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本編
13話 夏の日の策謀 その3
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翌日、夕食時、3階の研究所にユーリとストラウク、サビナの姿があった、
「しかし、また、迂遠な妨害工作ですね」
ストラウクの相談を受けたユーリの素直な感想である、
「まったくです、何がしかあるであろうなとは思っていたのですが、まったく・・・」
ストラウクも大きく溜息を吐いた、領主からの妨害工作が始まったのである、嫌がらせといった方が適当な感じもするが、その方法は冒険者ギルドへの高額の依頼という形であった。
名目は小麦収穫の周辺警備である、小麦収穫の時期である事は確かであるがその周辺警備という仕事は聞いた事がない、依頼主の弁によると、昨今戦争が終了し魔族による山野での無法な狩猟がほぼ無くなった、その為に魔物以外の野生動物が急速に増えており、農作業中に襲われる事件が多発している、その為、農家を守る警備員が必要であるらしい、
「へー、でも野性動物って増えてるんですか?」
サビナの純粋な疑問に、
「増えてはいるらしいですね、冒険者連中も言ってはいました、ただ、こんな高額で出される仕事では・・・ないかな・・・と」
視線の先には依頼の詳細が書かれた木簡がある、その金額部分は下水道探索の日当の2倍であった、
「わ、ホントだ、獣の買取金額も良い値段ですね」
概要欄を確認してサビナは呆れている、
「そうなんだよ、これでは、こっちに協力してくれる冒険者は殆どいないだろうなぁ」
ストラウクは肩を落とす、
「サブマスは何と言っているのです?」
「あの人は、まぁ、しようがないとしか言わないよ、どちらかと言えば向う側の人だからね、現場にいるのもあくまで冒険者の取り纏めとして来てもらっているだけだから」
「なるほど」
ユーリはサブマスの厳つい顔を思い出しつつ納得した、
「すると、どうなるんでしょう?下水道探索は続けるんですか?」
サビナの質問に、
「えぇ、続ける事は可能ですが、その規模は一気に縮小ですね、同好の士が引き続き請け負って頂けると思いますが、冒険者側の数は少ないです、それに合わせて学生を減らす必要があるかと、まぁ、時間がかかるだけで結果は同じになりますよ」
「まぁ、そりゃそうよねぇ」
ユーリは納得しつつも納得できない顔である、
「しかし、時間がかかるという事はまた別の嫌がらせが始まる可能性があります、こちらとしては、こういった婉曲的な妨害であれば良いのですが、学生へ影響を与えるような事になるのであれば、考えなければならないかなと思うのですよ」
ストラウクは領主の手が学園に伸びる事を懸念しているのである、
「はい、良く分かりますわ」
ユーリは頷きつつ思考する、3人が何とも言えない状態で沈思する事暫し、
「ふん、取り合えず、明日からは規模を縮小しましょう、現場については引き続きストラウク先生に一任致します、学生についても選抜しますか、それも先生にお願いしてもよいですか?」
ストラウクは静かに頷く、
「では、上には私から報告致します、それと今日の収穫物は何かありますか?」
ストラウクは足元の袋から大ぶりの木簡と朽ちかけた巻物を取り出し、机に置いた、
「こちらです、解読は出来ませんでした」
残念そうに呟く、
「わっ、でもこれ凄いんじゃないですか?木簡もですが巻物も」
「読めなければ・・・意味は無いですよ」
ストラウクは実に寂しそうである、
「分かりました、これも上に報告します、前回の巻物も纏めて返却しましょう、向うでも少しは作業をさせないとねぇ」
ユーリはニヤリと笑う、
「では、私はこれで、お疲れ様でした」
ストラウクは疲れを隠さずに萎れた背中で転送室へ向かった、
「さて、どう動こうかしら」
ユーリは出土した木簡に視線を落とし、策を巡らすのであった。
ユーリが木簡を持って食堂に降りると生徒達は既に食事を終えた頃合いであった、
「ありゃ、先生、遅ーい」
ジャネットの軽口に、
「はいはい、こっちはお仕事なのよ、少しは労わりなさい」
「えー、ん、それ、何すか?」
「今日の出土品よ、これを読めた人にはそうね、金貨10枚あげる」
食堂は一気にどよめいた、
「マジですか、見せてください」
「ジャネットさん、わたくしにも見せなさい」
「あ、わたしもです」
生徒達は我先にとユーリの元へ駆け寄った、
「はいはい、どうぞ、どうぞ」
とユーリは木簡をテーブルに置き、
「はぁー、やれやれだわよ」
何とも年寄くさい事を言いつつ、いつもの席に腰を下ろす、
「ユーリ、座ってなさい、持って来たげるわ」
ソフィアはユーリが席に着くと同時に立ち上がる、
「あ、ごめんなさい、ありがとう、ソフィア」
席に着くなり溜息を吐いたユーリに
「お疲れのようじゃのう」
「むー、ユーリ、お疲れ?」
ミナとレインは優しく声をかける、
「あら、二人共優しいのね今日は、いつもこうなら嬉しいのになぁー」
テーブルに顎を載せてミナとレインを交互に見詰める、
「むぅ、いつも優しいぞ、なぁ、ミナ」
「うん、ユーリは大事なおねーさんだもんね」
二人はニコニコとユーリに笑顔を向ける、
「えっ、二人共急にどうしたの?何か悪いもの食べた?」
「失礼な奴じゃな、そういう事言うから・・・」
「うん、おばちゃんなんだよねぇー」
ミナはサッとレインの後ろに隠れる、
「ミーナー」
ユーリはゆっくりと立ち上がるが、急激に脱力して席に着いた、
「ありゃ、失敗した?」
「そうじゃの、ユーリの再活性に失敗しましたの巻?」
レインとミナはどうやら示し合わせていたらしい、
「なによその再活性って?時々難しい言葉を使うのね」
「うむ、ミナにおちょくられると元気になるじゃろ、ユーリは」
「えっ、元気付けようとしてくれたの?」
「うん、そうだよ、ユーリおばちゃん、ガンバエー」
レインの背中越しにユーリを見詰めるミナ、
「ありがとう、二人共、うぅ、少しだけ元気でたわ」
「そっか、なら良かった」
ミナが安心してレインの後ろから出た瞬間、
「ミーナー」
ユーリはテーブル越しにミナの両肩を確保すると、
「いいかしらぁー、前にも言ったでしょう、忘れたのかしら?いい?ユーリ・お・ねー・さ・ん」
鬼の形相でミナに言い聞かせる、
「言ってごらんなさい?」
「えっと、ユーリおねーさん」
「良い子ね、もう一度」
「ユーリおねーさん」
「はい、わかれば宜しい、忘れないのよ、ミーナー」
鬼の形相のまま笑みを浮かべ手を離した、ミナは脱兎の如く厨房に走り込むと、
「うっさい、ユーリおばちゃん、べぇーだ」
と舌を見せる、
「ミナ、このガキンチョがー」
ユーリが腰を上げた瞬間、
「はいはい、ほら、お腹に何か入れれば少しは落ち着くでしょ、それと、ミナ、レイン、ユーリをからかわないの」
ミナの頭をガシッと掴んでソフィアが戒める、
「むー、でも、ユーリがー」
「でもも、なにもないです、はいこれユーリに持って行って、それで仲直り、良いわね3人供?」
ソフィアは夕食の乗ったトレーをミナに預けると厨房に引っ込んだ、
「はい、夕飯です」
ミナはユーリとの距離を取りながら渋々とトレーを差し出す、
「はい、ありがとう、ミナ」
ユーリは優しい笑顔をミナに向けるのであった。
「しかし、また、迂遠な妨害工作ですね」
ストラウクの相談を受けたユーリの素直な感想である、
「まったくです、何がしかあるであろうなとは思っていたのですが、まったく・・・」
ストラウクも大きく溜息を吐いた、領主からの妨害工作が始まったのである、嫌がらせといった方が適当な感じもするが、その方法は冒険者ギルドへの高額の依頼という形であった。
名目は小麦収穫の周辺警備である、小麦収穫の時期である事は確かであるがその周辺警備という仕事は聞いた事がない、依頼主の弁によると、昨今戦争が終了し魔族による山野での無法な狩猟がほぼ無くなった、その為に魔物以外の野生動物が急速に増えており、農作業中に襲われる事件が多発している、その為、農家を守る警備員が必要であるらしい、
「へー、でも野性動物って増えてるんですか?」
サビナの純粋な疑問に、
「増えてはいるらしいですね、冒険者連中も言ってはいました、ただ、こんな高額で出される仕事では・・・ないかな・・・と」
視線の先には依頼の詳細が書かれた木簡がある、その金額部分は下水道探索の日当の2倍であった、
「わ、ホントだ、獣の買取金額も良い値段ですね」
概要欄を確認してサビナは呆れている、
「そうなんだよ、これでは、こっちに協力してくれる冒険者は殆どいないだろうなぁ」
ストラウクは肩を落とす、
「サブマスは何と言っているのです?」
「あの人は、まぁ、しようがないとしか言わないよ、どちらかと言えば向う側の人だからね、現場にいるのもあくまで冒険者の取り纏めとして来てもらっているだけだから」
「なるほど」
ユーリはサブマスの厳つい顔を思い出しつつ納得した、
「すると、どうなるんでしょう?下水道探索は続けるんですか?」
サビナの質問に、
「えぇ、続ける事は可能ですが、その規模は一気に縮小ですね、同好の士が引き続き請け負って頂けると思いますが、冒険者側の数は少ないです、それに合わせて学生を減らす必要があるかと、まぁ、時間がかかるだけで結果は同じになりますよ」
「まぁ、そりゃそうよねぇ」
ユーリは納得しつつも納得できない顔である、
「しかし、時間がかかるという事はまた別の嫌がらせが始まる可能性があります、こちらとしては、こういった婉曲的な妨害であれば良いのですが、学生へ影響を与えるような事になるのであれば、考えなければならないかなと思うのですよ」
ストラウクは領主の手が学園に伸びる事を懸念しているのである、
「はい、良く分かりますわ」
ユーリは頷きつつ思考する、3人が何とも言えない状態で沈思する事暫し、
「ふん、取り合えず、明日からは規模を縮小しましょう、現場については引き続きストラウク先生に一任致します、学生についても選抜しますか、それも先生にお願いしてもよいですか?」
ストラウクは静かに頷く、
「では、上には私から報告致します、それと今日の収穫物は何かありますか?」
ストラウクは足元の袋から大ぶりの木簡と朽ちかけた巻物を取り出し、机に置いた、
「こちらです、解読は出来ませんでした」
残念そうに呟く、
「わっ、でもこれ凄いんじゃないですか?木簡もですが巻物も」
「読めなければ・・・意味は無いですよ」
ストラウクは実に寂しそうである、
「分かりました、これも上に報告します、前回の巻物も纏めて返却しましょう、向うでも少しは作業をさせないとねぇ」
ユーリはニヤリと笑う、
「では、私はこれで、お疲れ様でした」
ストラウクは疲れを隠さずに萎れた背中で転送室へ向かった、
「さて、どう動こうかしら」
ユーリは出土した木簡に視線を落とし、策を巡らすのであった。
ユーリが木簡を持って食堂に降りると生徒達は既に食事を終えた頃合いであった、
「ありゃ、先生、遅ーい」
ジャネットの軽口に、
「はいはい、こっちはお仕事なのよ、少しは労わりなさい」
「えー、ん、それ、何すか?」
「今日の出土品よ、これを読めた人にはそうね、金貨10枚あげる」
食堂は一気にどよめいた、
「マジですか、見せてください」
「ジャネットさん、わたくしにも見せなさい」
「あ、わたしもです」
生徒達は我先にとユーリの元へ駆け寄った、
「はいはい、どうぞ、どうぞ」
とユーリは木簡をテーブルに置き、
「はぁー、やれやれだわよ」
何とも年寄くさい事を言いつつ、いつもの席に腰を下ろす、
「ユーリ、座ってなさい、持って来たげるわ」
ソフィアはユーリが席に着くと同時に立ち上がる、
「あ、ごめんなさい、ありがとう、ソフィア」
席に着くなり溜息を吐いたユーリに
「お疲れのようじゃのう」
「むー、ユーリ、お疲れ?」
ミナとレインは優しく声をかける、
「あら、二人共優しいのね今日は、いつもこうなら嬉しいのになぁー」
テーブルに顎を載せてミナとレインを交互に見詰める、
「むぅ、いつも優しいぞ、なぁ、ミナ」
「うん、ユーリは大事なおねーさんだもんね」
二人はニコニコとユーリに笑顔を向ける、
「えっ、二人共急にどうしたの?何か悪いもの食べた?」
「失礼な奴じゃな、そういう事言うから・・・」
「うん、おばちゃんなんだよねぇー」
ミナはサッとレインの後ろに隠れる、
「ミーナー」
ユーリはゆっくりと立ち上がるが、急激に脱力して席に着いた、
「ありゃ、失敗した?」
「そうじゃの、ユーリの再活性に失敗しましたの巻?」
レインとミナはどうやら示し合わせていたらしい、
「なによその再活性って?時々難しい言葉を使うのね」
「うむ、ミナにおちょくられると元気になるじゃろ、ユーリは」
「えっ、元気付けようとしてくれたの?」
「うん、そうだよ、ユーリおばちゃん、ガンバエー」
レインの背中越しにユーリを見詰めるミナ、
「ありがとう、二人共、うぅ、少しだけ元気でたわ」
「そっか、なら良かった」
ミナが安心してレインの後ろから出た瞬間、
「ミーナー」
ユーリはテーブル越しにミナの両肩を確保すると、
「いいかしらぁー、前にも言ったでしょう、忘れたのかしら?いい?ユーリ・お・ねー・さ・ん」
鬼の形相でミナに言い聞かせる、
「言ってごらんなさい?」
「えっと、ユーリおねーさん」
「良い子ね、もう一度」
「ユーリおねーさん」
「はい、わかれば宜しい、忘れないのよ、ミーナー」
鬼の形相のまま笑みを浮かべ手を離した、ミナは脱兎の如く厨房に走り込むと、
「うっさい、ユーリおばちゃん、べぇーだ」
と舌を見せる、
「ミナ、このガキンチョがー」
ユーリが腰を上げた瞬間、
「はいはい、ほら、お腹に何か入れれば少しは落ち着くでしょ、それと、ミナ、レイン、ユーリをからかわないの」
ミナの頭をガシッと掴んでソフィアが戒める、
「むー、でも、ユーリがー」
「でもも、なにもないです、はいこれユーリに持って行って、それで仲直り、良いわね3人供?」
ソフィアは夕食の乗ったトレーをミナに預けると厨房に引っ込んだ、
「はい、夕飯です」
ミナはユーリとの距離を取りながら渋々とトレーを差し出す、
「はい、ありがとう、ミナ」
ユーリは優しい笑顔をミナに向けるのであった。
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