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五話 とある元奴隷の女性の話
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これは、いつの話か分からない。ここではない、何処かの話。
ここはゴロツキ共が暮らす町。治安は悪いわね。
この世界は、ある程度の力が無いとやっていけないわ。
魔法?この前、見たわよ?うん、あれは間違いなく魔法よ。
お昼過ぎ。粗末な服を着て、町中をブラブラ。
ふう、普通の生活って大変ねぇ。
運よく奴隷を辞めれたのはいいけれど、これはこれで大変だわ。
自分で住むところを見つけて、仕事を見つけて、お金を稼いで、お買い物して・・・うわぁ考えることが多すぎて面倒くさい。
これならまだ奴隷生活の方が良かったかしら?奴隷なら、与えられた仕事さえしておけば、住むところもご飯もあるからね。
それに子供のころから奴隷だったから、文字が読めないもの。自分の名前すら書けないわ。そのかわり計算は得意よ?お金の計算ならずっとやってきたからね。
一時期は無理矢理に客を取らされて、決められた代金を貰わないと後で御主人に怒られてお仕置きされるから、必死で数の計算を覚え・・・思えばロクな思い出が無いわねぇ私。えーっと、今の年齢は・・・二十歳過ぎでいいわ。誕生日もよく分かんないし。
・・・ここね、自警団が言っていた店は。ハイこれ、紹介状よ。
「ああ、アンタだな。自警団から話は聞いている、即戦力でヤれる女らしいな。住み込み部屋は用意しておいたから、好きに使うと良い。なぁに、ウチはちゃんと許可を取った合法の娼館だ。だから心配しなくていいって」
ふむ。この人が私の新しい御主人・・・じゃなかった、店長ね。結局のところ、私が働ける場所はこういうところしか無いのよねぇ。
「ところで。アンタ、それなりに経験は積んでいるようだから、いきなりだけど新人の面倒も見てくれないか?さる筋からの紹介で雇ってはみたんだが・・・どうやら、素人のようで。アンタと同じく、そいつも今日から仕事始めだ」
ええ、構わないわよ。新入りの奴隷の面倒なら何度かやった事あるし。
とりあえず、他の娼婦たちの話を一通り聞いてみたけど・・・。
なるほど、たしかにちゃんとした娼館ね。
部屋は綺麗だし、料金もプレイ内容も良心的。私はハードプレイな方がヤり慣れてるけど、こういうのもアリね。
ていうか今までの職歴が頭おかしかっただけか。合法な娼婦って、このくらいが普通なのね。そもそも娼婦という仕事自体が普通かどうか分かんないけど。
えっと、住み込み部屋は2人部屋ね。さっき言ってた新人と相部屋・・・ていうか私もこの店では新人だから、いわゆる同期生ね。ノックして入るわよ。
中には、粗末なベッドが右端と左端に計2つ。そのうちの1つに、真っ裸の白髪の女が座っている。小柄で、胸は小さめだけど、中々の美人だわ。
「なんで・・・私が・・・こんな・・・ところに・・・」
あらあら、両手を頭に抱えて落ち込んでるわね。
「ヤるのは、別にいい・・・でもなんで、人間なんかを相手に・・・ううう、アイツめ・・・なんて提案を・・・」
なんか小声でブツブツ言いながら悩み苦しんでいるわね。私には気付いていないようだわ。とりあえず荷物を置いてっと。
「ううう・・・でも、これも仲間のためだ、ううう・・・」
可哀想に。あなたも訳アリなのね。ていうか服を着なさいって。仕事は夕方からなのに。・・・まあいいわ、面倒を見てあげましょうか。
「こんにちは。あなたは今日からここで働くのね?」
真向かいのベッドに腰掛ける。こっちを見てきた。
「私も今日からここで働くのよ。私達は仲間よ。同じ日に、同じ店で、同じ住み込み部屋で暮らす仲間。一緒に、頑張りましょう?」
「――仲、間。一緒に、暮らす、仲間」
「ええ、私とあなたは仲間よ。嫌かしら?」
「・・・嫌、じゃない。仲間は、大事に、するから」
あら、可愛い顔をするわね。仲良くやりましょ?
とりあえず服を着させ・・・いやだから脱ぐのは止めなさいって。
「うう、なんでこんな布きれを被らないといけないの。動きにくい」
まあ、気持ちは分からなくもない。私も奴隷時代は裸が多かったし。
となると、まさかこの子も。過去の話は聞かない方が良いか。
「ねえ。あなたは・・・名前は、何?」
「・・・名前は、無い」
おおう。思ってた以上に訳アリなのね。気持ちはよく分かるわ。私も御主人によって呼び名がコロコロ変わってたし、この前なんか番号呼ばわりだったからね。
「そう。でも、誰かに名前を呼ばれたことは無いの?一度くらいはあるでしょ?その呼び名でもいいし、それを少し変えても良い。なにせこういう仕事だから、本名を使う方が稀だからね」
「仲間達からは・・・あ、これは言わない方が良いと言われた」
ふむ。身バレ対策かしら?この子ではなく、この子を紹介したという、さる筋を特定されるのを防ぐために。こういう教育は徹底されてるのね。
「名、前・・・う、うう」
それにしても、そんなに頭を抱えて悩まなくてもいいのに。
「あなた、趣味はある?好きな物とか、好きな事とか。そこから名前を決めるのもアリね。どうせ仕事上での名前なんだから、深く考えなくてもいいわ」
「・・・夜空。星。月。――ヨヅキ、でも良い?」
「ええ、良いわね。今日からあなたはヨヅキよ。それと、私の事は先輩とでも呼びなさい。同期だけどね」
・・・正直に言うと、私も本名と呼べるものが無いのよ。かといって、過去の名前はどれもこれも使いたくないわ。どれもこれも、当時の思い出を思い出すのよ。
だから先輩呼ばわりされるのが一番マシなのよ。唯一、マシな思い出があるからね。
さて、仕事開始までまだ時間はあるわね。ここからは仕事の話をしますか。
「ねえヨヅキ。この仕事は・・・まあその、アレな事をする仕事だけど。あなたはセックスの経験はあるの?エッチとも言っていいけど」
暗い顔をして、首を縦に振った。言い辛いのかしら?
「具体的に教えてくれないかしら。仕事上で必要な事よ?」
「・・・押し倒してきて、手を縛られて、乱暴にされてグムッ」
深く聞いた私が悪かったわ、ごめんなさい。
思いっきり抱き締めてあげる。私の胸に甘えなさい。
「うう、先輩、いきなり抱き着かれるのは、その」
「ああごめんなさい。ついカッとなって。ええと、そうだ話を変えるわ。あなた、好きな人はいるの?そういう人と、エッチな事はしたことは無いの?」
あら、また頭を両手で抱えてしまったわ。
「アイツ嫌い。無理矢理襲ってくる奴なんて嫌い。逃げようとしても捕まえてくるし、脅してくるし、いつも泣かされてグムッ」
本当にごめんなさい。あなた、男運が悪いのね。
「うん、もうこの話は終わりにしましょう。そういえば、そろそろご飯の時間ね。ヨヅキは何が好きなの?ご飯はちゃんと食べてる?」
「えっと、今日はネズミで、昨日は虫を食べグムッ」
本当にマジでごめんなさい。なんて不憫な子なの・・・。
奴隷生活の長い私といえども、さすがにそんな物を食わされた覚えは無いわ。アンタいったい、今までどんな環境で暮らしてきたのよ・・・。
だから、これも何かの縁よ。ヨヅキは私が守ってあげるからね。
私は先輩なんだから。
今度こそ、後輩を守ってみせる。
数日前のあの事件は、未だに忘れられないの。とても不思議な、魔法のお話。たった1人で大勢の敵を倒した女の子の物語。私を保護してくれた自警団の団長との秘密。こんなの大っぴらには話せないわ。
前の御主人が殺されて、その直後に拾われた先がクソみたいな店で。アレは私の奴隷人生の中でも特に酷い店だったわね。
地下にある大部屋の牢屋に雑魚寝。食事は吐きそうなほど不味い。仕事も一度に大人数を相手にしないといけない。ていうかあんなの仕事じゃない、ただの輪姦よ。
そしていずれは、年に数回ある競売で売り出される。あんなクソみたいな店の顧客だから、どうせ買われたところでロクな扱いはされなかったでしょうね。
・・・私はまだ奴隷生活に慣れてたからよかった。でも、他の子達は。
何処ぞから攫われたり、借金のカタだったり。一番最後に入った子も、無理やり連れ去られたようで、その日のうちに処女を奪われて、尋問のようなお仕置きをされて。
だけど、あの子は何度お仕置きをされても、客に噛みついて、文字通り歯向かって、またお仕置きされて・・・心が、壊れかけていた。
だから、あの子を守ろうと思ったの。少しでも待遇が良くなるように、私が持てる限りの知識は教えてあげた。たった2週間程度の付き合いなのに、私の事を先輩と呼んでくれて、嬉しかった。
でもまさか。逆に、あの子に助けられるだなんて。
魔法の力なんて、生まれて初めて見たわ。あの子がどうなったかは知らない。だけど、あの怪我では、恐らく・・・。
だから、今度こそは。ヨヅキ、アンタは見学よ。
「お、おお、いい、気持ちいい・・・」
私達の住み込み部屋から離れた、とある一室にて。裸のままのヨヅキを、部屋の端にある椅子に座らせて。ベッドサイドにお客様と並んで座って、お客様は全裸にさせて、私は着衣。
そしてお客様の肩を抱き寄せ、もう片手はチンコに添えて。唾液で滑らせた手を、指を、上に下に。ふふ、お客様も喜んでいるわね。
「ヨヅキ、これが手コキ。エッチの技は無数にあるけど、これを覚えておけば色々と応用が利くわよ」
ヨヅキは不思議そうにしている。でも、抵抗感は無さそうね。素人だと、見知らぬ男の裸を見ただけで怯える事もあるのに。なるほど、この程度では驚かないのね。
「お客様、ご気分はどうでしょうか。まだまだ楽しみましょうね?」
耳に、ふぅっと息を吐く。お客様の体がビクンとなった。
「あら、お客様。こういうのが好きなの?なら、こういうのはどうかしら?」
肩に置いていた手を、下へ。乳首を、コリコリと。
「お、おお。イイ、これはイイ、だ、駄目、もうそろそろ」
はい残念。チンコから手を離してあげるわ。
「うっ・・・う、うう、続きを、してくれよ・・・」
「ふふ、まだまだ楽しみましょうね?」
どう?これが娼館の仕事よ。ここまでの感想はどうかしら?
「意味が、分からない・・・」
あらヨヅキ、なんで頭を抱えてるのかしら?
手コキは継続中。もう片手は後頭部に回して、唇同士を重ね合わせる。
「うおう・・・キスしながら、手でしてくれるとは・・・」
ふふ、こういう技もあるのよ。どうヨヅキ?感想をどうぞ。
「嫌だ、認めたくない、キスなんて認めたくない、こんなの絶対に必要ない、うう、嫌だ、思い出したくない、あんなの・・・」
ねぇ、アンタいったいどんな男に襲われたのよ?
じゃあ、こういうのはどうかしら。ディープキスっていうのよ?舌を絡め合うの。あらあらお客様ったら、私に抱き着いて来て。いいわ、手コキは一旦止めて口同士でセックスしましょ?お互い抱き合いましょうね。
「う、うわわ、私はアイツとこんなことをやってたのか・・・アイツがやたら舌を入れたがるのも、コレか・・・うう、恥ずかしい・・・」
あら?もしかして無理矢理襲うという彼とは、まんざらでもない関係なのかしら。見知らぬ男のチンコは平気で見れるくせに、キス行為は眼を逸らすほどに恥ずかしがるとは。
「ふ、ふう・・・イイ、気持ち良かった。じゃあそろそろ、そっちの白髪の子にも、して欲しいな。イイだろ?裸で待機しているんだから」
あら、少し想定外ね。でも、そろそろヨヅキも参加させた方が良いかもね。ある程度は経験を積んでおかないといけないし。
ではヨヅキ・・・おっと、私が呼ぶまでも無く自ら立ち上がり、背を向けて、座り込んで、お尻を突き出し、ってちょっと待ちなさい!
「・・・四つん這いでも、いい?仰向けにされるのは、恥ずかしくて」
「えっ。本番ヤっていいの!?」
こらヨヅキ!本番をヤるほどの代金は貰ってないわよ!
「えっ。先輩、普通はコレをやるのが基本なのでは?」
・・・ハァ、仕方ないわねぇ。ヨヅキもこっちに座りなさい。
私だけ着衣なのもアレだし、脱いだわ。
裸の男を、裸の女2人で挟み込むようにして座る。
「この際だから、ヨヅキには色々と教えてあげるわね。お客様、新人教育にお付き合いして頂けませんか?」
「ふふははは、女2人に囲まれるとか最高だよ。いいぞ好きにしてくれ」
よし。ヨヅキに視線を送る。練習通りにヤりなさいよ?
「えっと・・・本日はご来店いただき、ありがとうございます。私は白・・・じゃなかった、ヨヅキと申します。年齢は、恥ずかしながら分かりません」
まあ、こんなものか。確か、故郷での仕事の関係だとかで、丁寧な口調は一応身に付けてるとは言ってたわね。
「ほう、ヨヅキちゃんか。どれどれ、それでは早速キスをしてあげよう」
「ひっ!?それはやめて、苦手なのあううううん!?・・・ん?」
ん?最初は抵抗したと思ったら、素直に受け入れた。ていうか、不思議そうな顔をしているわね。お客様、そろそろ離してあげてください。
「おっと、ごめんよ?ヨヅキちゃん、キスは初めてだったのかい?」
「・・・よく、分かりません。こんなキスは、初めてです」
こんなキス、は?今度はお客様と私が不思議そうな顔をしちゃったわ。
「その、私の知るキスって言うと。意識が飛びそうなほど、意味が分からない気持ちになって。ついでに頭を撫でられたら、意識が無くなるほど、変な気持ちに・・・ううぅ、思い出したくない」
お客様と視線を合わせる。一緒に頷く。あぁなるほど、察した。普段はとてもお幸せなエッチをしてるのねぇ、羨ましいわぁ。
では早速ヤるわよ。ヨヅキ、私に合わせなさい。
姿勢はそのまま。女2人で男1人を囲んで、座ったままで。私とヨヅキで手を合わせての、2人同時手コキよ。
「お、おお、凄い、2人同時でヤってよかった・・・」
「ふうん・・・男の人のアレって、こんなに硬かったんだ」
やっぱり、こういう事には抵抗は無いのねアンタ。
「ヨヅキ、もう少し握る力を弱めなさい。力いっぱいヤればいい訳じゃないのよ?ていうかアンタ、見た目のわりに力強いわね。腕を振るペースも、もう少し弱く」
「あ、ハイ先輩。・・・うん、これイイ。今度アイツにヤってやる。これで油断させてから、思いっきり握り潰してやる・・・ふふ、楽しみ」
こらこら、お客様が怯えているわ。そんな怖い笑みは止めなさい。
「う、も、もう、限界・・・」
「ええ。――イくわよヨヅキ、ほんの少しだけ、強く握って」
シゴく速度は私が調整する。ここを、こうして・・・こう!
「うおっ・・・私はいつも、これを中に出されてたのか・・・射精って、こういう感じなんですね。初めて見ました」
えっ、アンタって基本中出しなの?これは本格的に、色々と教えてあげなきゃね。避妊処理も含めて。ってコラコラ、そんな汚いもの舐めちゃ駄目よ?いくら手が汚れたからって、舐め取る必要は、
「へぇ。精液って、意外と美味しいんですね。初めて知りました」
・・・うん、気に入ってくれたのなら何よりだわ。
だけど、そこまでしなくてもいいのよ?
「お、おう、ヨヅキちゃん、積極的だねぇ・・・」
お客様の股の間に滑り込むように座り、ヌいたばかりのチンコに向き合うヨヅキ。顔も赤くなっているし、どうやらエッチなスイッチが入ったようね。でも不思議そうな顔をしているわ。
「あれ?もう小さくなってる。せっかくヤる気になったのに」
とか言いながら、チンコに付いた残った精液や我慢汁を綺麗に舐め取ってるわね。アンタ本当に素人なの?見ず知らずの男を相手にするのに、ここまで抵抗が無いとは。
「えっと・・・確かアイツが言ってたのは、こうして」
「い、いや、ヨヅキちゃん、2回目以降は追加料金が発生するから、今日はもうこれで終わろヲヲヲウ!?」
おおう、口に咥えて一気に吸い上げて、無理矢理勃たせたわ。
「えっ?まさか・・・コレで、終わりなんですか?――ふふふ、まさかコレだけで終わるなんて、男としてどうなのか」
何よこの眼。まるで獲物を狙う狩人や猟師みたいだわ。
「コラコラ、そこまでにしなさい」
なのでヨヅキの顔を掴んで引っぺがしてやったわ。
「えぇ・・・いくらなんでも、1回だけでは拍子抜けです。私はその気になれば朝までヤれますよ、ふふふ」
「あのねぇヨヅキ。ここの仕事はね、代金や制限時間、それにお客様の都合ってモノがあるのよ。アンタが良くてもお客様が、って」
ん、お客様?その手のサインは・・・ああハイハイ、延長ですね?そりゃあこんな寸止め放置なんてされたら嫌に決まってるわね。
ハァ、仕方ないわ。ならこれも2人でヤりましょうか?ちなみにヨヅキ、これはフェラって言うのよ。これも大事な技だから覚えておきなさい。
いいわねぇこの店。手でヌくか口でヤるのが基本だなんて。
本番もあるっちゃあるけど、よほどの上客じゃないとヤらないらしいから、一応新人扱いである今は、そこまでヤる必要も無さそうだわ。やはり、ちゃんとした娼館はいいわ。
ヨヅキには他にも色々ヤらせてみたけど、やはり抵抗は無さそうだったわ。こういう行為自体の経験は皆無だけど、本番行為だけは色んな男とヤってたと言ってたし。詳しい相手は、無理矢理襲う彼以外は教えてくれなかったけどね。
さて・・・もう夜も遅いし、次で最後ね。
「ヨヅキ、疲れてない?あともう1人お客様が来るけど、眠くない?」
「ええ、夜は得意なんですよ。そのかわり、昼は寝てますけど」
なるほど。思ってた以上に、娼婦としての適性は高いわね。
「最初は、人間ど・・・いや、人を相手にするのが嫌だったけど。この仕事、悪くはないです。男より強くなれた気がして。男に勝てる、というか」
ふふ、楽しそうで何よりだわ。
「ええ、気持ちは分かるわよ。私も男には何度も酷い目に遭ってるからね。でも、ヤりすぎたら駄目よ?あくまでも私達は、お金を貰う立場なんだから」
「――お金というのは、それほど大事な物なんですか?」
・・・何よ、その顔。
「そりゃあそうでしょ。お金が無いと生きていけないわ。お金が無ければ、どうやってご飯を買えばいいのよ。ヨヅキだって、お金のために働いているんでしょ?」
「私は、お金は貰ってません。・・・貰うようには、なっているけど。知り合いに渡すようにしています」
もう、そんなに殺気立って言う事じゃないでしょうに。
なるほど、やはり訳アリか。稼ぎは全部、誰かしらに持っていかれる訳ね。悪いことを聞いちゃったわ。それじゃあもう話は終わりよ。
私は服を着て・・・やっぱりアンタは裸なのね。では、最後の客を、
「へっ、探したぜ。こんなとこにいたか」
お前、は。
私は、部屋の隅に後ずさりする。床に座り込んでしまった。
「へへ、逃げられると思うなよ?お前はオークションに出すんだからよ」
や、やだ。クソッ、やっぱり私は奴隷だ。怖い、怖すぎる。
「い、いや、やめて。もういいでしょ?あの店は」
「だからお前が必要なんだよ。なぁ、あの店で何があったか教えてくれよ。お前だけが頼りなんだ。他の奴隷共はどこかに逃げたからな」
長年、染みついてしまったから。支配されて当たり前という、奴隷としての立場を。コイツは、あの店の背後についていた奴等の1人だから。立場上は、私の主だ。
「い、いやっ。だから、あの店で見世物として飼っていた動物が逃げて」
「表向きは、そうなってるよなぁ。でも、俺は・・・いや、俺達は知っている。そんな動物、飼ってねえよ。あんな娼館で動物ショーをやるわけねーだろ?なぁ、あの店で暴れていたのは、何だ?」
私は奴隷。だから主には逆らえ――駄目、だ。
怖いけど、眼は逸らさない。そして全力で首を横に振る。
「言えよ。例の噂の、人間になれる動物なんだろ?言えよ、どんな奴なのか。どこに逃げたのか。言えよ、早く言えよ」
い、いやだ、言えない。あの子の思いを無駄にするわけにはいかない。
あの子は命懸けで戦ってくれたんだ。だから、私だって――。
「そうかそうか。お前、お仕置きされたいんだな?どのみち俺は客だ、女に手を出したところで、別に問題は」
「お客様、お待ちしておりました」
ヨヅキが、私と男の間に入ってきた。私に背を向け、男の方を向いて。
「ああ?部外者は黙ってろよ。真っ裸の女が、何を偉そうオグッ!?」
ヨヅキは、両手で。男の喉を、握り締めた。
男は抵抗する。だが、無意味。
「て、てめえ、俺は、客、だぞ?こんな、ことを、したら――!?」
「そ、そうよ。ヨヅキ、やめなさい!私の事は、いいから」
ヨヅキは止めない。後ろからだから、ヨヅキの表情は分からない。
「ヨヅキ!もういいから!この男に逆らったら、アンタまで」
「私は、このために、ここにいるの。団長の、言う通りだった」
「・・・えっ?」
「この人を狙う悪い奴が、来るかもしれないから。本当に悪い奴が、来るかもしれないから。本当に許せない奴が、先輩に近づいてくるかもと、言っていたから」
男は、口から泡を吹き始めた。白目も剥いている。
「ちょ、ちょっと。いったい、何の、話を」
「許さない、殺してやる・・・と言いたいけど、これで許してやる。生け捕りにしろ、っていう命令だし」
ヨヅキは、手を離した。その場に崩れ落ちる男。・・・かろうじて生きている。いや、わざと殺さずに手加減した、と言うべきか。完全に、気を失っている。
そしてヨヅキは私の方を向いて、しゃがみ込んで、私に視線を合わせた。
「先輩、店長を呼んできてください。話は伝わってます」
――なに、この、顔。怖い。とても、怖い。
「・・・いいですよ、もう。私が呼んできます」
部屋を出て、裸のまま店内をうろつくヨヅキ。
途中、客の悲鳴というか、そんな恰好で出歩くなとか色々聞こえてくるけど。私は何も考えられない。頭の理解が追い付かなくて、今は何も考えられない。
さっきの男は、自警団の人達が縄で縛り上げて連行したわ。
そして、店の一室に。4人の男女が、テーブルを囲んで。
「――まさか、いきなり来るとは思わなかったが、無事で何よりです」
この人は、この前私を保護してくれた自警団の団長さんね。
「いやぁ、最初に話を聞いたときは信じられなかったけど、協力できてよかったです。それに有能な女を2人も雇えて、ウチとしても助かってますよ」
店長は、詳しい話を知らないようだ。ただ単に、私の命が狙われているとだけ、聞いていたようだ。だからヨヅキと共に行動するように、配慮してくれてたのか。
「ハァ・・・やっぱり、この布きれ好きじゃないなぁ」
さすがにヨヅキには服を着せたわよ。もう仕事終わりだし。
「ヨヅキ、アンタは、いったい」
恐る恐る、尋ねてみる。さっき見せた顔が、あまりにも怖くて。
「えっと。娼婦兼、自警団所属?2つの仕事を任されてます」
ヨヅキは私に顔を向けた。笑顔だ。やっぱり可愛い子なのね。でも、
「2つの、仕事って。どうして、そんなことを」
「伝言は、確かに受け取りました。あの子の代わりに、私達が」
――伝言、って。あの子、って。まさ、か。
「これは、私達の仲間のため。仲間の思いは、無駄にしない。だから、あの子が命懸けで守ろうとした人は、私達が守ります」
団長を見る。頷いてくれた。・・・そう、いう、こと、なの?
あの、虎の、女の子の。ヨヅキは、その仲間。つまり、は。
「えっ。先輩、何で泣いてるんですか?どこか怪我でも?」
ふ、ふふ。また、後輩に。助けられる、なんて。恥ずかしい、わ。
これは魔法。誰が何と言おうとも、魔法よ。
とても不思議な、魔法使い達の物語なのよ。
この世界は弱肉強食。強い者は生き、弱い者は死ぬ。
そして、奴隷の私は誰よりも弱い。どうしようもない雑魚。
希望なんて無かった。人間として生きることを諦めていた。
私には、楽しい思い出も、心の底から笑えた日も無いのよ。
だけど、そんな私を解き放ってくれた。魔法の力で。
とても素敵で、不思議な魔法で。私を、救ってくれた。
こんな気持ちは、生まれて初めて。とても、嬉しい。
こんな嬉しい涙を流せたのは、生まれて初めて。だから、
「グムッ。だから先輩、いきなり抱き着かないで・・・」
アンタ達の思いは無駄にしない。私は、希望と共に生きていく。
――今回の主役:元性奴隷の娼婦
ここはゴロツキ共が暮らす町。治安は悪いわね。
この世界は、ある程度の力が無いとやっていけないわ。
魔法?この前、見たわよ?うん、あれは間違いなく魔法よ。
お昼過ぎ。粗末な服を着て、町中をブラブラ。
ふう、普通の生活って大変ねぇ。
運よく奴隷を辞めれたのはいいけれど、これはこれで大変だわ。
自分で住むところを見つけて、仕事を見つけて、お金を稼いで、お買い物して・・・うわぁ考えることが多すぎて面倒くさい。
これならまだ奴隷生活の方が良かったかしら?奴隷なら、与えられた仕事さえしておけば、住むところもご飯もあるからね。
それに子供のころから奴隷だったから、文字が読めないもの。自分の名前すら書けないわ。そのかわり計算は得意よ?お金の計算ならずっとやってきたからね。
一時期は無理矢理に客を取らされて、決められた代金を貰わないと後で御主人に怒られてお仕置きされるから、必死で数の計算を覚え・・・思えばロクな思い出が無いわねぇ私。えーっと、今の年齢は・・・二十歳過ぎでいいわ。誕生日もよく分かんないし。
・・・ここね、自警団が言っていた店は。ハイこれ、紹介状よ。
「ああ、アンタだな。自警団から話は聞いている、即戦力でヤれる女らしいな。住み込み部屋は用意しておいたから、好きに使うと良い。なぁに、ウチはちゃんと許可を取った合法の娼館だ。だから心配しなくていいって」
ふむ。この人が私の新しい御主人・・・じゃなかった、店長ね。結局のところ、私が働ける場所はこういうところしか無いのよねぇ。
「ところで。アンタ、それなりに経験は積んでいるようだから、いきなりだけど新人の面倒も見てくれないか?さる筋からの紹介で雇ってはみたんだが・・・どうやら、素人のようで。アンタと同じく、そいつも今日から仕事始めだ」
ええ、構わないわよ。新入りの奴隷の面倒なら何度かやった事あるし。
とりあえず、他の娼婦たちの話を一通り聞いてみたけど・・・。
なるほど、たしかにちゃんとした娼館ね。
部屋は綺麗だし、料金もプレイ内容も良心的。私はハードプレイな方がヤり慣れてるけど、こういうのもアリね。
ていうか今までの職歴が頭おかしかっただけか。合法な娼婦って、このくらいが普通なのね。そもそも娼婦という仕事自体が普通かどうか分かんないけど。
えっと、住み込み部屋は2人部屋ね。さっき言ってた新人と相部屋・・・ていうか私もこの店では新人だから、いわゆる同期生ね。ノックして入るわよ。
中には、粗末なベッドが右端と左端に計2つ。そのうちの1つに、真っ裸の白髪の女が座っている。小柄で、胸は小さめだけど、中々の美人だわ。
「なんで・・・私が・・・こんな・・・ところに・・・」
あらあら、両手を頭に抱えて落ち込んでるわね。
「ヤるのは、別にいい・・・でもなんで、人間なんかを相手に・・・ううう、アイツめ・・・なんて提案を・・・」
なんか小声でブツブツ言いながら悩み苦しんでいるわね。私には気付いていないようだわ。とりあえず荷物を置いてっと。
「ううう・・・でも、これも仲間のためだ、ううう・・・」
可哀想に。あなたも訳アリなのね。ていうか服を着なさいって。仕事は夕方からなのに。・・・まあいいわ、面倒を見てあげましょうか。
「こんにちは。あなたは今日からここで働くのね?」
真向かいのベッドに腰掛ける。こっちを見てきた。
「私も今日からここで働くのよ。私達は仲間よ。同じ日に、同じ店で、同じ住み込み部屋で暮らす仲間。一緒に、頑張りましょう?」
「――仲、間。一緒に、暮らす、仲間」
「ええ、私とあなたは仲間よ。嫌かしら?」
「・・・嫌、じゃない。仲間は、大事に、するから」
あら、可愛い顔をするわね。仲良くやりましょ?
とりあえず服を着させ・・・いやだから脱ぐのは止めなさいって。
「うう、なんでこんな布きれを被らないといけないの。動きにくい」
まあ、気持ちは分からなくもない。私も奴隷時代は裸が多かったし。
となると、まさかこの子も。過去の話は聞かない方が良いか。
「ねえ。あなたは・・・名前は、何?」
「・・・名前は、無い」
おおう。思ってた以上に訳アリなのね。気持ちはよく分かるわ。私も御主人によって呼び名がコロコロ変わってたし、この前なんか番号呼ばわりだったからね。
「そう。でも、誰かに名前を呼ばれたことは無いの?一度くらいはあるでしょ?その呼び名でもいいし、それを少し変えても良い。なにせこういう仕事だから、本名を使う方が稀だからね」
「仲間達からは・・・あ、これは言わない方が良いと言われた」
ふむ。身バレ対策かしら?この子ではなく、この子を紹介したという、さる筋を特定されるのを防ぐために。こういう教育は徹底されてるのね。
「名、前・・・う、うう」
それにしても、そんなに頭を抱えて悩まなくてもいいのに。
「あなた、趣味はある?好きな物とか、好きな事とか。そこから名前を決めるのもアリね。どうせ仕事上での名前なんだから、深く考えなくてもいいわ」
「・・・夜空。星。月。――ヨヅキ、でも良い?」
「ええ、良いわね。今日からあなたはヨヅキよ。それと、私の事は先輩とでも呼びなさい。同期だけどね」
・・・正直に言うと、私も本名と呼べるものが無いのよ。かといって、過去の名前はどれもこれも使いたくないわ。どれもこれも、当時の思い出を思い出すのよ。
だから先輩呼ばわりされるのが一番マシなのよ。唯一、マシな思い出があるからね。
さて、仕事開始までまだ時間はあるわね。ここからは仕事の話をしますか。
「ねえヨヅキ。この仕事は・・・まあその、アレな事をする仕事だけど。あなたはセックスの経験はあるの?エッチとも言っていいけど」
暗い顔をして、首を縦に振った。言い辛いのかしら?
「具体的に教えてくれないかしら。仕事上で必要な事よ?」
「・・・押し倒してきて、手を縛られて、乱暴にされてグムッ」
深く聞いた私が悪かったわ、ごめんなさい。
思いっきり抱き締めてあげる。私の胸に甘えなさい。
「うう、先輩、いきなり抱き着かれるのは、その」
「ああごめんなさい。ついカッとなって。ええと、そうだ話を変えるわ。あなた、好きな人はいるの?そういう人と、エッチな事はしたことは無いの?」
あら、また頭を両手で抱えてしまったわ。
「アイツ嫌い。無理矢理襲ってくる奴なんて嫌い。逃げようとしても捕まえてくるし、脅してくるし、いつも泣かされてグムッ」
本当にごめんなさい。あなた、男運が悪いのね。
「うん、もうこの話は終わりにしましょう。そういえば、そろそろご飯の時間ね。ヨヅキは何が好きなの?ご飯はちゃんと食べてる?」
「えっと、今日はネズミで、昨日は虫を食べグムッ」
本当にマジでごめんなさい。なんて不憫な子なの・・・。
奴隷生活の長い私といえども、さすがにそんな物を食わされた覚えは無いわ。アンタいったい、今までどんな環境で暮らしてきたのよ・・・。
だから、これも何かの縁よ。ヨヅキは私が守ってあげるからね。
私は先輩なんだから。
今度こそ、後輩を守ってみせる。
数日前のあの事件は、未だに忘れられないの。とても不思議な、魔法のお話。たった1人で大勢の敵を倒した女の子の物語。私を保護してくれた自警団の団長との秘密。こんなの大っぴらには話せないわ。
前の御主人が殺されて、その直後に拾われた先がクソみたいな店で。アレは私の奴隷人生の中でも特に酷い店だったわね。
地下にある大部屋の牢屋に雑魚寝。食事は吐きそうなほど不味い。仕事も一度に大人数を相手にしないといけない。ていうかあんなの仕事じゃない、ただの輪姦よ。
そしていずれは、年に数回ある競売で売り出される。あんなクソみたいな店の顧客だから、どうせ買われたところでロクな扱いはされなかったでしょうね。
・・・私はまだ奴隷生活に慣れてたからよかった。でも、他の子達は。
何処ぞから攫われたり、借金のカタだったり。一番最後に入った子も、無理やり連れ去られたようで、その日のうちに処女を奪われて、尋問のようなお仕置きをされて。
だけど、あの子は何度お仕置きをされても、客に噛みついて、文字通り歯向かって、またお仕置きされて・・・心が、壊れかけていた。
だから、あの子を守ろうと思ったの。少しでも待遇が良くなるように、私が持てる限りの知識は教えてあげた。たった2週間程度の付き合いなのに、私の事を先輩と呼んでくれて、嬉しかった。
でもまさか。逆に、あの子に助けられるだなんて。
魔法の力なんて、生まれて初めて見たわ。あの子がどうなったかは知らない。だけど、あの怪我では、恐らく・・・。
だから、今度こそは。ヨヅキ、アンタは見学よ。
「お、おお、いい、気持ちいい・・・」
私達の住み込み部屋から離れた、とある一室にて。裸のままのヨヅキを、部屋の端にある椅子に座らせて。ベッドサイドにお客様と並んで座って、お客様は全裸にさせて、私は着衣。
そしてお客様の肩を抱き寄せ、もう片手はチンコに添えて。唾液で滑らせた手を、指を、上に下に。ふふ、お客様も喜んでいるわね。
「ヨヅキ、これが手コキ。エッチの技は無数にあるけど、これを覚えておけば色々と応用が利くわよ」
ヨヅキは不思議そうにしている。でも、抵抗感は無さそうね。素人だと、見知らぬ男の裸を見ただけで怯える事もあるのに。なるほど、この程度では驚かないのね。
「お客様、ご気分はどうでしょうか。まだまだ楽しみましょうね?」
耳に、ふぅっと息を吐く。お客様の体がビクンとなった。
「あら、お客様。こういうのが好きなの?なら、こういうのはどうかしら?」
肩に置いていた手を、下へ。乳首を、コリコリと。
「お、おお。イイ、これはイイ、だ、駄目、もうそろそろ」
はい残念。チンコから手を離してあげるわ。
「うっ・・・う、うう、続きを、してくれよ・・・」
「ふふ、まだまだ楽しみましょうね?」
どう?これが娼館の仕事よ。ここまでの感想はどうかしら?
「意味が、分からない・・・」
あらヨヅキ、なんで頭を抱えてるのかしら?
手コキは継続中。もう片手は後頭部に回して、唇同士を重ね合わせる。
「うおう・・・キスしながら、手でしてくれるとは・・・」
ふふ、こういう技もあるのよ。どうヨヅキ?感想をどうぞ。
「嫌だ、認めたくない、キスなんて認めたくない、こんなの絶対に必要ない、うう、嫌だ、思い出したくない、あんなの・・・」
ねぇ、アンタいったいどんな男に襲われたのよ?
じゃあ、こういうのはどうかしら。ディープキスっていうのよ?舌を絡め合うの。あらあらお客様ったら、私に抱き着いて来て。いいわ、手コキは一旦止めて口同士でセックスしましょ?お互い抱き合いましょうね。
「う、うわわ、私はアイツとこんなことをやってたのか・・・アイツがやたら舌を入れたがるのも、コレか・・・うう、恥ずかしい・・・」
あら?もしかして無理矢理襲うという彼とは、まんざらでもない関係なのかしら。見知らぬ男のチンコは平気で見れるくせに、キス行為は眼を逸らすほどに恥ずかしがるとは。
「ふ、ふう・・・イイ、気持ち良かった。じゃあそろそろ、そっちの白髪の子にも、して欲しいな。イイだろ?裸で待機しているんだから」
あら、少し想定外ね。でも、そろそろヨヅキも参加させた方が良いかもね。ある程度は経験を積んでおかないといけないし。
ではヨヅキ・・・おっと、私が呼ぶまでも無く自ら立ち上がり、背を向けて、座り込んで、お尻を突き出し、ってちょっと待ちなさい!
「・・・四つん這いでも、いい?仰向けにされるのは、恥ずかしくて」
「えっ。本番ヤっていいの!?」
こらヨヅキ!本番をヤるほどの代金は貰ってないわよ!
「えっ。先輩、普通はコレをやるのが基本なのでは?」
・・・ハァ、仕方ないわねぇ。ヨヅキもこっちに座りなさい。
私だけ着衣なのもアレだし、脱いだわ。
裸の男を、裸の女2人で挟み込むようにして座る。
「この際だから、ヨヅキには色々と教えてあげるわね。お客様、新人教育にお付き合いして頂けませんか?」
「ふふははは、女2人に囲まれるとか最高だよ。いいぞ好きにしてくれ」
よし。ヨヅキに視線を送る。練習通りにヤりなさいよ?
「えっと・・・本日はご来店いただき、ありがとうございます。私は白・・・じゃなかった、ヨヅキと申します。年齢は、恥ずかしながら分かりません」
まあ、こんなものか。確か、故郷での仕事の関係だとかで、丁寧な口調は一応身に付けてるとは言ってたわね。
「ほう、ヨヅキちゃんか。どれどれ、それでは早速キスをしてあげよう」
「ひっ!?それはやめて、苦手なのあううううん!?・・・ん?」
ん?最初は抵抗したと思ったら、素直に受け入れた。ていうか、不思議そうな顔をしているわね。お客様、そろそろ離してあげてください。
「おっと、ごめんよ?ヨヅキちゃん、キスは初めてだったのかい?」
「・・・よく、分かりません。こんなキスは、初めてです」
こんなキス、は?今度はお客様と私が不思議そうな顔をしちゃったわ。
「その、私の知るキスって言うと。意識が飛びそうなほど、意味が分からない気持ちになって。ついでに頭を撫でられたら、意識が無くなるほど、変な気持ちに・・・ううぅ、思い出したくない」
お客様と視線を合わせる。一緒に頷く。あぁなるほど、察した。普段はとてもお幸せなエッチをしてるのねぇ、羨ましいわぁ。
では早速ヤるわよ。ヨヅキ、私に合わせなさい。
姿勢はそのまま。女2人で男1人を囲んで、座ったままで。私とヨヅキで手を合わせての、2人同時手コキよ。
「お、おお、凄い、2人同時でヤってよかった・・・」
「ふうん・・・男の人のアレって、こんなに硬かったんだ」
やっぱり、こういう事には抵抗は無いのねアンタ。
「ヨヅキ、もう少し握る力を弱めなさい。力いっぱいヤればいい訳じゃないのよ?ていうかアンタ、見た目のわりに力強いわね。腕を振るペースも、もう少し弱く」
「あ、ハイ先輩。・・・うん、これイイ。今度アイツにヤってやる。これで油断させてから、思いっきり握り潰してやる・・・ふふ、楽しみ」
こらこら、お客様が怯えているわ。そんな怖い笑みは止めなさい。
「う、も、もう、限界・・・」
「ええ。――イくわよヨヅキ、ほんの少しだけ、強く握って」
シゴく速度は私が調整する。ここを、こうして・・・こう!
「うおっ・・・私はいつも、これを中に出されてたのか・・・射精って、こういう感じなんですね。初めて見ました」
えっ、アンタって基本中出しなの?これは本格的に、色々と教えてあげなきゃね。避妊処理も含めて。ってコラコラ、そんな汚いもの舐めちゃ駄目よ?いくら手が汚れたからって、舐め取る必要は、
「へぇ。精液って、意外と美味しいんですね。初めて知りました」
・・・うん、気に入ってくれたのなら何よりだわ。
だけど、そこまでしなくてもいいのよ?
「お、おう、ヨヅキちゃん、積極的だねぇ・・・」
お客様の股の間に滑り込むように座り、ヌいたばかりのチンコに向き合うヨヅキ。顔も赤くなっているし、どうやらエッチなスイッチが入ったようね。でも不思議そうな顔をしているわ。
「あれ?もう小さくなってる。せっかくヤる気になったのに」
とか言いながら、チンコに付いた残った精液や我慢汁を綺麗に舐め取ってるわね。アンタ本当に素人なの?見ず知らずの男を相手にするのに、ここまで抵抗が無いとは。
「えっと・・・確かアイツが言ってたのは、こうして」
「い、いや、ヨヅキちゃん、2回目以降は追加料金が発生するから、今日はもうこれで終わろヲヲヲウ!?」
おおう、口に咥えて一気に吸い上げて、無理矢理勃たせたわ。
「えっ?まさか・・・コレで、終わりなんですか?――ふふふ、まさかコレだけで終わるなんて、男としてどうなのか」
何よこの眼。まるで獲物を狙う狩人や猟師みたいだわ。
「コラコラ、そこまでにしなさい」
なのでヨヅキの顔を掴んで引っぺがしてやったわ。
「えぇ・・・いくらなんでも、1回だけでは拍子抜けです。私はその気になれば朝までヤれますよ、ふふふ」
「あのねぇヨヅキ。ここの仕事はね、代金や制限時間、それにお客様の都合ってモノがあるのよ。アンタが良くてもお客様が、って」
ん、お客様?その手のサインは・・・ああハイハイ、延長ですね?そりゃあこんな寸止め放置なんてされたら嫌に決まってるわね。
ハァ、仕方ないわ。ならこれも2人でヤりましょうか?ちなみにヨヅキ、これはフェラって言うのよ。これも大事な技だから覚えておきなさい。
いいわねぇこの店。手でヌくか口でヤるのが基本だなんて。
本番もあるっちゃあるけど、よほどの上客じゃないとヤらないらしいから、一応新人扱いである今は、そこまでヤる必要も無さそうだわ。やはり、ちゃんとした娼館はいいわ。
ヨヅキには他にも色々ヤらせてみたけど、やはり抵抗は無さそうだったわ。こういう行為自体の経験は皆無だけど、本番行為だけは色んな男とヤってたと言ってたし。詳しい相手は、無理矢理襲う彼以外は教えてくれなかったけどね。
さて・・・もう夜も遅いし、次で最後ね。
「ヨヅキ、疲れてない?あともう1人お客様が来るけど、眠くない?」
「ええ、夜は得意なんですよ。そのかわり、昼は寝てますけど」
なるほど。思ってた以上に、娼婦としての適性は高いわね。
「最初は、人間ど・・・いや、人を相手にするのが嫌だったけど。この仕事、悪くはないです。男より強くなれた気がして。男に勝てる、というか」
ふふ、楽しそうで何よりだわ。
「ええ、気持ちは分かるわよ。私も男には何度も酷い目に遭ってるからね。でも、ヤりすぎたら駄目よ?あくまでも私達は、お金を貰う立場なんだから」
「――お金というのは、それほど大事な物なんですか?」
・・・何よ、その顔。
「そりゃあそうでしょ。お金が無いと生きていけないわ。お金が無ければ、どうやってご飯を買えばいいのよ。ヨヅキだって、お金のために働いているんでしょ?」
「私は、お金は貰ってません。・・・貰うようには、なっているけど。知り合いに渡すようにしています」
もう、そんなに殺気立って言う事じゃないでしょうに。
なるほど、やはり訳アリか。稼ぎは全部、誰かしらに持っていかれる訳ね。悪いことを聞いちゃったわ。それじゃあもう話は終わりよ。
私は服を着て・・・やっぱりアンタは裸なのね。では、最後の客を、
「へっ、探したぜ。こんなとこにいたか」
お前、は。
私は、部屋の隅に後ずさりする。床に座り込んでしまった。
「へへ、逃げられると思うなよ?お前はオークションに出すんだからよ」
や、やだ。クソッ、やっぱり私は奴隷だ。怖い、怖すぎる。
「い、いや、やめて。もういいでしょ?あの店は」
「だからお前が必要なんだよ。なぁ、あの店で何があったか教えてくれよ。お前だけが頼りなんだ。他の奴隷共はどこかに逃げたからな」
長年、染みついてしまったから。支配されて当たり前という、奴隷としての立場を。コイツは、あの店の背後についていた奴等の1人だから。立場上は、私の主だ。
「い、いやっ。だから、あの店で見世物として飼っていた動物が逃げて」
「表向きは、そうなってるよなぁ。でも、俺は・・・いや、俺達は知っている。そんな動物、飼ってねえよ。あんな娼館で動物ショーをやるわけねーだろ?なぁ、あの店で暴れていたのは、何だ?」
私は奴隷。だから主には逆らえ――駄目、だ。
怖いけど、眼は逸らさない。そして全力で首を横に振る。
「言えよ。例の噂の、人間になれる動物なんだろ?言えよ、どんな奴なのか。どこに逃げたのか。言えよ、早く言えよ」
い、いやだ、言えない。あの子の思いを無駄にするわけにはいかない。
あの子は命懸けで戦ってくれたんだ。だから、私だって――。
「そうかそうか。お前、お仕置きされたいんだな?どのみち俺は客だ、女に手を出したところで、別に問題は」
「お客様、お待ちしておりました」
ヨヅキが、私と男の間に入ってきた。私に背を向け、男の方を向いて。
「ああ?部外者は黙ってろよ。真っ裸の女が、何を偉そうオグッ!?」
ヨヅキは、両手で。男の喉を、握り締めた。
男は抵抗する。だが、無意味。
「て、てめえ、俺は、客、だぞ?こんな、ことを、したら――!?」
「そ、そうよ。ヨヅキ、やめなさい!私の事は、いいから」
ヨヅキは止めない。後ろからだから、ヨヅキの表情は分からない。
「ヨヅキ!もういいから!この男に逆らったら、アンタまで」
「私は、このために、ここにいるの。団長の、言う通りだった」
「・・・えっ?」
「この人を狙う悪い奴が、来るかもしれないから。本当に悪い奴が、来るかもしれないから。本当に許せない奴が、先輩に近づいてくるかもと、言っていたから」
男は、口から泡を吹き始めた。白目も剥いている。
「ちょ、ちょっと。いったい、何の、話を」
「許さない、殺してやる・・・と言いたいけど、これで許してやる。生け捕りにしろ、っていう命令だし」
ヨヅキは、手を離した。その場に崩れ落ちる男。・・・かろうじて生きている。いや、わざと殺さずに手加減した、と言うべきか。完全に、気を失っている。
そしてヨヅキは私の方を向いて、しゃがみ込んで、私に視線を合わせた。
「先輩、店長を呼んできてください。話は伝わってます」
――なに、この、顔。怖い。とても、怖い。
「・・・いいですよ、もう。私が呼んできます」
部屋を出て、裸のまま店内をうろつくヨヅキ。
途中、客の悲鳴というか、そんな恰好で出歩くなとか色々聞こえてくるけど。私は何も考えられない。頭の理解が追い付かなくて、今は何も考えられない。
さっきの男は、自警団の人達が縄で縛り上げて連行したわ。
そして、店の一室に。4人の男女が、テーブルを囲んで。
「――まさか、いきなり来るとは思わなかったが、無事で何よりです」
この人は、この前私を保護してくれた自警団の団長さんね。
「いやぁ、最初に話を聞いたときは信じられなかったけど、協力できてよかったです。それに有能な女を2人も雇えて、ウチとしても助かってますよ」
店長は、詳しい話を知らないようだ。ただ単に、私の命が狙われているとだけ、聞いていたようだ。だからヨヅキと共に行動するように、配慮してくれてたのか。
「ハァ・・・やっぱり、この布きれ好きじゃないなぁ」
さすがにヨヅキには服を着せたわよ。もう仕事終わりだし。
「ヨヅキ、アンタは、いったい」
恐る恐る、尋ねてみる。さっき見せた顔が、あまりにも怖くて。
「えっと。娼婦兼、自警団所属?2つの仕事を任されてます」
ヨヅキは私に顔を向けた。笑顔だ。やっぱり可愛い子なのね。でも、
「2つの、仕事って。どうして、そんなことを」
「伝言は、確かに受け取りました。あの子の代わりに、私達が」
――伝言、って。あの子、って。まさ、か。
「これは、私達の仲間のため。仲間の思いは、無駄にしない。だから、あの子が命懸けで守ろうとした人は、私達が守ります」
団長を見る。頷いてくれた。・・・そう、いう、こと、なの?
あの、虎の、女の子の。ヨヅキは、その仲間。つまり、は。
「えっ。先輩、何で泣いてるんですか?どこか怪我でも?」
ふ、ふふ。また、後輩に。助けられる、なんて。恥ずかしい、わ。
これは魔法。誰が何と言おうとも、魔法よ。
とても不思議な、魔法使い達の物語なのよ。
この世界は弱肉強食。強い者は生き、弱い者は死ぬ。
そして、奴隷の私は誰よりも弱い。どうしようもない雑魚。
希望なんて無かった。人間として生きることを諦めていた。
私には、楽しい思い出も、心の底から笑えた日も無いのよ。
だけど、そんな私を解き放ってくれた。魔法の力で。
とても素敵で、不思議な魔法で。私を、救ってくれた。
こんな気持ちは、生まれて初めて。とても、嬉しい。
こんな嬉しい涙を流せたのは、生まれて初めて。だから、
「グムッ。だから先輩、いきなり抱き着かないで・・・」
アンタ達の思いは無駄にしない。私は、希望と共に生きていく。
――今回の主役:元性奴隷の娼婦
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