59 / 1,050
本編
9話 豊穣の神の祭りあるいはレインの日 その8
しおりを挟む
「では、皆さん、また遊びに来ますわね」
パトリシアはそう言って席を立つ、その腰にはしっかりと木工細工が括られていた、
「あ、すいません、こちらこそ、気を使って頂いてありがとうございました」
エレインが腰を上げ申し訳なさそうに礼を伝える、
「いえいえ、大変、楽しかったですわ、良い土産も手に入りましたし、ね」
ミナに向けて微笑むと、
「では、ソフィアさん、また、お邪魔しますね、その際には例の件どうぞ宜しく」
「例の件・・・」
ソフィアはあっと手を叩いて、
「はい、了解致しました、明日にでもご連絡致します」
ニコヤカに微笑む、それではとパトリシアは優雅に目礼をして厨房に入っていった、アフラを含めた従者も残る者達に目礼をしつつ音もなくパトリシアの後に続く、生徒達は席を立ち笑顔で彼等を見送った、やがて彼等の背が完全に見えなくなったところで、
「リシア様ってば今日すんごい綺麗だったわねー」
ジャネットがたまらず吐き出した、
「そうそう、なにかしら、常人とは違う輝きに溢れてました」
「独特の圧力が常にこう周囲に振り撒かれているような」
「ええ、畏れ多くて近寄れない感じでした」
疲れ切っていた姿は何処へやらと行った風で、女生徒達は実に彼女達らしくやや下世話な話に花が咲く、
「こら、失礼な話で盛り上がらない、元気になったなら経理関係纏めておきなさいよ」
ソフィアはあまりの騒々しさに大声を上げる、
「はーい、すいませーん」
一同は一瞬で静かになり、話に付いていけなかったエレインはホッと胸を撫で下ろす、
「では、決算してしまいましょう、ソフィアさんの言う通りです」
オリビアがスッと立ち上がり足元に置いていた革袋をテーブルの上に置いた、重い金属音が騒がしい、つまり銅貨と銀貨が詰まった袋なのである、
「んじゃ、こっちも」
ジャネットがパウラに目配せする、頷いたパウラが革袋をテーブルに置いた、こちらも実に景気の良い音がしている、
「あ、その前に言っておくけど、全部、正直に集計なさいよ、こういう時のお金のトラブルが一番問題だからね、後々まで尾を引くから、仲良くやっていきたいなら注意しなさい」
ソフィアはそう忠告し、自身は夕飯の支度をと腰を上げる、女生徒達はそれぞれに革袋から銅貨と銀貨を山にして計算を始めた、
やがて、
「ふぅ、こっちは終了、予想通りの金額だと思うけど、そうよね、予定した数をしっかりと捌けたんだから予想通りの金額になるわよね」
ミナから借りた黒板を手にしてアニタは一息吐いた、
「はい、やはり端数は切り上げたので会計も楽でしたね、その分単価が高くなってしまいましたが、それこそお祭り価格で問題無かったですし」
「うん、エレイン様、出して貰っていた分をお返ししたいのですが」
ジャネットは真面目な口調でエレインに返金分のお金を差し出す、
「えーと、黒板設置代と足りなくて出して貰ったトレー分、他です、確認お願い致します」
パウラが金額について詳細を説明すると、オリビアが金額を確認してエレインに目配せする、
「確かに、返金分確認致しました、では、そこから、櫛の代金を返却しますね、これで、貸し借りは無しで宜しいでしょう」
オリビアが銅貨を数枚ジェネットに返金した、
「ん、いいの?差し上げた物っていう感じだったけど」
「無料で頂くわけにはいきませんよ、そちらからはしっかりと取って、こちらは出さないでは私の矜持が許しません」
「いやー、エレインさん、流石、男らしい」
ジャネットはやっと普段のように軽口を叩く、
「なんですって?」
エレインのきつい視線をヒラリと交わして席に着くと、
「では、どうしよう、これで払うモノは払った状態?」
「そうなりますかねぇ」
銅貨の小山を前にしてパウラは小首を傾げる、
「ブノワトさんへはどうしようかと考えているんですが」
アニタはボソリと呟いた、
「それと、ソフィアさんへも」
「そうよねぇ」
3人はそれぞれに思案する、
「エレインさんの方はどうするの?」
ジャネットはエレインに素直に問い掛けた、
「どうとは何ですか?」
「いや、店をやってた時から気にしてたんだけど、ブノワトさんとソフィアさんへのお礼というか手間代というか、ある程度・・・お気持ちだけでのお礼では駄目かなぁと思いまして」
ジャネットの意見に、
「それもそうですわね、うーん、であれば、お互い決まった金額を、お礼の名目で確保しておいて、正直にその点をお話してお渡しするのが良いのかしら?」
エレインの意見に、
「そうですね、何も無しでは申し訳ありません、私達だけでは全然駄目駄目でしたから」
ケイスの言葉に一同は深く頷いた、
「じゃ、銀貨2枚分を2人分で合わせて4枚かな、お互い確保しておいて、そうね、オリビアさんに取り纏めてもらって欲しいんだけどいい?」
「それはかまいませんわよ、お礼として1人辺り各組2枚ずつ、銀貨にして4枚分のお礼という事かしら」
「そうですね、銀貨4枚なら恥ずかしくない金額と思います」
パウラは胸を張る、
「分かりました、こちらもそれに合わせましょう、ではオリビアそのように」
はい、お嬢様とオリビアは立ち上がり、ジャネット達から銀貨4枚を受け取った、
「それじゃ、これで本当に確定ね、さて、分けますか」
ジャネットは盟友2人に目配せする、
「ふう、そうなると再計算して・・・でた、一人あたり・・・」
「うん、銀貨にして5枚、はっきり言って」
「大儲け!!」
3人の声が揃った、笑い声と大歓声が食堂に響く、花びらの山で遊んでいたミナとレインが何事かと顔を上げた、
「やったー、すごい、実質半日で銀貨5枚分は大成功です、神様ありがとうー」
「だね、これもあれもなにもそれも、皆のお陰だよー、やったね、私達」
「うんうん、まさかこんなに上手くいくとは、神様大好き、ソフィアさん、ありがとう、ブノワト先生、愛してるー」
「いや、愛してるは言い過ぎ」
再び3人は声を合わせて笑いあった、
「まったく、で、こちらは如何です?」
エレインははしゃぐ3人を尻目にオリビアに確認する、
「はい、こちらも・・・でました、まずは、エレイン様の持ち出し分を回収します、ケイスさん確認して下さいね」
オリビアの冷静な瞳にケイスは神妙に頷く、
「それと、先程のお礼分をわたくしが確保しまして」
手にする黒板の数字を変更し、整頓され縦に積まれた銅貨の柱を一本二本と避けていく、
「はい、これで宜しいかと、ケイスさん、確認下さい」
「はい、えっ、でもこんなに儲かったんですか?」
ケイスは黒板の数字と目の前の硬貨の様を見比べながら絶句する、
「あの、エレインさんも御確認下さい、その、正直、驚いています」
「そう?」
黒板を手にしたエレインもケイスと同じように計算結果と実際の硬貨を見比べつつ、
「まぁ、私が本気を出したのですからこのくらいは当然では無くて?」
エレインは高飛車な言動を取りつつもその口元には隠しきれない笑顔がこびり付いている、
「お嬢様、素直になっていいんですよ」
オリビアも笑顔を隠せない上にその声は喜びで震えていた、
「はい、ここは、私達も・・・」
何とも不器用な二人を見て、さらに不器用なケイスは一計を案じる、
「なんですの?」
「雄叫びましょう?」
「雄叫び?」
「はい、大声で喜びを表現しましょう、嬉しいときは嬉しい、それが人の在り方です」
「・・・まぁ、ケイスさんがそうしたいというのなら・・・」
エレインは渋々と了承した風を気取る、
「うーん、では、どのように?」
オリビアが眉間に皺を寄せた、
「はい、では、大成功、それから、やったーで如何でしょう?」
ケイスはこそこそと二人に耳打ちし、
「せーのでいきますよ・・・せーの」
「大成功、やったー!!」
エレイン達は素直にその喜びを爆発させた、ミナとレインが再び何事かと顔を上げる、続く大笑いの最中3人は3人共に思う所があるのであろう、泣き笑いの様相であった。
パトリシアはそう言って席を立つ、その腰にはしっかりと木工細工が括られていた、
「あ、すいません、こちらこそ、気を使って頂いてありがとうございました」
エレインが腰を上げ申し訳なさそうに礼を伝える、
「いえいえ、大変、楽しかったですわ、良い土産も手に入りましたし、ね」
ミナに向けて微笑むと、
「では、ソフィアさん、また、お邪魔しますね、その際には例の件どうぞ宜しく」
「例の件・・・」
ソフィアはあっと手を叩いて、
「はい、了解致しました、明日にでもご連絡致します」
ニコヤカに微笑む、それではとパトリシアは優雅に目礼をして厨房に入っていった、アフラを含めた従者も残る者達に目礼をしつつ音もなくパトリシアの後に続く、生徒達は席を立ち笑顔で彼等を見送った、やがて彼等の背が完全に見えなくなったところで、
「リシア様ってば今日すんごい綺麗だったわねー」
ジャネットがたまらず吐き出した、
「そうそう、なにかしら、常人とは違う輝きに溢れてました」
「独特の圧力が常にこう周囲に振り撒かれているような」
「ええ、畏れ多くて近寄れない感じでした」
疲れ切っていた姿は何処へやらと行った風で、女生徒達は実に彼女達らしくやや下世話な話に花が咲く、
「こら、失礼な話で盛り上がらない、元気になったなら経理関係纏めておきなさいよ」
ソフィアはあまりの騒々しさに大声を上げる、
「はーい、すいませーん」
一同は一瞬で静かになり、話に付いていけなかったエレインはホッと胸を撫で下ろす、
「では、決算してしまいましょう、ソフィアさんの言う通りです」
オリビアがスッと立ち上がり足元に置いていた革袋をテーブルの上に置いた、重い金属音が騒がしい、つまり銅貨と銀貨が詰まった袋なのである、
「んじゃ、こっちも」
ジャネットがパウラに目配せする、頷いたパウラが革袋をテーブルに置いた、こちらも実に景気の良い音がしている、
「あ、その前に言っておくけど、全部、正直に集計なさいよ、こういう時のお金のトラブルが一番問題だからね、後々まで尾を引くから、仲良くやっていきたいなら注意しなさい」
ソフィアはそう忠告し、自身は夕飯の支度をと腰を上げる、女生徒達はそれぞれに革袋から銅貨と銀貨を山にして計算を始めた、
やがて、
「ふぅ、こっちは終了、予想通りの金額だと思うけど、そうよね、予定した数をしっかりと捌けたんだから予想通りの金額になるわよね」
ミナから借りた黒板を手にしてアニタは一息吐いた、
「はい、やはり端数は切り上げたので会計も楽でしたね、その分単価が高くなってしまいましたが、それこそお祭り価格で問題無かったですし」
「うん、エレイン様、出して貰っていた分をお返ししたいのですが」
ジャネットは真面目な口調でエレインに返金分のお金を差し出す、
「えーと、黒板設置代と足りなくて出して貰ったトレー分、他です、確認お願い致します」
パウラが金額について詳細を説明すると、オリビアが金額を確認してエレインに目配せする、
「確かに、返金分確認致しました、では、そこから、櫛の代金を返却しますね、これで、貸し借りは無しで宜しいでしょう」
オリビアが銅貨を数枚ジェネットに返金した、
「ん、いいの?差し上げた物っていう感じだったけど」
「無料で頂くわけにはいきませんよ、そちらからはしっかりと取って、こちらは出さないでは私の矜持が許しません」
「いやー、エレインさん、流石、男らしい」
ジャネットはやっと普段のように軽口を叩く、
「なんですって?」
エレインのきつい視線をヒラリと交わして席に着くと、
「では、どうしよう、これで払うモノは払った状態?」
「そうなりますかねぇ」
銅貨の小山を前にしてパウラは小首を傾げる、
「ブノワトさんへはどうしようかと考えているんですが」
アニタはボソリと呟いた、
「それと、ソフィアさんへも」
「そうよねぇ」
3人はそれぞれに思案する、
「エレインさんの方はどうするの?」
ジャネットはエレインに素直に問い掛けた、
「どうとは何ですか?」
「いや、店をやってた時から気にしてたんだけど、ブノワトさんとソフィアさんへのお礼というか手間代というか、ある程度・・・お気持ちだけでのお礼では駄目かなぁと思いまして」
ジャネットの意見に、
「それもそうですわね、うーん、であれば、お互い決まった金額を、お礼の名目で確保しておいて、正直にその点をお話してお渡しするのが良いのかしら?」
エレインの意見に、
「そうですね、何も無しでは申し訳ありません、私達だけでは全然駄目駄目でしたから」
ケイスの言葉に一同は深く頷いた、
「じゃ、銀貨2枚分を2人分で合わせて4枚かな、お互い確保しておいて、そうね、オリビアさんに取り纏めてもらって欲しいんだけどいい?」
「それはかまいませんわよ、お礼として1人辺り各組2枚ずつ、銀貨にして4枚分のお礼という事かしら」
「そうですね、銀貨4枚なら恥ずかしくない金額と思います」
パウラは胸を張る、
「分かりました、こちらもそれに合わせましょう、ではオリビアそのように」
はい、お嬢様とオリビアは立ち上がり、ジャネット達から銀貨4枚を受け取った、
「それじゃ、これで本当に確定ね、さて、分けますか」
ジャネットは盟友2人に目配せする、
「ふう、そうなると再計算して・・・でた、一人あたり・・・」
「うん、銀貨にして5枚、はっきり言って」
「大儲け!!」
3人の声が揃った、笑い声と大歓声が食堂に響く、花びらの山で遊んでいたミナとレインが何事かと顔を上げた、
「やったー、すごい、実質半日で銀貨5枚分は大成功です、神様ありがとうー」
「だね、これもあれもなにもそれも、皆のお陰だよー、やったね、私達」
「うんうん、まさかこんなに上手くいくとは、神様大好き、ソフィアさん、ありがとう、ブノワト先生、愛してるー」
「いや、愛してるは言い過ぎ」
再び3人は声を合わせて笑いあった、
「まったく、で、こちらは如何です?」
エレインははしゃぐ3人を尻目にオリビアに確認する、
「はい、こちらも・・・でました、まずは、エレイン様の持ち出し分を回収します、ケイスさん確認して下さいね」
オリビアの冷静な瞳にケイスは神妙に頷く、
「それと、先程のお礼分をわたくしが確保しまして」
手にする黒板の数字を変更し、整頓され縦に積まれた銅貨の柱を一本二本と避けていく、
「はい、これで宜しいかと、ケイスさん、確認下さい」
「はい、えっ、でもこんなに儲かったんですか?」
ケイスは黒板の数字と目の前の硬貨の様を見比べながら絶句する、
「あの、エレインさんも御確認下さい、その、正直、驚いています」
「そう?」
黒板を手にしたエレインもケイスと同じように計算結果と実際の硬貨を見比べつつ、
「まぁ、私が本気を出したのですからこのくらいは当然では無くて?」
エレインは高飛車な言動を取りつつもその口元には隠しきれない笑顔がこびり付いている、
「お嬢様、素直になっていいんですよ」
オリビアも笑顔を隠せない上にその声は喜びで震えていた、
「はい、ここは、私達も・・・」
何とも不器用な二人を見て、さらに不器用なケイスは一計を案じる、
「なんですの?」
「雄叫びましょう?」
「雄叫び?」
「はい、大声で喜びを表現しましょう、嬉しいときは嬉しい、それが人の在り方です」
「・・・まぁ、ケイスさんがそうしたいというのなら・・・」
エレインは渋々と了承した風を気取る、
「うーん、では、どのように?」
オリビアが眉間に皺を寄せた、
「はい、では、大成功、それから、やったーで如何でしょう?」
ケイスはこそこそと二人に耳打ちし、
「せーのでいきますよ・・・せーの」
「大成功、やったー!!」
エレイン達は素直にその喜びを爆発させた、ミナとレインが再び何事かと顔を上げる、続く大笑いの最中3人は3人共に思う所があるのであろう、泣き笑いの様相であった。
0
お気に入りに追加
155
あなたにおすすめの小説
異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?
夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。
気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。
落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。
彼らはこの世界の神。
キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。
ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。
「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」
25歳のオタク女子は、異世界でスローライフを送りたい
こばやん2号
ファンタジー
とある会社に勤める25歳のOL重御寺姫(じゅうおんじひめ)は、漫画やアニメが大好きなオタク女子である。
社員旅行の最中謎の光を発見した姫は、気付けば異世界に来てしまっていた。
頭の中で妄想していたことが現実に起こってしまったことに最初は戸惑う姫だったが、自身の知識と持ち前の性格でなんとか異世界を生きていこうと奮闘する。
オタク女子による異世界生活が今ここに始まる。
※この小説は【アルファポリス】及び【小説家になろう】の同時配信で投稿しています。
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
今日も誰かが飯を食いに来る。異世界スローライフ希望者の憂鬱。
KBT
ファンタジー
神の気まぐれで異世界転移した荻野遼ことリョウ。
神がお詫びにどんな能力もくれると言う中で、リョウが選んだのは戦闘能力皆無の探索能力と生活魔法だった。
現代日本の荒んだ社会に疲れたリョウは、この地で素材採取の仕事をしながら第二の人生をのんびりと歩もうと決めた。
スローライフ、1人の自由な暮らしに憧れていたリョウは目立たないように、優れた能力をひた隠しにしつつ、街から少し離れた森の中でひっそりと暮らしていた。
しかし、何故か飯時になるとやって来る者達がリョウにのんびりとした生活を許してくれないのだ。
これは地味に生きたいリョウと派手に生きている者達の異世界物語です。
薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ
柚木 潤
ファンタジー
実家の薬華異堂薬局に戻った薬剤師の舞は、亡くなった祖父から譲り受けた鍵で開けた扉の中に、不思議な漢方薬の調合が書かれた、古びた本を見つけた。
そして、異世界から助けを求める手紙が届き、舞はその異世界に転移する。
舞は不思議な薬を作り、それは魔人や魔獣にも対抗できる薬であったのだ。
そんな中、魔人の王から舞を見るなり、懐かしい人を思い出させると。
500年前にも、この異世界に転移していた女性がいたと言うのだ。
それは舞と関係のある人物であった。
その後、一部の魔人の襲撃にあうが、舞や魔人の王ブラック達の力で危機を乗り越え、人間と魔人の世界に平和が訪れた。
しかし、500年前に転移していたハナという女性が大事にしていた森がアブナイと手紙が届き、舞は再度転移する。
そして、黒い影に侵食されていた森を舞の薬や魔人達の力で復活させる事が出来たのだ。
ところが、舞が自分の世界に帰ろうとした時、黒い翼を持つ人物に遭遇し、舞に自分の世界に来てほしいと懇願する。
そこには原因不明の病の女性がいて、舞の薬で異物を分離するのだ。
そして、舞を探しに来たブラック達魔人により、昔に転移した一人の魔人を見つけるのだが、その事を隠して黒翼人として生活していたのだ。
その理由や女性の病の原因をつきとめる事が出来たのだが悲しい結果となったのだ。
戻った舞はいつもの日常を取り戻していたが、秘密の扉の中の物が燃えて灰と化したのだ。
舞はまた異世界への転移を考えるが、魔法陣は動かなかったのだ。
何とか舞は転移出来たが、その世界ではドラゴンが復活しようとしていたのだ。
舞は命懸けでドラゴンの良心を目覚めさせる事が出来、世界は火の海になる事は無かったのだ。
そんな時黒翼国の王子が、暗い森にある遺跡を見つけたのだ。
*第1章 洞窟出現編 第2章 森再生編 第3章 翼国編
第4章 火山のドラゴン編 が終了しました。
第5章 闇の遺跡編に続きます。
転生受験生の教科書チート生活 ~その知識、学校で習いましたよ?~
hisa
ファンタジー
受験生の少年が、大学受験前にいきなり異世界に転生してしまった。
自称天使に与えられたチートは、社会に出たら役に立たないことで定評のある、学校の教科書。
戦争で下級貴族に成り上がった脳筋親父の英才教育をくぐり抜けて、少年は知識チートで生きていけるのか?
教科書の力で、目指せ異世界成り上がり!!
※なろうとカクヨムにそれぞれ別のスピンオフがあるのでそちらもよろしく!
※第5章に突入しました。
※小説家になろう96万PV突破!
※カクヨム68万PV突破!
※令和4年10月2日タイトルを『転生した受験生の異世界成り上がり 〜生まれは脳筋な下級貴族家ですが、教科書の知識だけで成り上がってやります〜』から変更しました
身バレしないように奴隷少女を買ってダンジョン配信させるが全部バレて俺がバズる
ぐうのすけ
ファンタジー
呪いを受けて冒険者を休業した俺は閃いた。
安い少女奴隷を購入し冒険者としてダンジョンに送り込みその様子を配信する。
そう、数年で美女になるであろう奴隷は配信で人気が出るはずだ。
もしそうならなくともダンジョンで魔物を狩らせれば稼ぎになる。
俺は偽装の仮面を持っている。
この魔道具があれば顔の認識を阻害し更に女の声に変える事が出来る。
身バレ対策しつつ収入を得られる。
だが現実は違った。
「ご主人様は男の人の匂いがします」
「こいつ面倒見良すぎじゃねwwwお母さんかよwwww」
俺の性別がバレ、身バレし、更には俺が金に困っていない事もバレて元英雄な事もバレた。
面倒見が良いためお母さんと呼ばれてネタにされるようになった。
おかしい、俺はそこまで配信していないのに奴隷より登録者数が伸びている。
思っていたのと違う!
俺の計画は破綻しバズっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる