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エーデンリッツ学園編
しおりを挟む「新入生の諸君、入学おめでとうございます」
俺は今、エーデンリッツ自由都市というところにあるエーデンリッツ学園への入学式に生徒として参加している。ひょんなことから俺はカマーランドの貴族となったわけだが、俺に貴族位を与えたフリードニヒ8世ちゃん曰く、貴族たるもの一応高等学園の卒業資格を持っていなくてはならないとのことなので、このたびエーデンリッツ学園へとの入学することになったのだ
学園生活のお供にはユキノとリンネを連れてきていて、彼女たちは俺と同じくエーデンリッツ学園の学生服を着て俺と一緒に入学式に出ている。二人は俺のメイド兼ボディーガートという役回りだ
エーデンリッツ学園で俺たちは魔術科への入学となった
俺がエーデンリッツ学園を選んだ理由だが、この学園は完全実力主義を称しており、授業に出なくても学期末テストに合格できれば単位をもらうことができるからだ。逆にどれだけ熱心に授業に出ようがこの学園では実力がなければ絶対に卒業できない
ということを謳っているが、実際は魔術を発動できれば合格できるレベルなので俺が安易に高等学園を卒業するためである
俺たちの実力を隠すことができるし、授業に出ることなくパリピのような学園生活を送って卒業していくという生活を俺が送りたかったからだ
ちなみに誰でも卒業できるのはおこぼれをもらえるというだけの話であり、エーデンリッツ学園を成績上位で卒業した証である者に配られる金メダルはバチバチの実力者にしか与えられず、その金メダルを持っているだけで周りから一目置かれるレベルではある
また、学園のあるエーデンリッツ自由都市は商業ギルドによる自治が行われている独立した都市であり、外交上は貴族を敬うが、内政では貴族も平民も関係ない
エーデンリッツ学園も同じような制度を採用していて、簡単に言うと、面倒くさい貴族付き合いをしなくても済むということだ。つまり、エーデンリッツ学園内では貴族も平民も同等という扱いなのだ
「新入生の皆様の学園生活に幸あらんことを」
新入生が一同に集められたでかいアリーナのような建物の舞台上では、金髪ロングヘアーに碧眼のスレンダーな美女が俺たち新入生に向かって挨拶をしている
彼女の名前はソフィアと言い、この学園の最上級生である四年生の生徒会長だ。ちなみにソフィアはラグーンという男子生徒とラブラブな恋人であるということが学園内では有名なようだ。美男美女の理想的なカップルだと噂されている
「おつかれさま。ハニー」
今も舞台脇では、新入生への挨拶を終えたソフィアに向かって金髪に青い瞳をしたイケメンが声をかけているのが見える。あれが学園内で噂のカップルということか
ソフィアに声をかけているラグーンの周りには彼女の他に複数人の男女が集まっていた。青い髪に赤茶色い瞳をした男子生徒の学園服を着たのがニコル、黒髪ショートカットに青い瞳で女子生徒の学園服を着ているのがヴィヴィ、茶髪のショートカットに茶色い瞳をした女子生徒の服を着ている人物がマリアーナという名前らしい。どうやら噂によると、彼らはこの学園内では有名な美男美女の仲良し集団なんだだそうだ
俺と同じく入学した周りの生徒達が話すそんな噂話に耳を傾けながらも、俺はこれから四年間の学生生活をどのように過ごしていくかを考えていた
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