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外伝3 琅玕翡翠 ~ジェダイト~
4.自動人形
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げんなりとしているパーウォーなどお構いなしで、ネウロパストゥムは自分の作品について滔々と語り続ける。
「足の欠けたこのコッペリアも好きだけど、でも僕のイチオシはやっぱりオリンピアの方かな。アイツはテオさんに手伝ってもらって作った、僕の新たな挑戦作ってやつなんだ」
「テオさんって誰よ」
なんだかんだで根は真面目なパーウォー。彼は突然出てきた新たな登場人物の名に律儀につっこんだ。
「テオさんはテオさんだよ」
しかし、相手が悪かった。パーウォーは色々と諦め、今はネウロパストゥムが語るに任せることにした。
「僕は今まで人形を作ってそれに彷徨える魂を入れて自動人形を作ってたんだけど、テオさんが人造人間と疑似魂を提供してくれたおかげでオリンピアっていう新境地を開けたんだ」
「……悪趣味」
「肉と陶器で出来た人形、しかも余ったコッペリアの足も付けちゃったから四本足! それに呪いの瞳も付けちゃった。制御は出来なくなっちゃったけど、僕的には問題なしかな。ちなみに陶器の手足は僕の固有魔法で疑似神経を作って接続してあるんだ。だから元の腕や足と同じように動かせるようになってるし、あと身体には防御の魔術を施してるからオリンピアは鋼でも傷つけられないんだよ!」
ネウロパストゥムは嬉々として人形のことを語り続ける。その話を止めることも出来ず嫌々ながら聞いていたパーウォーだったが、「人造人間と疑似魂を提供」という言葉で、テオさんなる人物の正体としてあるひとりの人物に思い当った。
「テオさんって……まさか、揺籃の錬金術師テオフラストゥス?」
「うん。テオさんはすごいんだよ! この世界でたった一人、人造人間を作れる人なんだ」
「でもテオフラストゥスって確か人間で、世界歴以前のおとぎ話で活躍してた……」
そこまで言って、パーウォーは三年前に出会ったひとりの男を思い出した。扉越しに警告してきた、あの謎の気配を持った男を。
「もしかしてだけど、アンタがテオフラストゥスと一緒にこの子たちを作ったのって三年前?」
「うん。あと少しでオリンピアも完成ってとこでヒヨッコちゃんがちょっかいかけてきたんだよ。僕は仕上げで手を離せなかったから、テオさんに注意しに行ってもらったんだ」
ネウロパストゥムの言葉でパーウォーは確信した。三年前、扉越しに警告してきた謎の男、それが伝説の揺籃の錬金術師だと。
「アンタ、そのテオさんとまだ手を組んでるの?」
「ううん。この子たち作り終わったらどっか行っちゃった。なんかやることあって忙しいんだって」
いくら面倒見のいいパーウォーといえど変態はひとりでも荷が重いと感じていたので、テオフラストゥスの不在には心底ほっとした。
「ねえねえ。ところでさ、ヒヨッコちゃんはオリンピアとコッペリア、どっちがいいと思う?」
「……は?」
「やっぱさ、製作者としては他の人の意見も気になるんだよね。ねえ、ヒヨッコちゃんはどっち派?」
正直、パーウォーはどちらもかわいそうだと思っていたので、どちらが好きかなどかけらも考えていなかった。
「どっち派っていうか、アンタの趣味の悪さにはついていけ――」
「ねえ、どっち?」
「だから――」
「どっち?」
――これ、答えないと永遠に解放してもらえないやつじゃない。
「…………コッペリア」
しつこいネウロパストゥムから逃れるため、パーウォーは消去法でコッペリアを選んだ。
「ヒヨッコちゃんもコッペリア派か~。そうだよね、この子持ってればお金持ちになれるもんね」
「違うわよ! この子は話しができるから。そもそもオリンピアの方は、話すどころか出会ったら問答無用で殺しに来るじゃない」
「そこがかわいいとこなのに。それに足が四本あるんだよ! カッコいいでしょ!!」
懸命にオリンピアの良さを訴えたが受け入れてもらえなかったネウロパストゥムは、「みーんなコッペリアを選ぶんだよなぁ」とふてくされてしまった。
「いいよいいよ、そんなにコッペリアがいいなら持ってけばいいよ」
「え、いや、別にいらな――」
