33 / 43
発覚
発覚(2)
しおりを挟む
*****
火神が空を見上げると、白い月が浮かんでいた。右の端が少しだけ欠けている。あと数日で完全な満月になるのだろう。
「どうするかな……」
溜息とともに漏れた言葉が、白い息となって寒空へと溶けていく。
地下の駐車場に車を止め、マンションの入口へと足を進めながら、火神は教頭室での尋問を思い返す。
写真を見せられた。
火神とひな子が写ったあの写真だ。それは、いつか真山に見せられたものに違いなかった。
「先生っ……!」
オートロックの玄関を潜ろうとしたところで、張りつめた糸のようなかぼそい声が、火神を呼び止めた。
「……羽澄!?」
植え込みの陰に隠れていたらしいひな子が駆け寄ってきた。
首元にパステルピンクのマフラーを巻いている。その下は制服のままだ。
「おいっ、誰かに見られたら……」
人目を気にして、周囲に目を配る火神を前にして、
「あ……すみません! でも、私、どうしたらいいか、わからなくて……」
ひな子が狼狽えたように地面に目を落とした。途切れがちな声は震えていて、泣くのを我慢しているみたいだった。
「……お前も何か言われたのか?」
「お前も、って……先生もですか!?」
火神の言葉に勢いよく顔を上げたひな子が驚いたように目を見開いた。その目には案の定、涙が浮かんでいて、火神の胸をついた。
「今日の放課後、教頭室に呼ばれて……っくしゅん!」
話の途中で、ひな子が大きなくしゃみをして鼻をすすった。寒いのだろう、自分の身体を抱き込むようにして、両腕をさすっている。
「ごめん、ここじゃ寒いよな……」
学校側にあの写真が渡ってしまった今、ひな子を家に上げるのはマズい。とは言え、手近なファミレスやスタバに入るというのも危険だった。どこに同じ学校の生徒や関係者がいるともわからない。
「はぁ……。まぁ、仕方ないよな」
火神は観念したように呟いてマンションの外門を潜ると、戸惑ったように立ち尽くすひな子に向かってヒラヒラと手招きをした。
*****
部屋に入ると、ひな子は一目散にコタツの中へと潜り込んだ。コタツ布団を鼻の下まで持ち上げて、すっぽりとくるまっている。
前回ひな子がこの部屋に来たのはつい一昨日のことだ。
彼女が卒業するまではちゃんと「教師」でいようと決心したばかりだというのに……。まさかこんなにもすぐに、また彼女を連れ込むことになるなんて。
火神の胸が罪悪感で疼く。
ひな子の前にコーヒーの入ったマグカップを置くと、火神はコタツ机を挟んだ向かい側に腰を下ろして胡座をかいた。コタツの中に脚を入れることはしないで、慎重にひな子との距離を取った。
そんな火神の思惑に気づいているのか、いないのか……ひな子は目の前に置かれたカップに手をつけないまま、湯気の立った黒い液面をじっと見つめている。
「……羽澄。何があった?」
火神は自分のために淹れた濃いめのコーヒーをひとくち飲み込んでから、できるかぎりの優しい声色で尋ねた。
「火神先生と付き合ってるのか……って、聞かれました」
「……なんて答えたんだ?」
「そんなわけありません、って答えました」
そうだ。その通りだ。それ以外に答えようがない。
「写真は?」
「え?」
「写真は見せられなかったか?」
「はい」
なんのことかわからない、といったように、ひな子がかすかに首をかしげた。
その反応から、ひな子があの写真を目にしていないことを確信して、火神は安堵する。
いくら自分の姿とはいえ、服をはだけさせて胸を揉みしだかれる痴態など、若い女の子が見せられて気持ちの良いものではないだろう。
「苦い……」
コーヒーに手を付けたひな子がぼそっと呟いた。
「先生の連絡先も知らないし、学校じゃ話せないし、ここに来るしかないと思ったんですけど……」
コタツ布団に顔を埋め、身体を縮こまらせたひな子が、ぽつぽつと口を開く。
「……私が先生の家にいるのを誰かに見られたら、ますます先生の立場が悪くなるのに……私、ほんとにバカだ。すみません……」
消え入りそうな声で告げたひな子の頭ががくりと項垂れる。耳にかかっていた真っ黒な髪がハラリと垂れた。
「心配するな。お前は今まで通り、受験のことだけ考えていればいい。……俺が辞めれば済むことだからな」
さりげなく言ったつもりだったが、ひな子が聞き逃すわけはなかった。うつむいていた顔をガバッと上げて、正面に座る火神の顔を凝視する。
「そんな……! どうして先生が辞めなきゃいけないんですか!?」
「当然だろ。生徒に手を出したんだから」
「っ……! でも、私も、私だって……」
ひな子が机に手をついて、大きく身を乗り出した。
「私、もう十八歳です! 誕生日、過ぎてるから……だから犯罪にはならないって、教頭先生も言って……」
詰め寄るひな子の目に、じわじわと涙が浮かんでいく。
「そういう問題じゃない。お前の歳は関係ないんだ。問題なのは、俺が『教師』で、お前が『生徒』ということだ」
火神はひな子の言葉を遮って、小さな子供に教え諭すようにゆっくりと落ち着いた口調で告げた。
「ごめんなさい……私が、先生を巻き込んだから……」
「なんで羽澄が謝るんだ? お前は悪くないだろ」
「でも、私が……私が、関係のない先生を巻き込んだから……あの夏の日に」
ひな子の身体がガクガクと震えていた。瞬きをした拍子に、溜まっていた涙が大粒の雫となってポタリと零れる。
室内が寒々とした沈黙に包まれる。
いつのまにかコーヒーの湯気が消えていた。
この部屋はなかなか温まらない。
ふと、ひな子の啜り泣く音に鈍いノイズが混ざった。ひな子のブレザーのポケットの中でスマホが光っている。
「……こんな時間だもんな、親御さんが心配してるのかもしれない。そろそろ帰ったほうがいい。送っていくから」
腕時計に目を落とした火神が腰を上げる。
火神に促されるようにしてスマホを確認したひな子が、小さく悲鳴を上げた。
「ひっ……!」
「どうした? 羽澄」
大きく開かれた瞳が、ウロウロと焦点をなくして揺れている。
「なんで……なんで、あの男が、こんな……」
放心したようにブツブツと何事かを呟くひな子。
「おい、羽澄! 大丈夫か……!?」
明らかにおかしいひな子の様子に、火神は慌てて彼女の肩を掴んだ。
「見せてみろ」
火神はひな子の手から強引にスマホを奪うと、その画面に目を落とした。
「これは……」
そこに映し出された画像に、火神が顔色を失う。
今日の放課後、火神が教頭から見せられたあの写真だった。
「なんで、あいつがこれを……?」
送り主の名前を見て不審そうに呟いた火神が、思いついたように息を呑む。
「くそっ、真山か……!」
「どうしよう、先生まで……」
憤る火神の横で、両腕で自分を抱え込んだひな子がガタガタと震えている。
「羽澄……?」
火神が心配そうにひな子の顔を覗きこむと、虚空を見つめる彼女の目からボロボロと涙が噴き出していた。
「……っ!? 羽澄、落ち着け。大丈夫だから」
何が原因で何が大丈夫なのか自分でもさっぱりわからなかったが、火神は「大丈夫、大丈夫」と繰り返して、ひな子の背中を撫でた。
「あたたかい」
火神に背中を撫でられながら、ひな子が呟いた。
「…………せんせい、」
ひな子が自分の額をぴたりと火神の胸につけた。そのまま火神の背中へ腕を回すと、シャツを握りしめてしがみつくように抱き着いた。
火神は無言でひな子の背中を撫でつづける。
ふたりを取り巻く周囲の温度が上がる。
「せんせい、……たすけて」
それは目の前にいる火神の耳にだけようやく届くくらいの微かな声だった。
「羽澄……。やっと、言ってくれる気になったんだな」
火神が空を見上げると、白い月が浮かんでいた。右の端が少しだけ欠けている。あと数日で完全な満月になるのだろう。
「どうするかな……」
溜息とともに漏れた言葉が、白い息となって寒空へと溶けていく。
地下の駐車場に車を止め、マンションの入口へと足を進めながら、火神は教頭室での尋問を思い返す。
写真を見せられた。
火神とひな子が写ったあの写真だ。それは、いつか真山に見せられたものに違いなかった。
「先生っ……!」
オートロックの玄関を潜ろうとしたところで、張りつめた糸のようなかぼそい声が、火神を呼び止めた。
「……羽澄!?」
植え込みの陰に隠れていたらしいひな子が駆け寄ってきた。
首元にパステルピンクのマフラーを巻いている。その下は制服のままだ。
「おいっ、誰かに見られたら……」
人目を気にして、周囲に目を配る火神を前にして、
「あ……すみません! でも、私、どうしたらいいか、わからなくて……」
ひな子が狼狽えたように地面に目を落とした。途切れがちな声は震えていて、泣くのを我慢しているみたいだった。
「……お前も何か言われたのか?」
「お前も、って……先生もですか!?」
火神の言葉に勢いよく顔を上げたひな子が驚いたように目を見開いた。その目には案の定、涙が浮かんでいて、火神の胸をついた。
「今日の放課後、教頭室に呼ばれて……っくしゅん!」
話の途中で、ひな子が大きなくしゃみをして鼻をすすった。寒いのだろう、自分の身体を抱き込むようにして、両腕をさすっている。
「ごめん、ここじゃ寒いよな……」
学校側にあの写真が渡ってしまった今、ひな子を家に上げるのはマズい。とは言え、手近なファミレスやスタバに入るというのも危険だった。どこに同じ学校の生徒や関係者がいるともわからない。
「はぁ……。まぁ、仕方ないよな」
火神は観念したように呟いてマンションの外門を潜ると、戸惑ったように立ち尽くすひな子に向かってヒラヒラと手招きをした。
*****
部屋に入ると、ひな子は一目散にコタツの中へと潜り込んだ。コタツ布団を鼻の下まで持ち上げて、すっぽりとくるまっている。
前回ひな子がこの部屋に来たのはつい一昨日のことだ。
彼女が卒業するまではちゃんと「教師」でいようと決心したばかりだというのに……。まさかこんなにもすぐに、また彼女を連れ込むことになるなんて。
火神の胸が罪悪感で疼く。
ひな子の前にコーヒーの入ったマグカップを置くと、火神はコタツ机を挟んだ向かい側に腰を下ろして胡座をかいた。コタツの中に脚を入れることはしないで、慎重にひな子との距離を取った。
そんな火神の思惑に気づいているのか、いないのか……ひな子は目の前に置かれたカップに手をつけないまま、湯気の立った黒い液面をじっと見つめている。
「……羽澄。何があった?」
火神は自分のために淹れた濃いめのコーヒーをひとくち飲み込んでから、できるかぎりの優しい声色で尋ねた。
「火神先生と付き合ってるのか……って、聞かれました」
「……なんて答えたんだ?」
「そんなわけありません、って答えました」
そうだ。その通りだ。それ以外に答えようがない。
「写真は?」
「え?」
「写真は見せられなかったか?」
「はい」
なんのことかわからない、といったように、ひな子がかすかに首をかしげた。
その反応から、ひな子があの写真を目にしていないことを確信して、火神は安堵する。
いくら自分の姿とはいえ、服をはだけさせて胸を揉みしだかれる痴態など、若い女の子が見せられて気持ちの良いものではないだろう。
「苦い……」
コーヒーに手を付けたひな子がぼそっと呟いた。
「先生の連絡先も知らないし、学校じゃ話せないし、ここに来るしかないと思ったんですけど……」
コタツ布団に顔を埋め、身体を縮こまらせたひな子が、ぽつぽつと口を開く。
「……私が先生の家にいるのを誰かに見られたら、ますます先生の立場が悪くなるのに……私、ほんとにバカだ。すみません……」
消え入りそうな声で告げたひな子の頭ががくりと項垂れる。耳にかかっていた真っ黒な髪がハラリと垂れた。
「心配するな。お前は今まで通り、受験のことだけ考えていればいい。……俺が辞めれば済むことだからな」
さりげなく言ったつもりだったが、ひな子が聞き逃すわけはなかった。うつむいていた顔をガバッと上げて、正面に座る火神の顔を凝視する。
「そんな……! どうして先生が辞めなきゃいけないんですか!?」
「当然だろ。生徒に手を出したんだから」
「っ……! でも、私も、私だって……」
ひな子が机に手をついて、大きく身を乗り出した。
「私、もう十八歳です! 誕生日、過ぎてるから……だから犯罪にはならないって、教頭先生も言って……」
詰め寄るひな子の目に、じわじわと涙が浮かんでいく。
「そういう問題じゃない。お前の歳は関係ないんだ。問題なのは、俺が『教師』で、お前が『生徒』ということだ」
火神はひな子の言葉を遮って、小さな子供に教え諭すようにゆっくりと落ち着いた口調で告げた。
「ごめんなさい……私が、先生を巻き込んだから……」
「なんで羽澄が謝るんだ? お前は悪くないだろ」
「でも、私が……私が、関係のない先生を巻き込んだから……あの夏の日に」
ひな子の身体がガクガクと震えていた。瞬きをした拍子に、溜まっていた涙が大粒の雫となってポタリと零れる。
室内が寒々とした沈黙に包まれる。
いつのまにかコーヒーの湯気が消えていた。
この部屋はなかなか温まらない。
ふと、ひな子の啜り泣く音に鈍いノイズが混ざった。ひな子のブレザーのポケットの中でスマホが光っている。
「……こんな時間だもんな、親御さんが心配してるのかもしれない。そろそろ帰ったほうがいい。送っていくから」
腕時計に目を落とした火神が腰を上げる。
火神に促されるようにしてスマホを確認したひな子が、小さく悲鳴を上げた。
「ひっ……!」
「どうした? 羽澄」
大きく開かれた瞳が、ウロウロと焦点をなくして揺れている。
「なんで……なんで、あの男が、こんな……」
放心したようにブツブツと何事かを呟くひな子。
「おい、羽澄! 大丈夫か……!?」
明らかにおかしいひな子の様子に、火神は慌てて彼女の肩を掴んだ。
「見せてみろ」
火神はひな子の手から強引にスマホを奪うと、その画面に目を落とした。
「これは……」
そこに映し出された画像に、火神が顔色を失う。
今日の放課後、火神が教頭から見せられたあの写真だった。
「なんで、あいつがこれを……?」
送り主の名前を見て不審そうに呟いた火神が、思いついたように息を呑む。
「くそっ、真山か……!」
「どうしよう、先生まで……」
憤る火神の横で、両腕で自分を抱え込んだひな子がガタガタと震えている。
「羽澄……?」
火神が心配そうにひな子の顔を覗きこむと、虚空を見つめる彼女の目からボロボロと涙が噴き出していた。
「……っ!? 羽澄、落ち着け。大丈夫だから」
何が原因で何が大丈夫なのか自分でもさっぱりわからなかったが、火神は「大丈夫、大丈夫」と繰り返して、ひな子の背中を撫でた。
「あたたかい」
火神に背中を撫でられながら、ひな子が呟いた。
「…………せんせい、」
ひな子が自分の額をぴたりと火神の胸につけた。そのまま火神の背中へ腕を回すと、シャツを握りしめてしがみつくように抱き着いた。
火神は無言でひな子の背中を撫でつづける。
ふたりを取り巻く周囲の温度が上がる。
「せんせい、……たすけて」
それは目の前にいる火神の耳にだけようやく届くくらいの微かな声だった。
「羽澄……。やっと、言ってくれる気になったんだな」
0
お気に入りに追加
124
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

【完】愛人に王妃の座を奪い取られました。
112
恋愛
クインツ国の王妃アンは、王レイナルドの命を受け廃妃となった。
愛人であったリディア嬢が新しい王妃となり、アンはその日のうちに王宮を出ていく。
実家の伯爵家の屋敷へ帰るが、継母のダーナによって身を寄せることも敵わない。
アンは動じることなく、継母に一つの提案をする。
「私に娼館を紹介してください」
娼婦になると思った継母は喜んでアンを娼館へと送り出して──
続・上司に恋していいですか?
茜色
恋愛
営業課長、成瀬省吾(なるせ しょうご)が部下の椎名澪(しいな みお)と恋人同士になって早や半年。
会社ではコンビを組んで仕事に励み、休日はふたりきりで甘いひとときを過ごす。そんな充実した日々を送っているのだが、近ごろ澪の様子が少しおかしい。何も話そうとしない恋人の様子が気にかかる省吾だったが、そんな彼にも仕事上で大きな転機が訪れようとしていて・・・。
☆『上司に恋していいですか?』の続編です。全6話です。前作ラストから半年後を描いた後日談となります。今回は男性側、省吾の視点となっています。
「ムーンライトノベルズ」様にも投稿しています。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
届かぬ温もり
HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった·····
◆◇◆◇◆◇◆
すべてフィクションです。読んでくだり感謝いたします。
ゆっくり更新していきます。
誤字脱字も見つけ次第直していきます。
よろしくお願いします。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる