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第二王子の後ろをついて行っているが、どこまで行く気なのか? というかここどこ。本当になんの話しをする気なのだろうか。
10分ほど歩くと止まった。庭園の薔薇が満開に咲いているとこだった。
「ここまで来てもらっちゃって悪いね」
「いえ……」
あれ、意外と優しい? しかし、表情は険しいままだ。
「単刀直入に言うけど、アンタ、うちの兄さんに近づいてどういうつもりなの?」
初対面にもかかわらず、乱暴な言い方に驚いたが、第2王子はそれが許されるような可愛らしい顔立ちだからか驚くだけで、不快にはならなかった。
「どう、とは?」
「はあ? アンタが兄さんとよく昼を一緒に食べていることくらい知ってるんだけど! アンタ兄さんの婚約者になりたいわけ?」
俺だって兄さんと一緒にランチとか食べたいのに! と叫ぶのを聞きながら思う。なるほど。これがミッシェルの言っていた、お兄ちゃん大好き、ツンデレ……なぜか分かった気がする。
「いえ、婚約者になりたいなんて、そんな恐れ多い……」
「はあ!? 兄さんのどこが悪いっていうんだよ! アンタの目節穴じゃないの!?」
え、この言い方じゃダメなの? まさかお兄さんを勧められるような言い方をされると思わず困惑する。
「大体兄さんも兄さんだよ! いつもは女の話しなんてしなかったのに! 学園に入った途端、キースとアリア嬢とエリー嬢の話しばっかり!! 僕がそんな話し聞いてて、楽しいと思う!?」
殿下、私とエリーの話しとか弟にしてるの? 一体なんと言われているのか気になるが、この弟に聞く勇気は無い。
「そ、そうなんですね……。しかし、私と第1王子との間には何もありませんわ。たしかにランチをご一緒させて頂いていますが……、私にはシュタワイナ家の料理について質問を受けることが多いぐらいです」
私の言葉にピクリと第2王子は反応する。あれ? そういえば、この王子って確かラーメンが好きなんじゃなかったっけ……。第2王子について殿下が言っていたことを思い出そうとうんうん唸る。
「……ねえ」
「え?」
「僕、ラーメンが凄く好きなんだ。本当に毎日食べたいくらい」
「はい……」
「その、ラーメンを王族のメニューに加えてもあげてもいいけど!」
「はい?」
「は? なに? 王族のメニューに加わるんだから、光栄なことでしょ」
「え、ええ。光栄なことですが、家族に相談しませんと……」
「……まあ、それはそうだね。突然ごめん」
しゅん、とする第2王子が凄く可愛い。第1王子より、可愛らしい顔立ちをしているからか随分と庇護欲をくすぐる。
「チャーリー王子にそう言って頂けるなんて、大変光栄ですわ。家族に相談してみますね」
ぱっと顔を上げた、第2王子は瞳をキラキラさせていた。本当にラーメン好きなんだな。
「ふん、まあ別にどっちでもいいけどね!」
そっぽを向く第2王子を見ていると、突然草陰から人が飛び出してきた。
「お姉様! どこに行っちゃいましたの!?」
「ミッシェル!?」
草まみれのミッシェルは私に気づくと抱きついてくる。うっ。お腹が苦しい。
「お姉様! 第2王子に連れ去られたと噂になっておりましたよ!」
「つ、連れ去ってなんかいないけど?!」
「第2王子……!?」
第2王子とミッシェルが口論をするなか思う。
なんかみんな面倒だな……。
空の青空はとても澄んでいた。
10分ほど歩くと止まった。庭園の薔薇が満開に咲いているとこだった。
「ここまで来てもらっちゃって悪いね」
「いえ……」
あれ、意外と優しい? しかし、表情は険しいままだ。
「単刀直入に言うけど、アンタ、うちの兄さんに近づいてどういうつもりなの?」
初対面にもかかわらず、乱暴な言い方に驚いたが、第2王子はそれが許されるような可愛らしい顔立ちだからか驚くだけで、不快にはならなかった。
「どう、とは?」
「はあ? アンタが兄さんとよく昼を一緒に食べていることくらい知ってるんだけど! アンタ兄さんの婚約者になりたいわけ?」
俺だって兄さんと一緒にランチとか食べたいのに! と叫ぶのを聞きながら思う。なるほど。これがミッシェルの言っていた、お兄ちゃん大好き、ツンデレ……なぜか分かった気がする。
「いえ、婚約者になりたいなんて、そんな恐れ多い……」
「はあ!? 兄さんのどこが悪いっていうんだよ! アンタの目節穴じゃないの!?」
え、この言い方じゃダメなの? まさかお兄さんを勧められるような言い方をされると思わず困惑する。
「大体兄さんも兄さんだよ! いつもは女の話しなんてしなかったのに! 学園に入った途端、キースとアリア嬢とエリー嬢の話しばっかり!! 僕がそんな話し聞いてて、楽しいと思う!?」
殿下、私とエリーの話しとか弟にしてるの? 一体なんと言われているのか気になるが、この弟に聞く勇気は無い。
「そ、そうなんですね……。しかし、私と第1王子との間には何もありませんわ。たしかにランチをご一緒させて頂いていますが……、私にはシュタワイナ家の料理について質問を受けることが多いぐらいです」
私の言葉にピクリと第2王子は反応する。あれ? そういえば、この王子って確かラーメンが好きなんじゃなかったっけ……。第2王子について殿下が言っていたことを思い出そうとうんうん唸る。
「……ねえ」
「え?」
「僕、ラーメンが凄く好きなんだ。本当に毎日食べたいくらい」
「はい……」
「その、ラーメンを王族のメニューに加えてもあげてもいいけど!」
「はい?」
「は? なに? 王族のメニューに加わるんだから、光栄なことでしょ」
「え、ええ。光栄なことですが、家族に相談しませんと……」
「……まあ、それはそうだね。突然ごめん」
しゅん、とする第2王子が凄く可愛い。第1王子より、可愛らしい顔立ちをしているからか随分と庇護欲をくすぐる。
「チャーリー王子にそう言って頂けるなんて、大変光栄ですわ。家族に相談してみますね」
ぱっと顔を上げた、第2王子は瞳をキラキラさせていた。本当にラーメン好きなんだな。
「ふん、まあ別にどっちでもいいけどね!」
そっぽを向く第2王子を見ていると、突然草陰から人が飛び出してきた。
「お姉様! どこに行っちゃいましたの!?」
「ミッシェル!?」
草まみれのミッシェルは私に気づくと抱きついてくる。うっ。お腹が苦しい。
「お姉様! 第2王子に連れ去られたと噂になっておりましたよ!」
「つ、連れ去ってなんかいないけど?!」
「第2王子……!?」
第2王子とミッシェルが口論をするなか思う。
なんかみんな面倒だな……。
空の青空はとても澄んでいた。
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