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スケキヨ

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第2章:シエルの捜索

2-10.もっと、強く…… ※

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 身体の中心がドクドクと脈打っているのが、自分でもわかった。冷たい水の中にも関わらず、そこだけは火傷しそうなくらい熱くたぎっているーー。

 シエルは固く勃ち上がった一物いちもつを掴んで思いっきりしごきたい衝動を必死に堪えた。
 シエルのすぐ背後に女がいる。
 彼女の前で、まさか自分を慰めるわけにはいかない。

 しかしーー。
 シエルのそれはすぐにでも破裂しそうなほどに膨らんでいる。これほどまでに激しい勃起は生まれて初めてかもしれない。
 このままでは女に気づかれてしまう。
 なにせ自分は裸なのだ。
 水に隠れているとはいえ、女の手はすぐ近くにあるのだ。

「あっ……」

 女の手がシエルの尻から離れて脚へと下りていく。たくましい太腿を上下になぞるように、行きつ戻りつ、なまめかしく動く女の指。その動きに煽られるようにシエルの肉棒も熱を増していき、もはや痛いほどだ。

「うぅ……っ」

 シエルの口から苦しげな呻き声が漏れる。
 
「……どうしました? どこか痛みます?」

 女が薄く笑いながら問いかけてくる。
 とても本当のことなど言えない。

「ん……いや、なんでもない。……ありがとう、もう……充分だから」

 シエルは何歩か前へ進んで女から距離を取りつつ、背中を向けたまま、何とか言葉を紡いだ。

「遠慮なさらないで……。ほら、こちらを向いてください」

 シエルは肩ごしに首から上だけ振り返って、女を見た。
 女は微笑みながら、しずしずと彼に向かって近づいてくる。
 彼女を取り巻く泉の水が波紋を描く。
 水に浸かっていない女の濡れた胸が歩くたびにふるふると揺れた。

 女に近寄られてはいけない。
 シエルはそう思ったが、身体が動かない。まるでその場に釘付けにでもされてしまったみたいに、足が動かないのだ。

 シエルが困惑している間に、女がすぐ背後まで来ていた。

「ひっ……!?」

 シエルは背中に感じた生温かい量感に、思わず息を呑む。
 女がシエルの背中に抱きついていた。しっとりと濡れた柔らかな肢体がピトリと密着している。

「っぐ……」

 シエルの喉が鳴った。
 女は背後から手を回すと、彼の厚い胸板を拭いはじめる。

「固い……。すごい筋肉ですね」

 女がシエルの耳元に口を寄せて囁いたが、彼は上の空だ。
 シエルは騎士である。日々の鍛錬を欠かしたことはない。引き締まった筋肉は彼の密かな自慢だが、今はそれを誇る余裕などまったくなかった。
 女の人差し指がクルクルと、シエルの小さな乳首を転がしているのだ。

「んぁ……」

 頭が朦朧としてくる。
 全神経が女の指先に集まっていくのがわかった。
 男の乳首がこんなに敏感に反応するものなのか?
 女の巧みな指先に翻弄されて、シエルの肉体が悦んでいた。ふわふわと浮遊するような感覚に包まれていく……。

「ぁ、あぁ……やめて、くれ……」

 抗いがたい快感に支配されながらも、シエルは何とか女の動きをやめさせようとするがーー。

 女はやめるどころか、手をするりと下方へと滑らせて、シエルが必死に隠していた彼の熱い肉棒をむずと掴んだ。

「あぁ、あ……」

 シエルの口から、騎士にあるまじき、はしたない声が漏れる。
 女はシエルの肩に顎を乗せて、彼の耳元で囁いた。

「どうしたんです? こんなに腫らして……。熱もあるみたいですね。はやく、鎮めてあげないと」

 子供をあやすような声でそう告げると、女はシエルの耳の穴に向かって、フゥー……と息を吹きかけた。甘い蜜のような匂いがふわりと漂って、シエルの肩がビクリと跳ねた。

 女の手がシエルの肉棒を握り込んで、ゆっくりと動きはじめる。壊れ物にそっと触れるような触り方がもどかしい。

「あ、ぅ……足りない……もっと、強く……して、くれ……」

 シエルは思わず自分の願望を口走った。

「強く、ですか?」

 女は少しだけ力を入れたが、シエルの反応を探るような、ゆっくりとした動きは変わらない。

 足りない。足りない。足りない……!
 シエルはもどかしさに身悶えした。

「……もっと、だ。もっと……強く……」

 シエルは懇願した。
 水の中で女の柔らかな手に包まれた彼の分身はもう爆発寸前だ。

「フフフ、可愛い。……こっち向いて」

 女は微笑みながらシエルの肩を押して、彼の身体を自分と向かい合わせた。
 水の深さは腰まであったが、透明度の高い水はシエルの昂ぶりをすべて露わにしている。

 女は水の中に手を入れると、シエルの身体の中心でそそり立つそれを再び握った。さっきよりも、強めにーー。

「ハ、ァ……っ!」

 待ち望んだ刺激にシエルが大きく息をついた。
 女は丸く膨らんだ亀頭を親指でグリグリと圧しながら、残りの指で竿を扱いた。女の巧みな手技に、シエルは自分の分身がドクドクと脈打って悦んでいるのがわかった。

「ねぇ、私のも……触って」

 女がシエルの手を取って、自らの豊満な乳房へと導いた。肌着越しに透けて見える先端の蕾が赤くぷっくりと膨らんでいる。

「あぁぁ……」

 シエルは思うがまま目の前の柔らかな果実を味わった。シエルの無骨な愛撫に、白く柔らかな果肉がむにゅむにゅと形を変える。

「あっ……ん、もっと……」

 女が気持ち良さそうに目を閉じて、身をよじった。その間もシエルへの刺激を止めることはない。むしろ、どんどん速さを増していく女の指の動きに、シエルの限界が近づいてくる。

「はぁ、はぁ……もうっ、だめ……だ」

 シエルの屹立がブルブルと大きく震えて、大量の精を吐き出した。水中にもやもやとした白濁が漂う。

「あ~あ……もったいない」

 女は水中に漂う精を愛おしそうに手で救うと、水と一緒に飲み干した。
 女の白い喉がごくごくと勢いよく動く様に、シエルは焦点の定まらない虚ろな眼差しを向ける。
 ひどく疲れていた。
 吐精後の気怠さはいつものことだが、今の疲労感はこれまで感じたことのないほど強いものだった。

 シエルはサーシャの顔を思い浮かべようとした。
 だが、彼女の顔を思い出そうとすると、まるで頭の中に霧が湧くかのように意識がボーッとして、はっきりと思い描くことができなかった。


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