうじゃの、料理に表情が生まれておるの、それにソースのいろどりの華やかな事、白い皿がまた映えるのう」
「これは素晴らしいですね、食べるのが申し訳ないくらい、なるほどレインさんの言っていた、目で楽しむとはこういうことですか」
「なるほど、これは楽しいですし、美しいですね、ホイップクリームとカスタードも使いたいですね」
ケイランが頷き、
「確かに、しかし、これを他の食材でやるのか・・・難しいかもしれんのー」
レアンは楽しみつつも懐疑的である、
「あらそうかしら?私は分かりましたわよ、レインさんの意図が」
ユスティーナはニコニコと笑顔である、
「む、どういう事ですか、母上」
レアンがユスティーナを見上げる、
「そうね、間違ってたらそう言ってね」
とユスティーナがレインに目配せしつつ、
「えっとね、料理人さん達は皿に盛って出す以外の提供の仕方が分からないのよ、レアンとの打合せを聞いていたけど、まるで何を言ってるか分からないって顔だったでしょ?」
「まぁ、そうですが」
「でね、今、レインさんの見せた事は、料理を分解して飾り付けるという事なのね、本来だとこの料理はブロンパンとして一緒くたになっている物でしょ、でも分解して大きなお皿に絵画のように盛り付けると、とても美しくなることを見せてくれたのよ」
ニコニコとユスティーナは解説し、
「ユスティーナ様の慧眼、痛み入ります」
レインは恭しくもわざとらしく頭を下げ、
「さらに追加しますれば、こちらの料理は中央のミルクアイスケーキを美味しく頂く為の意匠となります、このように供されればミルクアイスケーキが主であり、模様としてあるソースが飾りとなりつつそれぞれの味も楽しめる、さらに文字を入れる事により気持ちを伝える事も可能かと、では、翻って・・・例えば煮物や焼物等でこのような形を作れますかな?」
レインはさらに問いかけた、
「出来ますね、はい、出来ると思います」
ケイランが何かに気付いたようである、
「ふむ、ケイランさんも中々に聡明じゃのう」
レインの口振りは実に生意気なものであるが誰もその点を咎める者はいなかった、
「例えばの、煮物であれば、どうじゃろう4種の野菜が入っていたとして、それをこのように色毎、または種類毎に分けて盛り付けるだけでも見た目はお洒落になるのじゃな、さらに、主として食べて欲しい品をこのように中央に配置して・・・ま、肉じゃろな、それの回りに葉物であったり塩であったりを盛り付ければ、それらを好みで使いつつ食事を楽しめる、卓上の塩を取る必要も無い、さらに料理人の食べて欲しい味で料理を提供できるのじゃ、卓上も調味料の無粋な壺が無くなるとより洗練されるのではないかな」
「なるほど、調味料も添えてしまえばいいのね」
エレインも理解したようである、
「そうじゃの、いつぞやのスペシャルセットであったか、あれは雑ではあったが良い線をいっておったぞ、見栄えは良かったが少しばかり欲張りすぎたの、ま、見栄えを優先すると量や種類が限られるかもじゃがな、それとソフィアが作ったパフェであったか、あれももう1歩じゃな、ガラス容器の美しさと立体感を使いこなせればより良い品になると思うぞ」
「ふむ、確かにの、先の品と比べるとこちらの方が映えるの」
レアンがうんうんと頷いた、
「ミナもやりたいー、あのね、ニャンコ描きたい、あと、お馬さん」
「ん、流石ミナじゃな、もう個性が出ておる、では、やるか、どうじゃ、皆も実践するか?難しいかもじゃが、楽しいぞ」
レインはニヤリと笑い、レアンを見てエレインを見る、
「当然じゃ」
とレアンは腕捲りをし、
「あら、これなら出来そうかしら?」
ユスティーナも乗り気のようである、
「ではの、皿を選ぶところから始めると良いぞ、皿の形や色もまた、色彩じゃからな、彩りを考えていくとな、まずは下地をどうするか、そこが肝というやつじゃな」
レインは持ち出した皿を並べ、
「さ、選ぶのじゃ」
そう言って踏ん反り返るのであった。
「それでの、どうにも美しい盛り付けというのかの、それが難しくての、何か案はないものかと思っておってな」
レアンはソーダ水を楽しみながらエレインへと切り出した、エレインは、はて、と思わず呟いてしまう、
「あら、レアン、今日は遊びに来たのではなくて?」
ユスティーナがソーダ水を片手に優しい口調で窘める、
