201 / 1,153
本編
26話 優しい小父さん達と精霊の木 その1
しおりを挟む
翌日、昼を過ぎた頃合いに事務所には続々と人が集まってきた、ヘッケル工務店からいつもの二人に加え、ブラスの実父であるエト・ヘッケルが、メーデルガラス店からは、バーレントとコッキーが、それとこちらも二人の実父である、ロブ・メーデルが姿を表し、さらにフローケル鍛冶屋のディモ・フローケルがヘッケル工務店と共に事務所の玄関を潜った、この人物はブノワトの実父である、対して六花商会はエレインとテラ、マフレナが一行を出迎えた、
「お忙しい所、ありがとうございます」
参加者の顔ぶれを見ながらエレインはニコヤカに挨拶から始める、
「こちらこそ場を提供頂いて感謝致します、会長には今回の件、何から何まで御尽力頂きまして誠に感謝の念に堪えません」
一同を代表してエトが慇懃に頭を下げた、堅苦しい口調である、
「あー、緊張しないで大丈夫だよ、失礼な言葉でなければ」
常とは違う義父の様子にブノワトが小声で忠告する、
「そうは言うがよ」
エトは非難の目線をブノワトに送るが、
「そうですね、ブノワトさんの言う通りですよ、話しやすい言葉で結構です」
エレインが微笑み、
「しかし、そうですね、色話は勘弁して下さい、それと下品な話しも、慣れていないので」
続いたエレインの言葉に、親父達は苦笑いを浮かべ、その息子、娘は軽く笑った、
「それでと、今日の主旨としましては明日ギルドにて開催される領主様とギルド長を交えての会議に対する打合せとなります」
「領主様も本気なんだねー、もう少し先になるかと思ってたー」
「そうよね、領主様って忙しいんでしょ?」
ブノワトとコッキーが砕けた調子で発言する、
「それだけ期待されているのですよ、実際に皆さんは関わって頂いていますので、あの商品の重要性は理解されておると思うのですが」
エレインはチラリと壁際に並んだ鏡を見る、皆がそちらを一瞥し、
「そうだよなー」
と改めて自分達の関わった品の価値を思い直した、
「そうなると、まずはある程度、その協会、又は部会の名称と、大雑把な規約それと代表は・・・ブノワトで決定でいいのかな?そういった諸々を決めていった方がいいと思うのな、領主様は商品についてはもう御存知であるとの事だし、ギルド長か、あれがこいつを見たら、おったまげるぞ」
ロブが具体的な議題を提出する、ロブは商工ギルド内でのガラス産業部会の理事を勤めている、やはり現役の理事ともなれば部会運営に必要な事がある程度頭に入っているのであろう、
「そうだな、そうなると打合せもくそも無くなるからな」
ディモが頷くが、
「あっ、くそっていうのは拙いか?」
フッと顔を上げて隣に座る娘に小声で問うが、一同の耳には当然のように入り、
「その程度は構いませんよ」
エレインは笑い、皆も微笑んで、
「そうかい、そりゃ、ありがてぇ」
薄くなりつつある後ろ頭をボリボリと掻いた、
「そうですね、では、本日大雑把にでも決めておくことを先に出しましょう、その通りになる事は無いでしょうが、明日の打合せを順調に進める事を念頭に置いて意見を頂ければと思います」
エレインがテラに目配せすると、テラは黒板に各項目を書き出した、
「まずは、部会名称、規約、代表、他にはありますか?」
「はい、新規に参加する場合の条件とかは規約に含まれますか?」
バーレントが手を上げる、
「うん、それは規約になるが、最も大事な点だな、ちゃんと決めとかないと駄目だな」
ロブが答える、テラが項目に付け足し、
「あ、ギルド内に事務所を置けるんでしょ?常駐する人とか必要?」
「事務所というか机は貰える筈だな、但し人を置くかどうかはこっちの裁量だな、部会に用があるなら代表に直接って事もあるぜ」
「なるほど、それはどうだろう、始めのうちは必要かなぁ?コッキー、事務員やる?」
「えー、ギルドで座り仕事ですかー、あー、駄目っす」
「あはは、こんなんが座ってたら部会が舐められちまうよ」
「あー、親父ヒデー」
「でも、一人は欲しいかな?エレインさんのところから出せない?奥様方で出来る人いないかな?ほら、時間も公務時間で良いわけだし」
公務時間とは朝の鐘から午後一番の鐘の間の時間の事である、
「うーん、勤務時間は大丈夫かと思いますが、仕事内容次第かなと思います」
「あー、そうだよねー」
「ま、事務所ができたらでも構わないか」
「そうですね、他にはありますか」
「はい、所属する事によっての利点?それと新規会員への誓約とかも叩き台が欲しいと思います」
バーレントの発言はいちいち真面目である、
「そうだな、あ、そうか、部会設立の主旨も明確にしておこうか、ほら、ガラス鏡の技術の秘匿や利益の独占は当然・・・あ、ギルドの約款に抵触するのかな」
ブラスが首を捻る、
「利益の独占と明確に謳う事はできないでしょうね、私としてもそれは望んでいないです、領主様としては暫くの間はこの技術をモニケンダム内に留めたいと考えている様子でした、皆さんが知っての通り、制作に於いては他業種の技術が必要とはいえ再現は難しく無い品でありますから」
「そっか、そうなると、逆にあれかな?やりたいとして手を上げた工場とかを積極的に引き込んでいく感じにしたいのかな?」
「そうでしょうね、領主様としては一大産業として根付かせたいとの思いもあると思いますし、私としてもそうなっていければ良いと考えてます」
「しかし、そうなると会長はあまり儲からないかもしれないぞ」
「それはほら、何とでも、ガラス鏡の老舗としての名前、さらにその流通に関わる事、そして商品展開、等々出来ることはあると思います、皆さんの協力があってこそですが、それに何も高額で寡占する事や、儲けは大事ですが莫大に儲けるだけなら部会や協会等と言わずにこっそりと作って貴族相手に売り捌いていますよ、貴族様達は基本的に見栄っ張りなので、何処で手に入れたかなんて喧伝しませんもの」
「なるほど」
エレインとの付き合いが浅い面々が頷いている、
「大きく商売を考えるなら一家に一枚と言わず、一人一枚所持できるような市場の方がより健康的で儲かると思っております、その為には、現在の生産体制は、失礼ながら脆弱です、勿論皆さんとしては工場の拡張等も考えて貰っているかと思いますが、それも定期的な発注が無ければ難しいのではないですか?」
「その通りだな」
「健康的とは面白い表現ですね」
ブラスとバーレントが大きく頷いた、
「はい、ですので、以前にもお話しした通り、商会としましては、最初の内は貴族相手の商売になります、貴族向け商業区に店を出すのが良いかと考えております、暫くはビックリするほどの利益を出せるかと思います、その後、状況を見ながら、安価な製品を市民向けに販売したい・・・その間、貴族を相手にしている間の事ですね、皆さんの生産体制の確立や技術向上を図っていき、また、産業を担いたいと手を上げた工場も取り込んでいく、そうやって確立していけば、その組織はそう簡単には真似できるものでは無くなっているのではないかと・・・ましてモニケンダム以外で作成されるであろう同種の品に対して価格的にも品質に於いても有利に立てると、そのように考えております」
「なるほど、そこまで考えているのであれば、その旨をはっきりとギルド長と領主様へ伝える事だな、俺は会長の考えを支持するぜ」
ディモが嬉しそうに表明した、
「ほら、ブノワトを協会長にするなんて言い出したからさ、また、適当なと思ったが、会長、あんた中々に考えているんだな、いや、参った」
ディモが続けて言った言葉にブノワトが顔色を失いつつ睨むが、
「お褒めに預かり光栄ですわ、では、理想とする方向性についてはそのような感じで宜しいでしょうか?」
皆、賛同の意を告げる、
「はい、では、細かい点を決めていきましょう」
エレインは黒板を確認しつつ、打合せは進んでいくのであった。
「お忙しい所、ありがとうございます」
参加者の顔ぶれを見ながらエレインはニコヤカに挨拶から始める、
「こちらこそ場を提供頂いて感謝致します、会長には今回の件、何から何まで御尽力頂きまして誠に感謝の念に堪えません」
一同を代表してエトが慇懃に頭を下げた、堅苦しい口調である、
「あー、緊張しないで大丈夫だよ、失礼な言葉でなければ」
常とは違う義父の様子にブノワトが小声で忠告する、
「そうは言うがよ」
エトは非難の目線をブノワトに送るが、
「そうですね、ブノワトさんの言う通りですよ、話しやすい言葉で結構です」
エレインが微笑み、
「しかし、そうですね、色話は勘弁して下さい、それと下品な話しも、慣れていないので」
続いたエレインの言葉に、親父達は苦笑いを浮かべ、その息子、娘は軽く笑った、
「それでと、今日の主旨としましては明日ギルドにて開催される領主様とギルド長を交えての会議に対する打合せとなります」
「領主様も本気なんだねー、もう少し先になるかと思ってたー」
「そうよね、領主様って忙しいんでしょ?」
ブノワトとコッキーが砕けた調子で発言する、
「それだけ期待されているのですよ、実際に皆さんは関わって頂いていますので、あの商品の重要性は理解されておると思うのですが」
エレインはチラリと壁際に並んだ鏡を見る、皆がそちらを一瞥し、
「そうだよなー」
と改めて自分達の関わった品の価値を思い直した、
「そうなると、まずはある程度、その協会、又は部会の名称と、大雑把な規約それと代表は・・・ブノワトで決定でいいのかな?そういった諸々を決めていった方がいいと思うのな、領主様は商品についてはもう御存知であるとの事だし、ギルド長か、あれがこいつを見たら、おったまげるぞ」
ロブが具体的な議題を提出する、ロブは商工ギルド内でのガラス産業部会の理事を勤めている、やはり現役の理事ともなれば部会運営に必要な事がある程度頭に入っているのであろう、
「そうだな、そうなると打合せもくそも無くなるからな」
ディモが頷くが、
「あっ、くそっていうのは拙いか?」
フッと顔を上げて隣に座る娘に小声で問うが、一同の耳には当然のように入り、
「その程度は構いませんよ」
エレインは笑い、皆も微笑んで、
「そうかい、そりゃ、ありがてぇ」
薄くなりつつある後ろ頭をボリボリと掻いた、
「そうですね、では、本日大雑把にでも決めておくことを先に出しましょう、その通りになる事は無いでしょうが、明日の打合せを順調に進める事を念頭に置いて意見を頂ければと思います」
エレインがテラに目配せすると、テラは黒板に各項目を書き出した、
「まずは、部会名称、規約、代表、他にはありますか?」
「はい、新規に参加する場合の条件とかは規約に含まれますか?」
バーレントが手を上げる、
「うん、それは規約になるが、最も大事な点だな、ちゃんと決めとかないと駄目だな」
ロブが答える、テラが項目に付け足し、
「あ、ギルド内に事務所を置けるんでしょ?常駐する人とか必要?」
「事務所というか机は貰える筈だな、但し人を置くかどうかはこっちの裁量だな、部会に用があるなら代表に直接って事もあるぜ」
「なるほど、それはどうだろう、始めのうちは必要かなぁ?コッキー、事務員やる?」
「えー、ギルドで座り仕事ですかー、あー、駄目っす」
「あはは、こんなんが座ってたら部会が舐められちまうよ」
「あー、親父ヒデー」
「でも、一人は欲しいかな?エレインさんのところから出せない?奥様方で出来る人いないかな?ほら、時間も公務時間で良いわけだし」
公務時間とは朝の鐘から午後一番の鐘の間の時間の事である、
「うーん、勤務時間は大丈夫かと思いますが、仕事内容次第かなと思います」
「あー、そうだよねー」
「ま、事務所ができたらでも構わないか」
「そうですね、他にはありますか」
「はい、所属する事によっての利点?それと新規会員への誓約とかも叩き台が欲しいと思います」
バーレントの発言はいちいち真面目である、
「そうだな、あ、そうか、部会設立の主旨も明確にしておこうか、ほら、ガラス鏡の技術の秘匿や利益の独占は当然・・・あ、ギルドの約款に抵触するのかな」
ブラスが首を捻る、
「利益の独占と明確に謳う事はできないでしょうね、私としてもそれは望んでいないです、領主様としては暫くの間はこの技術をモニケンダム内に留めたいと考えている様子でした、皆さんが知っての通り、制作に於いては他業種の技術が必要とはいえ再現は難しく無い品でありますから」
「そっか、そうなると、逆にあれかな?やりたいとして手を上げた工場とかを積極的に引き込んでいく感じにしたいのかな?」
