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退魔のシノビ ユキノルート~プロローグ~
しおりを挟むユキノ視点
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朝、私はいつもと違うベッドで目を覚ます。私は退魔のシノビとしての任務に就くために、故郷から遠く離れたとある宿屋で働くことになった
私が就いた任務とは、消息不明になった私の師匠であるユズハさんの行方を探すというものだ。そのために、ここの宿屋で働きながら彼女の手がかりを見つける。それが私の判断であった
しかし、現在宿屋で探している働き口というのが娼婦しかないということを宿屋の店主から私に伝えられる。私は退魔のシノビとしての任務を遂行するために、宿屋の店主専属の娼婦として働くことに決めた
「タツキチ。私、頑張るから……」
私は自分のおへその下に刻まれた、私が娼婦になった証であるピンク色に光る淫紋に目を見やりながら、故郷に残した恋人であるタツキチのことを思う。タツキチと私は、私がこの任務に赴く前日に恋人になった
私の片思いだと思っていたけど、タツキチも私のことを好きでいてくれた。正式な恋人になるのはタツキチが一人前のシノビになってからだって彼の方から言われてしまったけど、そんなのは些細なことだ
私は彼と夕日が沈む景色の中でした初キスの感触を思い出して、この任務に耐えることを誓う。彼との思い出があれば、これから私がされるどんな行為にも耐えられる。そう感じられた
「リンネ先輩。お疲れさまです」
「ユキノ。お疲れ様」
私は私とペアを組んでユズハさんの捜索任務にあたっているリンネ先輩と廊下で出会い挨拶をする。先輩は私と違って娼婦ではなく、店主専属のメイドとしてこの宿屋に雇われている。メイドといっても性処理も含まれるメイドだ。身の回りの世話がある分、娼婦として雇われた私よりも負担が大きい。それをクールな表情でさらりとこなす、黒いメイド服姿のリンネ先輩は流石だった
「失礼します」
そうして私はいつもの黒い退魔服姿のまま、宿屋の店主がいる一室へとおとずれる。私の服装は店主からのリクエストだ。着々と、私の娼婦としての初仕事が近づいてきていた。恋人であるタツキチ以外に私の体を触らせるなんて絶対に嫌だけど、退魔のシノビとしての任務だから仕方がない。私は不安に震える体を押さえるために、深呼吸を繰り返す
「ユーリさん。今日からよろしくお願いします」
室内に入った私は雇い主であるユーリさんに挨拶をする。今日から私は彼に絶対服従である。これは私がユズハさんを発見し、この娼婦の仕事を終えるまで続く。私はこの仕事を早く終わらせて、タツキチが待つ故郷に帰るためにはどんなことでもしてみせると覚悟を決めていた
「じゃあユキノちゃん。服を脱いで全裸になってよ」
「はい。分かりました」
ユーリさんの命令で私は着ていた黒い退魔服を脱ぐと、退魔のシノビとして鍛え上げられた私の裸体を彼の前に披露する。恋人であるタツキチ以外の男の人になんて私の裸を絶対に見せたくないのに、タツキチに見せるよりも早く娼婦として、宿屋の店主に私の裸を見せることになるとは思わなかったなぁ
(待っててね。タツキチ。私、この任務を終わらせて、必ずあなたの元に帰るから!)
こうして私の娼婦としての初仕事が、ついに始まった
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