「コッペリアはヒヨッコちゃんにあげる! 結界解くから好きなとこに持ってってよ」
そう言い放つとネウロパストゥムは結界を解いて、「ばーかばーか」と言い残し鉄の扉の向こうへと消えてしまった。
「いったいなんなのよ……」
わけもわからず連れてこられ、わけもわからず置いていかれ。パーウォーは唖然と立ち尽くしていた。
「ヒヨッコちゃん、早くここから逃げた方がいいよ」
ネウロパストゥムが喋っている間ずっと黙っていたコッペリアが口を開いた。
「ヒヨッコって……。そういえば名乗ってなかったわね。ワタシはパーウォー。ヒヨッコちゃん呼びはやめてもらえると嬉しいんだけど」
「わかった。じゃあパーウォー、今すぐここから逃げて」
「逃げてって穏やかじゃないわね。ま、いいけど。コッペリアはどうする? 来る?」
パーウォーの誘いにコッペリアは静かに首を横に振った。
「私は行けない。私がここから出たらオリンピアが追ってくるから。私たちは一対。私がここから動いたら、あの子はどこまでもついてくる。創造主はわざと言っていかなかったけど、そういうことだから」
「なるほど。あの変態、趣味だけじゃなく性格も悪いのね」
コッペリアの警告に従い扉を出すと、パーウォーは振り返った。
「またね」
驚くコッペリアに目配せし微笑むと、パーウォーは紅梅色の扉の中へと消えた。
「……また?」
暗闇の中、コッペリアは表情の変わらない顔で驚きと戸惑いを声に乗せてつぶやいていた。
※ ※ ※ ※
「パーーーウォーーーさまぁぁぁぁ」
「お待たせ、ミドリ」
先ほどの拉致された里はずれに出ると、使い魔のミドリが泣きながらパーウォーに飛びついてきた。慌ててそれを受け止め、パーウォーは改めて辺りを見回す。
「お嬢さんは舞踊がお上手ですね」
真っ先に目に入ってきたのは刃を振り回すオリンピア。そして目に入れたくはなかったのだが入ってきてしまったのは、オリンピアを余裕の笑顔で翻弄している真っ赤な燕尾服の魔法使いの男だった。
「パーウォーさまぁぁぁ! 怖かったですぅぅぅ」
「ええ、わかるわ。ミドリ……何、アレ」
「わかんないですぅぅぅ。なんかいきなりあの人造人間さん連れてきて、ずっと楽しそうに笑ってるんですぅぅぅ」
現状ネウロパストゥムでさえ持て余しているというのに、それ以上に厄介そうな変態の出現にパーウォーは胃と頭が痛くなってきた。
「おや、貴方は?」
赤い変態はオリンピアをくるくるとあしらいながらパーウォーの方へと視線を投げる。
「通りすがりの者です。名乗るほどの者ではありませんので、さようなら」
これ以上変態と知り合いたくないパーウォーは、そそくさと紅梅色の扉を出して逃げる態勢に入った。しかし、そんな嫌がるパーウォーを見逃してくれるほど赤い変態の性格がよいわけはなかった。
「お嬢さん、少々お待ちくださいね。時よ止まれ、汝は美しい!」
赤い変態が固有魔法を発動させた瞬間、オリンピアは硝子の棺に閉じ込められてしまった。棺の中で微動だにしないオリンピアを見て赤い変態は満足そうに微笑むと、今まさに扉をくぐろうとしていたパーウォーの眼前を杖で遮り、その歩みを止めた。
「初めまして、お若い魔法使いさん。私は額装の魔法使いエテルニタスと申します」
髑髏の杖に扉を塞がれ、自己紹介され。逃がしてもらえないと悟り諦めたパーウォーは、扉を消すと観念してエテルニタスに向き合った。
「私はパーウォー。海の魔法使――」
と、そのとき。嫌々名乗っていたパーウォーの自己紹介の声をかき消す絶叫が響き渡った。
「オリンピアーーーー‼」
絶叫と共に現れたのはネウロパストゥムだった。彼は使い魔の機械人形を硝子の棺に全力で突進させる。
「オリンピアの動きが止まったから何事かと思って来てみれば……そこの赤いの、何してくれてんだよ!」
「これは失礼いたしました。とてもかわいらしくて元気なお嬢さんだったのですが、少々元気すぎて私を離してくれなかったもので」
エテルニタスのオリンピアへの評価を聞き、ネウロパストゥムの顔がぱっと笑顔に変わった。ネウロパストゥムは硝子の棺を攻撃する機械人形はそのままに、満面の笑みでエテルニタスのもとへとやってくる。
「きみ、わかってるじゃん」
「彼女を作ったのは貴方ですか? 人造人間に陶器人形のつぎはぎ手足というだけでも非常にそそられるのですが、その足が四本というのがまたいいですね! 呪いの瞳も相まって、とても美しい‼」
「いいね、いいね! きみ、名前は?」
目の前で繰り広げられるふたりの変態の意気投合に、パーウォーはただただ呆気にとられるしかなかった。
「足の欠けたこのコッペリアも好きだけど、でも僕のイチオシはやっぱりオリンピアの方かな。アイツはテオさんに手伝ってもらって作った、僕の新たな挑戦作ってやつなんだ」
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なんだかんだで根は真面目なパーウォー。彼は突然出てきた新たな登場人物の名に律儀につっこんだ。
「テオさんはテオさんだよ」
しかし、相手が悪かった。パーウォーは色々と諦め、今はネウロパストゥムが語るに任せることにした。
「僕は今まで人形を作ってそれに彷徨える魂を入れて自動人形を作ってたんだけど、テオさんが人造人間と疑似魂を提供してくれたおかげでオリンピアっていう新境地を開けたんだ」
「……悪趣味」
「肉と陶器で出来た人形、しかも余ったコッペリアの足も付けちゃったから四本足! それに呪いの瞳も付けちゃった。制御は出来なくなっちゃったけど、僕的には問題なしかな。ちなみに陶器の手足は僕の固有魔法で疑似神経を作って接続してあるんだ。だから元の腕や足と同じように動かせるようになってるし、あと身体には防御の魔術を施してるからオリンピアは鋼でも傷つけられないんだよ!」
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「テオさんって……まさか、揺籃の錬金術師テオフラストゥス?」
「うん。テオさんはすごいんだよ! この世界でたった一人、人造人間を作れる人なんだ」
「でもテオフラストゥスって確か人間で、世界歴以前のおとぎ話で活躍してた……」
そこまで言って、パーウォーは三年前に出会ったひとりの男を思い出した。扉越しに警告してきた、あの謎の気配を持った男を。
「もしかしてだけど、アンタがテオフラストゥスと一緒にこの子たちを作ったのって三年前?」
「うん。あと少しでオリンピアも完成ってとこでヒヨッコちゃんがちょっかいかけてきたんだよ。僕は仕上げで手を離せなかったから、テオさんに注意しに行ってもらったんだ」
ネウロパストゥムの言葉でパーウォーは確信した。三年前、扉越しに警告してきた謎の男、それが伝説の揺籃の錬金術師だと。
「アンタ、そのテオさんとまだ手を組んでるの?」
「ううん。この子たち作り終わったらどっか行っちゃった。なんかやることあって忙しいんだって」
いくら面倒見のいいパーウォーといえど変態はひとりでも荷が重いと感じていたので、テオフラストゥスの不在には心底ほっとした。
「ねえねえ。ところでさ、ヒヨッコちゃんはオリンピアとコッペリア、どっちがいいと思う?」
「……は?」
「やっぱさ、製作者としては他の人の意見も気になるんだよね。ねえ、ヒヨッコちゃんはどっち派?」
正直、パーウォーはどちらもかわいそうだと思っていたので、どちらが好きかなどかけらも考えていなかった。
「どっち派っていうか、アンタの趣味の悪さにはついていけ――」
「ねえ、どっち?」
「だから――」
「どっち?」
――これ、答えないと永遠に解放してもらえないやつじゃない。
「…………コッペリア」
しつこいネウロパストゥムから逃れるため、パーウォーは消去法でコッペリアを選んだ。
「ヒヨッコちゃんもコッペリア派か~。そうだよね、この子持ってればお金持ちになれるもんね」
「違うわよ! この子は話しができるから。そもそもオリンピアの方は、話すどころか出会ったら問答無用で殺しに来るじゃない」
「そこがかわいいとこなのに。それに足が四本あるんだよ! カッコいいでしょ!!」
懸命にオリンピアの良さを訴えたが受け入れてもらえなかったネウロパストゥムは、「みーんなコッペリアを選ぶんだよなぁ」とふてくされてしまった。
「いいよいいよ、そんなにコッペリアがいいなら持ってけばいいよ」
「え、いや、別にいらな――」
「コッペリアはヒヨッコちゃんにあげる! 結界解くから好きなとこに持ってってよ」
そう言い放つとネウロパストゥムは結界を解いて、「ばーかばーか」と言い残し鉄の扉の向こうへと消えてしまった。
「いったいなんなのよ……」
わけもわからず連れてこられ、わけもわからず置いていかれ。パーウォーは唖然と立ち尽くしていた。
「ヒヨッコちゃん、早くここから逃げた方がいいよ」
ネウロパストゥムが喋っている間ずっと黙っていたコッペリアが口を開いた。
「ヒヨッコって……。そういえば名乗ってなかったわね。ワタシはパーウォー。ヒヨッコちゃん呼びはやめてもらえると嬉しいんだけど」
「わかった。じゃあパーウォー、今すぐここから逃げて」
「逃げてって穏やかじゃないわね。ま、いいけど。コッペリアはどうする? 来る?」
パーウォーの誘いにコッペリアは静かに首を横に振った。
「私は行けない。私がここから出たらオリンピアが追ってくるから。私たちは一対。私がここから動いたら、あの子はどこまでもついてくる。創造主はわざと言っていかなかったけど、そういうことだから」
「なるほど。あの変態、趣味だけじゃなく性格も悪いのね」
コッペリアの警告に従い扉を出すと、パーウォーは振り返った。
「またね」
驚くコッペリアに目配せし微笑むと、パーウォーは紅梅色の扉の中へと消えた。
「……また?」
暗闇の中、コッペリアは表情の変わらない顔で驚きと戸惑いを声に乗せてつぶやいていた。
※ ※ ※ ※
「パーーーウォーーーさまぁぁぁぁ」
「お待たせ、ミドリ」
先ほどの拉致された里はずれに出ると、使い魔のミドリが泣きながらパーウォーに飛びついてきた。慌ててそれを受け止め、パーウォーは改めて辺りを見回す。
「お嬢さんは舞踊がお上手ですね」
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「パーウォーさまぁぁぁ! 怖かったですぅぅぅ」
「ええ、わかるわ。ミドリ……何、アレ」
「わかんないですぅぅぅ。なんかいきなりあの人造人間さん連れてきて、ずっと楽しそうに笑ってるんですぅぅぅ」
現状ネウロパストゥムでさえ持て余しているというのに、それ以上に厄介そうな変態の出現にパーウォーは胃と頭が痛くなってきた。
「おや、貴方は?」
赤い変態はオリンピアをくるくるとあしらいながらパーウォーの方へと視線を投げる。
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「お嬢さん、少々お待ちくださいね。時よ止まれ、汝は美しい!」
赤い変態が固有魔法を発動させた瞬間、オリンピアは硝子の棺に閉じ込められてしまった。棺の中で微動だにしないオリンピアを見て赤い変態は満足そうに微笑むと、今まさに扉をくぐろうとしていたパーウォーの眼前を杖で遮り、その歩みを止めた。
「初めまして、お若い魔法使いさん。私は額装の魔法使いエテルニタスと申します」
髑髏の杖に扉を塞がれ、自己紹介され。逃がしてもらえないと悟り諦めたパーウォーは、扉を消すと観念してエテルニタスに向き合った。
「私はパーウォー。海の魔法使――」
と、そのとき。嫌々名乗っていたパーウォーの自己紹介の声をかき消す絶叫が響き渡った。
「オリンピアーーーー‼」
絶叫と共に現れたのはネウロパストゥムだった。彼は使い魔の機械人形を硝子の棺に全力で突進させる。
「オリンピアの動きが止まったから何事かと思って来てみれば……そこの赤いの、何してくれてんだよ!」
「これは失礼いたしました。とてもかわいらしくて元気なお嬢さんだったのですが、少々元気すぎて私を離してくれなかったもので」
エテルニタスのオリンピアへの評価を聞き、ネウロパストゥムの顔がぱっと笑顔に変わった。ネウロパストゥムは硝子の棺を攻撃する機械人形はそのままに、満面の笑みでエテルニタスのもとへとやってくる。
「きみ、わかってるじゃん」
「彼女を作ったのは貴方ですか? 人造人間に陶器人形のつぎはぎ手足というだけでも非常にそそられるのですが、その足が四本というのがまたいいですね! 呪いの瞳も相まって、とても美しい‼」
「いいね、いいね! きみ、名前は?」
目の前で繰り広げられるふたりの変態の意気投合に、パーウォーはただただ呆気にとられるしかなかった。
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