170 / 1,062
本編
22話 鏡工場と根回しと その7
しおりを挟む
ミナとレインはメイドを従えて庭園に駆け出し、空いた席にクロノスがドカリと座る、
「なるほど、大したもんだ」
パトリシアから仔細を聞いたクロノスはブノワトとコッキーを見る、
「なんだ、お前の回りには有能な若者が集まるようになっているのか?」
それからソフィアを睨むと供されたロールケーキを口に運び、
「なんだこれは、美味いな」
と実に忙しない、
「まったく、落ち着いて下さい、どうしたのです?らしくない」
パトリシアは眉根を寄せ、
「そうよ、なんか焦ってる感じよ」
「そう言うな、この腹を見ろ、上から見たら大した事は無いと思っておったのだが、あの鏡を見たらな、焦りもするわ」
と言いつつロールケーキは次々と口に運ばれている、
「なら、食べるのをよしなさいよ、摂生するんじゃないの?」
「うむ、これを食べたらな、客人が持って来た物を残す事なぞできんだろう」
「そうですけど、まだ、あるんですよ、食べ尽くすつもりですか?」
「そうなのか、また、なんでそんなに」
「エレインさんがメイド達にもって用意して下さったのです、その心遣いに敬意を持つべきですわ」
「なるほど、それで皆集まっていたのか、エレイン嬢、礼を言うぞ」
と言いつつクロノスはロールケーキを平らげて、
「ふー美味かった、これは何と言う料理だっけ?」
とソフィアに問うた、
「あー、さっきパトリシア様が丁寧にお話してましたよ」
「そうですよ、聞いてなかったんですの?」
「そうか、で、いつから店に出すんだ?」
クロノスがエレインに問う、
「はい、秋にかけて、来月半ば以降と考えておりました」
「なるほど、また、そちらへ遊びに行く理由が増えてしまったな」
と微笑む、
「それは、これ以上ない褒め言葉と思います」
エレインは静かに頭を下げる、
「まったくもう」
とパトリシアはクロノスを睨む、
「では、私達はこれで、エレイン様御馳走になりましたありがとうございます」
クロノスが落ち着いたタイミングに、側仕えを代表してパトリシアの乳母がエレインに腰を折る、
「お楽しみ頂けたのであれば幸いです、またこちらにもお越し下さい、お待ち申し上げておりますわ」
エレインは立ち上がると優雅に腰を折り返礼とした、メイド達はパトリシア達の席に頭を垂れて音もなく退出する、
「ふむ、ではと、あの鏡の件だがな、どうするつもりだ?」
少し落ち着きを取り戻したクロノスがソフィアに問う、
「どうと言われてもね、私としては良い物が出来たからそれでいいかなって思ってるんだけど」
「そういうわけにはいかないだろう、貴族どころか金持ちはこぞって買うぞ、一財産どころの騒ぎで収まらんだろう」
「やっぱりそう思う?で、少しは考えているんだけど、エレインさんに一任しようかなって思っていてね」
とソフィアはエレインに視線を向ける、同時に皆の視線がエレインへ集まった、
「またそんな事を」
エレインは口をへの字に曲げる、
「以前、話したでしょ、ほら、夜中まで」
「そうですけど・・・」
とエレインは暫し考え、
「今日お持ちしたのはその点をどのようにするかの相談もありまして」
エレインは前置きして、
「近日中にモニケンダムの領主様へも同様の品をお届けしようと考えておりました、幸運な事に、あちらの御息女と奥方様と知己を得まして、その後に、こちらの二人を中心にしてガラス鏡のギルド若しくは組合のような物を作れたらと考えております」
こちらの二人と呼ばれたブノワトとコッキーは驚いてソフィアを見つめる、
「ほう、考えているな」
クロノスはニヤリと笑みする、
「はい、当初は高額な商品になるのは仕方が無いと思いますが、将来的には誰もが気軽に買える商品になればと考えております、無論、我が商会としては出来ればその販売を一手に握りたいと考えますが、現状のみを考えた場合仕事量を熟せる自信がありません」
「なるほどな」
「しかし、商会としてはこれほどの品を簡単に他者に譲るなど愚の骨頂かと、ですが、やはり経験もそうですが規模の小ささが問題かと思います」
「ふむ」
とクロノスは腕を組み、暫し目を閉じる、
「確かトーラーが屋敷を贈ったと聞いたが?」
「はい、身に余る物でした、現在事務所として活用しております、とてもありがたい事です」
「そうか、であれば・・・人も足りないであろうし、何よりも代表が小娘ではな、クレオノート家の後ろ盾があっても暫くは難しいであろうな」
「まったくその通りかと思います、失礼かと思いますが王家とクレオノート家の後ろの公爵家との諍いも聞いております、私としましては王家並びにクロノス様に弓引く形になるのではないかと懸念もしておりました」
「ふん、そこまで理解しているか、大したもんだ」
クロノスは苦笑いを浮かべ、
「すぐにどうとは動けんな、近衛どもでは経営云々は難しいだろうし、ルーツの所は・・・もっと酷いか、そうなると・・・ソーダ粉末の業者とは会ったか?」
「いいえ、特に連絡は無いです」
「そうか、こちらからせっついてやるか、あそこも人員が少ない所から始めているからな、もう暫し待て、そうなると、学園から人を回してやろうか、確か面白い人物がいたな、リンド」
クロノスは席を立つとテーブルからやや離れて囁き声で指示を出す、そして席に戻ると、
「こっちの研究所で雇った者なのだが実家が大店でな、暫く別の商会で修行していたらしい、中々に才のある人物でな、研究所の品を商品化した際に使えるかと思って雇ったのだが、それ自体がかなり先の話になりそうで持て余していたのだ」
「まぁ、あなたが他人を褒めるなんて珍しい」
「そうか?ついでに中々の美人だとも付け加えるか?」
「まぁ」
パトリシアはジロリと睨む、
「あっはっは、そう睨むな、お前達の所のカトカも凄いがな、そいつも中々だぞ、あと、酒癖が悪いらしい」
「まぁ」
「しかし、歳がな、俺と同じ位だ、どうも子供が出来にくいらしくてな、2度離縁している」
「そこまで仰らなくても」
「ん、まぁ、そうだな、今のは忘れてくれ」
クロノスは言い過ぎたかと頭を掻いた、
「では、その方を紹介して頂けるのですか?」
「そうだな、力になる事は確実かな、それを表に出しつつエレイン嬢は要所要所で姿を見せれば良い、何よりもこちら側の人間だからな俺としては安心感が違う」
「なるほど」
とエレインは頷いた、
「相談役としても優秀だと思うぞ、採用不採用はエレイン嬢に任せるのは当然だし、不採用であっても後腐れは無いと言っておく、俺にはルーツのような器用な真似は出来ないからな、そいつの真意までは知らないが、少なくとも俺から見た感じでは真っ当な人物だ」
そこへリンドが木箱をクロノスへ手渡した、中を開け羊皮紙を一枚取り出し目を通す、
「うん、間違ってはいないな、別途面接の日を設定しよう、どうだ?」
「はい、ありがとうございます、お手を煩わせて恐縮で御座います」
エレインはスッと一礼する、
「よいよい、気にするな、でだ、エレイン嬢の懸念に関しては・・・特に王家と公爵家との問題については、あまり気にするな、貴族出身とはいえ商会程度が口を出して良い事ではないし、変に聡いと便利に使われて、切り捨てられるのがオチだ」
クロノスの辛辣な助言にエレインは黙して頷く、
「エレイン嬢の気遣いは嬉しく思うが、国全体を思えば新しい産業が生まれたのだ、これは喜ぶべきことだぞ、それにクレオノート家は武才は無いが良い統治者だ、その点は評価しているぞ、感情的な問題もあるし、対立構造もあるが、なに、小さな商会の、さらに娘と嫁の友人の扱いを間違える事は無いだろう、要するに」
クロノスは一旦言葉を切って、
「こちらは気にするな、上手い事やれってことだな」
と続けた、
「わかりました、お心遣いありがとうございます」
エレインは紳士に頭を下げた、
「うむ、まぁ、かといって突き放したわけではないぞ、いつでも相談してくれ、直接でも良いしパトリシア経由でも良いぞ、婦女子に頼られるのは男子の本懐だ」
クロノスは破顔したがパトリシアはその笑顔をジロリと睨み、
「エレインさんは私の友人ですのよ」
冷たく言い放つ、
「分かっているよ、問題はな、こいつとあいつが側にいる事だ、俺の目が届かないと思って好き放題やりおってからに」
クロノスはソフィアを睨む、こいつとはソフィアの事であろう、あいつとはユーリの事かそれともタロウの事か、
「・・・こいつって誰かしら?」
ソフィアはわざとらしく庭園に視線を移す、
「まったく、まぁよいわ、話は変わるが、あの鏡はなんぼだ?」
クロノスは苦笑いでエレインを見る、
「なんぼ・・・とは?」
「幾らで譲る?」
「あ、はい、今日お持ちしたのは試作品でございまして、差し上げようと思っておりました」
「は?」
「え?」
クロノスとパトリシアは驚いている、
「何も見せびらかす為にお持ちしたのではありません、あちらよりは数段落ちるのですが、もう一枚寮の食堂に置いておりまして、お二人がこちらへいらっしゃった時に・・・」
とエレインは言葉を探して、
「その、騒動になる前にと思いまして」
と消え入りそうな声で付け足した、その言葉に二人は同時に笑いだし、
「そうか、それもそうだな、騒動か、言われてるぞパトリシア」
「なんです、あなたの事でしょうに」
二人は明るく笑いあって、
「いや、心遣い感謝する、で、あれはその二人が作成したのか?」
とクロノスは上機嫌で、ブノワトとコッキーを出しにしつつ楽し気な会話に花が咲くのであった。
「なるほど、大したもんだ」
パトリシアから仔細を聞いたクロノスはブノワトとコッキーを見る、
「なんだ、お前の回りには有能な若者が集まるようになっているのか?」
それからソフィアを睨むと供されたロールケーキを口に運び、
「なんだこれは、美味いな」
と実に忙しない、
「まったく、落ち着いて下さい、どうしたのです?らしくない」
パトリシアは眉根を寄せ、
「そうよ、なんか焦ってる感じよ」
「そう言うな、この腹を見ろ、上から見たら大した事は無いと思っておったのだが、あの鏡を見たらな、焦りもするわ」
と言いつつロールケーキは次々と口に運ばれている、
「なら、食べるのをよしなさいよ、摂生するんじゃないの?」
「うむ、これを食べたらな、客人が持って来た物を残す事なぞできんだろう」
「そうですけど、まだ、あるんですよ、食べ尽くすつもりですか?」
「そうなのか、また、なんでそんなに」
「エレインさんがメイド達にもって用意して下さったのです、その心遣いに敬意を持つべきですわ」
「なるほど、それで皆集まっていたのか、エレイン嬢、礼を言うぞ」
と言いつつクロノスはロールケーキを平らげて、
「ふー美味かった、これは何と言う料理だっけ?」
とソフィアに問うた、
「あー、さっきパトリシア様が丁寧にお話してましたよ」
「そうですよ、聞いてなかったんですの?」
「そうか、で、いつから店に出すんだ?」
クロノスがエレインに問う、
「はい、秋にかけて、来月半ば以降と考えておりました」
「なるほど、また、そちらへ遊びに行く理由が増えてしまったな」
と微笑む、
「それは、これ以上ない褒め言葉と思います」
エレインは静かに頭を下げる、
「まったくもう」
とパトリシアはクロノスを睨む、
「では、私達はこれで、エレイン様御馳走になりましたありがとうございます」
クロノスが落ち着いたタイミングに、側仕えを代表してパトリシアの乳母がエレインに腰を折る、
「お楽しみ頂けたのであれば幸いです、またこちらにもお越し下さい、お待ち申し上げておりますわ」
エレインは立ち上がると優雅に腰を折り返礼とした、メイド達はパトリシア達の席に頭を垂れて音もなく退出する、
「ふむ、ではと、あの鏡の件だがな、どうするつもりだ?」
少し落ち着きを取り戻したクロノスがソフィアに問う、
「どうと言われてもね、私としては良い物が出来たからそれでいいかなって思ってるんだけど」
「そういうわけにはいかないだろう、貴族どころか金持ちはこぞって買うぞ、一財産どころの騒ぎで収まらんだろう」
「やっぱりそう思う?で、少しは考えているんだけど、エレインさんに一任しようかなって思っていてね」
とソフィアはエレインに視線を向ける、同時に皆の視線がエレインへ集まった、
「またそんな事を」
エレインは口をへの字に曲げる、
「以前、話したでしょ、ほら、夜中まで」
「そうですけど・・・」
とエレインは暫し考え、
「今日お持ちしたのはその点をどのようにするかの相談もありまして」
エレインは前置きして、
「近日中にモニケンダムの領主様へも同様の品をお届けしようと考えておりました、幸運な事に、あちらの御息女と奥方様と知己を得まして、その後に、こちらの二人を中心にしてガラス鏡のギルド若しくは組合のような物を作れたらと考えております」
こちらの二人と呼ばれたブノワトとコッキーは驚いてソフィアを見つめる、
「ほう、考えているな」
クロノスはニヤリと笑みする、
「はい、当初は高額な商品になるのは仕方が無いと思いますが、将来的には誰もが気軽に買える商品になればと考えております、無論、我が商会としては出来ればその販売を一手に握りたいと考えますが、現状のみを考えた場合仕事量を熟せる自信がありません」
「なるほどな」
「しかし、商会としてはこれほどの品を簡単に他者に譲るなど愚の骨頂かと、ですが、やはり経験もそうですが規模の小ささが問題かと思います」
「ふむ」
とクロノスは腕を組み、暫し目を閉じる、
「確かトーラーが屋敷を贈ったと聞いたが?」
「はい、身に余る物でした、現在事務所として活用しております、とてもありがたい事です」
「そうか、であれば・・・人も足りないであろうし、何よりも代表が小娘ではな、クレオノート家の後ろ盾があっても暫くは難しいであろうな」
「まったくその通りかと思います、失礼かと思いますが王家とクレオノート家の後ろの公爵家との諍いも聞いております、私としましては王家並びにクロノス様に弓引く形になるのではないかと懸念もしておりました」
「ふん、そこまで理解しているか、大したもんだ」
クロノスは苦笑いを浮かべ、
「すぐにどうとは動けんな、近衛どもでは経営云々は難しいだろうし、ルーツの所は・・・もっと酷いか、そうなると・・・ソーダ粉末の業者とは会ったか?」
「いいえ、特に連絡は無いです」
「そうか、こちらからせっついてやるか、あそこも人員が少ない所から始めているからな、もう暫し待て、そうなると、学園から人を回してやろうか、確か面白い人物がいたな、リンド」
クロノスは席を立つとテーブルからやや離れて囁き声で指示を出す、そして席に戻ると、
「こっちの研究所で雇った者なのだが実家が大店でな、暫く別の商会で修行していたらしい、中々に才のある人物でな、研究所の品を商品化した際に使えるかと思って雇ったのだが、それ自体がかなり先の話になりそうで持て余していたのだ」
「まぁ、あなたが他人を褒めるなんて珍しい」
「そうか?ついでに中々の美人だとも付け加えるか?」
「まぁ」
パトリシアはジロリと睨む、
「あっはっは、そう睨むな、お前達の所のカトカも凄いがな、そいつも中々だぞ、あと、酒癖が悪いらしい」
「まぁ」
「しかし、歳がな、俺と同じ位だ、どうも子供が出来にくいらしくてな、2度離縁している」
「そこまで仰らなくても」
「ん、まぁ、そうだな、今のは忘れてくれ」
クロノスは言い過ぎたかと頭を掻いた、
「では、その方を紹介して頂けるのですか?」
「そうだな、力になる事は確実かな、それを表に出しつつエレイン嬢は要所要所で姿を見せれば良い、何よりもこちら側の人間だからな俺としては安心感が違う」
「なるほど」
とエレインは頷いた、
「相談役としても優秀だと思うぞ、採用不採用はエレイン嬢に任せるのは当然だし、不採用であっても後腐れは無いと言っておく、俺にはルーツのような器用な真似は出来ないからな、そいつの真意までは知らないが、少なくとも俺から見た感じでは真っ当な人物だ」
そこへリンドが木箱をクロノスへ手渡した、中を開け羊皮紙を一枚取り出し目を通す、
「うん、間違ってはいないな、別途面接の日を設定しよう、どうだ?」
「はい、ありがとうございます、お手を煩わせて恐縮で御座います」
エレインはスッと一礼する、
「よいよい、気にするな、でだ、エレイン嬢の懸念に関しては・・・特に王家と公爵家との問題については、あまり気にするな、貴族出身とはいえ商会程度が口を出して良い事ではないし、変に聡いと便利に使われて、切り捨てられるのがオチだ」
クロノスの辛辣な助言にエレインは黙して頷く、
「エレイン嬢の気遣いは嬉しく思うが、国全体を思えば新しい産業が生まれたのだ、これは喜ぶべきことだぞ、それにクレオノート家は武才は無いが良い統治者だ、その点は評価しているぞ、感情的な問題もあるし、対立構造もあるが、なに、小さな商会の、さらに娘と嫁の友人の扱いを間違える事は無いだろう、要するに」
クロノスは一旦言葉を切って、
「こちらは気にするな、上手い事やれってことだな」
と続けた、
「わかりました、お心遣いありがとうございます」
エレインは紳士に頭を下げた、
「うむ、まぁ、かといって突き放したわけではないぞ、いつでも相談してくれ、直接でも良いしパトリシア経由でも良いぞ、婦女子に頼られるのは男子の本懐だ」
クロノスは破顔したがパトリシアはその笑顔をジロリと睨み、
「エレインさんは私の友人ですのよ」
冷たく言い放つ、
「分かっているよ、問題はな、こいつとあいつが側にいる事だ、俺の目が届かないと思って好き放題やりおってからに」
クロノスはソフィアを睨む、こいつとはソフィアの事であろう、あいつとはユーリの事かそれともタロウの事か、
「・・・こいつって誰かしら?」
ソフィアはわざとらしく庭園に視線を移す、
「まったく、まぁよいわ、話は変わるが、あの鏡はなんぼだ?」
クロノスは苦笑いでエレインを見る、
「なんぼ・・・とは?」
「幾らで譲る?」
「あ、はい、今日お持ちしたのは試作品でございまして、差し上げようと思っておりました」
「は?」
「え?」
クロノスとパトリシアは驚いている、
「何も見せびらかす為にお持ちしたのではありません、あちらよりは数段落ちるのですが、もう一枚寮の食堂に置いておりまして、お二人がこちらへいらっしゃった時に・・・」
とエレインは言葉を探して、
「その、騒動になる前にと思いまして」
と消え入りそうな声で付け足した、その言葉に二人は同時に笑いだし、
「そうか、それもそうだな、騒動か、言われてるぞパトリシア」
「なんです、あなたの事でしょうに」
二人は明るく笑いあって、
「いや、心遣い感謝する、で、あれはその二人が作成したのか?」
とクロノスは上機嫌で、ブノワトとコッキーを出しにしつつ楽し気な会話に花が咲くのであった。
0
お気に入りに追加
156
あなたにおすすめの小説
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
隠密スキルでコレクター道まっしぐら
たまき 藍
ファンタジー
没落寸前の貴族に生まれた少女は、世にも珍しい”見抜く眼”を持っていた。
その希少性から隠し、閉じ込められて5つまで育つが、いよいよ家計が苦しくなり、人買いに売られてしまう。
しかし道中、隊商は強力な魔物に襲われ壊滅。少女だけが生き残った。
奇しくも自由を手にした少女は、姿を隠すため、魔物はびこる森へと駆け出した。
これはそんな彼女が森に入って10年後、サバイバル生活の中で隠密スキルを極め、立派な素材コレクターに成長してからのお話。
異世界でお取り寄せ生活
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。
突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。
貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。
意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。
貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!?
そんな感じの話です。
のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。
※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
異世界で趣味(ハンドメイド)のお店を開きます!
ree
ファンタジー
波乱万丈な人生を送ってきたアラフォー主婦の檜山梨沙。
生活費を切り詰めつつ、細々と趣味を矜持し、細やかなに愉しみながら過ごしていた彼女だったが、突然余命宣告を受ける。
夫や娘は全く関心を示さず、心配もされず、ヤケになった彼女は家を飛び出す。
神様の力でいつの間にか目の前に中世のような風景が広がっていて、そこには普通の人間の他に、二足歩行の耳や尻尾が生えている兎人間?鱗の生えたトカゲ人間?3メートルを超えるでかい人間?その逆の1メートルでずんぐりとした人間?達が暮らしていた。
これは不遇な境遇ながらも健気に生きてきた彼女に与えられたご褒美であり、この世界に齎された奇跡でもある。
ハンドメイドの趣味を超えて、世界に認められるアクセサリー屋になった彼女の軌跡。
転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
悪行貴族のはずれ息子【第1部 魔法講師編】
白波 鷹(しらなみ たか)【白波文庫】
ファンタジー
★作者個人でAmazonにて自費出版中。Kindle電子書籍有料ランキング「SF・ホラー・ファンタジー」「児童書>読み物」1位にWランクイン!
★第2部はこちら↓
https://www.alphapolis.co.jp/novel/162178383/450916603
「お前みたいな無能は分家がお似合いだ」
幼い頃から魔法を使う事ができた本家の息子リーヴは、そうして魔法の才能がない分家の息子アシックをいつも笑っていた。
東にある小さな街を領地としている悪名高き貴族『ユーグ家』―古くからその街を統治している彼らの実態は酷いものだった。
本家の当主がまともに管理せず、領地は放置状態。にもかかわらず、税の徴収だけ行うことから人々から嫌悪され、さらに近年はその長男であるリーヴ・ユーグの悪名高さもそれに拍車をかけていた。
容姿端麗、文武両道…というのは他の貴族への印象を良くする為の表向きの顔。その実態は父親の権力を駆使して悪ガキを集め、街の人々を困らせて楽しむガキ大将のような人間だった。
悪知恵が働き、魔法も使え、取り巻き達と好き放題するリーヴを誰も止めることができず、人々は『ユーグ家』をやっかんでいた。
さらにリーヴ達は街の人間だけではなく、自分達の分家も馬鹿にしており、中でも分家の長男として生まれたアシック・ユーグを『無能』と呼んで嘲笑うのが日課だった。だが、努力することなく才能に溺れていたリーヴは気付いていなかった。
自分が無能と嘲笑っていたアシックが努力し続けた結果、書庫に眠っていた魔法を全て習得し終えていたことを。そして、本家よりも街の人間達から感心を向けられ、分家の力が強まっていることを。
やがて、リーヴがその事実に気付いた時にはもう遅かった。
アシックに追い抜かれた焦りから魔法を再び学び始めたが、今さら才能が実ることもなく二人の差は徐々に広まっていくばかり。
そんな中、リーヴの妹で『忌み子』として幽閉されていたユミィを助けたのを機に、アシックは本家を変えていってしまい…?
◇過去最高ランキング
・アルファポリス
男性HOTランキング:10位
・カクヨム
週間ランキング(総合):80位台
週間ランキング(異世界ファンタジー):43位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる