寝取りチンポ vs 異世界【邪神によって異世界に送り込まれた俺に与えられたスキルが寝取りチンポだった件】

第三世界(うたかたとわ)

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マーシャさんとの居残りエッチ♡

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 霧が気になっていたのは、自分の作ったそのストーリーだ。

(なんであたし、こんな感傷的なものを作ってしまったんだろう……)

 母親と子供の、涙の再会。

(ベタだよなぁ……。お涙ちょうだいのおセンチな内容。奪われた子供、取り戻すために奔走する母親。あたしの母親とは大違いの、愛情に満ちた、優しい、通りすがりの生き物すら助ける慈愛に満ちた女性……。この娘は、幸せだな。きっと信じていただろう、母親が、助けに来てくれると……)

 そこまで考えて、霧は、ハッとした。

(あ……そうか……)

 霧の心に刺さっていた、何か。
 その、正体に気付いたのだ。

(この子供は、あたしなんだ。あたしは自分のために……自分の願いを消化するために、この物語を作ったのか)

 突然それに思い当たり、愕然とする。
 大人になった今もなお、霧の中には、膝を抱え、愛情にかつえ、泣き叫ぶ子供がいる、ということに。

(ああ……そうか。そういうことか)

 霧はやるせない溜息をつくと、呟いた。

「あたしは……迎えに来てほしかったのか……。あんな、クズでも、愛して欲しかったのか……あたしを捨てて、二度と帰ってこなかったのに。はは……あほらしい……」

 自虐的に歪んだ唇の端に、あふれ出した涙が、滑り落ちてゆく。
 自己憐憫の涙は、陶酔的な甘い香りを放ちながら、絶望的な苦味と吐き気を催すほどの激辛風味を併せ持ち、霧の心中を打ち据えた。
 それは容認しがたい苦しみを伴って、何度味わっても慣れることなく、霧を無力な子供に戻してしまう。
 泣いている自分が苛立たしい。過去の痛みに翻弄される自分が、心底煩わしかった。
 止めたいのに、一度堰を切ったその涙は次から次へと溢れ出て、霧の頬を濡らしていく。

「忘れたい……もう全部……それなのになぜ……。悪夢だ。もう終わったこと」

 そう言い聞かせても、心に刻みつけられた傷跡は、ことあるごとに疼きだす。
 人とは、なんと脆弱な生き物だろう。
 霧は尚も自分をあざ笑った。いまだ親の与えた暴力と枷から抜け出せない自分を。

「考えるな、思い出すな、今はもう、にいるのだから……」

 しかし思い出すまい、とすればするほど、過去の亡霊が恨みがましく脳裏によみがえってくる。

 霧の両親は、控えめに言っても、クズだった。

 母親は、他人の稼ぎで楽をして生きいきたいという思いで結婚し、当然ながら目論見が外れた。「夫婦は合わせ鏡」という言葉がある。人は自分と同じランクの人間としか出会えないという。両親の結婚は、それを悪い意味で如実にょじつに反映した結果となった。
 結婚当初それなりに稼いでいた父親は、霧が生まれた後に仕事を辞めてしまい、酒浸りの毎日となる。母親は、幼い霧に数々の暴言を吐きながら育て、やがて貧乏と夫の浮気に嫌気がさし、小さな娘を置いて家を出て行った。その後、父親は霧の世話を放棄し、挙句の果てに娘で金もうけをしようと、娘の裸を撮影し、いかがわしい連中と取り引きを始めた。

 その時のことを思い返せば、今でもゾッとする。

 荒い息を吐きながら子供の裸を凝視する、見知らぬ大人の男たち。
 あの気持ち悪い目。触れてくる汚い手。邪悪な欲望にまみれた、変態たち。

「ううっ……!!」

 霧は吐き気を催して顔を手で覆った。

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