「そうですが母上、どうしても、こう、頭から離れなくて、エレイン会長のお知恵を借りたいとも思いますし」
レアンはしかめっ面でユスティーナを見る、レアンの隣りに座るケイランは静かに微笑んで二人を見守っている様子である、
「そうですか、確かに美しい盛り付けと言われると・・・難しいですわね」
エレインが二人の様子に微笑みながらも答えた、
「うむ、そうなのじゃ、料理人とも話したのだがの、あまり乗り気ではなくてな、小さく小分けにして供するというのは理解を得られているのだが、見た目の美しさについては何とも難しいらしくてな」
レアンは鼻息を荒くした、
「むー、難しいお話だー」
ミナが口を尖らせる、
「そうかの?大事な話しなのだ、少し待つが良い」
レアンがミナに余裕の笑みを見せる、ブーブーとミナは文句を言いつつも大人しくなった、
「そうですね、私もそういった事には造詣が深いとは言えません、調理担当の者がいれば一計を提供する事もできるかと思いますが、しかし、盛り付けとなると・・・」
エレインがうーんと首を傾げた、
「そうか、エレイン会長でも難しいか、ふむ」
レアンが腕を組んで考え込んでしまう、
「こういう時は・・・あ、なんでもかんでも頼るのは違いますね、ここはこちらで工夫しませんと」
エレインはソフィアの顔を思い出し、その言葉の通り考え直したようだ、
「ふふ、悩んでいる顔も様になってきましたわね」
ユスティーナはレアンの横顔を眺めてのんびりと口に出す、
「母上、からかわないで頂きたい」
どうやらレアンは真剣に悩んでいる様子である、ムッとした顔つきでユスティーナを見返すが、
「あら、これは失礼」
ユスティーナは笑顔を崩さずにそう言った、
「ふん、それならの、ミナ、少しお絵描きをするか?」
唐突にレインが割り込んできた、皆の視線がレインに集まる、
「お絵描き?いいよ、黒板?」
ミナがピョンと席を立つが、
「まぁ、まて、今回は少し趣向を変えようかの、どうじゃ、エレイン嬢、儂とミナの実力を見せても良いかの?」
レインは口元に薄い笑いを浮かべたまま挑戦的な視線をエレインに向けた、
「はー、え、実力ですか?」
エレインは気の抜けた声を発してしまい、あっと小さく声を上げて、
「はい、えっと、どのような事です、レインさん」
咳払いの後に体裁を繕う、
「何、簡単じゃ、そうじゃの、皿を数枚用意して欲しいの、それと、ミルクアイスケーキとブロンパンのパンだけじゃな、それと3種のソース、それと4本フォークとスプーンじゃな」
レインの上げた品に、エレインは食べたかったのかな等と考えつつ、
「それであれば、あ、ケイランさんお願いできます?皿は厨房にありますわね?」
「はい、では用意しますね」
ケイランが腰を上げると、
「うむ、儂も行こう、皿を見せて貰ってもよいかな、ミナは少し待っとれ」
レインが率先して屋敷の厨房へ向かい、ケイランがその後を追った、
「レインさんが動くなんて珍しいですわね」
エレインが呟き、
「そうだの、珍しいの」
レアンも呆気にとられている様子である、
「むふー、レインは凄いんだよ、大丈夫だよ」
ミナはニコニコと席に座り直した。
レインはバタバタと歩き回り、厨房と店舗から様々な道具と食材をかき集め、
「これでは足りんのう」
と寮へ走った、あれだこれだと騒ぎ出すレインに、
「何事?」
とソフィアは訝るも、
「待っておれ、楽しくなるぞ」
レインの自信満々の言葉に、ソフィアはまぁいいかとカトカとの共同開発の手を一時休め協力する。
やがて集めた品を事務所のテーブルへ並べると、
「さて、じゃ、まずは見て欲しいのじゃ」
大きな白く平らな丸皿をドンと置きその中央へミルクアイスケーキをそっと置いた、そして皆の視線が集まる中、3種のソースでミルクアイスケーキの周囲に3つの大きな点を形作る、
「ほう、これだけでも良いのではないか、美しいのう」
レアンの思わず出た感想に、
「まだまだじゃ」
レインは4本フォークを取り出してソースの点から薄い線を引き出しそれぞれの円を柔らかく繋ぐ、4つの軌跡が綺麗にアイスケーキを彩った、
「まぁ、これは楽しいですね」
「じゃろう、での、ここからなのじゃ」
今度は櫛を一本とりだして黒砂糖のソースを付けると、皿の外周部分に親愛なるミナへと書きつける、
「わぁ、親愛なるって初めて言われたー」
ミナがキャッキャと飛び跳ねる、
「そしてこれじゃ」
薄パンを小さく三角に切るとミルクアイスケーキの側面に突き刺した、
「うん、どうじゃ、参考になるかの?」
皿の正面を注目する皆へ回して見せる、皆は一様に小さくも感情のこもった歓声を上げる、
「かわいいね、かわいいね、なんかあれ、アイスが手を振ってるみたい」
「そうじゃの、料理に表情が生まれておるの、それにソースのいろどりの華やかな事、白い皿がまた映えるのう」
「これは素晴らしいですね、食べるのが申し訳ないくらい、なるほどレインさんの言っていた、目で楽しむとはこういうことですか」
「なるほど、これは楽しいですし、美しいですね、ホイップクリームとカスタードも使いたいですね」
ケイランが頷き、
「確かに、しかし、これを他の食材でやるのか・・・難しいかもしれんのー」
レアンは楽しみつつも懐疑的である、
「あらそうかしら?私は分かりましたわよ、レインさんの意図が」
ユスティーナはニコニコと笑顔である、
「む、どういう事ですか、母上」
レアンがユスティーナを見上げる、
「そうね、間違ってたらそう言ってね」
とユスティーナがレインに目配せしつつ、
「えっとね、料理人さん達は皿に盛って出す以外の提供の仕方が分からないのよ、レアンとの打合せを聞いていたけど、まるで何を言ってるか分からないって顔だったでしょ?」
「まぁ、そうですが」
「でね、今、レインさんの見せた事は、料理を分解して飾り付けるという事なのね、本来だとこの料理はブロンパンとして一緒くたになっている物でしょ、でも分解して大きなお皿に絵画のように盛り付けると、とても美しくなることを見せてくれたのよ」
ニコニコとユスティーナは解説し、
「ユスティーナ様の慧眼、痛み入ります」
レインは恭しくもわざとらしく頭を下げ、
「さらに追加しますれば、こちらの料理は中央のミルクアイスケーキを美味しく頂く為の意匠となります、このように供されればミルクアイスケーキが主であり、模様としてあるソースが飾りとなりつつそれぞれの味も楽しめる、さらに文字を入れる事により気持ちを伝える事も可能かと、では、翻って・・・例えば煮物や焼物等でこのような形を作れますかな?」
レインはさらに問いかけた、
「出来ますね、はい、出来ると思います」
ケイランが何かに気付いたようである、
「ふむ、ケイランさんも中々に聡明じゃのう」
レインの口振りは実に生意気なものであるが誰もその点を咎める者はいなかった、
「例えばの、煮物であれば、どうじゃろう4種の野菜が入っていたとして、それをこのように色毎、または種類毎に分けて盛り付けるだけでも見た目はお洒落になるのじゃな、さらに、主として食べて欲しい品をこのように中央に配置して・・・ま、肉じゃろな、それの回りに葉物であったり塩であったりを盛り付ければ、それらを好みで使いつつ食事を楽しめる、卓上の塩を取る必要も無い、さらに料理人の食べて欲しい味で料理を提供できるのじゃ、卓上も調味料の無粋な壺が無くなるとより洗練されるのではないかな」
「なるほど、調味料も添えてしまえばいいのね」
エレインも理解したようである、
「そうじゃの、いつぞやのスペシャルセットであったか、あれは雑ではあったが良い線をいっておったぞ、見栄えは良かったが少しばかり欲張りすぎたの、ま、見栄えを優先すると量や種類が限られるかもじゃがな、それとソフィアが作ったパフェであったか、あれももう1歩じゃな、ガラス容器の美しさと立体感を使いこなせればより良い品になると思うぞ」
「ふむ、確かにの、先の品と比べるとこちらの方が映えるの」
レアンがうんうんと頷いた、
「ミナもやりたいー、あのね、ニャンコ描きたい、あと、お馬さん」
「ん、流石ミナじゃな、もう個性が出ておる、では、やるか、どうじゃ、皆も実践するか?難しいかもじゃが、楽しいぞ」
レインはニヤリと笑い、レアンを見てエレインを見る、
「当然じゃ」
とレアンは腕捲りをし、
「あら、これなら出来そうかしら?」
ユスティーナも乗り気のようである、
「ではの、皿を選ぶところから始めると良いぞ、皿の形や色もまた、色彩じゃからな、彩りを考えていくとな、まずは下地をどうするか、そこが肝というやつじゃな」
レインは持ち出した皿を並べ、
「さ、選ぶのじゃ」
そう言って踏ん反り返るのであった。
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