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JWL-10000G: ジュエル G
しおりを挟むJWL-10000G: ジュエル G
日和神聖帝国所属
体長高: 160cm
総重量: 115kg
総出力: 350kw
推定総開発費用: 710億円
第一次大陸最南端戦争初期に開発されたVX-4000D: ヴァイパーDにはいくつかの顕著な問題が存在していた。生産性と早期量産化を重視したがゆえに、融合炉が必要とする融合石を十分に保管する燃料タンクを装備できず、その稼働限界は1回の補給で6時間程度の戦闘が限度であった。第一次大陸最南端戦争初期、日和神聖帝国の兵器装甲では南端国家群の兵器に対して無力であり、補給用の輸送車をヴァイパーD部隊に帯同させることが困難であった。そのため、この6時間の活動限界はヴァイパーD部隊にとって大きな足枷となっていたのである。
また初期型の融合炉の問題で、出力も後のクグツに比べると非常に低出力にとどまっており、南端国家群が主力としていた地上戦艦級の兵器の装甲に対してはいささか力不足で、近距離からの連続射撃によってはじめて装甲破損が可能だった。この敵地上戦艦への攻撃中に敵兵器からの応戦で撃破されるヴァイパーDが非常に多く、南端国家群に比べて、消費する資源に限界がある日和神聖帝国にとって無視できる損害率ではなかったのである。
これらの問題を解決するためヴァイパーD自体の改良も進められたものの、ヴァイパーDはすでに2000機以上が生産され後続の量産も次々と行われている状況であった。すでに生産されたヴァイパーDを無駄にできるほど日和神聖帝国にとって余裕はない上に、はじめて開発されたクグツという兵器の生産ライン自体が、改良型の生産に容易に変更できるほどの柔軟性も無かったのである。
ヴァイパーD改良型の投入が早期に実現できないことから、戦闘の補助、補給を担当する専用機として開発されたのがこのJWL-10000G: ジュエル Gである。
あくまでも補給と戦闘補助を目的としたジュエル Gは、超高速戦闘を前提にする必要がなかったため補給用の大型タンクを装備していた。このタンクは自身だけでなくヴァイパーDをはじめとした他の機体にも補給か可能であり、そのタンク容量は融合石を10㎏、ヴァイパーDにして10日分の活動が可能な量であった。
またジュエルGの燃料タンクからヴァイパーDの融合砲(フュージョンキャノン)へ直列接続することが可能となっており、この時のキャノン出力は南端国家群の地上戦艦装甲を一撃で貫通するほどであり、火力不足問題も同時に解決したのである。
これら問題を実直に解決した引き換えとしてジュエルGに装備された武装は低出力の融合光線(フュージョンレーザー)一門のみであり、最高速度もヴァイパーDがマッハ1を超えるのに対して最高速度600㎞程度となっている。
ジュエルGはヴァイパーD10機に対して1機の割合で配備され、第一次軍事侵攻時の日和神聖帝国の勝利に大きく貢献することになる。
JWL-10000G: ジュエル Gはこの後もヴァイパーDをはじめとしたクグツへの補給専用機として細かい改良が重ねられヴァイパーDに次ぐ生産機数を誇る隠れた名機として歴史に記録されるのである。
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