「そうでしょうね、領主様としては一大産業として根付かせたいとの思いもあると思いますし、私としてもそうなっていければ良いと考えてます」
「しかし、そうなると会長はあまり儲からないかもしれないぞ」
「それはほら、何とでも、ガラス鏡の老舗としての名前、さらにその流通に関わる事、そして商品展開、等々出来ることはあると思います、皆さんの協力があってこそですが、それに何も高額で寡占する事や、儲けは大事ですが莫大に儲けるだけなら部会や協会等と言わずにこっそりと作って貴族相手に売り捌いていますよ、貴族様達は基本的に見栄っ張りなので、何処で手に入れたかなんて喧伝しませんもの」
「なるほど」
エレインとの付き合いが浅い面々が頷いている、
「大きく商売を考えるなら一家に一枚と言わず、一人一枚所持できるような市場の方がより健康的で儲かると思っております、その為には、現在の生産体制は、失礼ながら脆弱です、勿論皆さんとしては工場の拡張等も考えて貰っているかと思いますが、それも定期的な発注が無ければ難しいのではないですか?」
「その通りだな」
「健康的とは面白い表現ですね」
ブラスとバーレントが大きく頷いた、
「はい、ですので、以前にもお話しした通り、商会としましては、最初の内は貴族相手の商売になります、貴族向け商業区に店を出すのが良いかと考えております、暫くはビックリするほどの利益を出せるかと思います、その後、状況を見ながら、安価な製品を市民向けに販売したい・・・その間、貴族を相手にしている間の事ですね、皆さんの生産体制の確立や技術向上を図っていき、また、産業を担いたいと手を上げた工場も取り込んでいく、そうやって確立していけば、その組織はそう簡単には真似できるものでは無くなっているのではないかと・・・ましてモニケンダム以外で作成されるであろう同種の品に対して価格的にも品質に於いても有利に立てると、そのように考えております」
「なるほど、そこまで考えているのであれば、その旨をはっきりとギルド長と領主様へ伝える事だな、俺は会長の考えを支持するぜ」
ディモが嬉しそうに表明した、
「ほら、ブノワトを協会長にするなんて言い出したからさ、また、適当なと思ったが、会長、あんた中々に考えているんだな、いや、参った」
ディモが続けて言った言葉にブノワトが顔色を失いつつ睨むが、
「お褒めに預かり光栄ですわ、では、理想とする方向性についてはそのような感じで宜しいでしょうか?」
皆、賛同の意を告げる、
「はい、では、細かい点を決めていきましょう」
エレインは黒板を確認しつつ、打合せは進んでいくのであった。
1
お気に入りに追加
168
あなたにおすすめの小説

異世界行ったらステータス最弱の上にジョブが謎過ぎたからスローライフ隠居してたはずなのに、気づいたらヤバいことになってた
カホ
ファンタジー
タイトル通りに進む予定です。
キャッチコピー
「チートはもうお腹いっぱいです」
ちょっと今まで投稿した作品を整理しようと思ってます。今読んでくださっている方、これから読もうとしていらっしゃる方、ご指摘があればどなたでも感想をください!参考にします!
注)感想のネタバレ処理をしていません。感想を読まれる方は十分気をつけてください(ギャフン
拝啓、愛しの侯爵様~行き遅れ令嬢ですが、運命の人は案外近くにいたようです~
藤原ライラ
ファンタジー
心を奪われた手紙の先には、運命の人が待っていた――
子爵令嬢のキャロラインは、両親を早くに亡くし、年の離れた弟の面倒を見ているうちにすっかり婚期を逃しつつあった。夜会でも誰からも相手にされない彼女は、新しい出会いを求めて文通を始めることに。届いた美しい字で洗練された内容の手紙に、相手はきっとうんと年上の素敵なおじ様のはずだとキャロラインは予想する。
彼とのやり取りにときめく毎日だがそれに難癖をつける者がいた。幼馴染で侯爵家の嫡男、クリストファーである。
「理想の相手なんかに巡り合えるわけないだろう。現実を見た方がいい」
四つ年下の彼はいつも辛辣で彼女には冷たい。
そんな時キャロラインは、夜会で想像した文通相手とそっくりな人物に出会ってしまう……。
文通相手の正体は一体誰なのか。そしてキャロラインの恋の行方は!?
じれじれ両片思いです。
※他サイトでも掲載しています。
イラスト:ひろ様(https://xfolio.jp/portfolio/hiro_foxtail)

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜
望月かれん
ファンタジー
中流貴族シーラ・カロンは、ある日勘当された。理由はぬいぐるみ作りしかしないから。
戸惑いながらも少量の荷物と作りかけのぬいぐるみ1つを持って家を出たシーラは1番近い町を目指すが、その日のうちに辿り着けず野宿をすることに。
暇だったので、ぬいぐるみを完成させようと意気込み、ついに夜更けに完成させる。
疲れから眠りこけていると聞き慣れない低い声。
なんと、ぬいぐるみが喋っていた。
しかもぬいぐるみには帰りたい場所があるようで……。
天真爛漫娘✕ワケアリぬいぐるみのドタバタ冒険ファンタジー。
※この作品は小説家になろう・ノベルアップ+にも掲載しています。
魔法少女になれたなら【完結済み】
M・A・J・O
ファンタジー
【第5回カクヨムWeb小説コンテスト、中間選考突破!】
【第2回ファミ通文庫大賞、中間選考突破!】
【第9回ネット小説大賞、一次選考突破!】
とある普通の女子小学生――“椎名結衣”はある日一冊の本と出会う。
そこから少女の生活は一変する。
なんとその本は魔法のステッキで?
魔法のステッキにより、強引に魔法少女にされてしまった結衣。
異能力の戦いに戸惑いながらも、何とか着実に勝利を重ねて行く。
これは人間の願いの物語。
愉快痛快なステッキに振り回される憐れな少女の“願い”やいかに――
謎に包まれた魔法少女劇が今――始まる。
・表紙絵はTwitterのフォロワー様より。

社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します
湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。
そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。
しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。
そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。
この死亡は神様の手違いによるものだった!?
神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。
せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!!
※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中

失われた力を身に宿す元聖女は、それでも気楽に過ごしたい~いえ、Sランク冒険者とかは結構です!~
紅月シン
ファンタジー
聖女として異世界に召喚された狭霧聖菜は、聖女としての勤めを果たし終え、満ち足りた中でその生涯を終えようとしていた。
いや嘘だ。
本当は不満でいっぱいだった。
食事と入浴と睡眠を除いた全ての時間で人を癒し続けなくちゃならないとかどんなブラックだと思っていた。
だがそんな不満を漏らすことなく死に至り、そのことを神が不憫にでも思ったのか、聖菜は辺境伯家の末娘セーナとして二度目の人生を送ることになった。
しかし次こそは気楽に生きたいと願ったはずなのに、ある日セーナは前世の記憶と共にその身には聖女としての癒しの力が流れていることを知ってしまう。
そしてその時点で、セーナの人生は決定付けられた。
二度とあんな目はご免だと、気楽に生きるため、家を出て冒険者になることを決意したのだ。
だが彼女は知らなかった。
三百年の時が過ぎた現代では、既に癒しの力というものは失われてしまっていたということを。
知らぬままに力をばら撒く少女は、その願いとは裏腹に、様々な騒動を引き起こし、解決していくことになるのであった。
※完結しました。
※小説家になろう様にも投稿しています

転生チートは家族のために~ユニークスキルで、快適な異世界生活を送りたい!~
りーさん
ファンタジー
ある日、異世界に転生したルイ。
前世では、両親が共働きの鍵っ子だったため、寂しい思いをしていたが、今世は優しい家族に囲まれた。
そんな家族と異世界でも楽しく過ごすために、ユニークスキルをいろいろと便利に使っていたら、様々なトラブルに巻き込まれていく。
「家族といたいからほっといてよ!」
※スキルを本格的に使い出すのは二章からです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる