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本編
17話 再会の夏祭り その6
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ソフィアは祭りの最中の市場に買い出しに出た、一人で市場に来るのは初めての事であるが、以前レインに教えてもらった店を回りつつ大量の食材を持参の籠に詰めて行く、やはり祭りの喧騒は楽し気で、市場の活気も一味違ったものであり、並べられた商品もやや毛色が異なっている、夏の盛りという事もあり旬の野菜や果物も目に付いた、それらを一つ一つ吟味しつつ久しぶりに買い物を愉しむと寮に戻る。
店舗には先程よりも来客が増えている様子であった、祭りで手に入れた様々な物を手にした親子連れが多いようで、父親がいれば父親が、いなければ母親が荷物持ちになりつつ、子供達はブロンパンに噛み付いている、甲高い嬌声と楽し気な笑い声が街路に反響し、夏の陽射しに彩りを添えていた。
ソフィアが微笑みつつ寮に入ると、食堂は伽藍としていた、市場に出る時には姉妹が静かに話し込んでいたが、流石に場を移したのであろう、ソフィアはそのまま厨房に入り、購入した食材を作業台に並べ、食糧庫から追加の品を持ち出すと、
「さて、やりますか」
と、腕捲りをして気合を入れ直すのであった。
正午を過ぎ最も気温の高い時間帯になるとミナとレインが飛び込んできた、その後ろにはレアンが付いて来る、
「ソフィー、戻ったー」
ダダッと駆け込んで来ると厨房のソフィアに勢いそのままに抱き付く、
「わ、こら、料理中は危ないからダメっていってるでしょ」
「えー、でもー」
「ちょっと、ちょっと、待ってね」
ソフィアは手にした包丁を置き前掛けで手を拭うと、
「はい、お帰りなさい、楽しかった?」
ミナに向き直り微笑みかける、
「うん、楽しかった、あのね、あのね」
と畳み掛けるように話し出し、ソフィアはうんうんと笑顔で答える、
「レインもお疲れ様、レアンお嬢様もありがとうございますね」
厨房の入り口に佇む二人に声を掛ける、
「いつもの事です、まったく、ミナはもー」
とレアンは大人びた口調となり、
「うむ、楽しかったぞ」
レインは何故か踏ん反り返っている、
「さ、食堂で少し休みましょうね、どうしましょう、お茶よりもソーダ水を用意しましょうか?」
「え、いいのー?」
ミナがキラキラとした目でソフィアを見上げる、
「はいはい、そうね、ミナは今日はお淑やかにするんだったよね、出来たのかしら?」
えっととミナは不思議そうな顔になる、
「むふ、お淑やかかー」
レアンは意地の悪い笑みを浮かべ、
「うむ、暫くは無理だな」
レインも同様に渋い顔である、
「ありゃー、そうか、無理だったかー」
ソフィアはミナの頭を撫でつける、
「無理じゃないー、お淑やかだった―」
不満顔でミナはレインとレアンを見る、
「ミナよ、お淑やかというのはな、ほら、あれだ、大道芸人を見付けても走らない」
「うん、屋台の匂いで興奮しない」
「吟遊詩人の前で変な踊りもしないな」
「それと・・・」
とレインが言い掛けた時に、
「もう、いい、レインもレアンも意地悪だ、キライ」
ふんと大袈裟にソッポを向いた、
「あらあら、しっかり楽しんできたのね、良かったわ」
ソフィアは優しくミナの頭を撫でつつ、
「食堂でお休みしなさい、疲れてるでしょ、ほら、二人もゆっくしなさいね」
ソフィアは3人を席に着かせると店舗に向かいソーダ水を手にして戻って来る、しかし、やはりというべきか興奮しているミナは落ち着きがなくなっている様子であった、じっとしていられないのか白墨を手にして壁の黒板に向かっている、
「あらあら、もう、これは、あれね、燃料切れね」
ソフィアは困った顔でレインを見る、
「そのようじゃの、うん、一旦宿舎に戻って着替えるか、それから昼寝じゃな」
「そうか、ずっと駆けていたからな、さもありなん」
レアンも理解を示す、ソフィアはそっとレアンとレインにソーダ水を渡しつつ、
「ごめんなさいね、レアン様、そういう事だから・・・一緒にお昼寝する?」
ソフィアの急な提案にレアンは口に含んだソーダ水を吹き出しそうになりつつ、
「・・・うぬ、うぐうぐ」
と声にならない呻き声を上げて、
「いや、私は必要ないぞ、昼寝が必要な年ではないからな」
口の端を手の甲で拭いつつ虚勢を張った、
「そう、じゃ、レイン、ミナをお願いね」
わかったとレインは答え、
「ほら、ミナお着換えじゃ、一張羅を汚してはならんぞ」
ミナはむーと言葉にならない呻き声を発しつつ渋々とレインに付いて行く、
「そうだ、レアン様、今日ちょっとした食事会があるのですが、御一緒に如何ですか」
ソフィアはミナの背を見ながらレアンを誘った、
「うむ、そうか、しかし、私が参加しても良いものなのか?」
「そうですね、レアン様なら歓迎されますよ、それも今日は女ばかりの会になる予定ですので、宜しければお母さまも」
「そうか、それは楽しそうじゃな」
「はい、中々会えない方ばかりなので、そうですね、少しばかり華を添えて頂ければ幸いです」
「そう言われるとむず痒くなるが、今日は確か父上は街の有力者と宴会であったな、母上は出席されない筈、うん、誘ってみても良いかな」
レアンはうんうんと頷いている、
「そうですね、あ、先程、華と言いましたが、あれですよ、御衣裳は着飾らない程度でお越し下さい」
「そうか、うーん、この程度の服装で良いのか?」
レアンは軽く両手を開いてみせる、
「はい、十分かと思います」
ソフィアはニコリと笑みし、
「分かった、では夕暮れ前で良いのかな、楽しみにしておるぞ」
レアンは手にしたソーダ水をグイっと煽る、
「はい、勿論ですが胡麻は一切使っておりませんので、御安心下さい」
「ぐふ、・・・そうだな、お心遣い感謝する」
レアンは再び軽くむせつつ答えるのであった。
それから暫くして、
「あ、ソフィアさん、エレイン様何処ですかー?」
厨房にジャネットが走り込んでくる、
「エレインさん?うーん、2階に居ないかしら?居なかったら分からないわねー」
「あー、2階には居なかったんですよー、うーんどうしようか、オリビアもおらんしー」
「あら、お店は?」
「確認済みです」
「そっか、まぁ、こっちはこっちでいろいろあったのよ、何か問題?」
「いえいえ、店仕舞したんで報告ですねー」
「へー、もう?」
「はい、目標達成どころか売り切れちゃいました」
ジャネットはすごいでしょと胸を張る、
「それは良かった、大したもんだわ」
ソフィアは前掛けで手を拭いつつ振り返る、
「へへー、何かすんごい評判になってて、ずっとお客様が切れない感じでした、一休みする暇も無くて、みんなもうヘロヘロですね」
というわりには元気そうである、
「そっかー、それはおめでとう、他の人は?」
「今、帰り道です、私だけ先に報告と思ったのですよ」
「そっかー、じゃ、こっち手伝える?」
ソフィアは首を傾げつつ問う、
「手伝いですか?」
ジャネットもつられて小首を傾げた、
「そうよ、今日の夕食は突然だけど会食です、大事なお客様がいらっしゃってね、きっとビックリするわよ」
「へー、分かりました、うーん、なら、屋台を片付けてからアニタと応援に来るって事でいいですか?」
「そうしてくれると嬉しいわね、それと、紫大理石も使わせて頂戴、あ、でも、あれよ、お店の方とか商会の仕事を優先しなさいね、できれば生徒達も呼びたいけど、人が多すぎるかしら?」
「あー、商会関係はまた別で食事会を開きたいと思ってました、その婦人部も含めて、なので、今日は屋台を片付けたら解散の予定です、ほら、皆疲れちゃっててグデグデですし」
そう、とソフィアは微笑む、
「じゃ、仕事終えたら来ますね」
ジャネットは来た時そのままの勢いで外にでた、その背を見送りつつ、
「となれば、あれも出来るかしら?」
ソフィアはもう一品増やせるかなと調理手順を組みなおすのであった。
それからすぐに屋台組がバタバタと騒ぎつつ内庭で作業を始め、やがて静かになると厨房にジャネットとアニタが入って来る、
「紫大理石何処に置きます?」
「あー、ありがとう、作業台は・・・いっぱいか、とりあえず立てかけといて」
「えっと、何からやりますか?」
アニタは腕捲りをしつつソフィアに問う、
「そうね、あ、アニタさんは大丈夫?疲れてない?ジャネットさんは元気そうだったからお願いしたんだけど」
「私は大丈夫ですよ、今日は楽させて貰いましたんで」
アニタもそれほど疲れは見えない、それよりも仕事をやり切った良い顔をしている、
「良かった、じゃ、二人にはこれをやってもらいたいんだけど」
とソフィアは二人に作業を指示する、山羊のミルクと卵黄、細かく砕かれ砂のような状態の黒糖が作業台に並べられた、
「また、これは、初めてですね、ブロンパンの材料に近いですが、どうなるんでしょう?」
アニタは不思議そうに食材を見る、
「そうね、美味しいものになるわよ、それと、商会の新商品に加えてもいい感じだと思うわ」
自信たっぷりにソフィアは答える、
「うぬ、ソフィア先生の言う事に嘘は無い・・・筈、アニタ、やるか」
ソフィアの言にジャネットは表情を変えた、
「うん、これは是非とも習得せねば」
アニタも一瞬で眼の色を変えるのであった。
店舗には先程よりも来客が増えている様子であった、祭りで手に入れた様々な物を手にした親子連れが多いようで、父親がいれば父親が、いなければ母親が荷物持ちになりつつ、子供達はブロンパンに噛み付いている、甲高い嬌声と楽し気な笑い声が街路に反響し、夏の陽射しに彩りを添えていた。
ソフィアが微笑みつつ寮に入ると、食堂は伽藍としていた、市場に出る時には姉妹が静かに話し込んでいたが、流石に場を移したのであろう、ソフィアはそのまま厨房に入り、購入した食材を作業台に並べ、食糧庫から追加の品を持ち出すと、
「さて、やりますか」
と、腕捲りをして気合を入れ直すのであった。
正午を過ぎ最も気温の高い時間帯になるとミナとレインが飛び込んできた、その後ろにはレアンが付いて来る、
「ソフィー、戻ったー」
ダダッと駆け込んで来ると厨房のソフィアに勢いそのままに抱き付く、
「わ、こら、料理中は危ないからダメっていってるでしょ」
「えー、でもー」
「ちょっと、ちょっと、待ってね」
ソフィアは手にした包丁を置き前掛けで手を拭うと、
「はい、お帰りなさい、楽しかった?」
ミナに向き直り微笑みかける、
「うん、楽しかった、あのね、あのね」
と畳み掛けるように話し出し、ソフィアはうんうんと笑顔で答える、
「レインもお疲れ様、レアンお嬢様もありがとうございますね」
厨房の入り口に佇む二人に声を掛ける、
「いつもの事です、まったく、ミナはもー」
とレアンは大人びた口調となり、
「うむ、楽しかったぞ」
レインは何故か踏ん反り返っている、
「さ、食堂で少し休みましょうね、どうしましょう、お茶よりもソーダ水を用意しましょうか?」
「え、いいのー?」
ミナがキラキラとした目でソフィアを見上げる、
「はいはい、そうね、ミナは今日はお淑やかにするんだったよね、出来たのかしら?」
えっととミナは不思議そうな顔になる、
「むふ、お淑やかかー」
レアンは意地の悪い笑みを浮かべ、
「うむ、暫くは無理だな」
レインも同様に渋い顔である、
「ありゃー、そうか、無理だったかー」
ソフィアはミナの頭を撫でつける、
「無理じゃないー、お淑やかだった―」
不満顔でミナはレインとレアンを見る、
「ミナよ、お淑やかというのはな、ほら、あれだ、大道芸人を見付けても走らない」
「うん、屋台の匂いで興奮しない」
「吟遊詩人の前で変な踊りもしないな」
「それと・・・」
とレインが言い掛けた時に、
「もう、いい、レインもレアンも意地悪だ、キライ」
ふんと大袈裟にソッポを向いた、
「あらあら、しっかり楽しんできたのね、良かったわ」
ソフィアは優しくミナの頭を撫でつつ、
「食堂でお休みしなさい、疲れてるでしょ、ほら、二人もゆっくしなさいね」
ソフィアは3人を席に着かせると店舗に向かいソーダ水を手にして戻って来る、しかし、やはりというべきか興奮しているミナは落ち着きがなくなっている様子であった、じっとしていられないのか白墨を手にして壁の黒板に向かっている、
「あらあら、もう、これは、あれね、燃料切れね」
ソフィアは困った顔でレインを見る、
「そのようじゃの、うん、一旦宿舎に戻って着替えるか、それから昼寝じゃな」
「そうか、ずっと駆けていたからな、さもありなん」
レアンも理解を示す、ソフィアはそっとレアンとレインにソーダ水を渡しつつ、
「ごめんなさいね、レアン様、そういう事だから・・・一緒にお昼寝する?」
ソフィアの急な提案にレアンは口に含んだソーダ水を吹き出しそうになりつつ、
「・・・うぬ、うぐうぐ」
と声にならない呻き声を上げて、
「いや、私は必要ないぞ、昼寝が必要な年ではないからな」
口の端を手の甲で拭いつつ虚勢を張った、
「そう、じゃ、レイン、ミナをお願いね」
わかったとレインは答え、
「ほら、ミナお着換えじゃ、一張羅を汚してはならんぞ」
ミナはむーと言葉にならない呻き声を発しつつ渋々とレインに付いて行く、
「そうだ、レアン様、今日ちょっとした食事会があるのですが、御一緒に如何ですか」
ソフィアはミナの背を見ながらレアンを誘った、
「うむ、そうか、しかし、私が参加しても良いものなのか?」
「そうですね、レアン様なら歓迎されますよ、それも今日は女ばかりの会になる予定ですので、宜しければお母さまも」
「そうか、それは楽しそうじゃな」
「はい、中々会えない方ばかりなので、そうですね、少しばかり華を添えて頂ければ幸いです」
「そう言われるとむず痒くなるが、今日は確か父上は街の有力者と宴会であったな、母上は出席されない筈、うん、誘ってみても良いかな」
レアンはうんうんと頷いている、
「そうですね、あ、先程、華と言いましたが、あれですよ、御衣裳は着飾らない程度でお越し下さい」
「そうか、うーん、この程度の服装で良いのか?」
レアンは軽く両手を開いてみせる、
「はい、十分かと思います」
ソフィアはニコリと笑みし、
「分かった、では夕暮れ前で良いのかな、楽しみにしておるぞ」
レアンは手にしたソーダ水をグイっと煽る、
「はい、勿論ですが胡麻は一切使っておりませんので、御安心下さい」
「ぐふ、・・・そうだな、お心遣い感謝する」
レアンは再び軽くむせつつ答えるのであった。
それから暫くして、
「あ、ソフィアさん、エレイン様何処ですかー?」
厨房にジャネットが走り込んでくる、
「エレインさん?うーん、2階に居ないかしら?居なかったら分からないわねー」
「あー、2階には居なかったんですよー、うーんどうしようか、オリビアもおらんしー」
「あら、お店は?」
「確認済みです」
「そっか、まぁ、こっちはこっちでいろいろあったのよ、何か問題?」
「いえいえ、店仕舞したんで報告ですねー」
「へー、もう?」
「はい、目標達成どころか売り切れちゃいました」
ジャネットはすごいでしょと胸を張る、
「それは良かった、大したもんだわ」
ソフィアは前掛けで手を拭いつつ振り返る、
「へへー、何かすんごい評判になってて、ずっとお客様が切れない感じでした、一休みする暇も無くて、みんなもうヘロヘロですね」
というわりには元気そうである、
「そっかー、それはおめでとう、他の人は?」
「今、帰り道です、私だけ先に報告と思ったのですよ」
「そっかー、じゃ、こっち手伝える?」
ソフィアは首を傾げつつ問う、
「手伝いですか?」
ジャネットもつられて小首を傾げた、
「そうよ、今日の夕食は突然だけど会食です、大事なお客様がいらっしゃってね、きっとビックリするわよ」
「へー、分かりました、うーん、なら、屋台を片付けてからアニタと応援に来るって事でいいですか?」
「そうしてくれると嬉しいわね、それと、紫大理石も使わせて頂戴、あ、でも、あれよ、お店の方とか商会の仕事を優先しなさいね、できれば生徒達も呼びたいけど、人が多すぎるかしら?」
「あー、商会関係はまた別で食事会を開きたいと思ってました、その婦人部も含めて、なので、今日は屋台を片付けたら解散の予定です、ほら、皆疲れちゃっててグデグデですし」
そう、とソフィアは微笑む、
「じゃ、仕事終えたら来ますね」
ジャネットは来た時そのままの勢いで外にでた、その背を見送りつつ、
「となれば、あれも出来るかしら?」
ソフィアはもう一品増やせるかなと調理手順を組みなおすのであった。
それからすぐに屋台組がバタバタと騒ぎつつ内庭で作業を始め、やがて静かになると厨房にジャネットとアニタが入って来る、
「紫大理石何処に置きます?」
「あー、ありがとう、作業台は・・・いっぱいか、とりあえず立てかけといて」
「えっと、何からやりますか?」
アニタは腕捲りをしつつソフィアに問う、
「そうね、あ、アニタさんは大丈夫?疲れてない?ジャネットさんは元気そうだったからお願いしたんだけど」
「私は大丈夫ですよ、今日は楽させて貰いましたんで」
アニタもそれほど疲れは見えない、それよりも仕事をやり切った良い顔をしている、
「良かった、じゃ、二人にはこれをやってもらいたいんだけど」
とソフィアは二人に作業を指示する、山羊のミルクと卵黄、細かく砕かれ砂のような状態の黒糖が作業台に並べられた、
「また、これは、初めてですね、ブロンパンの材料に近いですが、どうなるんでしょう?」
アニタは不思議そうに食材を見る、
「そうね、美味しいものになるわよ、それと、商会の新商品に加えてもいい感じだと思うわ」
自信たっぷりにソフィアは答える、
「うぬ、ソフィア先生の言う事に嘘は無い・・・筈、アニタ、やるか」
ソフィアの言にジャネットは表情を変えた、
「うん、これは是非とも習得せねば」
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