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碧い目
碧い目④
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「楠ノ瀬!」
部屋に入ってきたのは……俺が期待したとおり……楠ノ瀬清乃だった。
あの夜と同じ、紅い襦袢を身に着けている。
「高遠くん……横になって」
「え?」
楠ノ瀬はにこりともせず、ぶっきらぼうに言った。
「早く」
「あ、あぁ……」
俺は急かされるまま、布団の上に横たわる。
「面倒だから、自分で脱いでおいて」
楠ノ瀬は外着のまま寝転がった俺を見下ろしながら、まるで病院の事務員のように指示する。
「は?」
「早く」
「は、はぃ……」
俺は楠ノ瀬の指示通り、自分のシャツに手をかけてボタンを外していく。
その間、彼女はあの夜と同じように三つ指をついて深いお辞儀をすると畳に額をこすりつけた。そしてその体勢のまま、小さな声で何かを呟いている。
――何かの呪文なのだろうか?
あの夜はさほど不思議に思わなかったが、今考えるとこれは「神様」とやらにまつわる何かの儀式なんだろう。
俺はどこまで脱いでいいのかわからず、とりあえず上半身だけ裸になって布団に横たわり、楠ノ瀬が呪文(?)を唱え終わるのを待った。
やがて彼女が口を閉ざして、俺の上に屈みこんでくる。
楠ノ瀬の白い顔が……ぬめぬめと艶めく紅い唇が……俺の顔へと近づいてくる。
彼女の唇が俺の唇を掠めて、そのまま耳元へと下りていく。
「ちょっと痛いかもしれないけど……」
「え……っつ!」
耳朶に鈍い痛みが走った。
どうやら楠ノ瀬に噛み付かれたみたいだ。
「ごめんなさい。でもこうしないと……呼び出せないから」
彼女が耳元で囁いた。
甘い匂いのする息がかかって俺の細胞がぞわっと泡立つ。
べろり。
楠ノ瀬が俺の傷ついた耳朶を舐め上げた。
肉厚で生温かい舌が、俺の耳を這い回る。
ねちゃねちゃ、という音が直に鼓膜を刺激し、俺の興奮を煽る。
「きよちゃん」
濃密な空気に当てられた俺が甘えた声で彼女を呼んだ瞬間ーー
ドク……ン
俺の心臓が大きな音を立てて、ぎゅうぎゅうと握り潰されるような痛みが全身を貫いた。
――なんだ、これは……!?
頭の中で鉄の鈴がゴンゴンと滅茶滅茶に鳴らされるような眩暈に襲われ、目の前が真っ暗になる。
「高遠くんっ……!」
楠ノ瀬の悲鳴らしき声が聞こえた気がするが、痛みに全ての感覚を支配されている俺は、もう楠ノ瀬の声を認識することもできない。
「もう少し……もう少しだけ、耐えてっ……」
布団の上で悶える俺を楠ノ瀬が体全体を押し付けて抑え込もうとする。
「高遠くん、高遠くん……」
楠ノ瀬が俺の名を呼ぶ。
彼女の声が俺を繋ぎ止めてくれる……俺が自分を失わないように。
『理森』
「!?」
頭の中に直接言葉が流れ込んでくる。
――誰だ?
『理森……理森……理森……』
――うるさい……!
まるで呪いのように俺の名前を呼び続ける何者かの声を払いのけるように、俺は声にならない叫びを上げた。
うるさいうるさいうるさいっ……!
俺が一心に念じ続けると、
『フッ……かなか……で……い、か』
俺を呼ぶ声が途切れた。
声が消えると、さっきまでの痛みがまるで波が引くように抜けていく。
暗くなっていた視界が徐々に戻ってくる。
無意識のうちにきつく目を閉じていたせいか、眩しさで目がくらんだ。
衝撃を和らげるために、ゆっくりと目を開く。
「……高遠くん、目が……」
俺の顔を心配そうに見つめる楠ノ瀬が驚いたように声を上げる。
「め……、ど…………」
俺は楠ノ瀬に向かって話しかけたつもりだったが、言葉にならなかった。
――これは、あの時と同じだ……。
あの夜のように、俺は自分の体は動かないし、声を出すこともできなかった。
「高遠くん、動ける? 喋れる?」
ああ……この間も同じこと聞かれたな、と思い出しながら、俺は何とか首を振って自分の体の状況を伝えた。
「わかった」
そう言うと、楠ノ瀬はあの夜と同じようにしゅるしゅると腰紐を解くと、紅い襦袢をはらりと脱ぎ捨てた。
白く円やかな乳房が朝の光に下に晒される。
あの夜以来、俺がもう一度しゃぶりつきたくて堪らなかった楠ノ瀬の胸が、目の前に突き出される。
ぷっくりと尖った紅色の乳首に吸い付いて、ちゅうちゅうと強く弱く吸い上げると、
「ん……あぁ……あ……ぁ」
俺の口の動きに反応して、楠ノ瀬が悩ましげに身をよじる。
手が動かせればいいのに……。
目の前でぷるぷると揺れる豊かな胸を思いっきり揉みしだきたい衝動に駆られる。この柔らかな双丘を自分の手で好きなように捏ね回したい……。
思い通りにならない自分の体にイラつきながら、楠ノ瀬の乳房を甘噛みする。
「ぁああっ……ん」
楠ノ瀬はひと際大きな声を上げると体をびくん、と震わせた。
はぁはぁ、と息を乱しながら、今度は彼女が俺の小さな乳首を弄りだした。
乳首の周りを焦らすように舐める。生き物のように生温かい舌が俺の胸を這い回った。
――あぁ、早く先っぽも触ってくれ。
俺の欲望を知ってか知らずか……楠ノ瀬はなかなか肝心の部分には触れてくれない。散々焦らしてから、ようやく俺の固くなった乳首を口に含んだ。
「はぁぁ……」
待ちに待った快感に思わず声が漏れる。
それを聞いた楠ノ瀬が俺のベルトを外した。すでに固くなっていた俺のモノが露出する。
楠ノ瀬はそれを軽く手で扱いてから、先走りの透明な液体が滲む竿の先っぽに、ぱくっと吸い付いた。
「あぁ……」
――気持ち良い……。
楠ノ瀬はチロチロと蛇のような舌使いで、いつ弾けてもおかしくないほど膨張した俺の分身を尚もいじめる。
「今日は特別だからね」
彼女は上目遣いに俺を見ながら恥ずかしそうにそう言うと、量感のある柔らかな乳房で俺のモノをむにゅう……と挟んだ。
――ヤバい。
感触もさることながら、視覚的な刺激が強すぎる……!
両の胸でやわやわと揺さぶりながら、先っぽをちゅっちゅ、と小鳥が水を飲むように啄んでくる。
「……ダメだ……もぅ」
俺はまたもや彼女の口の中で果ててしまった。
前回と同じように、ごくりと喉を鳴らして俺の精を飲み干してしまうと、心配そうに俺の顔を覗き込む。
「高遠くん……大丈夫?」
「あぁ、もう大丈夫だ。声も出るし、体も動く」
俺はそう言って身を起こした。
「よかった……目も元に戻ってる」
――目?
「なぁ、俺の目……どうなってたんだ?」
楠ノ瀬は一瞬戸惑った素ぶりを見せたが、やがて小さな声で告げた。
「高遠くんの目……青く光ってた」
部屋に入ってきたのは……俺が期待したとおり……楠ノ瀬清乃だった。
あの夜と同じ、紅い襦袢を身に着けている。
「高遠くん……横になって」
「え?」
楠ノ瀬はにこりともせず、ぶっきらぼうに言った。
「早く」
「あ、あぁ……」
俺は急かされるまま、布団の上に横たわる。
「面倒だから、自分で脱いでおいて」
楠ノ瀬は外着のまま寝転がった俺を見下ろしながら、まるで病院の事務員のように指示する。
「は?」
「早く」
「は、はぃ……」
俺は楠ノ瀬の指示通り、自分のシャツに手をかけてボタンを外していく。
その間、彼女はあの夜と同じように三つ指をついて深いお辞儀をすると畳に額をこすりつけた。そしてその体勢のまま、小さな声で何かを呟いている。
――何かの呪文なのだろうか?
あの夜はさほど不思議に思わなかったが、今考えるとこれは「神様」とやらにまつわる何かの儀式なんだろう。
俺はどこまで脱いでいいのかわからず、とりあえず上半身だけ裸になって布団に横たわり、楠ノ瀬が呪文(?)を唱え終わるのを待った。
やがて彼女が口を閉ざして、俺の上に屈みこんでくる。
楠ノ瀬の白い顔が……ぬめぬめと艶めく紅い唇が……俺の顔へと近づいてくる。
彼女の唇が俺の唇を掠めて、そのまま耳元へと下りていく。
「ちょっと痛いかもしれないけど……」
「え……っつ!」
耳朶に鈍い痛みが走った。
どうやら楠ノ瀬に噛み付かれたみたいだ。
「ごめんなさい。でもこうしないと……呼び出せないから」
彼女が耳元で囁いた。
甘い匂いのする息がかかって俺の細胞がぞわっと泡立つ。
べろり。
楠ノ瀬が俺の傷ついた耳朶を舐め上げた。
肉厚で生温かい舌が、俺の耳を這い回る。
ねちゃねちゃ、という音が直に鼓膜を刺激し、俺の興奮を煽る。
「きよちゃん」
濃密な空気に当てられた俺が甘えた声で彼女を呼んだ瞬間ーー
ドク……ン
俺の心臓が大きな音を立てて、ぎゅうぎゅうと握り潰されるような痛みが全身を貫いた。
――なんだ、これは……!?
頭の中で鉄の鈴がゴンゴンと滅茶滅茶に鳴らされるような眩暈に襲われ、目の前が真っ暗になる。
「高遠くんっ……!」
楠ノ瀬の悲鳴らしき声が聞こえた気がするが、痛みに全ての感覚を支配されている俺は、もう楠ノ瀬の声を認識することもできない。
「もう少し……もう少しだけ、耐えてっ……」
布団の上で悶える俺を楠ノ瀬が体全体を押し付けて抑え込もうとする。
「高遠くん、高遠くん……」
楠ノ瀬が俺の名を呼ぶ。
彼女の声が俺を繋ぎ止めてくれる……俺が自分を失わないように。
『理森』
「!?」
頭の中に直接言葉が流れ込んでくる。
――誰だ?
『理森……理森……理森……』
――うるさい……!
まるで呪いのように俺の名前を呼び続ける何者かの声を払いのけるように、俺は声にならない叫びを上げた。
うるさいうるさいうるさいっ……!
俺が一心に念じ続けると、
『フッ……かなか……で……い、か』
俺を呼ぶ声が途切れた。
声が消えると、さっきまでの痛みがまるで波が引くように抜けていく。
暗くなっていた視界が徐々に戻ってくる。
無意識のうちにきつく目を閉じていたせいか、眩しさで目がくらんだ。
衝撃を和らげるために、ゆっくりと目を開く。
「……高遠くん、目が……」
俺の顔を心配そうに見つめる楠ノ瀬が驚いたように声を上げる。
「め……、ど…………」
俺は楠ノ瀬に向かって話しかけたつもりだったが、言葉にならなかった。
――これは、あの時と同じだ……。
あの夜のように、俺は自分の体は動かないし、声を出すこともできなかった。
「高遠くん、動ける? 喋れる?」
ああ……この間も同じこと聞かれたな、と思い出しながら、俺は何とか首を振って自分の体の状況を伝えた。
「わかった」
そう言うと、楠ノ瀬はあの夜と同じようにしゅるしゅると腰紐を解くと、紅い襦袢をはらりと脱ぎ捨てた。
白く円やかな乳房が朝の光に下に晒される。
あの夜以来、俺がもう一度しゃぶりつきたくて堪らなかった楠ノ瀬の胸が、目の前に突き出される。
ぷっくりと尖った紅色の乳首に吸い付いて、ちゅうちゅうと強く弱く吸い上げると、
「ん……あぁ……あ……ぁ」
俺の口の動きに反応して、楠ノ瀬が悩ましげに身をよじる。
手が動かせればいいのに……。
目の前でぷるぷると揺れる豊かな胸を思いっきり揉みしだきたい衝動に駆られる。この柔らかな双丘を自分の手で好きなように捏ね回したい……。
思い通りにならない自分の体にイラつきながら、楠ノ瀬の乳房を甘噛みする。
「ぁああっ……ん」
楠ノ瀬はひと際大きな声を上げると体をびくん、と震わせた。
はぁはぁ、と息を乱しながら、今度は彼女が俺の小さな乳首を弄りだした。
乳首の周りを焦らすように舐める。生き物のように生温かい舌が俺の胸を這い回った。
――あぁ、早く先っぽも触ってくれ。
俺の欲望を知ってか知らずか……楠ノ瀬はなかなか肝心の部分には触れてくれない。散々焦らしてから、ようやく俺の固くなった乳首を口に含んだ。
「はぁぁ……」
待ちに待った快感に思わず声が漏れる。
それを聞いた楠ノ瀬が俺のベルトを外した。すでに固くなっていた俺のモノが露出する。
楠ノ瀬はそれを軽く手で扱いてから、先走りの透明な液体が滲む竿の先っぽに、ぱくっと吸い付いた。
「あぁ……」
――気持ち良い……。
楠ノ瀬はチロチロと蛇のような舌使いで、いつ弾けてもおかしくないほど膨張した俺の分身を尚もいじめる。
「今日は特別だからね」
彼女は上目遣いに俺を見ながら恥ずかしそうにそう言うと、量感のある柔らかな乳房で俺のモノをむにゅう……と挟んだ。
――ヤバい。
感触もさることながら、視覚的な刺激が強すぎる……!
両の胸でやわやわと揺さぶりながら、先っぽをちゅっちゅ、と小鳥が水を飲むように啄んでくる。
「……ダメだ……もぅ」
俺はまたもや彼女の口の中で果ててしまった。
前回と同じように、ごくりと喉を鳴らして俺の精を飲み干してしまうと、心配そうに俺の顔を覗き込む。
「高遠くん……大丈夫?」
「あぁ、もう大丈夫だ。声も出るし、体も動く」
俺はそう言って身を起こした。
「よかった……目も元に戻ってる」
――目?
「なぁ、俺の目……どうなってたんだ?」
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「高遠くんの目……青く光ってた」
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