169 / 181
外伝3 琅玕翡翠 ~ジェダイト~
8.崩れる平穏
しおりを挟む
その日から毎日のように結界の綻び、侵入者、その排除が繰り返された。パーウォーはコッペリアとの契約を守るため、オリンピアが血で手を汚すことのないよう必死でその作業を繰り返していた。
「毎日毎日、いったいどっから湧いて出てくんのよ!」
「パーウォー様、落ち着いてください~」
ぜえぜえと肩で息をするパーウォーをミドリがあわあわとなだめる。もはや恒例となったその光景にコッペリアの心は申し訳なさでいっぱいになっていた。
「ごめんね、私が――」
「それは違う‼」
コッペリアの自分を責める言葉を遮ると、パーウォーはちいさく息をついた。
「ごめんなさい、取り乱しちゃって。まったく、我ながら情けないったらないわ」
「ううん。だって昼も夜も毎日毎日、パーウォーの気も体も休まるときがないもん」
最初の侵入者が来てからというもの、里には連日連夜、様々な人間たちがやって来ていた。結界は直しても直しても綻び、そのキリのなさにパーウォーは辟易していた。
「あ、そういえば」
コッペリアは懐紙に包まれた何かを衿から取り出す。
「これ、いつの間にか戻ってきてた」
差し出された懐紙の上に乗っていたのは妖しく輝く黄金緑柱石。エテルニタスがコッペリアに押し付けていったあの石だった。
「引くわぁ……なにこれ、呪いの石?」
「すごいね。どうやって戻ってきたんだろ」
「お褒めいただきありがとうございます」
三人ははじかれたように一斉に声の方へと顔を向けた。
「皆様、ごきげんよう」
そこに立っていたのは赤い方の変態こと、額装の魔法使いエテルニタスだった。彼は芝居がかった大仰なお辞儀をすると、「いかがでしょう、私からの贈り物。楽しんでいただけていますか?」と哂った。
「結界、やっぱりアンタの仕業だったのね。いったい何が目的でこんな嫌がらせすんのよ」
「なんと、嫌がらせとは心外です。私はただ、貴方たちの物語を盛り上げようと微力ながらお手伝いを……」
エテルニタスはわざとらしく手巾を目もとに当てると、どこまでも嘘くさく嘆いた。
「勝手に盛り上げんじゃないわよ。それと、手出ししてるのって結界だけじゃないわよね? 魔力を込めた言葉で妙な噂流して人間たちを扇動してんのもアンタでしょ」
連日連夜、不自然なほどに集まってくる人間たち。いくら宝の噂だとしても、常ならば大多数の人間は娯楽として消費した後は忘れてそれきりだろう。だというのに、この噂を聞いた多くの者たちは熱に浮かされたかのようにコッペリアを求め実際に里へとやって来る。まるで、誰かに操られてでもいるかのように。
「さて、なんのことでしょう」
にっこりと。涙のあとなど微塵もない輝かしい腹の立つ笑顔でパーウォーの質問を受け流したエテルニタス。
「とにかく。もうワタシたちに手出しするのやめてもらえないかしら。だいたい、他の魔法使いの依頼にちょっかい出すとか無作法じゃなくて?」
「そうですね、その意見には同意です。ですが、私も自分の契約を遂行しなくてはならないので」
エテルニタスは口だけ笑みの形にすると、現れたときと同じように大仰なお辞儀をして額縁の中へと消えていった。
――アイツの契約ってなんなのかしら。ワタシたちの邪魔をしないといけない願いって何?
「パーウォー、大丈夫?」
「パーウォー様ぁ……」
エテルニタスが消えた空間を睨みつけたまま険しい顔で考え込んでいたパーウォーを、コッペリアとミドリが心配そうに見上げていた。
「ごめんなさい。ええ、大丈夫よ。ちょっとこれからのことを考えてただけだから」
実際、このままでは埒が明かない。パーウォーは完全に行き詰まっていた。結界は直しても直してもどこかが綻びる。おそらくその原因の一端である黄金緑柱石は捨てても捨てても戻ってくる。しかも人間たちの噂は広がりすぎて収拾がつかないし、かといってコッペリアをここから動かすこともできない。
普段ならばだいたい力尽くで解決するパーウォーだが、今回は相手が悪かった。自分より力が上の魔法使い相手では力尽くは通じない。ならば特化した何かで対抗しようにも、パーウォーは万能型の魔法使い。万能型といえば聞こえはいいが、いわゆる器用貧乏な、なんでもそこそこできる型の魔法使いだった。
――とりあえずは対症療法でやり過ごすしかないわね。しばらくお店の方は閉めないと。
※ ※ ※ ※
結界の綻び、侵入者、その排除。それらを毎日作業のようにこなす。そうやって保っていた仮初めの平穏だったが、崩れるときはあっという間だった。
最初の侵入者がやって来てから三月、闇に包まれた新月の夜。その日やって来た侵入者たちはなぜかパーウォーの網にもオリンピアの網にもかからず、里の奥深く、コッペリアの閉じ込められている廃墟の屋敷にまでやって来た。
「なんだ、この部屋? 四方が土壁で囲まれてて出入口ねぇぞ」
コッペリアの部屋は屋敷の中央に位置しており、出入り口はなく四方を廊下に囲まれていた。しかし、人がいなくなり手入れされなくなった上にオリンピアによって周囲の屋根や壁などが破壊されていて、現在は無防備にもむき出しになっていた。
「いいじゃねぇか、いかにもお宝が眠ってそうな部屋って感じでよ。それに壊されてねぇってこたぁ中身はまだ無事だってことだろ」
「ちげぇねえ。よし、さっさと壁引っぺがしちまうか」
壁の向こうから聞こえる何人もの足音と不穏な会話。コッペリアはパーウォーからもらった孔雀石を取り出すとひそめた声で呼びかけた。
「パーウォー! パーウォー‼」
次の瞬間、部屋の中に紅梅色の扉が現れ、濡れ髪で腰に湯上り用の布を巻きつけただけのパーウォーが飛び出してきた。
「やだ、なんでここまで人間が来てるの⁉ あ、オリンピアは?」
「わかんない。でもあの子がこの人間たちに壊されたんだとしたら私も壊れてる。だから無事なはず」
「そう、よかった。でも、なんで感知できなかったのかしら……って、原因は絶対あの赤い変態よね。あの野郎、何してくれてんのかしら」
バキバキ、メリメリと土壁がはがされた音がしたあと、続いて板壁に斧や鉞が突きたてられ始めた。派手な破砕音と共に壁にいくつもの裂け目が生まれ、そこから鈍く光る刃がのぞく。
パーウォーはひとまずコッペリアの安全だけでも確保しようと、彼女の周囲に防御と隠蔽の結界を張ろうと術を展開した。
「あの赤い変態、ほんっとどこまでも性格悪い!」
けれど、何度術を展開しようとも結界は途中で消滅してしまった。パーウォーは結界を諦めると、コッペリアを左腕に乗せるように抱き上げた。
「パーウォー、もう壁が!」
コッペリアの叫びと同時に部屋の中に男たちが踏み込んできた。
「あったぞ! あの人形だ‼」
男たちはパーウォーの腕の中のコッペリアを見て興奮の声を上げる。そしてパーウォーを睨みつけると持っていた斧や鉞を構えた。
「毎日毎日、いったいどっから湧いて出てくんのよ!」
「パーウォー様、落ち着いてください~」
ぜえぜえと肩で息をするパーウォーをミドリがあわあわとなだめる。もはや恒例となったその光景にコッペリアの心は申し訳なさでいっぱいになっていた。
「ごめんね、私が――」
「それは違う‼」
コッペリアの自分を責める言葉を遮ると、パーウォーはちいさく息をついた。
「ごめんなさい、取り乱しちゃって。まったく、我ながら情けないったらないわ」
「ううん。だって昼も夜も毎日毎日、パーウォーの気も体も休まるときがないもん」
最初の侵入者が来てからというもの、里には連日連夜、様々な人間たちがやって来ていた。結界は直しても直しても綻び、そのキリのなさにパーウォーは辟易していた。
「あ、そういえば」
コッペリアは懐紙に包まれた何かを衿から取り出す。
「これ、いつの間にか戻ってきてた」
差し出された懐紙の上に乗っていたのは妖しく輝く黄金緑柱石。エテルニタスがコッペリアに押し付けていったあの石だった。
「引くわぁ……なにこれ、呪いの石?」
「すごいね。どうやって戻ってきたんだろ」
「お褒めいただきありがとうございます」
三人ははじかれたように一斉に声の方へと顔を向けた。
「皆様、ごきげんよう」
そこに立っていたのは赤い方の変態こと、額装の魔法使いエテルニタスだった。彼は芝居がかった大仰なお辞儀をすると、「いかがでしょう、私からの贈り物。楽しんでいただけていますか?」と哂った。
「結界、やっぱりアンタの仕業だったのね。いったい何が目的でこんな嫌がらせすんのよ」
「なんと、嫌がらせとは心外です。私はただ、貴方たちの物語を盛り上げようと微力ながらお手伝いを……」
エテルニタスはわざとらしく手巾を目もとに当てると、どこまでも嘘くさく嘆いた。
「勝手に盛り上げんじゃないわよ。それと、手出ししてるのって結界だけじゃないわよね? 魔力を込めた言葉で妙な噂流して人間たちを扇動してんのもアンタでしょ」
連日連夜、不自然なほどに集まってくる人間たち。いくら宝の噂だとしても、常ならば大多数の人間は娯楽として消費した後は忘れてそれきりだろう。だというのに、この噂を聞いた多くの者たちは熱に浮かされたかのようにコッペリアを求め実際に里へとやって来る。まるで、誰かに操られてでもいるかのように。
「さて、なんのことでしょう」
にっこりと。涙のあとなど微塵もない輝かしい腹の立つ笑顔でパーウォーの質問を受け流したエテルニタス。
「とにかく。もうワタシたちに手出しするのやめてもらえないかしら。だいたい、他の魔法使いの依頼にちょっかい出すとか無作法じゃなくて?」
「そうですね、その意見には同意です。ですが、私も自分の契約を遂行しなくてはならないので」
エテルニタスは口だけ笑みの形にすると、現れたときと同じように大仰なお辞儀をして額縁の中へと消えていった。
――アイツの契約ってなんなのかしら。ワタシたちの邪魔をしないといけない願いって何?
「パーウォー、大丈夫?」
「パーウォー様ぁ……」
エテルニタスが消えた空間を睨みつけたまま険しい顔で考え込んでいたパーウォーを、コッペリアとミドリが心配そうに見上げていた。
「ごめんなさい。ええ、大丈夫よ。ちょっとこれからのことを考えてただけだから」
実際、このままでは埒が明かない。パーウォーは完全に行き詰まっていた。結界は直しても直してもどこかが綻びる。おそらくその原因の一端である黄金緑柱石は捨てても捨てても戻ってくる。しかも人間たちの噂は広がりすぎて収拾がつかないし、かといってコッペリアをここから動かすこともできない。
普段ならばだいたい力尽くで解決するパーウォーだが、今回は相手が悪かった。自分より力が上の魔法使い相手では力尽くは通じない。ならば特化した何かで対抗しようにも、パーウォーは万能型の魔法使い。万能型といえば聞こえはいいが、いわゆる器用貧乏な、なんでもそこそこできる型の魔法使いだった。
――とりあえずは対症療法でやり過ごすしかないわね。しばらくお店の方は閉めないと。
※ ※ ※ ※
結界の綻び、侵入者、その排除。それらを毎日作業のようにこなす。そうやって保っていた仮初めの平穏だったが、崩れるときはあっという間だった。
最初の侵入者がやって来てから三月、闇に包まれた新月の夜。その日やって来た侵入者たちはなぜかパーウォーの網にもオリンピアの網にもかからず、里の奥深く、コッペリアの閉じ込められている廃墟の屋敷にまでやって来た。
「なんだ、この部屋? 四方が土壁で囲まれてて出入口ねぇぞ」
コッペリアの部屋は屋敷の中央に位置しており、出入り口はなく四方を廊下に囲まれていた。しかし、人がいなくなり手入れされなくなった上にオリンピアによって周囲の屋根や壁などが破壊されていて、現在は無防備にもむき出しになっていた。
「いいじゃねぇか、いかにもお宝が眠ってそうな部屋って感じでよ。それに壊されてねぇってこたぁ中身はまだ無事だってことだろ」
「ちげぇねえ。よし、さっさと壁引っぺがしちまうか」
壁の向こうから聞こえる何人もの足音と不穏な会話。コッペリアはパーウォーからもらった孔雀石を取り出すとひそめた声で呼びかけた。
「パーウォー! パーウォー‼」
次の瞬間、部屋の中に紅梅色の扉が現れ、濡れ髪で腰に湯上り用の布を巻きつけただけのパーウォーが飛び出してきた。
「やだ、なんでここまで人間が来てるの⁉ あ、オリンピアは?」
「わかんない。でもあの子がこの人間たちに壊されたんだとしたら私も壊れてる。だから無事なはず」
「そう、よかった。でも、なんで感知できなかったのかしら……って、原因は絶対あの赤い変態よね。あの野郎、何してくれてんのかしら」
バキバキ、メリメリと土壁がはがされた音がしたあと、続いて板壁に斧や鉞が突きたてられ始めた。派手な破砕音と共に壁にいくつもの裂け目が生まれ、そこから鈍く光る刃がのぞく。
パーウォーはひとまずコッペリアの安全だけでも確保しようと、彼女の周囲に防御と隠蔽の結界を張ろうと術を展開した。
「あの赤い変態、ほんっとどこまでも性格悪い!」
けれど、何度術を展開しようとも結界は途中で消滅してしまった。パーウォーは結界を諦めると、コッペリアを左腕に乗せるように抱き上げた。
「パーウォー、もう壁が!」
コッペリアの叫びと同時に部屋の中に男たちが踏み込んできた。
「あったぞ! あの人形だ‼」
男たちはパーウォーの腕の中のコッペリアを見て興奮の声を上げる。そしてパーウォーを睨みつけると持っていた斧や鉞を構えた。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説



王命って何ですか?
まるまる⭐️
恋愛
その日、貴族裁判所前には多くの貴族達が傍聴券を求め、所狭しと行列を作っていた。
貴族達にとって注目すべき裁判が開かれるからだ。
現国王の妹王女の嫁ぎ先である建国以来の名門侯爵家が、新興貴族である伯爵家から訴えを起こされたこの裁判。
人々の関心を集めないはずがない。
裁判の冒頭、証言台に立った伯爵家長女は涙ながらに訴えた。
「私には婚約者がいました…。
彼を愛していました。でも、私とその方の婚約は破棄され、私は意に沿わぬ男性の元へと嫁ぎ、侯爵夫人となったのです。
そう…。誰も覆す事の出来ない王命と言う理不尽な制度によって…。
ですが、理不尽な制度には理不尽な扱いが待っていました…」
裁判開始早々、王命を理不尽だと公衆の面前で公言した彼女。裁判での証言でなければ不敬罪に問われても可笑しくはない発言だ。
だが、彼女はそんな事は全て承知の上であえてこの言葉を発した。
彼女はこれより少し前、嫁ぎ先の侯爵家から彼女の有責で離縁されている。原因は彼女の不貞行為だ。彼女はそれを否定し、この裁判に於いて自身の無実を証明しようとしているのだ。
次々に積み重ねられていく証言に次第に追い込まれていく侯爵家。明らかになっていく真実を傍聴席の貴族達は息を飲んで見守る。
裁判の最後、彼女は傍聴席に向かって訴えかけた。
「王命って何ですか?」と。
✳︎不定期更新、設定ゆるゆるです。

転生先は推しの婚約者のご令嬢でした
真咲
恋愛
馬に蹴られた私エイミー・シュタットフェルトは前世の記憶を取り戻し、大好きな乙女ゲームの最推し第二王子のリチャード様の婚約者に転生したことに気が付いた。
ライバルキャラではあるけれど悪役令嬢ではない。
ざまぁもないし、行きつく先は円満な婚約解消。
推しが尊い。だからこそ幸せになってほしい。
ヒロインと恋をして幸せになるならその時は身を引く覚悟はできている。
けれども婚約解消のその時までは、推しの隣にいる事をどうか許してほしいのです。
※「小説家になろう」にも掲載中です
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
【完結】愛猫ともふもふ異世界で愛玩される
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
状況不明のまま、見知らぬ草原へ放り出された私。幸いにして可愛い三匹の愛猫は無事だった。動物病院へ向かったはずなのに? そんな疑問を抱えながら、見つけた人影は二本足の熊で……。
食われる?! 固まった私に、熊は流暢な日本語で話しかけてきた。
「あなた……毛皮をどうしたの?」
「そういうあなたこそ、熊なのに立ってるじゃない」
思わず切り返した私は、彼女に気に入られたらしい。熊に保護され、狼と知り合い、豹に惚れられる。異世界転生は理解したけど、私以外が全部動物の世界だなんて……!?
もふもふしまくりの異世界で、非力な私は愛玩動物のように愛されて幸せになります。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/09/21……完結
2023/07/17……タイトル変更
2023/07/16……小説家になろう 転生/転移 ファンタジー日間 43位
2023/07/15……アルファポリス HOT女性向け 59位
2023/07/15……エブリスタ トレンド1位
2023/07/14……連載開始
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

【完結】わたしの欲しい言葉
彩華(あやはな)
恋愛
わたしはいらない子。
双子の妹は聖女。生まれた時から、両親は妹を可愛がった。
はじめての旅行でわたしは置いて行かれた。
わたしは・・・。
数年後、王太子と結婚した聖女たちの前に現れた帝国の使者。彼女は一足の靴を彼らの前にさしだしたー。
*ドロッとしています。
念のためティッシュをご用意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる